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4.13 芳野川

(1) 流域の概要
芳野川流域は、九頭竜橋から福井大橋の間の九頭竜川右岸堤防と河合春近用水路に囲まれた、流域延長が約4.0km、流域平均幅が約0.5kmで流域面積2.5km2の小流域である。
当該流域の下流はJR北陸本線森田駅に近く、上流端を国道8号が貫き、福井市内に近接していることから、古くから町並みが形成されており、近年においてはベットタウン化して住宅開発が進んでいる。
芳野川は、流域のほぼ中央部を流れ、九頭竜橋直上流にて九頭竜川に合流する延長約3.5kmの低平地河川である。
(2) 治水計画の概要
芳野川は、川幅が下流部の1.6km区間で約8m、上流部においては4m以下であり、疎通能力も人家が密集する下流部において10m3/s以下と極めて少ない。そのため、昭和56年(1981)7月の梅雨前線による豪雨時には、河川沿いの低地部において浸水被害が発生した。幸いにして、芳野川の九頭竜川合流点には樋門が設置されており、九頭竜川本川ピーク水位発生時と約5時間の時間差があったため、大きな被害には至らなかった。
 芳野川流域では、福井市土地区画整理事業が実施される予定であり、この事業との整合を図りつつ、治水安全度の向上を図る必要がある。そこで、超過確率1/50年で改修計画を策定し、九頭竜川合流点より上流3.475kmを対象に事業を進めることとなった。
 なお、上流部については、土地区画整理事業と調整を図り、新川開削にて処理する計画となっている。
3) 事業の効果
芳野川は、治水安全度を超過確率1/50年として事業を実施することによって、約140haの区域内の家屋750戸、学校2ヵ所などが氾濫による被害から守られるなど、大きな事業効果が期待できる。