第1回瀬田川及び天ヶ瀬ダム再開発環境ワーキンググループ

議事のまとめと今後の方針

1.議事次第

議事次第

  1. 開会挨拶
  2. 議事
    1. 専門家グループ制度について
    2. 瀬田川及び天ヶ瀬ダム再開発環境ワーキングについて
    3. 瀬田川から宇治川までの一連区間の事業と天ヶ瀬ダム再開発事業について
    4. 天ヶ瀬ダム再開発事業に関してこれまで頂いた意見について
    5. 天ヶ瀬ダム再開発事業に伴う自然環境に係る調査検討について
    6. その他
  3. 閉会

2.日時と場所は、下記のとおりです。

日時:平成18年1月30日(月)14:30〜17:30
場所: ぱるるプラザ京都 4階 会議室2

3.出席者

所属・分類 出席者氏名(順不同敬称略)
専門家グループ: 綾委員、紀平委員、竹門委員
琵琶湖河川事務所: 河村、小山下、東、福知、他
事務局: (財)河川環境管理財団

4.使用資料

資料‐1:専門家グループ制度について (PDF: 136KB)
資料‐2:瀬田川及び天ヶ瀬ダム再開発環境ワーキングについて (PDF:24KB)
資料‐3.1:瀬田川〜宇治川の一連区間の事業と天ヶ瀬ダム再開発事業について (PDF:2.4MB)
資料‐3.2:天ヶ瀬ダム再開発事業について (PDF:704KB)
資料‐4:天ヶ瀬ダム再開発事業に関してこれまで頂いた意見について (PD:20KB)
資料‐5:天ヶ瀬ダム再開発事業に伴う自然環境に係る調査検討について (PDF:4.9MB)

