洗堰・水位管理に関するお問い合わせと回答

項目内容
問い合わせ日平成18年7月30日
住所(府県)奈良県
タイトル琵琶湖の水位
問い合わせ内容

真夏の渇水期のことを思えば、琵琶湖の水位は梅雨明けには+50センチ程度(7月22日の水位)にしておけばいいのに、なぜマイナスに段々近づけるのか教えてください。

回答日平成18年8月7日
回答

琵琶湖河川事務所です。回答が大変遅くなり申し訳ありませんでした。

ご質問に対して回答致します。

琵琶湖に流入する河川は約120本あるのに対し、流出する河川は瀬田川だけです。梅雨期や台風期に大雨が降ると琵琶湖への流入量が多く(例えば明治29年大洪水時のピーク時には約20,000m³/s)これに対し瀬田川の放流量は小さいため(琵琶湖水位0cmで約700m³/s)琵琶湖の水位は必然的に上昇し琵琶湖沿岸が浸水することになります。また、一度水位が上がれば流出する量が小さいため、下げるのに長時間かかります。

このため、あらかじめ琵琶湖の水位を下げておくことにより、琵琶湖周辺の浸水被害を軽減することとしています。このように、梅雨期や台風期に水位をあらかじめ下げておく水位を制限水位と言います。琵琶湖の制限水位は、梅雨や夏季の台風期の6月16日から8月31日までを-20cmとし、また、台風期から秋雨前線の9月1日から10月15日までは-30cmとしています。

今回の梅雨前線による降雨は、琵琶湖流域で約300mmとなり、7月17日に-13cmであった琵琶湖水位は、7月22日に+50cmとなりました。この間、瀬田川洗堰は琵琶湖周辺の洪水を防御するため、7月18日から8月1日まで全開放流を実施しました。8月1日には琵琶湖水位が-8cmとなり放流量を250m³/sに減量し、8月3日には琵琶湖水位が-16cmとなり放流量を100m³/sに減量しています。

今回の降雨による水位上昇により、琵琶湖周辺では内水被害軽減のため内水排除ポンプの運転を実施したと聞いています。

なお、-20cm以下となった場合、下流での必要量を放流し、琵琶湖の水位維持を図ることとしています。

洗堰では、洪水時には琵琶湖沿岸の浸水被害の軽減と下流(京都府域、大阪府域等)への流出量の制限をする働きをもっています。

なお、現在の制限水位は、平成4年3月制定の瀬田川洗堰操作規則で定められており、規則の制定にあたっては、関係府県知事の意見徴収が行われています。

返答日平成18年8月7日
タイトル琵琶湖の水位について
返答

ご回答ありがとうございます。理解できました。

しかし年によっては琵琶湖の水位マイナス90センチとか100センチとかになって、プールは禁止、車の洗車も禁止と言うことがあります。近年の少雨傾向からすると真夏を迎えた制限水位をせめてプラスにしておいて下さると、我々も安心して水を使えるのですがいかがですか。そのような考え方は琵琶湖河川事務所にはないのでしょうか。

回答日平成18年8月17日
回答

瀬田川洗堰は、琵琶湖周辺の洪水防御、琵琶湖の水位維持、洗堰下流淀川の洪水流量の低減及び流水の正常な機能の維持並びに水道用水及び工業用水の供給をその用途としています。

その操作については、平成4年3月制定の瀬田川洗堰操作規則で定められており、規則の制定にあたっては、関係行政機関への協議と関係府県知事への意見聴取が行なわれています。

瀬田川洗堰の操作の権限は琵琶湖河川事務所長にありますが、あくまで操作規則に副った操作で、制限水位を変える等の権限はありません。

瀬田川洗堰は、治水・利水・環境の面から琵琶湖の水位を管理しています。渇水のことを考えると水位は高い方が望ましく、洪水を考えると低い方と、相反する事柄の対応が必要です。

この相反する事柄に対応するため、琵琶湖開発事業が昭和47年度から平成3年度までの20年間で実施されました。この事業の完成を受け平成4年3月に瀬田川洗堰操作規則が制定されました。