由良川は、京都、滋賀、福井の県境にある、美山町芦生の杉尾峠を源流として、日本海の栗田湾に注ぐ延長146km、流域面積1,880kmの全国でも有数の大河川です。自然豊かな美山町の芦生の森から、和知町の河岸段丘の谷間をぬい、戸奈瀬の渓谷を過ぎて、上林川と合流後、綾部市と福知山市の市街地が広がる福知山盆地に入ります。さらに、福知山市内では土師川との合流地点からは北方へと流れを転じ、大江町を経て、舞鶴市と宮津市の市境を流れ日本海に注いでいます。由良川流域の約9割が緑豊かな山林であるため、近畿の一級河川の中でもトップクラスの良好な水質を維持しています。全国でも有数の自然豊かな清流として、またサケが流れをさかのぼってくる京都府では数少ない河川として知られています。
澄みきった空気と豊かな自然に恵まれ、美しく懐かしい田園景観が今も残される丹波山地。かつての丹波の国は、但馬、丹後を含む大国でしたが、奈良時代に丹波・但馬・丹後の3国に分割。丹波の国は桑田(くわた)・船井(ふない)・何鹿(いかるが)・天田(あまだ)・氷上(ひかみ)・多紀(たき)の6郡となりました。そして、由良川流域では、早い時期から稲作技術を展開。その後、平安京遷都により丹波はさらにその存在を高め、人通りが絶えることなく、数々の歴史を繰り返して、独自の文化と風土をつくりだしてきました。
地名「丹波」(たんば〈たには〉)の由来については、大昔は丹(あか)い水の湖であったから、谷が多い(谷端、谷間)から、耕して暮らすのによい庭(田庭)であるから、などの説があります。