5.議事のまとめ

項目 1. 専門家グループ制度について
意見のまとめ   「琵琶湖及び周辺河川環境に関する専門家グループ制度」は、琵琶湖河川事務所が設置した環境に関する審議機関である。この中にアドバイザー会議があり、琵琶湖の環境に関して議論する際には、この中で審議し、方針等を確認、指導・助言をいただき、ワーキンググループで審議していくことになっている。現在の水陸移行帯ワーキングと姉川・高時川ワーキングに加え、今回「瀬田川及び天ヶ瀬ダム再開発環境ワーキング」が設置された。(事務局説明)
今後の方針、等  事務局説明内容について、資料の通り了承を得た。
項目 2.瀬田川及び天ヶ瀬ダム再開発環境ワーキングについて
意見のまとめ  第7回アドバイザー会議の中で、本ワーキングの設立が承認され、専門家メンバーとして、綾委員、紀平委員、竹門委員へ委嘱のお願いをすることとなった。また、本ワーキングの内容として、当面、「貯水池水位の変動幅の増加」を中心とした審議を進めていくことを報告した。(事務局説明)
今後の方針、等  綾委員が本ワーキングのチーフとして選出され、了承をいただいた。
項目 3. 瀬田川から宇治川までの一連区間の事業と天ヶ瀬ダム再開発事業について
意見のまとめ
  • 従前の工事実施基本計画の中で淀川水系の流下能力を決めた際、瀬田川〜宇治川の流下能力が1500m3/sということを出発点とし、上下流の合意のもとで落ち着いた。基本方針については、現在検討中である。天ヶ瀬ダム再開発、瀬田川改修計画においては、一応与えられたものとして検討を進めており、この中で、環境への影響について議論いただきたい。また、鹿跳渓谷については、詳細な議論が進んでいないので、まだフリーの状況である。さらに上流の瀬田川については、河道の拡幅は考えられないので、掘削が妥当と思っている。(事務所説明)
  • どのぐらいの流量にすれば、環境的なデメリットを回避できるという議論も考えられる。環境対策の選択肢を考える際に、多少なりとも数字を変えることが可能であるのか知りたい。新河川法では、川の管理を考えていく中で、考え方そのものを環境サイドからも評価していこうという時代的な要請に変わってきた。その時、1500m3/sによって環境にどんな影響があるのかということを回答するだけではなく、そういう制約の中で環境へどういう配慮をしたら良いか、将来的には見直しの必要性も含めて検討しなくてはならない。環境的な視点から見たときに、それが妥当かということも、議論する必要がある。
  • 1500m3/sについては、流域委員会でも質問したが、明確な根拠があるようには理解できなかった。その他では、資料の「経済性との関係」がある。また、流下能力増大の根拠の一つに瀬田川洗堰の全閉問題があり、もし全閉をしないということになれば、条件は全く違ってくる。
  • ダム湖の話をするのであれば、入ってくるソースの話が重要になると思うので、そのことも含めた情報提供をお願いしたい。
今後の方針、等  指摘内容を踏まえて、資料の精度を更に向上させる。
項目 4. 天ヶ瀬ダム再開発事業に関してこれまで頂いた意見について
意見のまとめ  これまでの河川管理者と流域委員会の見解について整理した内容を報告した。(事務所説明)
今後の方針、等  事務局説明内容について、資料の通り了承を得た。
項目 5. 天ヶ瀬ダム再開発事業に伴う自然環境に係る調査検討について
意見のまとめ (ナカセコカワニナへの影響検討について)
  • 天ヶ瀬ダム湖内では、貝の生息は少なく、バックウォーターのあたりから洗堰までの間に分布している。昔は洗堰の直下からナカセコカワニナや琵琶湖固有種の貝もたくさんいたが、現在は何回かの浚渫でかなり減り、中にはいなくなったものもいると思う。過去の調査結果だけでは足りないと思うので、ダム湖よりも上流の瀬田川全体の範囲で調査をして欲しい。
  • 今後ダム放流量が増加し、宇治川にかなりの水量が流れることになれば、ナカセコカワニナの上流限が下流の方へ移動していくと思う。
  • 琵琶湖研究所が瀬田川で貝の調査を行っているという話を聞いたことがあるので、その結果を聞き取り調査すれば、ピンポイントで大事な情報があると思う。
  • 地域個体群という考え方では、外畑と観月橋あたりのタイプでは全然違う。
(底質に関する調査検討について)
  • ダム湖内の問題としては、生態系に関する議論の他、水質(シルト質成分の変化など)が重要になる。
  • 天ヶ瀬ダムの現状として、どういうものがどういうところに堆積しているのかを調べておくのは、基本情報として必要かもしれない。南湖で生産された有機物が下ってくる間に、沈降したり沈着したりするプロセスがあるが、天ヶ瀬ダムの操作や洗堰の操作によってどう変化していくかがポイントになると思う。
  • 生態環境調査の一環として、底質に堆積している有機物や粒度分析も含めた底質調査を実施して欲しい。
(水辺移行帯や河畔植生への影響検討について)
  • 調査結果を評価するときに、移行帯の部分はどういう方法で調査したらいいのかというのは考えておく必要がある。また、ここの場合は一昼夜で水位が変動するので、きめ細かく水位による違いをセットにして影響評価する必要がある。
  • 最大流量を上げることによる環境へのインパクトについても考える必要があるのではないか。狭窄部はもともと攪乱を受けやすい場所だが、少なくとも河畔植生や土壌についての変化が生じるかを確認する必要があると思う。
(その他の調査検討について)
  • 底生動物のトビケラ類に関しては、要注目種に関する精査が必要である。
  • 瀬田川における内水面漁業の対象魚種や喜撰山ダム湖内の生物環境についても一度チェックする必要があると思う。
  • それぞれの課題に対する検討のスケジュールを立てる必要がある。
今後の方針、等
  • 判断のしやすいもの、出現が容易に見えるものを対象にするのも一つの方法だと思う。そういうものを全体のリストの中から今後、検討していただくという形で考えていきたい。既往調査を示す中で、今後はその補完調査を具体的にどの様に実施していくかも考えていかなければならない。本日のワーキングを受け、次回を3月の初旬にやるということになれば、その期間内でどの程度整理ができるかで、次のステップが決まってくる。それまでに、インパクトフローの整理の他、個別にもご相談をさせていただく状況になろうかと思う。(事務局説明)
  • 次回、現況ダム湖内の三次元挙動のシミュレーション結果を、出せたらお示ししたい。(事務所説明)

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