第10回 北川流域委員会
議事詳録
平成22年3月2日
小浜市働く婦人の家 3階 大会議室
1.開    会
○庶務
 定刻となりました。只今より第10回北川流域委員会を開催させて頂きます。本日、司会を務めさせて頂きます近畿技術コンサルタンツの○○と申します。よろしくお願い致します。
 本日は、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員がご欠席となっております。また、○○委員、○○委員は遅れて出席されるとの連絡が入っており、現在8名の出席で始めさせて頂きます。
 まず、お手元の資料の確認をさせて頂きます。両面刷りの「第10回北川流域委員会 議事次第」、裏面は「席次表」となっております。次に、右上に「資料−1」、「資料−2」、「参考資料−1」と記した資料がございます。その他に、第9回流域委員会で配布しました「北川河川整備計画(原案)」を委員の皆様にのみお配りしております。委員の皆様への配付資料は全部で5点、傍聴席の皆様には全部で4点となっております。そろっておりますでしょうか。
2.報    告
○庶務
 それでは、「議事次第」の「2.報告」に移らせて頂きます。「2.報告」については司会の方で進行させて頂きます。
 その前に、委員長から一言、お願い致します。
○委員長
 皆さん、こんにちは。平成19年から流域委員会を開催してまいりまして、ようやく整備計画の原案のところまで持っていくことができました。今日もまた色々議論して頂きまして、よりよいものを最後のこの委員会で詰めていきたいと思っております。皆さん、ご協力をよろしくお願い致します。
○庶務
 ありがとうございました。
 それでは、「2.報告」の「流域委員会での質問等について」に移ります。○○事務所長、「参考資料−1」について説明をお願い致します。
○河川管理者
 福井河川国道事務所の○○でございます。本日は大変お忙しい中、ご出席を頂きましてまことにありがとうございます。
 前回、第9回の流域委員会で原案をご審議頂きました。後ほどご説明させて頂きますが、その後、住民意見交換会でのご意見等を踏まえた修正案を本日お示しさせて頂くことになっております。ご審議の方をよろしくお願い致します。
 ( スライドNo.1「流域委員会での質問等について」)お手元の「参考資料−1」は「流域委員会での質問等について」ということで、前回ご質問を頂きました事項についてまとめてございます。
 ( スライドNo.2「問 河床の上昇(堆積)と瀬切れについて、もう一度確認してほしい」)前回、「河床の上昇(堆積)と瀬切れについて、もう一度確認してほしい」というご意見がございました。今回、北川特有の瀬切れが発生しやすい要因、流域内の様々な発生要因となりうる事象を分析してまとめてございます。
 先ず、「北川特有の瀬切れが発生しやすい要因と影響」でございますが、一つの要因として流域面積が小さいということが言えるのではないかと思います。流域面積としては200km2程度と非常に小さいため、河川内の流水の絶対量が少ないということがございます。また、地形的に扇状地でございますので、どうしても地下水が地表から地盤のほうに浸透しやすいという特徴もあると考えております。
 ( スライドNo.3「(2)流域内の変化に伴う瀬切れの発生要因となりうる事象と考えられる影響」)次のページにまいりまして、「流域内の変化に伴う瀬切れの発生要因となりうる事象と考えられる影響」を考えてみますと、先ず気象がございます。これにつきましては瀬切れの発生要因となりうる事象としまして、少雨化傾向と、暖冬で少雪になってきているというような傾向があるのではないかと考えられます。それによりまして地下浸透・水源涵養量の減少、あるいは雪解け水の減少、それによる早期の水の流出ということが考えられるのではないかということでございます。
 それから、山林の減少による影響としまして、山林の持つ水源涵養機能の低下、あるいは地下水の低下につながるのではないかと考えております。
 河道における要因としましても、流砂、土砂の河床堆積による伏流礫層の増大、進行によりまして、河川内の流水が伏没しまして、地表から下にもぐってしまって瀬切れとなってしまうということが考えられるということでございます。
 それから、水利用でございますが、これにつきましても取水施設等が整備されまして、取水が進むことによって施設下流での河川流量が減少するということも瀬切れの発生要因になりうると考えております。
 (スライドNo.4「(3)瀬切れの発生要因に対する現状把握」)その瀬切れの発生要因に対する現状がどうかということでございます。気象につきましては、先ほどの少雨化傾向あるいは暖冬少雪傾向があるのかどうかということでございますが、この流域の近傍の小浜の気象観測所の降雨量を見ますと、明確な経年変化は認められないというのが現状の状況でございます。
 山林につきましても、山林が減少しているのではないかと言われておりますが、土地利用に大きな変化はないという状況でございます。また、上流の滋賀県側の方に砂利の採取場がございますが、これについては採石法の規定によりまして流出の抑制対策が済んでいるという状況でございます。
 それから、河道の要因でございますが、河道の河床の堆積による伏流礫層の増大、進行があるのではないかということでございます。これにつきましては上流の福井県におきまして、現在までに流域で約150基の砂防堰堤を施工済みという状況になってございます。なお、一部の区間で経年的な河床の上昇が認められるという状況でございます。
 水利用でございますが、取水施設の整備ということで、取水施設のコンクリート化に伴う取水効率の向上ということが現状としてはあげられるということでございます。
 ( スライドNo.5「北川の瀬切れが発生する要因と影響 模式図」)このような現状のもとに地形条件、流域の状況、河道における土砂の堆積による伏流、水利用等の要因が複合的に作用しまして瀬切れという現象を引き起こしているのではないかと考えております。また、河床の土砂の堆積によってどうしても河道内が干陸化しまして、植生も変化するというような影響が考えられるということでございます。
 ( スライドNo.6「堆積と瀬切れの関係 対策」)河床における土砂の堆積と瀬切れとの関係でございますが、当然、堆積により瀬切れが発生するということが一つの瀬切れの要因であると考えられますが、それ以外の要因も複合的に関係して瀬切れが発生しているのではないかと考えております。
 このような状況を踏まえた今後の対策でございますが、一つは土砂の管理ということが考えられます。土砂の管理につきましては上流から海岸まで、河床高等の経年変化だけではなくて土砂の生産源、生産量等、州を形成している土砂の粒径の把握等によりまして、土砂の挙動に関する調査・研究について関係機関との連携を図って努めていくということで土砂の管理を引き続き行っていきたいと考えているところでございます。
 それから、実際に堆積してしまった堆積土砂の対策でございますが、土砂の管理と合わせまして河道の変動状況及びその傾向を把握しまして、堆積土砂等が河川管理上の支障となる場合とか、現状の保全・回復のために必要な場合には維持掘削など適切な河道管理を行うことで堆積した土砂の管理を行っていきたいと考えております。
 それから、瀬切れ対策でございますが、流水の正常な機能の維持ということにつきましては、関係者や関係機関と調整、連携いたしまして、水資源の有効利用を図り、必要な流量の確保に努めるということを考えております。また、堆積した箇所におきまして瀬切れを確認した場合には、維持掘削などで上下流の連続性確保を検討するということで瀬切れの対策をしていきたいということを考えております。
 以上、特に前回ご質問、ご指摘等がございました河床の上昇、土砂の堆積、瀬切れにつきまして、現在までの現状の分析、今後していかなければならないことをまとめております。「参考資料-1」については以上でございます。
○庶務
 ありがとうございました。
 只今の説明につきまして、ご質問等がございましたらお願い致します。○○委員、お願い致します。
○委員
 二、三、申し上げたいと思います。扇状地を理由にあげられましたけれども、どう考えても私には扇状地には見えないのです。なぜ扇状地と言われたかというと、最初から資料に「扇状地性低地」という言葉が書かれているのですね。私、最初の頃、このことが理解できなかったので質問したこともあったのですが、こちらか福井県か覚えていないのですが、扇状地性低地というのと扇状地、黒部川とか常願寺川とか、日本海側の安倍川とか天竜川とか、中部山岳地帯の北と南に大きなものがありますが、ああいう扇状地ではなくて、どちらかというと河岸段丘か何かで来ているように思うので、扇状地だから伏流しやすいということは言えないのではないかと思っています。どちらかというと掘り込みになっていますしね。昔、扇状地だったかもしれませんが、それを理由に書かれるのはちょっとどうかと思います。
 もう一つは、山林のことを言われたのですが、よく言われる「緑のダム」のことかと思うのです。最近、虫明先生という方の講演を聞きまして、科学的なバックグラウンドに基づいて「『緑のダム』というような話はいいかげんにやめてほしい」ということで、私もそう思っておりましたが、非常にわかりやすいお話でした。特に水源涵養機能があるわけでもないし、逆の場合もあると。委員長も水資源のご専門なので、賛同されるかどうかわかりませんが、私は全く虫明先生のおっしゃるとおりだと思っております。ですから、安易にそういうことを言わないでほしいということが二つ目です。
