これまでの検討委員会における委員意見を最終的に取りまとめた、資料2「国営平城宮跡歴史公園第一次大極殿院建造物復原整備計画(案)」が提示され、前回の検討委員会で示された内容について追加・変更のあった部分を中心に、今後の基本設計に向けての留意事項となる復原整備の方針の説明が行われた。
「材料・工法」について、各委員より次のような意見があった。
- 5頁の二重囲みの最初の○印の文章は、末尾に記されている「できる限り伝統的なものを用いることとする。」を冒頭に記し、伝統材料・工法で復原することが第一義であるとする文章とすべきである。
- また、それ以降の各●印の項目については、伝統材料・工法以外を用いる場合を記していることを明確にした上で、優先度の高い「遺構の養生」、「利用者の安全確保」、最後に「予算上の問題」の順番に整理して記すべきである。
- 6頁の●印にある「各建物について耐震補強を行う」については、あくまで復原建物の耐震性能が不足している場合にその分だけの補強を加えるのであるから、「必要に応じ」との語句を付すべきである。
これらの意見に対し、事務局より次のように回答した。
- 材料・工法の文章及び構成については、ご指摘のとおり修正を行う。
「利活用、管理・運営に伴う施設の設置」について、各委員より次のような質問・意見があった。
- 南面には管理用柵が設けられていないが、どのように防犯管理するのか。
- 北東のスロープだけが他のスロープと向きが違うが、既設のスロープを利用しているためか。
- 斜路部分の身障者用通路と亀腹との摺り合わせは問題ないのか。
- 警備員・ボランティア詰所を回廊に設置するとあるが、既存の管理棟を使用するということはないのか。
- 展示を予定している西楼などについて、空調を設けてガラス等で囲む考えはあるのか。
これらの意見に対し、事務局より次のように回答した。
- 南面は当面、警備員による防犯管理で様子を見ることを考えている。
- 北東のスロープはトイレ等にアクセスする既設のスロープを図示している。
- 亀腹がどのような形状となるかが未決定である現時点においては、身障者用通路は目立たないよう広場の一番外側に設置することを考えて、亀腹に摺りつくように図示しているが、今後の設計において詳細な検討を行い、検討委員会で確認を得ていく考えである。
- 警備員詰所については、宮跡全体の警備をどのようにしていくか検討した上で、所有者である文化庁とも協議しながら、既存の管理棟を使用するか、他に新設するかを検討していく。一方、ボランティア詰所については、利用者の主要動線が南側からのアプローチとなるため、何らかの施設は必要であると考えている。
- 展示スペースや詰所については、空調が必要となることも想定している。その場合でも、復原建物自体は改造することなく、施設を付加する形でガラス等により囲むことを検討していく。
その他、各委員より次のような質問・意見があった。
- 各所にあるセン積壇の「セン」、れき敷きの「れき」の表記は、文献等では漢字表記が定着しているのでそのようにし、ルビを付してはどうか。
- 9頁にある東・西楼の図面は最新のものを使用するべきである。
- 15頁のイメージ図には後殿の設置スペースがないように見えるが、北面回廊の位置は正しいのか。
- 同じくイメージ図の脇門に鴟尾が描かれているが正しいのか。
最後の質問に対しては奈良文化財研究所より、その他の質問・意見に対しては事務局より次のように回答した。
- 漢字表記とし、ルビを付すように修正する。
- 復原原案が決定していない状況であり、その旨をお断りした上で、検討中の最新の図面に差し替えることを検討する。
- イメージ図は後殿が描かれた既存のイメージパースを基に作成しているので、北面回廊の位置に誤りはない。
- 本地区では脇門に限らず鴟尾の遺物は発見されていないので、鴟尾の有無については今後検討していく予定である。
以上の意見をもとに資料修正を行い、委員長一任により最終確認がなされることを条件として、復原整備計画を確定させることが了承された。