第4回 北川流域委員会
議事詳録
平成20年1月29日
小浜市働く婦人の家 3階 大会議室
1.開    会
○庶務
 それでは定刻となりましたので、只今より第4回北川流域委員会を開催させていただきます。本日、司会を務めさせていただきます近畿技術コンサルタンツの○○でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 本日は、○○委員、○○委員が諸事情によりご欠席されており、13名のご出席となっております。
 まず、お手元の資料を確認させていただきます。A4判の両面で「第4回北川流域委員会議事次第」、裏面は「席次表」になっております。次に、右上に「資料−1」と記しております本日の資料でございます。次に、参考資料として1〜3を記しました3種類の資料がございます。「参考資料−1」が「用語解説集」、「参考資料−2」が「北川の河川水辺の国勢調査結果」、「参考資料−3」が「社会資本整備審議委員会 河川分科会 第84回河川整備基本方針検討小委員会について」と表示しております。配付資料は全部で5点でございます。揃っておりますでしょうか。
○庶務
 「資料−1」に修正がございます。事前に配付させていただいておりました「資料−1」ですが、一部修正がございますので、再度、お配りしております。事前に配付しておりました資料と差し替えていただきますようお願いいたします。
 一般傍聴の皆さまの資料には、北川流域委員会情報公開に関する規約に基づき、公表を控えさせていただいている箇所が一部ございますので、ご了承をお願いいたします。
 「参考資料−1 用語解説集」は、本日の資料の中で使用しております用語の解説集でございます。ご参考にお配りしております。ご利用ください。「用語解説集」に関するご質問につきましては、庶務のほうにお願いいたします。「参考資料−2」は、第1回流域委員会におきまして、動植物についての情報提供のご依頼がございましたので、作成してお配りしております。過去3回分の河川水辺の国勢調査結果を取りまとめております。この資料につきましては、事前配付できなかったことをお詫び申し上げます。「参考資料−3」は、議事次第の「3.河川整備基本方針検討小委員会の報告」で使用する資料でございます。
 それでは、これからの進行は委員長にお願いいたします。
2.議    事
河川環境の現状と課題について
○委員長
 どうも皆さん、こんにちは。今日は、朝は雪になるかなと思っていましたけれども、幸いに雪にならず、ここのところ寒い日が続いておりますので、皆さま、体調にご留意いただきたいと思います。
 今日は、第4回目で、恐らく実質的にはこれで今年度は終わりになるかと思います。今日は環境に関する議論を中心に行っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、「議事次第」に則りまして行っていきたいと思います。
 まず、「河川環境の現状と課題について」ということで「資料−1」をご覧になりながら、河川管理者からご説明を願いたいと思います。よろしくお願いします。
○河川管理者
 ○○でございます。それでは「資料−1」に沿いまして、「河川環境の現状と課題」についてご説明させていただきます。
 (スライドNo.1「第4回北川流域委員会」」)資料は、1ページに二つ入っております。それぞれ右下に数字を小さく「1」「2」と書いておりますので、そちらの数字を示しながらご説明させていただきます。
 (スライドNo.2「河川環境の現状と課題について」)スライド2でございます。本日は大きく4点、ご説明させていただきます。「1.水質の現状について」「2.動植物の現状について」「3.河川環境の取り組み」「4.北川の河川環境の課題」について説明させていただきます。
 (スライドNo.3「1.水質の現状について」)「水質の現状について」でございます。
 (スライドNo.4「環境基準とは」)スライドの4をご覧いただければと思います。皆さま、ご存じのところもあるかと思いますが、水質についての環境基準がそれぞれ定められております。環境基本法に基づいて規定されております。大きく二つ基準がございまして、「生活環境の保全に関する基準」、それから「人の健康の保護に関する基準」でございます。