 もう一つ、流域面積が小さいと言われたのですが、ここは工学的な場ですので、定量的な数字を出して言ってほしいと思います。渇水比流量とか洪水比流量とか、流域間を比較する指標がありますので、そういうものを出して言わないといけないのではないかと思います。単に「流域面積が小さい」という言い方はあまりよろしくないような気がします。他にもありますが、とりあえずその3点ぐらいを申し上げたいと思います。
○河川管理者
 まず、山林につきましては、今想定しているのは、いわゆる高水ではなくて低水の方の状況で、ここでは水源の涵養というものであげています。
○委員
 違いますよ。低水に対してもですよ。
○河川管理者
 蒸散とかがあって低水の増大にあまりつながらないのではないかというご指摘ですね。
○委員
 逆になることもありますし、もちろん土砂流失とか、森林を整備するのは物すごくいいことですので、誰もそれを否定しているわけではないのですけれども、工学の場では安易にこういうことは言わない方がいいと思います。
○河川管理者
 今回は一般的なことをあげさせて頂いたのですが、先生のご指摘のように、条件によっては植物の蒸発散の機能によってむしろ水が消費されて水が少なくなるということも考えられますので、必ずしもすべての条件でそういうわけではないということは確かにそのとおりかと考えております。
 それから、扇状地につきましては、北川は扇状地には当たらないというご指摘でしょうか。
○委員
 現状の北川の地形を見ますと扇状地には見えないのです。ずっと下流は違いますが、掘込み河道になっていまして、河岸段丘的な地形も見られます。形は扇状地的な広がり方をしているのでそういう時代もあったかもしれませんが。原案の1-1ページの下から4行目に「扇状地性低地」とありますが、黒部川にしろ常願寺川にしろ扇状地なら扇状地性低地という言い方はしないのです。掘り込んでいるので隆起したと思うのです。どちらかというと左岸のほうに河岸段丘みたいなものがあるような感じがします。地形の専門ではないのでよくわからないのですが。だから、扇状地はもちろん、河床が上がっていますし、粒径も大きいですから伏流しやすいのですが、黒部川とか常願寺川とか安倍川とかのイメージで伏流しやすいという地形ではないのではないかと思います。かなり掘り込んでいるのではないかと思うのです。理由として挙げられているので言っているだけで、「扇状地性低地」と書いてあること自体は間違っているとは思わないですけれども、わざわざ書いてあるので。
○河川管理者
 本文の1-1ページの表現ということですか。
○委員
 これが間違っているというのではなくて、わざわざ「扇状地性低地」と書いてあるので、おっしゃった伏流の理由が「扇状地だから」というのは少し違うのではないかということです。
○河川管理者
 今回はいろいろな要因から分析してみようということで、地形という観点もあげさせて頂いたのですが、これについては必ずしも扇状地というものでもないということでしょうか。
○委員
 私はそう思います。
○河川管理者
 それから、比流量につきましては、今手元にデータがないので確認します。
○委員
 それともう一つ、正常流量の中の維持流量、それは違うかな、それと渇水流量の関係ですか。渇水流量と水利流量、そのへんのことも関係があると思うのです。
○河川管理者
 過去のデータになりますが、第6回の北川流域委員会におきまして、「北川の渇水の程度を比流量で他の河川と比較してほしい」というご質問がございました。その際に、利根川、淀川、九頭竜川、北川、南川等、幾つかの河川について整理したデータによりますと、北川の渇水比流量は他の河川と比べましてかなり小さいというデータになっております。一方では、豊水と平水流量では比較的大きな比流量を持っているということでございまして、特に渇水比流量が小さくなっているので渇水になりやすいというような傾向を示しているということを第6回の時にデータでお示ししたところでございます。
○委員
 わかりました。すみません。すっかり忘れていました。
○庶務
 それでは○○委員、お願い致します。
○委員
 今ご説明頂きました報告の中で、4ページの「瀬切れの発生要因に対する現状把握」の2番目に「山林の減少」とありまして、その右側の「現状把握」の中に「上流にある砂利採取場は、採石法の定めにより、流出抑制対策済み」とありますが、これで採石法に定められたそういう対策が済んでいるのでよろしいというふうに解釈するのですが、現場をご確認されてここに書かれているのでしょうか。
○河川管理者
 これにつきましては、法律の定めにおける対策はとられているという認識でございます。ただ、具体にここからどのくらいの土砂が実際に出ているのかというようなデータにつきましては、特段こちらのほうで計測などはしていないという状況です。
○委員
 私、現地を見てきておりますが、あれで流出抑制の対策ができているのかなと疑問を持つようなものしかつくられておりません。
 それからもう一つ、昭和46年から平成13年までの北川の河床高の変動量を示された資料を平成16年に出されております。これを見ますと、熊川の地点から海までの間の河床勾配は変わっておりませんけれども、局部的に非常に変わっていまして、ちょうどのこぎりの刃のようです。その原因は何かといいますと、やはり頭首工などの横断工作物によりましてのこぎりの刃のように高いところと低いところができているということでございます。
 具体的に申しますと、毎年2月から4月にかけましてそれぞれ農家の皆さんがいよいよ田んぼに水が必要だというときに取水口を見られるわけですが、その取水口に毎年土砂が堆積しております。そのために私の組合のほうへ、「どうしても土砂をとらなければいけないのだが、川が濁るので同意書がほしい。」ということで同意書をとりに来られるわけです。田んぼに水が必要になるのが4月ごろですので、ちょうどアユの遡上時期に当たります。その時期に濁されると困るということで、せめて2月頃にとってほしいという話をしまして、最近は毎年、2月に同意書をとりに来られて、2月に土砂をとっておられます。一番下にあります国富頭首工の場合は2月にとっても4月の必要なときにまた堆積すると。ですから、4月から5月にかけてもう1回とらなければならないというのが現状でございます。
 その数を申し上げますと、毎年来られるのは国富頭首工、平野頭首工、武生頭首工、世野見井堰、下河原井堰、三宅頭首工、これだけの箇所でございます。毎年、水がとれないぐらいにここに土砂が堆積しているということでございます。これが現状でございます。その方々は「これは上流から来ている、採石場が非常に関係しているのではないか」という疑いの眼で見ておられるわけです。そういった点で、採石場の流出抑制対策というのは非常に大事なことだと思いますので、関連して申し上げたいと思っております。
 先般も○○先生が「遠敷川の瀬切れは府中頭首工が原因ではないか」というご指摘を何回もされたのですが、なかなか意見がかみ合わなかったように思っております。27号線にかかっている遠敷橋あるいは松永橋の下は毎年8月になると水枯れをします。今2mある府中頭首工を切り落としたとしますと、恐らくあの水枯れはなくなるだろうと思って見ております。ここにも堆積と瀬切れの関係につきましては「複合的に関係している」という表現で書かれておりますが、極めて重要なことだと思っておりますので善処して頂きたいと思います。
○河川管理者
 堆積と瀬切れの関係ですけれども、今のご指摘のとおり、いろいろな要因が関連して起きているのではないかと思っております。基本的にはまずモニタリングをきちんとしていきまして、どういう堆積状況なのか、あるいは土砂の生産源とか生産量がどういう状況なのかということを把握していくことが重要ではないかと考えております。それに基づいて当然、関係機関とも連携しなければいけませんし、河川管理者としても、特に河川管理上、河川環境上それが支障になるということであれば、維持掘削等で取り除くという対策を引き続きとっていくことが重要であると考えております。
○委員
 なお、ここの「山林の減少」ということについて先ほどもお話がございましたが、私は山林の減少というよりもむしろ森林の減少ではないかと思うわけでございます。現地へ行って見ますと、あそこはかつて保安林だったと思いますが、今はほとんど採石のために木を伐られていまして山は丸裸になっております。現地の関係者に「なぜ木を植えないのか」という指摘しますと、「法律では木を植えなければいけないことになっている」とおっしゃいますが、実際木は1本も植えられておりません。あそこの森林が減少しているということは保水力がないということでございますので、今度の北川流域の計画の一番大事な治水の面で大きな影響があろうかと思っております。これも極めて関連することですので申し上げたいと思っております。ですから、私はここのところは「山林の減少」ではなくてむしろ「森林の減少」と表現したほうがいいように思います。
○委員
 堆積ということでお話しになったので○○さんにお伺いしたいのですが、北川というのはちょっと雨が降りますとすごく濁って、海も泥だらけの状態になります。これは上流の採石場等からの流出ということが関係していると思うのですが、どう考えられますか。
