流砂寄
(りゅうさよ)
せ
河口
(かこう)
せばめて
由良
(ゆら)
の門
(と)
に
宮津市由良/舞鶴市神崎
由良川河口には、右岸の舞鶴市の神崎浜、左岸の宮津市の由良浜が対称的に広がり、海水浴場として知られた白砂遠浅の海岸となっている。両浜を合わせ丹後地方最大の河口砂州である。「京都の自然200選」の一つ。小倉百人一首の「由良の門を わたる舟人 梶をたえ 行方を知らぬ 恋いの道かな」(曾禰好忠)は、定まらぬ恋の行方を由良川の河口で動きをやめた舟がたゆたう様子にたとえている。このように由良川の流れは河口でゆったりとしている。
ぬばたまの
黒豆実
(くろまめみの)
る
丹波霧
(たんばぎり)
丹波町、和知町ほか
黒豆は大豆の皮が黒い品種である。船井郡を中心に栽培される品種は大きく、正月料理の煮豆の食材として名高い。この地方は内陸性気候のため昼夜の温度差が激しくなる夏から秋にかけて、しばしば霧が発生し、この霧の冷却効果が黒豆を大きくおいしく育てるといわれる。和知町では「和知黒」とも呼び、ブドウ豆と称して瓶詰めにしたり、黒豆豆腐、黒豆みそ、黒豆納豆などに加工しており、丹波の名産品として普及しつつある。
類
(るい)
あまた
三国
(さんごく)
またぐ
三国岳
(みくにだけ)
――――
由良川流域には、三本の旧国境が集まる、「三国」の名の付く山が多い。由良川源流の三国岳(峠)(標高775.9m、美山町)は丹波・若狭・近江の三国にまたがる。ほかに、丹波・山城・近江の三国岳(959.0m、美山町)、丹波・丹後・但馬の三国山(約570m、福知山市)、丹波・丹後・若狭の三国岳(616.4m、綾部市)がある。また、郡界が集まる山として、桑田・船井・多紀の三国岳(508.0m、丹波町)、船井・天田・何鹿の三郡山(497.9m、和知町・三和町・綾部市)がある。
丘丸
(おかまる)
く
平野見下
(へいやみお)
ろす
大円墳
(だいえんふん)
綾部市私市町
私市円山古墳は綾部市私市町にある古墳時代中期の大型円墳。福知山盆地を一望する標高94mの丘陵にある。直径71m、高さ10m。京都府内で最大規模の円墳。由良川流域では前方後円墳も含めて最大規模の古墳である。三段に築かれた斜面には由良川から運ばれた川原石が葺かれ、頂上部には二人の王が葬られていた。規模や副葬品から由良川中流域を支配した大首長であったと考えられている。現在は当時の姿に復元され、公園となっており、その下を舞鶴自動車道が通る。