(なが)れ変(か)
  蛇ヶ端藪(じゃがはなやぶ)
    大樹立(たいじゅた)
福知山市堀
蛇ヶ端は福知山市市街地の東部、由良川と支流土師川の合流点付近の地名。明智光秀(1528〜82)が福知山城下建設に際し、この付近から鋳物町にかけて1km以上の大堤防を造り、現在のように由良川の流れを北に曲げたといわれる。福知山城の東を流れる法川と土師川左岸の間に長さ約500m、幅10〜30mの藪があったが、昭和27年(1952)の土師川堤防改修で大部分が取り払われ、現在は北端部のみに残る。この藪は洪水時の由良川の水勢を弱める、藩管理の保安林であった。

乱拍子(らんびょうし)
  谷(たに)にこだます
    和知太鼓(わちだいこ)

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太鼓は由良川流域の祭事の随所で登場し、今ではその多くが民俗芸能として伝承されている。その形態や打ち方は地域によって異なる。和知太鼓や地頭太鼓、大俣太鼓のように源頼光の大江山の鬼退治の戦勝祝いを始源と伝える太鼓もある。和知太鼓は、京を発った源頼光が広野村(和知町広野)の藤森神社に雨宿りし、頼光の勝利を聞き村人が太鼓を打ったのが始まり、あるいは広野を出発する時に兵士を鼓舞するために太鼓を打ち鳴らしたのが始まりという。
むくの木(き)
  かごの木寄(きよ)り添(そ)
    京街道(きょうかいどう)
福知山市池田
福知山市池田の京街道(現・国道9号)沿いに高さ7mのかごの木と高さ17.8mのむくの木の巨樹がある。推定樹齢はいずれも約700年。二本の木の傍らにはイチョウの大木もあり、遠くからは森のように見える。かごの木はこの地方では珍しい木である。木の下には子育て地蔵が祀られ、地蔵には宝永3年(1706)の刻銘がある。これらの木が寄り添うことになった理由は伝えられていないが、京街道の一里塚の名残とか、長者屋敷の跡とかいわれている。

(うま)し水(みず)
  美山(みやま)の水(みず)とて
    町(まち)おこし

美山町島
美山町島の由良川左岸道路脇の山裾より神田(じんでん)の水とよばれる清水が湧く。水の名の由来は、水を神に奉納する米を作る田に引いていたからという説がある。昔からこの水を求めて遠方からも人がやって来た。美山町では、平成7年秋に第三セクターでペットボトルに詰めて「美山の水」として売り出している。ミネラル分が少ない美山町の水の中では、比較的ミネラルが多く含まれており、まろやかな味が特徴という。飯を炊いたり、コーヒーを立てるのに最適という。