○委員
 現地に行きますと、コンクリートで水をそこへ流して浄化をして汚濁水を流さないようにという順番にマスをしてあるのですが、ちょっと雨が降りますと満杯になりますので全然効果がないのです。
○委員
 それで、北川の水質は日本一ということになっていまして、最初のこの流域委員会でも言わせて頂いたのですが、川というのは水質も含めていろいろなものが非常に変動するというのが現状だと思うのです。水質測定でも晴天が続いていて非常におだやかなときに測ればたしかに透明度も高いですし、水質は非常にいいかもしれないですけれども、少し雨が降るとそういう状態になってしまいますので、水質をいかに管理していくかということを考えるなら、いろいろなシーンの水質を押さえないといけないと思います。いい時の水質だけを押さえて「ここはきれいですから、何もしなくてもいいですよ」ということになりますと、非常に変なことをしていることになるのではないかと思うのです。
○委員
 一昨年前にも内水面の研究者に4、5人、来て頂いて北川を調査して頂きました。それで、水を採取して検査して頂きますと、「ここの水は人間には大丈夫ですが、魚から見るとだめです。」とおっしゃいました。
○河川管理者
 水質については、環境省等の基準にしたがって水質項目を抽出しまして水質の測定をしております。先生が言われているのは、出水時の濁水とかそういうものが非常に長期化して問題がないかというようなことだと思いますが、それについては後ほどもありますが、瀬切れとか濁水の長期化など、いろいろな問題、課題がある中で、河川管理者だけではなかなか解決できない問題も多いのではないかと思っております。先ほどの採石場の問題もそうかもしれませんし、いろいろな要因が複合的に重なっていますので、流域に関係する機関、事業者と連携して総合的な河川整備を進めるということを今回の河川整備計画の中でも盛り込んで、ぜひ取り組んでいきたいと考えております。
○委員
 今おっしゃったように、河川管理者だけではどうにもならないという現状がいろいろな場面であるわけですから、盛り込んで頂いたのはとてもありがたいのですが、それを実効あるものとして実施していくことが大事だと思いますので、ぜひよろしくお願い致します。
○委員長
 採石場からの流出のことですが、何年か忘れましたが、これは採石法によって何年かに一度の雨に対するものよりは十分に貯留しなさいということになっていますので、実際にもし濁流として出てくるようなことがあった場合、想定されている貯留能力よりも多くの雨が降った場合は仕方がない可能性もありますが、設定された雨に対しては確実に流出していないのかどうかというチェックも今後、必要になってくるかもしれないですね。
○委員
 私のキャンパスは山の上にありますので、北川から海も全部見えるのですが、何年に1回というようなものではなくて、ちょっと雨が降ると海は真っ茶色になりますし、流れは濁流ということが度々起きています。それが砂利採石場によるのかどうかはわかりませんが、一体どこに原因があってこうなっているのかということをぜひ明らかにしていって頂きたいと思います。
○庶務
 ○○委員、お願い致します。
○委員
 私は町の職員で行政の立場の人間ですので、非常に申し上げにくいということを痛感しながらここ数年、会議に参加させて頂いてきたということでございます。今の川の濁りの問題ですが、これは国の一級河川の流域での計画ということで、上流部の県の管轄の部分は制度的にはつながっていないというお話を最初にこの場でお聞きしました。
 若狭町の文化財室の中で熊川の町並みをあずかる人間としてお話しさせて頂きますと、今の土砂採取をしている山は非常に赤茶けて地肌が見えるところがありますし、河内川ダムが凍結といいますか再調査ということになってしまいまして、熊川の町並みの中に前川という川が流れているのですが、やはり雨が降ると濁った水が流れてくるわけです。熊川は豊かで清涼な美しい流れということを魅力に大切に守ってきましたので、山との関係は切っても切れないということを実感しております。制度的につながっていないのかもしれませんけれども、その辺のところを十分留意して制度的にリンクできるような、そういう架け橋になるような文言を入れて頂きたいと思います。
 それから、今河内川ダムができるできないという状況でまさに山が荒れ放題という中で、今後、あの状態のままで何年も過ごしますとそれこそ大きな災害につながらないのかということを感じております。下流域の熊川にとって大きな被害が出てしまうのではないかということと、雨が降ると濁った水が流れるというところもこの計画の中でいい形で反映して頂ければありがたいと思います。
○河川管理者
 まさに関係機関との連携という中で、環境とか濁水という問題もそうですが、例えば気候変動に伴う洪水流出の変化とか、洪水高水のほうも河川管理者だけではなくて関係機関とも連携して対応していくという意味合いで、今回、この文言の中に入れ込もうと考えております。当然、県とも連携をしていきます。また、計画そのものも、水系全体としては「河川整備基本方針」というものがありまして、その下に今後20年から30年の計画をつくる「河川整備計画」がありまして、それにつきましては県の管理区間、国の管理区間それぞれで管理者ごとにつくっておりますが、同じ河川整備基本方針のもとにつくっておりますので、そういう意味では十分に整合をとっており、当然、県とも連携しながらやっていくということを考えておりまして、今後もそうしていきたいと思っております。
○庶務
 他にご意見はございませんでしょうか。ないようでしたら、次に移らせて頂きます。
3.議    事
○庶務
 それでは、「議事次第」の「3.議事」の「北川河川整備計画(案)の策定に向けて」に移らせて頂きます。これからの進行は委員長にお願い致します。
○委員長
 それでは、今日の議事に入りたいと思います。「北川河川整備計画(案)の策定に向けて」ということで、流域委員会と住民等のご意見を反映させて頂いた原案の修正に関する説明を事務局の方からお願い致します。
○河川管理者
 ( スライドNo.2「北川河川整備計画(案)策定に向けて」)「資料−1」と「資料−2」の二つがございますが、基本的に「資料−1」にしたがいまして、これまでの経緯、住民意見の聴取状況、それから前回の流域委員会、住民意見交換会等でのご意見を踏まえた河川整備計画(原案)への意見の反映につきましてご説明させて頂きたいと思います。
 ( スライドNo.3「整備計画策定の流れ」)整備計画策定の流れについては、これまでのおさらいも含めてでございますが、平成19年3月に本委員会の準備会が設立されまして、その後、平成19年7月から平成20年9月まで8回にわたりまして北川流域委員会を開催させて頂きました。その中で北川に関する今後の整備のあり方についてのご審議を頂きました。また、平成20年6月には北川河川整備基本方針が策定されております。
 これらを踏まえまして、河川整備計画(原案)を前回の第9回の北川流域委員会におきまして提示をさせて頂きました。その場でご審議を頂きまして、さらにその後、平成21年12月24日から22年1月31日までの間、住民からの意見聴取をさせて頂いております。
 今回、前回の流域委員会、住民からの意見聴取の結果を踏まえまして、河川整備計画の原案を修正したものをお示ししたいと思っております。
 ( スライドNo.4「2 整備計画(原案)に対する住民意見聴取」)河川整備計画の原案に対する意見聴取の状況でございます。これにつきましては、平成21年12月24日に河川整備計画(原案)を公表しております。その後、集会形式、意見募集形式という二つの形でご意見を頂く機会を設けております。
 集会方式につきましては、ここにあります3回にわたる住民意見交換会において説明し、意見の聴取をさせて頂いたという状況でございます。意見募集形式につきましては、閲覧がございます。それから、福井河川国道事務所のホームページで公開しております。そして、概要版パンフレットを流域の各所に設置して見て頂くという形でやっております。
 このような過程を踏まえまして、ことしの1月31日までの間に郵送、メール、FAXによりまして意見の募集をしてきております。このような住民意見聴取の過程をとってきているという状況でございます。
 ( スライドNo.5「(1)整備計画(原案)の公表」)河川整備計画(原案)の公表につきましては、昨年の12月24日に記者発表という形で整備計画の原案を公表させて頂きました。
 同じく、12月24日から近畿地方整備局、小浜市役所、若狭町役場の6カ所で北川水系河川整備計画の原案を閲覧しております。
 それから、先ほど申し上げましたとおり、福井河川国道事務所のホームページにおきましてこの原案を公開しているということで、この原案については広く一般の方々にご覧になって頂いているという状況でございます。
 ( スライドNo.6「C設置(平成21年12月28日〜)」)設置でございますが、これにつきましては昨年の12月28日から整備計画(原案)の概要版のパンフレットを作成しまして、近畿地方整備局、小浜市役所、若狭町役場の他、大学、高校、中学校、公民館等の公共施設に設置させて頂きました。この写真は小浜市役所、働く婦人の家にそれぞれ設置して頂いた状況でございます。
