明治29年(1896年)9月に琵琶湖流域で発生した洪水は、記録的なものでした。記録によると、琵琶湖周辺にあるほとんどの市町村が浸水による被害を被り、その期間は237日の長期にわたったとされています。
この大水害は、9月3日から12日の10日間に、1,008mmという滋賀県の年間雨量約1,900mmの半分以上に匹敵する雨が降り、特に7日は1日で597mmという大豪雨が発生したことによるものです。そのため琵琶湖の水位がプラス3.76mまで急上昇し、周辺地域に大洪水をもたらしたのでした。
この大水害を後世に語り継ぐために洪水位を記録した石標や痕跡が今もなお各地に残されており、これらを訪ねることによって、洪水の激しさや恐ろしさを知ることができます。