 「生活環境の保全に関する基準」につきましては、水道用水、水産、工業・農業用水などの利用目的に応じて、河川、湖沼、海域の各公共用水域で設定されております。
 それから「人の健康の保護に関する基準」につきましては、人の健康を保護するために設定されたものです。水銀などの有害物質が基準の項目となっておりまして、それぞれ基準が定められております。
 (スライドNo.5「生活環境項目の用語説明」)スライドの5、生活環境基準の項目が五つございます。それぞれpH、BOD、SS、DO、大腸菌群数で、それぞれの解説は資料に記載させていただいておりますので、ここでは詳細な説明は省略させていただきます。
 (スライドNo.6「生活環境の保全に関する環境基準」)スライドの6でございます。「生活環境の保全に関する環境基準」で、河川ではそれぞれ、表の左の縦にございます「類型」でAA〜Eまで、場所に応じてそれぞれ指定されております。それぞれの類型における先ほどの五つの項目について基準値が定められております。
 右の一番端に「利用目的の適用性」を書いております。水道1級などの説明は、「用語集」の2ページにございます。例えば水道とか工業用水で見ますと、1級は、数字の大きい3級に比べて水質が良くて、利用の際に簡易な浄水操作で行えるということで、それぞれ水道、工業用水、水産の1級、2級、3級という形で適用性があり、これらの適用ができるものが、それぞれ類型AA〜Eまで指定されるという事でございます。
 (スライドNo.7「環境基準類型の指定状況」)次はスライドの7でございます。北川の環境基準の類型の指定状況でございます。北川は、昭和49年3月に、河口から新道大橋、新道大橋から上流の滋賀県の県境までの区間、途中、鳥羽川、遠敷川などの流入支川も含めてA類型に指定されております。その中で、河口から新道大橋の環境基準地点は高塚、新道大橋から上流の区間については新道大橋となっております。
 また、高塚の環境基準点の他に、一般の地点として西津橋、上中橋の2地点でも水質観測を行っております。
 (スライドNo.8「水質の現状(pH)」)続きまして、8ページ以降ですが、生活環境の保全に関する項目の水質の現状を示しております。8ページがpH(水素イオン濃度)です。3地点とも基準値を満足しているという状況でございます。
 (スライドNo.9「水質の現状(BOD75%値)」)スライドの9、BODでございます。ここには「BOD75%値」と書いております。75%値と申しますのは、測定した年度のデータのうち、75%以上のデータが基準値を達成するということで評価をしております。例えば、毎月1回、1年間に12個のデータがあるとしましたら、水質の良いほうから9番目のデータを75%値としております。
 グラフをご覧いただければわかりますように、A類型の基準を3地点とも満たしております。近年はほぼ0.8mg/l未満というような状況になっております。
 (スライドNo.10「水質の現状(SS)」)続きまして、スライドの10、SS(浮遊物質量)でございます。これにつきましても、3地点ともA類型の環境基準値を満足しているという状況でございます。
 (スライドNo.11「水質の現状(DO)」)スライドの11、溶存酸素量でございます。これにつきましても、3地点とも基準値以上で、基準値を満足しております。
 (スライドNo.12「水質の現状(大腸菌群数)」)スライドの12、大腸菌群数でございます。これについては、環境基準値を満足はしておりませんが、必ずしも大腸菌で汚染され、危険であるというところまで示しているものではございません。大腸菌群数の用語の解説にもありましたが、大腸菌群数の測定には、病原微生物汚染の指標となります糞便性、人ですとか動物の便に由来する糞便性大腸菌群数の他に、自然界に広くある大腸菌に類似した細菌も測定されます。
 これは年の平均値になっております。特に平成17年が非常に突出して大きくなっております。測定結果を見ますと、平成17年の8月、9月の測定値が非常に大きくなっていますが、原因はよくわかりません。そのように2カ月、大きい数字もありまして、年平均でこういう突出した測定結果となっております。
 (スライドNo.13・14「人の健康の保護に関する環境基準(1)(2)」)スライドの13と14に「人の健康の保護に関する環境基準」をお示ししております。これにつきましては26項目ございます。各項目の説明は「用語集」にございますので詳細は省略させていただきますが、これは平成18年の高塚での測定結果でございまして、基準値をすべて満足しているという状況でございます。