 ( スライドNo.7「(2)住民意見交換会の周知」)住民意見交換会につきましては、事前に十分な期間、周知をし、幅広く住民の方にその開催がわかるようにという意見を頂いておりましたので、それに基づきまして昨年末から周知の取り組みをしたところでございます。
 具体的には、昨年の12月24日に記者発表という形で原案の公表とあわせて、住民意見交換会を開催するということを記者発表させていただくとともに、地域のケーブルテレビを活用しまして、年明けの1月8日から12日までの間、「チャンネル0」という地域のケーブルテレビにおいて住民意見交換会の開催案内を文字放送で終日繰り返し放送させて頂きまして、広く流域の住民の方に知って頂くという取り組みをしてきたところでございます。
 ( スライドNo.8「Bホームページ(平成21年12月24日〜)」)ホームページでございますが、これはホームページに掲載した画面を例示しております。この中でも河川整備計画の原案の公開と合わせまして、住民意見交換会の開催案内を掲載しまして見て頂くという取り組みをしております。
 ( スライドNo.9「C新聞折り込み広告(平成21年12月28日)」)さらに昨年の12月28日には新聞への折り込み広告という形で、福井新聞の朝刊に今回の住民意見交換会についての開催案内のチラシを折り込んでおります。福井新聞はこの地域において大体8割ぐらいのご家庭で講読されておりますので、最も広報の効果が高いということで福井新聞の方に折り込みのチラシを入れさせて頂きました。
 ( スライドNo.10「Dポスター」)それから、ポスターでございますが、これにつきましても近畿地方整備局、小浜市、若狭町の他、JR小浜駅や上中駅等の公共施設に合計12枚、ここにあります意見交換会のポスターを掲示してございます。
 ( スライドNo.11「(3)住民意見交換会の開催」)このような事前の様々な住民意見交換会についての案内の取り組みの後、1月13日から15日にかけまして計3回、意見交換会を実施しております。
 1回は若狭町で実施しまして、後2回は小浜市におきまして開催しております。それぞれ参加人数はこのような形になっておりまして、合計で述べ100名あまりの方にご参加頂いたという状況でございます。
 ( スライドNo.12「(4)意見募集の受付」)それとともに意見募集の受付ということで、郵送、福井河川国道事務所のホームページにおける意見の募集、それからFAXでそれぞれ意見の受付をしております。
 ( スライドNo.13「(5)いただいた意見や質問」)このような住民意見交換会、意見募集の受付といった取り組みを踏まえました結果、合計としまして、意見交換会で46件、ハガキ・FAX等で24件のご意見、ご質問を頂いております。
 これら分野でございますが、治水に関するものが50%、利水に関するものが4%、環境に関するものが10%、維持管理に関するものが13%、それから、その他のものが23%というような割合でご意見を頂いております。合計としまして70件のご意見、ご質問を頂いているという状況でございます。
 頂きましたご意見、ご質問は「資料−2」に表形式でまとめております。こちらの方にこれまでの流域委員会、住民意見交換会、意見募集等で頂いたご意見をまとめて提示をしてございます。このような形でご意見を頂いたということでございます。
 ( スライドNo.14「3 河川整備計画(原案)への意見反映について」)頂いたご意見につきましては、河川整備計画にそのご意見を踏まえて何らかの形で盛り込むべきもの、あるいは、ものによっては地先的な非常に局所的な話もございまして、いろいろなレベルのものがございました。その中で特に今回の河川整備計画の中に盛り込むべきご意見とそれへの対応ということで、14ページ以降にまとめております。
 ( slide・No.15「(1)治水に関する意見」)先ず、治水に関する意見でございます。流域委員会における意見としましては、特に整備の目標といいますか、そのあたりのところで、「戦後最大洪水」とか「確率年」というわかりやすい目標が記述されていないというご指摘がございました。
 それから、河床の上昇によって干陸化が進行し河川環境が悪化している。掘削しないと水面が出てこないというご指摘。また、渇水時に瀬切れが起こっており、その対応の記述をしていただきたいというご意見を頂いております。
 住民からのご意見としましては、堤防をあげてもらわないといけないのではないかとか、北川上流に砂利の採石場があり、下流に堆積等の影響がでていると感じるとか、野木川の水が北川にスムーズに流れるような方策がとれないのかというようなご意見を頂いております。
 ( スライドNo.16「河川整備計画(原案)本文P3-3」)これは前回、お示ししました河川整備計画(原案)の本文の3-3ページの記述でございます。
 ( slide・No.17「河川整備計画((案)作成に向けて)本文P3-3」)それに対しまして、今回、ご意見を踏まえまして赤字の部分を追加して記述しております。
 その中で、「戦後最大洪水」「確率年」など、わかりやすい目標が記述されていないというご指摘につきましては、17ページの一番下の段落になりますが、「上記施策の実施によって、遠敷川合流点から下流部では、現況流下能力1000m3/s程度から将来目標である1800m3/sに向けた途中段階として戦後最大となる昭和28年9月洪水を考慮し、河道で1400m3/s程度の流下能力を確保する」という形で、特に戦後最大洪水との比較とかそのあたりの具体的な数値を入れさせて頂きまして、比較的イメージがしやすいように表現を工夫させて頂きました。
 それから、河床の上昇による干陸化によって河川環境が悪化している。掘削しないと水面が出てこないとか、渇水時の瀬切れの問題、野木川の水が北川へスムーズに流れるような方策がとれないのかというようなご意見につきましては、中段のところにありますように、「遠敷川合流点から下流部においては、治水・利水・環境のバランス、特に貴重な動植物の生息・生育環境の保全を行い、利水への影響を考慮した掘削や水位低下方策により河道の流下能力を向上させる対策に加え、浸透・浸食に対する堤防強化により堤防の信頼性を向上させ、洪水に対する安全度向上を図る」という形で記述をしております。
 それから、野木川の水が北川にスムーズに流れるような方策という観点につきましては、その上にありますように、「本支川の整合などを総合的に勘案し、以下のとおりとする」ということで、支川と本川の整合、バランスをとりながら対策をとっていくというような記述をここに加えさせて頂いております。
 以上が治水についてのご意見に対する対応ということでございます。
 ( スライドNo.18「河川整備計画(原案)本文P4-10」)これは前回お示ししました河川整備計画(原案)の「4.2.2 河川区域の管理」というところの記述でございます。
 ( スライドNo.19「河川整備計画((案)作成に向けて)本文P4-10」)これにつきましても文言の追加修正等を行っております。河道の管理につきましては、先ほどのご意見等にもありました堆積土砂に伴う河川環境の悪化や瀬切れ、また、堆積土砂が流水の阻害になる場合には維持掘削等で対応するということがございます。そのような意図をこの中で表現するために、4.2.2の「(2)河道の管理」のところで、「河道の変動状況及び傾向を把握し、堆積土砂等が河川管理上の支障となる場合や現状の保全・回復のため必要な場合は維持掘削など適切な河道管理を行う」という表現にさせて頂いております。
 合わせて、樹木の伐採につきましても、「河川環境の保全・回復に配慮しつつ伐採を実施」という文言を追加しております。
 ( スライドNo.20「(2)水質に関する意見」)次は、水質に関するご意見でございますが、これは特に前回の流域委員会におけるご意見でございます。水質の保全において、今後、小浜市で水道用水の利用があるということで、河川に求められる水質についても何らかの記載ができないかというご意見がございました。
 前回のこのご意見を踏まえまして、「3.5.4 水環境(水質)」の中の「(1)水質の保全」というところの文言を修正しております。「北川の自然豊かで動植物の生息・生育・繁殖環境の保全を図り、河川利用や水利用を促進するため、地域住民との連携を図りながら良好な水質の保全を図ると供に、取水・排水の状況を把握し関係機関との連絡・調整を行い、必要な水質の保全に努める」ということで、ここにつきましては文言を改めるといいますか、改良して修正をしております。
 ( スライドNo.21「(3)地域住民との連携に関する意見」)次は、地域住民との連携に関するご意見でございます。これにつきましては、流域委員会からのご意見といたしましては、前回、「洪水時に流木が海まで流れている。この対応について整備計画に付け加えてほしい」というご意見、「流木の問題も含め、川だけではなく山も含めた流域として考える必要性や最近の水害の現状とわかってきたことを踏まえた対策等、今後議論をした方がいいのではないのか」というご意見、「北川河川整備計画で定められた整備メニューについては、策定で終わるのではなく、今後取り組まれる内容、実施過程、結果等について地域住民へ積極的な情報発信、啓発をしていただきたい」というご意見がございました。
 それから、「治水や環境までも含め、実際の事業に考え方が反映できるような国、県の管轄区域をまたがった場が必要ではないか」というご意見、このような流域全体での連携を図るような議論の場が必要であろうというご意見を頂いております。このようなご意見を前回の流域委員会で頂いたという状況でございます。
