寺内町四季物語2011冬 寺内町かいわい新春・初鍋めぐり
歴史ある美しいまちをみんなで守る

2011年1月10日、大阪府富田林市寺内町界隈で「寺内町四季物語2011冬 寺内町かいわい新春・初鍋めぐり」が開催されました。
富田林寺内町は、近鉄長野線「富田林駅」の南側に位置。16世紀中頃、京都興正寺の証秀上人が基礎を築き、江戸時代には商業地として発展したまちです。現在も当時の面影を残す商家や町家が多数残り、大阪府で唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

貴重な文化遺産である寺内町を含む富田林駅南地区に、まちづくり協議会が設立されたのは今から3年前のこと。住民の高齢化が進んで歴史ある建物が空き家のままだったり、隣接する駅周辺の商店街にも空き店舗が目立ち始めていたことから、地域の課題を地域で考えていこうと発足。住民や商業者が一緒になって、「賑わい」と「おちつき」のあるまちを目指す活動を進めています。

季節ごとに年4回開催している「寺内町四季物語」もその一環です。冬は、おいしい鍋料理を味わってもらいながらまちを散策してもらおうと「新春・初鍋めぐり」を実施。今回で3回目になりました。富田林駅南地区まちづくり協議会会長の橋川光司さんは「地域の住民や団体、お店が参加して、20種類ほどの鍋を作っています。100円から500円で食べられるとあって、毎年好評のイベントです。食べて、歩いて、富田林寺内町ならではの魅力に触れてほしいですね」と話します。

寺内町内に設けられ、まちづくり活動の拠点となっている「じないまち交流館」では、住民で組織する「富田林寺内町をまもり・そだてる会」が地元の素材をふんだんに使ったぼたん鍋を用意。午前11時の開始前からたくさんの人が詰めかけて、館内のテーブルはすぐにいっぱいになりました。

手作りのおいしさに心までほっこり

寺内町内の空き家再生第一号として古いみりん醸造蔵を改装し、3つの店がオープンした「紅梅蔵」では、石窯で煮込んだ野菜鍋が大人気。訪れた人は庭や店先で、器に盛られたたっぷりの野菜に舌鼓を打っていました。

同じく町屋を改装した、交流館向かいの「八町茶屋」でも自慢のぜんざいが人気を集めました。落ち着いた風情を醸す店内でいただく甘味はまた格別。
隣り合った人や店の人との会話も弾みます。「毎年楽しみにしている」と、家族や友人と鍋めぐりを楽しんでいた人が大勢いました。

歴史の趣を味わうひととき

通常は有料で公開されている江戸時代の町家「勝間家住宅」では、冬瓜のあんかけが300円で振る舞われました。ボランティアガイドとして活動してきた地元住民による「つゆの会」が手作りの味を伝えようと奮闘。お椀いっぱいのおいしい冬瓜を住宅内の一室で味えるとあって、次々に注文が入りました。

「料理と勝間家住宅の両方をゆっくり楽しんでもらえれば、うれしいです」とつゆの会の京谷ゆい子さん。時間をかけて住宅を見学した後、冬瓜を味わった観光客の女性は「タイムスリップしたみたいですね」とにっこり。古い建物だけが持つ重厚なたたずまいに魅せられた人は少なくなかったようです。

多彩な鍋に笑顔が集う

そのほかにも、本場韓国の豆腐チゲや有機野菜を使ったかす汁、一風変わったカレーすいとんなど、町内はこの日一日、一つひとつの鍋料理からあふれる温かな匂いに包まれました。

町家を活用したシェアハウスも会場に早変わり。普段は住人の居間として使っている広い和室を開放し、白味噌仕立ての和風シチューを販売しました。調理に接客にと忙しくしていた住人の兼田久美子さんは、「いつもは3人の住人が一緒に住んでいる家。この日は一般の方にも開放して、来てくれた人とのふれあいを楽しんでいます」と話してくれました。

兼田さんらもてなす側も、まちをぶらぶら歩きながら好みの鍋を味わう側もとびきりの笑顔。心温まる風景が寺内町いっぱいに広がりました。

戎神社参拝やスタンプラリーも

まちの一角にある富栄戎神社も、本えびすの真っ最中とあって大いに賑わっていました。初鍋めぐりがこの日に開催されるようになって、参拝する人も増えたといいます。「商売繁盛で笹持って来い」のかけ声を背景に、神社でも甘酒やぜんざい、コーヒーが提供されました。

イベント会場では、鍋をはしごしてスタンプを集めるスタンプラリーも開催。3種類以上の鍋を食べてスタンプがたまれば抽選会に参加できるとあって、こちらも好評でした。抽選会では、富田林の特産品などさまざまな賞品をプレゼント。ここでも、訪れた人のうれしい笑顔が弾けていました。

早々に売り切れた鍋もあり、今年も好評のうちに終了した初鍋めぐり。「春には街角をお雛様で飾り、夏には行灯を並べるイベントを開催しています。富田林寺内町ならではの四季折々の良さをゆっくり見て回ってもらいたい」とまちづくり協議会会長の橋川さん。「歴史に彩られた静かな住宅地である寺内町の表情と、南河内の商業の中心として発展してきた駅前の表情。一見相反する地域の特性を生かしたまちづくりをこれからもみんなの力で進めたいですね」。

まちを愛する人が集って地域の魅力を掘り起こし、広く発信しつつ未来へつなぐ取り組みが富田林寺内町を中心とする富田林駅南地区で続いています。

インフォメーション

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「新たな公」によるコミュニティ創生支援モデル事業

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