歴史踏(れきしふ)
  普甲峠(ふこうとうげ)
    石畳(いしだたみ)
宮津市小田
普甲峠は、大江町を流れる由良川の支流、宮川の最上流にあり、宮津市の版図である。峠は丹後と丹波の接点にあり、近世初頭、京極高広(1599〜1677)が開いたと伝え、江戸時代、宮津藩の重要な公路であった。これを今普甲道といい、近世以前の道は東にある普甲山(標高482m)の北東の鞍部を通り、元普甲道という。現在も約1kmにわたり杉の木立の下に石畳が随所に残る。綾部大江宮津線から鬼の岩屋方面へ向かう道を少し入った所にある。「京都の自然200選」の一つ。

天駆(そらか)ける
  イカルの声(こえ)
    キイーコーキイー

綾部市
イカルは体長23cm、翼開長33cm。顔の黒い模様、太くて黄色いくちばしが特徴。翼には紺色の光沢の部分と白斑がある。キイーコーキイーとのどかな声でさえずる。豆をくちばしに挟んでクルクル回す習性をもつことからマメマワシともいわれる。綾部市の前身である旧・何鹿(いかるが)郡の地名にゆかりがあることから、綾部市の市の鳥に選ばれている。冬、桑の木の新芽を求めて群がり、にぎやかにさえずる。
堤巻(つつみま)
  浦島神社(うらしまじんしゃ)
    伝(つた)え秘(ひ)
福知山市戸田
浦島神社は福知山盆地の中ほど、由良川左岸の福知山市戸田にある。丹後を源とする浦島太郎伝承を伝える神社。境内脇の白岩から竜宮の乙姫と便りできるという。亀を見つけると腹に願い事を書いてこの沼に放つ風習がある。また、沼の水で粥を炊いて食べると母乳がよく出るとか、沼を浚うと必ず大雨が降るという言い伝えもあり、水との関わりの深い神社である。神社を堤がめぐっており、由良川の流れに寄り添う
ように建つ。牛の健康を祈願する神社でも有名であった。

(ね)を越(こ)えて
  はるかに続(つづ)
    古道跡(こどうあと)

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由良川流域は、出雲をはじめとする日本海沿岸と奈良や京都を結ぶ経路の間にあって、古来大小数々の道路が発達してきた。無数の山ひだが織りなす流域にあって、内外の交通には峠道が盛んに用いられ、名のある峠は70以上を数える。杣人が利用する小さなものから、普甲峠(宮津市)や細野峠(三和町・瑞穂町)のように参勤交代に利用された街道の峠、筏から解いた木材を山越えした海老坂峠(美山町)や深見峠(同)など、それぞれに様々な歴史を伝えている。