 (スライドNo.15「ダイオキシン類の調査結果」)スライド15、「ダイオキシン類の調査結果」でございます。平成11年の7月に「ダイオキシン類対策特別措置法」が制定されております。それを受けまして、平成11年度からダイオキシン類の調査を継続的に実施しております。
 調査地点は、表にもございます高塚と西津橋の2地点でございます。高塚は基準監視地点、西津橋は補助的な監視地点という位置づけで調査を行っております。
 表は、平成18年度の調査結果、それから環境基準値を示しております。高塚では春夏秋冬の4回、西津橋は秋に1回という形で測定をしております。平成18年度につきましては、環境基準値を満足しているという状況でございます。
 (スライドNo.16「河川水質の新しい指標」)スライド16、「河川水質の新しい指標」でございます。平成17年度から取り組みを進めております。今まで水質の管理はBODが代表されますけれども、問題点としてはBODだけでは河川水質を適切に評価できないといったことですとか、一般の方にわかりやすい河川水質の指標がない、それから、住民、一般の方と連携した水質の管理が必要ということで、新しい河川の水質管理の視点として「人と河川の豊かなふれあいの確保」「豊かな生態系の確保」「利用しやすい水質の確保」「下流域や滞留水域に影響の少ない水質の確保」という四つの新たな水質管理の視点を打ち出しております。
 Cの「下流域や滞留水域に影響の少ない水質の確保」という点については、評価項目がまだ設定されておりませんので、現在は三つの視点で、新しい指標での河川水質の評価も行っております。
 (スライドNo.17「人と河川の豊かなふれあいの確保」)スライドの17、「人と河川の豊かなふれあいの確保」でございます。表には各評価項目がございます。「ゴミの量」「透視度」「川底の感触」「水のにおい」「糞便性大腸菌群数」で評価をしております。ここの評価項目で「ゴミの量」「透視度」「川底の感触」「水のにおい」につきましては、小学生・中学生の方々により毎年実施している水生生物調査時に行いまして、「糞便性大腸菌群数」につきましては、国土交通省で測定をして、それぞれの基準に基づいて五つの項目を評価する形で行っております。
 (スライドNo.18「『人と河川の豊かなふれあいの確保』の調査結果(H18)」)スライドの18でございます。このような評価に基づいて行いました調査結果がスライドの18でございます。これは平成18年度の結果でございます。高塚橋、天徳寺橋、三宅橋の地点で評価を行っております。
 それぞれの評価のランクがグラフに示されておりますけれども、総合的な評価は、評価した項目の中で、最も評価の低いもので設定しております。例えば三宅橋ですと、透視度が五つの中で一番低くてCになっておりまして、総合評価はCという判定をしております。
 (スライドNo.19「豊かな生態系の確保」)スライドの19、「豊かな生態系の確保」でございます。それぞれのランクごとにDO、アンモニア態窒素、水生生物の生息状況から評価を行っております。
 (スライドNo.20「『豊かな生態系の確保』の調査結果(H18)」)スライドの20、『豊かな生態系の確保』でございます。3地点で評価を行っております。測定項目に水質観測のデータがないところがございまして、天徳寺橋ですと水生生物だけで評価をしているという形になっております。それぞれ評価は3地点ともAになっております。
 (スライドNo.21「2.動植物の現状について」)続きまして、スライドの21以降は「動植物の現状について」の説明をさせていただきます。
 (スライドNo.22「河川水辺の国勢調査」)スライド22、「河川水辺の国勢調査」でございます。国土交通省では、平成2年度から「魚介類」「底生動物」「植物」「鳥類」「両生類・爬虫類・哺乳類」「陸上昆虫類等」の6項目につきまして、これまでは5カ年で一巡するように調査を実施してきております。これまでは大体5カ年で調査を行ってきたのですが、平成19年度以降は、魚介類、底生動物につきましては5年に1回、植物につきましては5年に1回と10年に1回調査をする項目がございます。植物図等は5年に1回、その他は10年に1回に実施要領が改訂されております。
