環流

琵琶湖に流れ込んだ水は湖南部の瀬田川と疏水から流出するので、湖水は原則として北から南へと流れていきます。しかし琵琶湖のように大きな湖では、水の流れ方は決して単純ではありません。北湖では環流とよばれるうず状の流れが知られています。北湖の環流は地形や風の影響でできると考えられ、大きなものが3つあります。南湖でも南風が強いと、不安定ながら環流が発生します。

さまざまな水理現象

北湖の3つの環流のうち一番北にあり、最も安定している第1環流は反時計回り、真中の第2環流は時計回り、南の第3環流は反時計回りに流れています。必ずしも3つがいつも同時に現れているわけではなく、風の方向や強さなどによって強さや位置は変化します。環流の速さもその時々で変化しますが、第1環流は毎秒10cmほどで、ほぼ一定しています。

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交流

交流は、南湖の水と北湖の水がおたがいに出入りして混じりあう現象です。琵琶湖の水は原則として北から南へと流れ、北湖の水が南湖に入り込む形になっていますが、ある条件のもとでは、南湖の水が北湖に逆流して交流が起こります。交流は、今日では特に、南湖の汚れた水が北湖に入り込む原因として、環境問題の側面から注目されています。

琵琶湖大橋付近の冬期の水温分布

左の図に示すように、秋から冬にかけて、小さくて浅い南湖は北湖より早く冷たくなります。すると、密度の大きくなった南湖の低温水は、湖底に沿って北湖に逆流します。これが密度流で冷え込みの2〜3日後に発生し、数日間持続します。
上のグラフは、琵琶湖大橋で琵琶湖の流速を観測したものです。中心軸より左側は北湖への流出(逆流)を、右側は南湖への流入(順流)を表しています。表面では北湖から南湖へ流れていても、底では逆に南湖から北湖へ流れていることがわかります。この交流の原因は密度流と考えられます。

冬期の密度流

右のグラフは、琵琶湖大橋で琵琶湖の流速を観測したものです。中心軸より左側は北湖への流出(逆流)を、右側は南湖への流入(順流)を表しています。表面では北湖から南湖へ流れていても、底では逆に南湖から北湖へ流れていることがわかります。この交流の原因は密度流と考えられます。

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南湖・北湖交流の季節変動特性

南・北湖交流量の季節変動

右のグラフは琵琶湖大橋で観測した1年間の交流量を表した一つの例です。南・北湖水の交流は季節的な変動もあることがわかります。この年は、年間で約21%が逆流しています。

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