洗堰・水位管理に関するお問い合わせと回答

項目内容
問い合わせ日平成18年6月16日
住所(府県)大阪府
タイトル制限水位の設定に関する疑問
問い合わせ内容

雨量の多い時期の制限水位を-20cmに設定していますが、夏季の水不足に備えて、設定値を見直すべきです。(昨年の四国のようにならないように)近年は気象予報も発達しており、直近の降水量の予測は正確になっていると判断します。よって、増水によるリスクが高くなりそうな状況になれば、予測に応じた水量調整をすればよいのです。毎年、夏になると琵琶湖の水位が低下して、節水が必要になるリスクが生じています。(雨量の多い年もありますが)現在の設定では増水のリスクはほとんどなく、水不足のリスクは非常に高いと判断しています。大災害になっては困りますが、近年の気象予測の精度と水不足のリスクを考えると、現在の制限水位の設定を疑問に感じています。一度、決めたものを変更できないような、役所の考えをせずに、一考をお願いします。

回答日平成18年6月26日
回答

お問い合わせいただきありがとうございます。

以下のとおり、回答いたします。

梅雨期にはあらかじめ水位を下げておりますが、次の様なことを考慮しております。

琵琶湖に流入する河川は約120本あるのに対し、流出する河川は瀬田川だけです。大雨が降ると琵琶湖への流入が多く(例えばM29年大洪水時のピーク時には約20,000m³/sec)これに対し瀬田川の放流量は小さいため(琵琶湖水位0cmで約700m³/sec)琵琶湖の水位は必然的に上昇し琵琶湖沿岸が浸水することになります。

また、一度水位が上がれば流出する量が小さいため、下げるのに長時間かかります。短期の降水量予測については、雨が降る・降らないの天気予報は精度が高くなっていますが、降雨が何ミリ降るという精度はまだまだ十分なものとなっていません。

さらに、長期になると極端に精度は下がります。このため、現在においてもあらかじめ水位を下げておき琵琶湖沿岸の浸水被害を軽減します。

洗堰では、洪水時には琵琶湖沿岸の浸水被害の軽減と下流(京都府域・大阪府域等)への流出量の制限をする働きをもっています。

なお、現在の制限水位は、平成4年3月制定の瀬田川洗堰操作規則で定められており、規則の制定にあたっては、関係府県知事の意見聴取が行われています。

洪水のリスクと渇水のリスクを考えた場合、現状の降雨予測精度では、制限水位を上げるまでにはいたっておりません。

返答日平成18年6月26日
タイトル制限水位の設定に関する疑問
返答どうもお手数でした。了解しました。