 それから、堤防の安全性が懸念される箇所についてはホームページで公表しておりますが、高齢化社会でパソコンを使えずホームページを開けないことが多いので、若干、不親切ではないかというご意見も住民の方からは頂戴しているという状況でございます。
 ( スライドNo.22「河川整備計画(原案)本文P4-15」)このような前回の流域委員会でのご意見、住民からのご意見等を踏まえまして、今回の河川整備計画(原案)の本文に「4.3 その他河川整備を総合的に行うために必要な事項」という項目がございます。その中の「4.3.4 地域住民との連携」の部分につきまして、23ページにありますような文言の修正、追加等を行っていきたいと考えております。
 ( スライドNo.23「河川整備計画((案)作成に向けてP4-15」)前回の流域委員会で頂いたご意見を踏まえまして、「4.3.4」のタイトルを「地域住民、関係機関との連携」としております。当然、流域全体で関係機関とも十分に連携しなければいけないということでございますので、その趣旨を入れております。
 それから、特に河川整備に関しまして積極的な情報提供と、いろいろな機会をとらえて情報の発信を行っていくことによって住民の方から様々な協力を頂く必要があるということから、「(1)住民と連携した河川整備の実施」というように項目の文言を修正しております。そして、「河川整備の実施にあたっては、地域住民に河川に関する情報提供を、積極的にわかりやすく行うことで問題意識を共有し、意見交換を行うなど連携しながら進めていく」ということで、そのような趣旨をこの中に盛り込んでおります。
 それから、前回の流域委員会等でもご意見を頂きましたとおり、河川管理者のみでは流域の問題がなかなか解決できないということがございます。このような流域全体で一体となって対処すべき事項に対する記述といたしまして、「(5)関係機関との連携」という項目を設けまして、「流域の環境変化や気候変動による洪水流出の変化、渇水時の瀬切れや濁水の長期化問題など、北川水系における課題を解決するためは、流域一体となった総合的な対策が必要なことから、流域に関係する機関や事業者とも連携し、総合的な河川整備を目指す」という形で、前回の流域委員会でのご意見を踏まえまして、このような趣旨の文言を追加させて頂いております。
 以上、前回の流域委員会後の意見聴取の状況、それから、ご意見を踏まえました河川整備計画(原案)への意見の反映案につきましてご説明させて頂きました。
○委員長
 ありがとうございました。
 今のご説明でございますが、このように修正がされております。これにつきまして皆様方から何かご意見がございましたらよろしくお願い致します。どうぞ。
○委員
 前回のときに許可工作物の件でお願いしたのですが、今回の修正された文言を見ますと、遠敷川合流点から下流で1,000m3/s流れていたものを1,800m3/sに改良していきたいと。但し、当分の間は1,400m3/sでいきたいというふうに言っています。その下流に府中頭首工がありますが、府中頭首工を改良するという時にどうされるのか。断面を拡張することはまず否定しないと思いますので、多分、頭首工を可動堰にせざるを得ないと思っています。その時に河川工作物の利用者に改善を指導していくということでこの河川計画が作用するのかなと。私はこの点について再度申し上げておきたいと思います。こういうことは河川行政の中でやっていかないとこの河川計画はできないと思います。今回この部分を直して頂いていませんので、再度お願いをしたいと思います。これは私の意見だけですのでどうなるかはわかりませんが、利水の委員として申し上げておきたいと思います。
○委員長
 ありがとうございます。
○河川管理者
 これにつきましては前回も議論になったかと思いますが、整備計画の4-1ページの4.1.1の(1)に記述されておりますように、「施設管理者に改善指導を行っていく」という表現になっておりますが、決して強権的に「これをすぐに何とかしろ」という話ではなくて、事前に十分な調整を踏まえてそういうことをやらせて頂きますし、当然、施設の管理者とも協力しながらやっていかなければいけないと考えております。文言はこうなっておりますが、決してそういうことではありません。
○委員
 強権とは思っていませんが、そういう体制ではここに書いてある河川の目標が達成できないということです。あえて個別の話をさせて頂きますが、それでは遠敷川下流もなかなかできないのではないかと。やはり河川管理者と行政の中で協力していくというような話でないといけないと思います。これを読んでいますと、申請者が主になってやるというふうにしか考えられませんので。
○委員長
 どうぞ。
○河川管理者
 今言われたとおり、整備計画の目標に向けて治水の流下能力を上げていく必要があるというところについては、当然、河川の事業でやりますし、それは施設管理者と協議しながら河川側でやっていくということです。先ほど、所長が説明したところについては、流下能力的に問題はないけれども、基準に合っていないので、今後何かするときには変えてくださいというところと少し書き分けが違うのですが、今言われたように、整備計画の戦後最大に向けてどうしても改築しないといけないところについては河川事業者が施設管理者と協議をしてやっていくということです。そうしないと、施設管理者だけに任せておいてもできませんので。
○委員
 説明を聞くとわかるのですが、文言だけを読むと、流水に支障があれば申請者が直さなければいけないという感じがしますので、これではいつまでたっても北川の改修はできないのではないかと危惧するわけです。
○委員長
 ありがとうございました。文言が変わるかどうかわかりませんが、今言われた○○委員のお気持ちは記録としてちゃんと残るわけですね。
○委員
 そう言って頂けるだけで結構です。
○委員長
 他にいかがでしょうか。では、よろしくお願い致します。
○委員
 霞堤の件ですけれども、この案の中にも幾つか霞堤の話が書かれておりますように、霞堤は北川の非常に大きな特徴の一つかと思います。17ページに流下能力の話が出てくるのですが、まず1点お聞きしたいのは霞堤の役割です。以前、○○先生からご質問がありまして、解析までしてどの程度かということをご検討されたと聞いているのですが、実際にはこの流下能力には霞堤は含まれていないのでしょうか。そのあたりを教えて頂きたいと思います。
○河川管理者
 今回の河川整備計画にあるとおり、霞堤については保全を図っていきまして、それを活用していくという考えでおりますので、それも含めて能力の中には入ってございます。解析からは定量的に30m3/s程度の霞堤の効果があるということがわかっております。
○委員
 30m3/sというのは、霞堤は11箇所ですか。
○河川管理者
 すべて含めてです。
○委員
 含めて30m3/sということですね。
○河川管理者
 そうです。
○委員
 それで比べますとそんなに大きな機能がないのかなというふうに受け取れるのですが、実際には洪水の場合、そういったものが機能したときに下流の安全が図られるわけですから、そのあたりは定量的に書きにくいのかもしれませんが、霞堤というものの役割とかそのあたりをもう少し強調して頂きたいと思うのですが、どんなものでしょうか。
○河川管理者
 今申し上げたとおり、霞堤につきましては貯留の効果もございますし、上流、特に支川から水が入ってきたときに、霞堤があることによって本川の水位が低下したときに支川のほうの水を早く本川のほうに戻してやるという、いわゆる戻し効果もあるということで、今後も河川における重要な機能として霞堤の保全を図っていきたいと考えております。基本的にはそういう考えでございまして、本文の中でもある程度、霞堤の効果も書いております。
○委員
 ありがとうございます。
 住民のご意見の中に、この間も国富地区のほうにコウノトリをやってきたということで非常に関心が高いということですが、遊水地に水を溜めておいてそこに水鳥が来るとかそういったところもあるようですけれども、基本的にはここは土地利用的には通常、農業をされるとかそういった状態で、洪水時にはそれを許すというようなエリアと考えればいいのでしょうか。
○河川管理者
 ご指摘のとおり、この流域における霞堤につきましては大部分が農地、田んぼとして使われていまして、通常は農業、洪水時には霞堤として機能するという利用形態になっております。
○委員
 土地利用でいうと田んぼとかの面積はあまり変わらないということですが、農業の仕方自体は全く変わってしまいまして、昔、コウノトリがいたような時代とは少し異なっているわけです。それで、例えば霞堤の部分の農地などを生物のために使えるような方策はないのかなということを感じました。それはこの計画の中に盛り込むとかそういうことではなくて、地域の方も含めて何かそういったことを考えて頂けたらというふうに感じました。
○委員長
 ありがとうございます。非常に貴重なご意見だと思います。単なる治水機能だけではなくて、農業との結びつきで何かうまく利用できないかということですね。こういったことも将来的な検討に値するのかなという気は致します。
○委員
