環境、水質に関するお問い合わせと回答

項目内容
問い合わせ日平成18年5月28日
住所(府県)兵庫県
タイトル本末転倒が趣味ですか?
問い合わせ内容

水中せきに拠って、外来種の遡上を妨害する旨の記事を読みました。

昔の、人と自然が共存出来ていた時代の川には、堰(ゴ口タや岩、浅瀬、荒瀬)やたまり(三日月湖・逆ワンド)等が有り、沢山の水田(低農薬)に自由に行きき出来る水路(非コンクリ)が繋がり、日本独自の河川環境に応じて進化したコイ科フナ科を初めとした魚類、甲殻類、昆虫類、両性類等が溢れるほどに住んでいた事でしょう。

其処に外来種と呼ばれる者達が(細々と生きていく事は出来ても)大繁殖する余地等は無かった筈です。人に例えても日本的な文化文明の無い国や環境に一人放り出されて、生活と繁栄を充実させ天寿をまっとうする事が如何に困難か容易に想像出来るでしょう。

自身達の無謀で無計画で欲深い土木環境開発の間違いに目を背け、物言わぬ生き物達に責任を押し付ける様なやり方に反省と後悔を見出す頃合いかと思います。

今の、水田や水路との繋がりが消え、只の下水道と化した河川で、下手な堰を増やせば、在来種にとって更なる生活と繁殖の障害となるのは間違いないのは小学生でも判る事であり、更に、逃げ道的に「たまり」を作ったんでは、結局外来種もその「たまり」で休めば、水中せきを難なく超えるでしょうし、「在来種の集まる堰手前のたまり」であるならば、外来種を初めとした魚食魚の格好の餌場となるのは至極当然です。

まともな検証や下調べも無く、駆除対象として自ら掲げるブラックバスの為の餌場を作るつもりなのでしょうか?それともこの様な幼稚なアイデアの積み重ねで、本当に在来種を含めた環境保全が出来るとお思いですか?

我々の苦しい生活では、税金とは言え「小学生の夏休み研究」の為にお金を捻出する余裕は有りません!血税を使って仕事をするなら、せめて高校生並みの生物自然科学知識を勉強してからにして貰いたいと思います。

回答日平成18年6月13日
回答

琵琶湖河川事務所です。回答が大変遅くなりましたことお詫び申し上げます。

お問い合わせの件について以下のとおり回答いたします。

琵琶湖の中でブラックバスやブルーギルなどの侵略的外来魚が繁殖し、琵琶湖固有の魚たちへの被害が深刻化しています。現在、環境省・農林水産省などの各機関が侵略的外来魚の駆除への取り組みを強化していますが、十分な効果が上がっていない状況です。

国土交通省琵琶湖河川事務所では、琵琶湖の水位変動が与える生態系への影響を最小限にするために瀬田川洗堰の操作方法について試行を実施するなど琵琶湖の環境改善のための様々な取り組みを実施しています。こうした中で、侵略的外来魚の影響も無視することができないことから実験を行っています。実験は、侵略的外来魚と在来魚の生理的な好き嫌いの違いを調査して棲み分けを行うため、堰、光、音などの刺激を与え、刺激に対する反応の違いを研究するものです。

【堰実験の目的について】

元来琵琶湖に生息するコイ科魚類などは、春先の産卵期に雨による増水に合わせて琵琶湖から周辺の水路、更に田んぼに遡上して産卵を行う習性があるといわれています。

これに対して、侵略的外来魚の代表的なオオクチバスやブルーギルは、通常生息する場所や産卵場所全般に静水域を好むといわれていますが、河川においても多く見られているとの報告もあり、実際の生息域はわかっていません。

この関係を調べると共に、堰に対する在来魚と侵略的外来魚の動きの違いを求めることにより、在来魚と侵略的外来魚の棲み分けを行うための基礎的な知見を得ることを目的にしております。

【堰実験の方法と結果について】

実験の方法は新聞の報道にあったとおり、単純な水路に様々な流速と堰の高さを変化させながら、オオクチバスとブルーギルの状況を把握するものです。

内容の詳細は、琵琶湖河川事務所Webぺージ(以下参照)をご覧下さい。

http://www.biwakokasen.go.jp/others/specialistconference/wg/pdf6/data4-1.pdf

【堰実験の今後の活用について】

現在の検討は、実験施設での基礎的な生態の把握の段階です。

今後フィールドでの試験調査で詳細に確認してから本格的に適用していきたいと考えております。

また、この研究の成果は全国の外来魚駆除のため活用できるように公開をしていく予定です。

なお、この実験は、滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター総括研究員、琵琶湖博物館総括学芸員等の侵略的外来魚のご専門の方々の協力を得ながら実施しております。

返答日平成18年6月14日
タイトル一人の釣り人としてだけでなく
返答

水中堰に関する、回答有り難う御座いました。

自分がバス釣りを愛する釣り人としてだけでなく、一人の自然を愛する国民として、過去にも何度か行政機関への意見メールを送ってきた中で、最も真摯な返答を頂き嬉しく思います。

現在の状況、実験の主旨、将来の指標に置いて学術的に理解できる返答を貰えたのは、とても意義の有った事だと思っています。数々の失礼な表現、言動が有った事をお詫び致します。

しかしながら、上記の事柄に対する理解は得ましたが、当方が提示した実験に対する疑問と指摘に関しての明確な解答が有ったとは感じ難かったのが残念です。

将来的に、「外来種」「在来種」の訳隔てなく、全ての命が平等にすごす事の出来る「豊かな琵琶湖」が帰って来る事を切に願います。

回答日平成18年6月14日
回答

貴重なご意見、本当にありがとうございました。少しずつでも「豊かな琵琶湖や河川」を取り戻せるよう、皆様と共に考えていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。