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紀の川河川事業概要



○紀の川は日本の中でも最多雨地帯として知られる大台ヶ原から始まり、支川を集めながら中央構造線に沿って流れ紀伊水道に注ぐ流域面積1,750km2、幹線流路延長136kmの一級河川です。
 その流域は、上流は奈良県、下流は和歌山県にまたがり、和歌山市や橋本市、五條市など吉野・紀北地方の社会・経済・文化の基盤をなしています。
 和歌山河川国道事務所は紀の川の河口から奈良県五條市の栄山寺橋までの62.4kmと支川貴志川の紀の川合流地点から紀の川市貴志川町の諸井橋までの6.0kmの区間を管理しています。


 

○事業の概要
 紀の川流域は台風の影響を受けやすく、特に源流の大台ヶ原一帯では南の湿った風の影響を受けるため、雨が多く洪水が発生しやすい。また、紀の川中上流部では、無堤部や狭窄部が点在しており、流下能力が不足しています。
無堤部対策や狭窄部対策を行うことにより流域の洪水に対する安全度を高め、安全で安心して暮らせる社会の形成を図ります。また、内水氾濫対策として支川の改修とあわせて合流部の対策を行います。

○平成26年度の実施概要
・七瀬川(和歌山市)の合流点処理(鴨居樋門)を推進します。(平成26年度完成予定)
・野原西地区及び二見地区(五條市)の無堤部対策(築堤護岸、用地取得)を推進します。
・九度山地区(九度山町)の無堤部対策(用地取得)を推進します。
・和歌山市、かつらぎ町、橋本市の堤防強化対策(断面拡幅等)を実施します。
・岩出狭窄部対策(岩出市)の検討を推進します。
・緊急河川敷道路橋梁(和歌山市)の耐震対策を実施します。
堤防強化対策(断面拡幅)  七瀬川の改修状況





○事業の概要
 紀の川大堰は、河口から約6.2kmの地点に設置した可動堰であり、新六ヶ井堰(固定堰)を部分撤去し、紀の川下流地域の洪水被害の解消を図り、現在上・工水や農業用水の安定取水を確保するとともに新たに河川環境保全のための維持流量や大阪府営水道に対する水道用水の供給を図る目的で建設事業を進めています。
 昭和62年度に建設着手し、平成14年度までに堰本体及び管理設備等を完成させて、平成15年度にゲートの運用(暫定)を開始しました。また関連工事として、JR阪和線の橋梁架替工事を平成16年度に現地着手し、平成21年3月にJR阪和線橋梁の新橋へ切換ました。また、洪水を安全に流すために河川の掘削工事を平成17年度に、新六ヶ井堰撤去工事を平成20年度に着手し、平成23年3月に完成しました。

紀の川大堰周辺の状況



◇水環境整備◇
○事業の概要
 和歌山市内を流れる内川(和歌川・市堀川・真田堀川・有本川・大門川)は工業排水や都市化による排水により水質が著しく低下しており、水質環境基準を満足するため、清流ルネッサンス21計画に基づき浄化事業を行っています。平成12年より有本川へ導水を開始した結果、環境基準を満足するようになりました。今後も引き続き大門川の水質改善に向けて和歌山県による浚渫事業、和歌山市による下水道整備事業との三者連携・協力を図り浄化事業を図ります。

有  本  川  導  水  に  よ  る  効  果


○平成26年度の実施概要
  ・大門川への導水のための調査、検討を実施します。


○事業の概要
 堤防、護岸等の河川管理施設の機能を安全確実に発揮させるために、施設の巡視、点検整備、維持修繕を行います。また、水質調査を継続実施するとともに、水質の常時監視や緊急時の措置等を行います。

○平成26年度の実施概要
・紀の川・貴志川(大臣管理区間)の堤防点検(除草)と塵埃除去を実施します。
・樋門・樋管等の操作・点検整備を実施します。(117樋門・樋管、3陸閘)
・水質の自動監視を船戸地点及び五條地点で実施します。
・水質の定期調査を10地点(環境基準地点4ヵ所、一般地点6ヵ所)で実施します。
・堤防除草の刈草は堆肥や腐葉土化して有効利用します。

 堤防除草の刈草は、これまで乾燥後に焼却処分を行ってきましたが、焼却煙害や焼却による炭酸ガスの抑制等、地球環境保全や資源の有効活用を目的に平成11年度から草刈で堆肥の腐葉土を作り、無料で畑地や果樹園等へ利用してもらっています。
除草作業 堆肥化作業

梱包化 堆肥化
 
紀の川における河川維持管理について、詳しくはこちら→
 



◇危機管理◇
洪水予報
紀の川本川において洪水のおそれがあると認められるときは、和歌山地方気象台及び奈良地方気象台と協議の上、紀の川洪水予報の共同発表を行い、その状況や予測される水位を奈良県と和歌山県に通知するとともに、必要に応じて報道機関等の協力を求めてこれを一般に周知します。
洪水予報の基準点は、五條、三谷、船戸の各水位観測所です。