 その件についてですが、私、土地改良の理事長をしておりまして、今圃場整備をやっているところです。ここに(資料−2)載っておりますように、下吉田からの意見(冬水田んぼ農法)にありましたように、私どものところでもそういうことはいいということがわかってきまして、徐々にですけれども、そういう傾向にあるということだけお話しさせて頂きたいと思います。
○委員長
 ありがとうございます。どうぞ。
○委員
 今霞堤のお話が出たのですが、私も言いっ放しにしてきちんと確認していなかったので、もう1回お伺いしたいと思います。前に平面二次元解析をされたということを伺ったのですが、どういう解析をされたのですか。実際に洪水のハイドログラフを流してみてどういう具合に浸水していくとか、そういう過程を見られたのでしょうか。30m3/sというのは何のことを言っているのかよくわからなくなってきたのですが、今お話が出たので再度、確認させてください。
○河川管理者
 先ほどの30m3/sというのは河川整備基本方針の流量です。そのときの流量を流下させたときの検討結果におきまして霞堤の貯留効果が約30m3/sになるという結果を得ております。
○委員
 それはどういう解析ですか。ハイドログラフを流しているのですか。その断面だけ広がっているからということだと、あまり意味がないと思います。
○河川管理者
 今、手元に申し上げた以上の、解析手法とかそのあたりの資料がないものですから。
○委員
 貯留効果というとハイドロを流してみてピークがどれだけ減るとかそういうことを検討しないとわかりませんので。
○河川管理者
 もちろん、そうですね。
○委員
 それで、このご意見にも霞堤のことが幾つか出ていますので、時々刻々どういう具合に水位が上がって霞堤に浸水していくとか、そういう解析をもしやられているのでしたら、それをどこに載せるのがいいのかわかりませんが、たくさんでなくてもいいですから、あるのなら経時変化の図を載せたほうがわかりやすいと思います。
○河川管理者
 第6回の流域委員会におきまして「霞堤の機能について定量的に教えてほしい」というご質問がございまして、そのときに29.7m3/sという結果が出ております。その際に計算結果をお示ししておりまして、霞堤がある場合とない場合で、破堤1時間後、3時間後、15時間後それぞれで浸水のエリアと浸水深の状況の図面をお示ししております。
○委員
 それはちょっと記憶にないのですが、破堤ですか。破堤と30m3/sというのは関係ないですね。それはその前の話のはずですので。とにかく、霞堤に浸水していく過程がシミュレーションできますのでそれがあったほうが効果がはっきりわかるのではないでしょうか。
○委員長
 それをどこまで載せるかということはありますが、例えばどういった条件のもとでいくと最大で約30m3/sの貯留効果があったというような、現状よりは少しかみ砕いた形での機能をお示ししてほしいということだろうと思います。
○委員
 これまでにも言ってきて不明確なままにしていたのも悪かったのですが、定常計算だと意味がないような気がしますので、ピーク流量のカットにどれだけ効果があったかということを。
 それは置いておきまして、忘れてしまうので先にもう一つ申し上げたいのですが、治水経済調査の指標は出てこないのですか。きょうはないのですが、それがないと何とも言えないですね。通常は河川整備計画では治水経済調査の結果が出てこないといけないと思うのですが、ここの場合はもう出てこないのですか。
○河川管理者
 今回は原案の修正をお示しするということで、今回はこれ以上の資料をお示しすることにはなっておりません。
○委員
 今回はいいのですが、治水経済調査の結果は大きな指標の一つだと思いますので。
○河川管理者
 北川の治水経済調査の結果、B/Cにつきましては別途、事業評価というスキームの中で、北川につきましては昨年、事業評価をしておりまして、その中でB/Cの算定結果を公表しております。
○委員
 ここでも知らされているのですか。私は記憶にないのですが。
○河川管理者
 それは事業評価監視委員会という別の委員会の中でB/Cを算定して公表しております。
○委員
 それは河川整備計画に対する治水経済調査ですか。
○河川管理者
 それは河川整備基本方針に基づく最終形でのものを想定したB/Cとなっております。
○委員
 ここでは20〜30年でしょう。それに対する治水経済調査の結果が出てきてしかるべきではないのですか。治水経済調査というのは費用と便益というか、治水のプロジェクトの経済性の評価のことです。
○委員長
 この委員会ではそういった経済的なところは出てこなくて、私の記憶ではたしか床上浸水の戸数がどれだけ減るとか、そういった治水効果については出てきたと思います。
○委員
 難しいのなら結構です。とりあえずこれで終わります。
○委員長
 霞堤のそういった治水効果につきましては、もしもう少しわかりやすく書けるのであれば、条件等をふやして書いて頂ければというご意見でございます。よろしくお願い致します。
 他にいかがでしょうか。どうぞ、お願いします。
○委員
 私、前回の委員会に出ておりませんで、本来であれば前回の委員会できちんとお話ししたほうがよかったかと思うのですが、今回も今後のことに関して「住民意見を聴取していく」とか「声を生かす」とか「住民との協働」ということがたくさん書かれておりますし、それに関しては非常にいいことだと思うのです。ただ、すべてそうですが、具体的にどのように行われていくのかというところで非常に懸念を持っていることがありますので、最後に一つ言わせて頂きたいと思います。
 今回、年末から年始にかけて住民意見の聴取をされておりますが、私は少し前まで公民館の職員をしておりました。公民館で何かイベントをしようとしたときは1カ月前には周知するというのが基本です。年末年始を入れますと、2カ月前ぐらいに周知しないとそのイベントをやっても人が来てくれないだろうという感覚でやっております。
 今回の資料を見せて頂きまして、国交省の皆さんは年末年始もお休みなく仕事をされているのかなと思ったのですが、一般住民の感覚としまして、クリスマスから成人式ぐらいまではほとんど動かないという状態です。そういう中でパンフレットの設置とチラシの折り込みが12月28日で、1月初旬から半ばにかけて意見交換会を行われたわけですが、これで「1カ月かけて住民の意見を十分聞きました」というふうに言われても、「えっ、そんなことがあったの?」という人が非常に多いのではないかと思っております。
 この流域委員会は1年間ぐらい間があいた時期がありまして、そのときに私たちは内部調整のためというふうにお聞きしました。内部調整に1年間かけられるのであれば、住民意見の聴取にもせめて3カ月、6カ月という時間を設けることがどうしてできないのかということを非常に感じました。
 この整備計画ができまして、どんなに議論を積んで、どんなにいいものをつくろうとしても、流域の人たち全員が納得するとか、流域の人たち全員の利害がかなうものはあり得ないと思うのです。そういった場合に、十分に話をする場があって十分に話し合った結果、自分の意見は取り入れられなくても納得したという気持ちがあって初めて、自分たちの川だから自分たちで大切にして今後も監視して守っていこうという発想が生まれると思うのです。それがないと、知らないところで決まって、知らないところでされていることというところから出ませんし、何か問題が起こったときに「河川管理者が悪い」というような発想でしか考えられなくなってしまいます。ですから、過ぎたことに関しては仕方がないですが、周知の期間が1カ月というのは非常に短いと思いますので、今後、住民意見の聴取とか協働とかそういうことを行っていく場合にはその点を考えてお願いしたいと思います。
○委員長
 貴重なご意見をありがとうございました。いかがでしょうか。
○河川管理者
 住民意見の聴取における事前の周知につきましては前回の流域委員会でもご指摘を受けまして、我々としましてはできる限りのことをさせて頂いたと考えております。単にホームページに出すとか、パンフレットを設置することだけではなくて、ケーブルテレビの放送に乗せるとか、折り込みチラシとか、いろんな機会を通じて情報を提供させて頂いたと認識しておりますが、期間的に十分でないというご意見もあるということですので、このあたりは今後の進め方の参考、教訓にさせて頂きたいと思っております。特に住民の方への周知ということについてはそのような形で考えております。
 それから、今委員がご指摘になったとおり、つくりっ放しでは意味がないと考えております。この中にもございますように、実施状況を常にモニタリングし、その情報を住民の方々に提供し、それに対するご意見を頂き、それをもとに我々のやり方を考えていく。そういう形をPDCAと呼んでおりますけれども、その中で常に住民の方とも連携また対応しながら事業を進めてまいりたいと考えております。
○委員長
 今のご意見は非常に大切だと思います。本省での調整と地域、そういったところで若干のギャップがあるということだろうと思っております。ですから、今後、地域性を生かすということが必要であるというようなご意見だったと思います。ありがとうございます。
 どうぞ。よろしくお願いします。
○委員
 2点ほどお伺いしたいと思います。私もこういう立場でやっているものですから、住民の方々がどういうことを思っておられるのかということで、第3回の住民意見交換会に出席しました。そこでいろいろ聞いてみますと、以前に台風がありましたので、下流域の国富付近の方が洪水の危険性について大変心配されていました。どういう対応がいいのかということでいろいろ話をされていましたが、そういう意見が非常に多かったように感じました。
