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堰の役割

「堰」は、必要に応じて流水をせき止めたり、流したりできるよう、川の水量を調節する河川構造物です。

1.洪水防御(こうずいぼうぎょ)

旧鳴鹿堰堤は、河床が高い上に土砂が堆積し、川幅も狭いことから洪水のときに流れを阻害していました。そこで、川底を深くして、川幅を広げて洪水が安全に流れるように堰を改築しました。

●旧鳴鹿堰堤

川底が浅く、ゲートを全開にしても水があふれる恐れがありました。

●鳴鹿大堰

流量が増加したとき、ゲートを開ければ水がスムーズに流れます。

2.既存用水の安定した取水の確保

鳴鹿大堰で取水した水は、かんがい用水として福井市、あわら市、坂井市、永平寺町の三市一町の農地を潤すとともに、水道用水として福井市の約40%をまかなっています。

3.堰下流の河川流量の確保

川に水が流れていないと川ではありません。渇水のときにも、九頭竜川には水が常に流れているように、堰によって水量を調節し、川の生き物たちがすみやすい環境づくりのための流量を確保します。

4.水道用水の確保

湧水量が激減した本願清水
大野市では、水道用水を地下水に頼ってきましたが、水の需要量が増加して地下水位が低下してきました。今後、水道水源を地下水に頼ることが難しくなってきていますので、河川水を利用して大野市水道の約70%を確保できるようにします。

5.河川環境の向上

鳴鹿大堰の魚道
堰の下流での流量確保のほか、堰周辺での生物が生息しやすいように、堰の左右岸に階段式及び人工河川式魚道を設置し、遊泳魚や底生魚ののぼり・くだりが容易にできるように工夫を凝らしてあります。