避難判断水位
紀の川支川貴志川において平成17年に、紀の川本川においては平成18年に「避難判断水位」を設定しました。基準観測所の水位が避難判断水位に達した場合、その旨を奈良県と和歌山県に通知するとともに、必要に応じて報道機関等の協力を求めてこれを一般に周知します。
基準観測所は、紀の川本川では五條、三谷、船戸の各水位観測所、貴志川では貴志水位観測所です。

水防警報
紀の川本川及び紀の川支川貴志川の沿川において、洪水により国民経済上重大な損害を生じるおそれがあり水防活動の必要があると認めた場合、奈良県と和歌山県の知事に対して水防警報を通知します。
水防警報の対象水位観測所は 五條、三谷、船戸、貴志の各水位観測所です。


紀の川洪水予報・水防警報実施区域及び対象水位観測位置図
 



◇和歌山河川国道事務所が実施する災害対策に関する取り組み◇
平成16年の全国各地での災害の多発を受け国土交通省では平成16年12月10日に「豪雨災害対策緊急アクションプラン」をとりまとめました。
  また、平成17年7月には、「豪雨災害対策緊急アクションプラン」を踏まえた水防法の改正が行われ、改正水防法では、地域の水災防止力の向上を図るために、浸水想定区域を指定する河川の範囲の拡大、中小河川における洪水情報等の提供の充実などが新たに定められました。

「豪雨災害対策緊急アクションプラン」に基づき、洪水ハザードマップの作成等の自治体支援体制の強化と情報共有化をはかるため、「災害情報普及支援室」を設置し、自治体の災害対策の支援を行うとともに、「堤防の点検と強化対策の計画的推進」について重点的に実施しています。









災害情報普及支援室とは
 平成16年の水害では、全国で多くの人命や財産が被災されたことを受け、自治体の災害対策を支援するため、平成17年2月28日に設置しました。
主な役割として、洪水ハザードマップ(浸水する場所や洪水の際の避難経路・避難場所等を示した地図)の作成に関する市町への技術的支援と、防災機関である気象台、和歌山県、奈良県及び沿川市町等により構成する「災害情報協議会」を通じて、防災情報の共有化を図り、住民の皆様へ防災情報の普及や啓発活動に取り組みます。

災害情報普及支援室について、詳しくはこちら→


★ハザードマップの作成事例

(ハザードマップの事例:かつらぎ町)


堤防の点検と強化対策の計画的推進
和歌山河川国道事務所では、「河川堤防の浸透に対する安全性を確保するための詳細点検」を実施しているところであり、和歌山河川国道事務所が管理する紀の川の直轄河川管理区間については、平成19年度に概略点検を完了し、現在詳細点検を実施しています。
今後、詳細点検の結果に基いて、関係防災機関等との連携を図りながら水防活動に役立てるとともに、無堤部対策等の河川整備(量的整備)ともバランスを図りながら、浸透に対する安全性が不足する箇所の対策(質的整備)を進めていきます。



 平成24年12月5日、河川法に基づき「紀の川水系河川整備計画」を策定しました。
 本計画は、今後、概ね30年間における紀の川の整備目標や進め方などを具体的に示し、戦後最大洪水による災害の防止等の治水対策をはじめ、地震・津波、環境・利水などへの取り組みをまとめております。
 また、この計画は、学識経験者らで構成される「紀の川流域委員会」(委員長・中川博次京都大学名誉教授)のもと、関係住民等の意見を反映しつつ、策定しました。
 今後は、この計画に基づき、狭窄部対策や堤防未整備箇所の整備などを推進するとともに、計画策定時に関係機関から頂いた洪水被害軽減等のための意見を踏まえつつ、河川整備を実施します。

○計画の対象区間
 対象区間:国管理区間 紀の川62.4km、貴志川6.0km 、大滝ダム管理区間 20.3km

○治水
 戦後最大洪水(昭和34年9月伊勢湾台風)による災害の防止及び被害の軽減
  ・3箇所の狭窄部対策(岩出、藤崎、小田)
  ・6地区の堤防未整備箇所の整備
  ・土砂堆積箇所等の河道掘削、樹木伐採
  ・支川対策

○地震・津波
 東海・東南海・南海地震などを想定した耐震対策や津波対策等の実施
  ・堤防、堰、樋門等の耐震対策
  ・津波遡上に備えた施設の補強、遠隔操作システムの充実
  ・緊急用河川敷道路の整備

○環境
 紀の川の自然環境、河川景観の継承等に住民、関係機関一体となって取り組む。
  ・汽水域、干潟、ワンド、たまり、瀬・淵、ヨシ原等の自然環境の保全、外来種対策
  ・生物移動の連続性の確保
  ・和歌山市内河川も含めた水質保全

○利水
 紀の川の水循環の把握、効率的な水運用

○維持管理
 河道流下断面の確保と施設の機能維持




・破損や老朽化した樋門については点検結果に基づき計画的に樋門補修を実施します。
 



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