 市会議員の方も何人も出席されておられまして、行政の方はそういうことに関心を持っているので出席されたのだろうと思うのですが、その中である人が質問されていました。河川整備計画の原案の4-2ページの水取地区の写真を見て、この写真の上流から下流域にかけて、丸山橋から下の方ですが、川の幅がだんだん狭くなっているのではないかと。恐らく上から見ているので狭く見えるのだと思いますが、実質的には川幅は若干狭いぐらいでほとんど変わらないです。この裏のページを見ても大体同じような感じですが、その方は江古川合流点より下流が狭いということを気にしておられました。
 それに関連しまして、堤防の関係で小浜中学校の横に矢板護岸をつくられまして、その後、見た感じでは、以前は砂の堆積は海岸に近いほうだったのですが、だんだん上流に寄ってきているような感じがします。そういうふうに堆積の状況が変わってきまして、江古川合流点に近いところで堆積した土砂については、洪水などの危険性を考えますと最終的には除去しないといけないと思うのですが、海との関係もあるものですから、その辺のことは考えながらやる必要があると思います。この整備計画の中では遠敷川より上流と遠敷川より下流については、上流のほうは河床が高いので土砂をとるということになっていますが、河口の方についてもそういった対応をして頂けるような、部分的にはそういうふうに書いてあるのですが、そのあたりは対応して頂けると考えていいのでしょうか。
○河川管理者
 「資料−1」の17ページにございますように、「遠敷川合流点から下流部においては、治水・利水・環境のバランス、特に貴重な動植物の生息・生育環境の保全を行い、利水への影響を考慮した掘削や水位低下方策により河道の流下能力を向上させる方策に加え、浸透・侵食に対する堤防強化により云々」という記述をしてございます。下流におきましても流下能力を確保するための掘削をやっていくということを記述しておりますし、加えまして、特に下流におきましては堤防への信頼性、特に浸透・侵食に対する危険を下げるための対策も同時にやりまして、より安全度を高めていくようにしていきたいと考えております。
○委員
 わかりました。
 あともう1点は、この原案の最後のほうに「関係機関との連携」ということがうたわれていますが、関係機関というのは流域に関係する関係機関ということで、あと「事業者」ということも書いてありますが、関係する機関とか事業者というのは具体的には大体どの範疇まで入るのですか。
○河川管理者
 地元の県、市町村は関係機関に入るでしょうし、国の機関でいえば農林水産省とか環境省なども関係機関となります。また、土地改良区とか地元の農業関係の機関等も関係機関と考えております。事業者というのは沿川の漁協とか、場合によっては、先ほどあった砂利の採取の事業者とかそういうところも入ってくるでしょうし、ここについては特にこれというふうに限定するのではなくて、関係するものであればすべてこの中に含めるというふうに考えております。
○委員長
 ありがとうございます。流域ということですから、別に福井県に限ったことではないということでございます。
 他にいかがでしょうか。どうぞ。よろしくお願い致します。
○委員
 質問というより意見ということになるのかもしれませんが、1点だけ申し上げたいと思います。「資料−1」の23ページにありますように、赤い文字で「関係機関との連携」というふうに直して頂いたのですが、これは文言上の問題で、なかなか他に適切な表現がないのですが、この「連携」というのをもう少し前向きに積極的に、より実効性のあるようなものであるというような表現ができないものかと思って考えていました。先ほどのお話にもありましたように、河川管理者だけではどうにもできない課題解決のために関係機関と調整・協議しないといけないというところで、その連携でどの程度、実効ある問題解決ができるのだろうかという疑念を呈されている委員もおられたかと思います。
 この計画をざっと読みますと、「関係機関」が出てくるところはおしなべて「連携する」の一言なのです。連携というのは任意で、かつ連携を呼びかける当事者の主体性といいますか、その積極性次第で、そこに左右されるようなところがありますので、「連携する」の一点張りでいきますと、それがどのぐらい実効性を持つのだろうかという疑念の意見が出てきてしまうわけです。ですから、もう少し踏み込んだようないい表現があるといいなと思っていたわけです。
 ここに「連携し、総合的な河川整備を目指す」とありますね。そこを例えば「連携するとともに必要に応じて積極的に問題提起を行うなど」というように、これはもちろんベストの表現ではないのですが、あまりにも「連携する」の一言で全ていっていますので、もう少し踏み込んで前向きに、連携を実効性あるものにするというところがわかるといいのかなと。今議論を聞いていてそう思ったのですが、これは表現として難しいものでしょうか。
○河川管理者
 ありがとうございます。我々は決して前向きでなくて「連携」と書いているわけではなくて、前向きな気持ちで「連携」と書かせて頂いております。他に適切な文言なり言葉が見つからなかったものですから、「連携」という一言で書いておりますが、今のご意見を踏まえましてもう少しいい表現があればそれも検討してみたいと思います。
 また、実効性という観点からは、今回のこれには入っていないのですが、前回の原案では、PDCAサイクルで計画を実施していくという「事業監視(進捗点検)計画」というものを最後に盛り込んでおります。決してつくりっ放しで終わるということではなくて、Plan(計画)を契機として、Do(実施)し、それからCheck(評価)をし、Action(改善)をし、またPlanに返すというPDCAのサイクルで計画もよくしていき、それに伴って行う事業も改善してよりよいものにしていきたいということで、我々としては前向きに取り組んでいきたいと考えております。
○委員長
 ということで、その気持ちが文章に表れればいいなというご意見でしたが、少し検討して頂きまして、もし名案がありましたらよろしくお願い致します。
 他にございますか。○○委員、どうぞ。
○委員
 非常に長時間にわたりました整備計画の委員会も本日をもって終了するわけでございますが、向こう30年間を目指しての整備計画が今後、具現化されていくと思っております。今の話ではございませんが、いろんな関係の皆さんと相談しながら、3年ぐらいの目処でこれぐらいのことをしたいとか、5年を目処にこれぐらいのことをしたいという細部の計画を立てられてこれから工事工程表のようなものをつくって進められるのでしょうか。あるいは国交省、事務当局一辺倒で進めてやられるのでしょうか。これからの進め方の要綱といいますか、要領といいますか、そのあたりを教えて頂きたいと思います。
○河川管理者
 今回、この河川整備計画が策定されれば、今後はこれに基づいて具体の事業を実施していくわけですが、基本的には我々の事業は毎年度、計画を立てて実施していくということになります。その中で具体にどういう箇所でどんな工事、事業をやっていくかということは、河川管理者だけで勝手にやることはできませんので、地元の市町、住民の方に情報を提供させて頂きまして、その中でご意見等も頂きながらその事業を実施していくことになろうかと思います。そのあたりは決して河川管理者だけで進めるのではなくて、まさに一緒に協働、連携して行っていくことになろうかと思っております。
○委員長
 ○○委員のお気持ちとしては、この整備計画というものが基本にあって、これの整合性を保ちながら今後、計画して頂きたいと。また、中期計画のような目標があって、できるだけそれに向かってアプローチしていくということだと思います。これは住民との関係もありますので非常に難しいとは思いますけれども、そういったことを望まれているのではないかということだろうと思います。よろしいでしょうか。
○委員
 はい。
○委員長
 ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。どうぞ。お願いします。
○委員
 最後に細かいことを申します。前回の会議のときに事務局の方にお伝えしたのですが、原案の1−10ページの右上の写真のキャプションですが、「台風13号瓜生村関地区の惨状」とあります。実は私、関という集落に住んでおりまして、これを見る限り、うちの集落ではないと思います。そもそも写真に書いてある注記が間違っているのか、もう一度、確認して頂ければと思います。関の人間が来ていながらもし間違ったら大変ですので、よろしくお願いします。
○河川管理者
 わかりました。こちらのほうは確認させて頂きたいと思います。
○委員長
 今のご意見につきましては、各委員さんにも見て頂きまして、何かあれば遠慮なくご指摘を頂くということと同時に、事務局の方ももう一度見直してください。お願いします。
 では、どうぞ。お願いします。
○委員
 一言だけ言わせて頂きたいと思います。先ほども○○委員から協働ということでご意見があったのですが、北川という川を考えてみますと、非常に流程も短いですし、全国的な一級河川から考えれば流れている地域も比較的狭いです。他の大きな河川と比べると利害関係がすごく単純というと語弊があるかもしれませんが、いろいろな関係者が寄り集まって考えていく場ということでは、すごく取りかかりやすいいい場ではないかと思うのです。ですから、ぜひ全国の河川管理のモデルとなるように、それこそ協働してお互いが納得して理解できるような形の整備を進めていって頂ければとてもありがたいと思います。
○委員長
 ありがとうございました。僕が最後に締めくくろうと思っていたことを言われてしまいましたので、もう言うことはないなと。確かにおっしゃられるとおりだと思います。北川は一級河川の下から4番目ぐらいでしたかね。
○河川管理者
 109水系のうち下から4番目ぐらいの小さな川でございます。
○委員長
 そうですね。ですから、小回りのきく流域の計画ができればということを思いました。ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。どうぞ。お願いします。
○委員
 今頃言うことではないのですが、「治水の沿革」のところで、北川の特徴として霞堤があるわけですが、府中でしたか、石積みの上に立派な家が建っている集落があったと思います。結構、特徴的な場所があるなと思っていましたので、それを調べて入れて頂きたいと思います。右岸側の新しいところはそういう具合にはなっていませんので、あれはなかなかいいなと思っていましたので。
 それから、先ほどから出ているPDCAサイクルとか、これから何をするのかという話ですが、それは所長さんが約束されましたのでそれを信用するしかないと思いますけれども。
 一つ気になったのは、これまでにも何回か出てきた湿性植物のことです。原案の4-4ページでは湿性植物のところと河床掘削のところが一緒になっているのですが、当研究室でさせて頂いた北川の河川整備に関するアンケート調査では、湿性植物はほとんど認知されていなくて、そういうものにお金を使わなくてもいいというような結果が出ました。それはあまり関係ないのですが、これまでに何度か皆さんからお話が出ましたので、危機的だと思うのです。ですから、移植するかどうかというあたりで緊急度が高いように思われます。例えば足羽川のタコノアシをプラントピア朝日に移植しましたね。そういう危機的なものに対してはすぐに対処して頂いた方がいいと思います。それは多分、そんなに難しい話ではなくて、治水事業に比べたら本当に微々たるお金で済むと思いますので、優先度、緊急度に応じて直ぐにやって頂きたいと思います。
 それと、今日配られたご意見に対する回答ですが、これは国交省だけで回答できる話ではないですし、江古川とかは名前が何回も出てきましたのでやはりそうなのかと思いましたが、その辺の回答をホームページなど何らかの形で周知してほしいと思います。以上です。
○委員長
 ありがとうございます。湿性植物のお話と、「資料−2」に対する回答が公開されればいいのではないかというお話ですが、これはどうなっているでしょうか。
○河川管理者
 先ほどの4−4ページの河床掘削のところの「湿性植物の生息環境」というところでございますが、これは掘削するところを赤くハッチをかけておりますが、現在、河床が上がっていまして、それによって乾燥化しているということがございます。これにつきましてはこの部分を掘削することによって、逆に湿性植物の生息環境を保全していくような取り組みをしていくということを考えておりまして、決して湿性植物の生息環境を侵すということでここを整備するものではないというふうに考えております。
○委員
 わかりました。それはわかりましたけれども、その前にとりあえず避難をさせて、無造作にしないようにお願いしたいということです。
○河川管理者
 そのあたりは十分、現地の状況等を見ながら対応していきたいと思っております。
○委員
 それでまた湿地帯のように戻ったとしても、今の個体数でずっと存続していけるという保証がありませんので、1回避難してどうやってふやしていくかということを専門家の方と相談して頂ければと思います。それはそんなにお金のかかる話ではないと思います。治水事業度に比べたら100分の1ぐらいでしょうか。それはわかりませんが、そのあたりはぜひともご検討頂きたいと思います。
○河川管理者
 実際の実施に当たりましては慎重に、また必要に応じて学識経験者の方にいろいろなご意見を伺いながらやっていくという取り組みをしてまいりたいと思っております。
○委員長
 後半に出ました、ご意見に対する回答のお話はいかがでしょうか。
○河川管理者
 頂いたご質問につきましては、回答をホームページで公開するという予定にしております。
○委員長
 ありがとうございます。
 時間も押してきたのですが、いかがでしょうか。はい、お願いします。
○委員
 魚道の件ですけれども、以前、北川をモデル河川として魚が上りやすい川づくりということでやられたと思うのですが、ここにも魚道の改善とかそういうことを関係機関と連携してやっていかれるということですが、現在、設置されている魚道がどの程度きちっと機能しているのかということは川の澪筋によっても変わってしまいますし、すでに工事をしてつくられたものは相当、資本を投下されていますので、過去につくられたものと川づくりをうまくリンクさせて頂きたいと思います。
 それから、今は生態工学という分野もだんだん成長してきているようですが、国交省の方でいろいろな知識とかノウハウを蓄積され、コンサルと連携しながらやられていると思います。学識経験者もどんどん高齢化していきますので、そういった技術がうまく伝承できるように定期的に見直しをやって頂きたいと思います。以上です。
○委員長
 ありがとうございます。川も生き物ですから、魚道の効果もケース・バイ・ケースで変わってくるだろうというご指摘でございました。
 はい、どうぞ。
○委員
 先ほど洪水の話をしたのですが、以前に台風の時にもう少しで北川が決壊というような時があったと思います。あの時私は福井の方に行って、そこで足止めを食らったのですが、それまでの間、福井の方で北川の監視モニターがテレビで映っていまして、その情報を地元の人に連絡したのですが、当時、停電になっていましたのでその情報がわからなったという状況でした。現在は携帯電話でモニターがわかるので非常にありがたいと思っております。先ほどの住民意見の中にありましたように、確かにお年寄りはパソコンについていけなくて携帯電話も使えない人がおられるかもしれませんが、今の携帯電話のやり方は非常に有益だと思いますし、そういった情報が別の形でできるのでしたら今後ともよろしくお願いしたいと思います。
○委員長
 ありがとうございます。洪水対策のソフトの面でこういった点も充実させていくということだろうと思っております。
 他によろしいでしょうか。ありがとうございます。今日は本当にたくさんのご意見が出まして、事務局の相談も今まで以上に長かったかと思っておりますが、貴重なご意見をどうもありがとうございました。
○庶務
 ありがとうございました。
4.その他
○庶務
 それでは、「議事次第」の4番、「その他」でございます。本日の第10回委員会をもちまして北川流域委員会は終了致します。
 最後に委員長から一言お願い致します。
○委員長
 先ほども言いましたように、北川は小さな流域でございます。小さな流域では小回りを効かせることがメリットだと思っております。流域対応をより強めていくということで、流域に関係する機関、事業者さんと積極的に連携していくといいますか、言葉が難しいのですが、そういったこともやりながら、一番大切なことは、先ほども言われたように、地域の方と河川管理者が信頼関係を持つことだろうと思います。そういった中で、できることはできますし、今は難しいことは難しいということがお互いに腹を割って言えるような関係が今後ともこの整備計画の中で反映されればありがたいと思っております。管理者の皆様方も今回の貴重なご意見を今後とも反映させていって頂きたいと思っております。よろしくお願い致します。どうもありがとうございました。
○庶務
 ありがとうございました。
 続きまして、国土交通省近畿地方整備局広域水管理官の○○よりご挨拶を申し上げます。
○河川管理者
 10回にわたりまして流域委員会でいろいろご意見を頂いてきました。今日の委員会をもちましてこの委員会は終わりますが、先ほどから出ておりますように、計画をつくりっ放しということではなくて、これからどううまく動かしていくのか。自分たちの地域、川をよくしていくという気持ちで住民の人と一緒に一体となってやっていくということが非常に大事ではないかと思っております。
 平成19年に準備会を立ち上げまして、私もたまたま福井の事務所におりましたのでその時に関わらせて頂いたのですが、それから3年間にわたりましていろいろご意見を頂きました。前回では原案について示させて頂きまして、今日もかなり貴重なご意見を頂きましたので、表現として直せるところは、できるだけ今日の趣旨を踏まえまして、前向きな姿勢が出るように、また、わかりやすい表現にしていきたいと思います。それで案をつくりまして福井県知事さんの意見を頂きまして、また、関係省庁との協議を進めまして案をつくっていくことになります。最終段階になったということで、最後に御礼ということで一言ご挨拶をさせて頂きました。ありがとうございました。
○庶務
 ありがとうございました。
5.閉    会
○庶務
 それでは、只今をもちまして北川流域委員会を終了致します。委員の皆様方並びに傍聴席の皆様方、長期にわたり誠にありがとうございました。