 平成18年、平成19年につきましては、平成18年に陸上昆虫等の調査をしておりますが、このデータはまだ整理中の状況です。平成19年につきましては、現在も調査中でございます。
 (スライドNo.23「北川の植物」)それでは、スライド23以降で、それぞれの生物調査の結果の概要を報告いたします。
 スライド23は、「北川の植物」でございます。最近では平成16年に調査を行っております。このときの調査では、ヨシ、ツルヨシ、オギ、ススキ等397種の植物の生息が確認されております。そのうちハンゲショウ、シオクグ、カワヂシャといった11種の重要種を確認しております。
 ここで「重要種」と申しておりますのは、「河川水辺の国勢調査」で「重要種」としているもので、国、都道府県、市町村指定の天然記念物、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の国内希少野生動植物種、もしくは「自然公園法」における指定動植物、もしくは環境省及び地方版レッドデータブック等の掲載種を「重要種」ということで定義をしております。
 (スライドNo.24「北川の魚類」)続きまして、スライドの24、「北川の魚類」で、平成17年度調査を示しております。アユ、オイカワ、カワムツ等の57種の魚類の生息が確認されております。その中で、スナヤツメ、アカザ、シラウオ、メダカ、シロウオ、サケといった13種の重要種を確認しております。
 高塚橋から七屋橋では、シマヨシノボリですとか、そういう回遊魚が多く確認されております。また、府中橋から高塚橋のところはアユの産卵場所、高塚橋上流はサケの産卵場所になっております。
 それから汽水域ではゴンズイ、ヒイラギなどの汽水・海水魚が多く確認されております。また、シラウオ、シロウオの産卵場所にもなっているところでございます。
 (スライドNo.25「北川の底生動物」)続きまして、スライドの25です。「北川の底生動物」でございます。平成17年度調査では、シロハラコカゲロウなど206種の底生動物の生息が確認されております。その中で、イシマキガイ、マルタニシ等8種の重要種を確認しております。
 (スライドNo.26「北川の鳥類」)続きまして、スライドの26、「北川の鳥類」でございます。平成15年度調査結果でございます。ヒヨドリ、カルガモ、オオヨシキリといった81種の鳥類を確認しております。その中で、チュウサギ、オシドリ、ミサゴといった16種の重要種を確認しております。チュウサギ、オシドリ、ミサゴにつきましては、北川周辺で繁殖したものが飛来してきたものと考えられております。その他、ヨシガモ、チョウゲンボウ、ノスリは北川を越冬地、越冬地への休息場所として利用していると考えております。
 (スライドNo.27「北川の両生類・爬虫類・哺乳類」)スライドの27、「両生類・爬虫類・哺乳類」でございます。平成14年度調査では、両生類については6種が確認されております。爬虫類については9種、哺乳類は12種でございます。この中で、両生類のイモリと、爬虫類のイシガメ、ヒバカリという3種の重要種が確認されております。
 (スライドNo.28「北川の陸上昆虫類」)続きまして、「北川の陸上昆虫類」でございます。平成13年度調査になります。999種の陸上昆虫の生息が確認されておりまして、アオサナエ、エゾトンボ、イトアメンボ、ヨツボシカミキリといった5種類の重要種が確認されてございます。
 (スライドNo.29「特定外来種」)スライドの29、「特定外来種」でございます。北川では、「外来生物法」で指定された特定外来種は、最新の調査結果では植物のオオキンケイギク、アレチウリという2種類が確認されております。特定外来種の注釈を下に入れております。海外起源の外来生物で、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼすおそれがあるものの中から指定されているということでございます。
 (スライドNo.30「3.河川環境の取り組み」)スライドの30以降では、「河川環境の取り組み」についてご説明させていただきます。
 (スライドNo.31「魚がのぼりやすい川づくり事業」)スライドの31は、「魚がのぼりやすい川づくり事業」でございます。これは平成6年1月に、モデル事業として北川が指定されております。河川の横断工作物等によりまして、魚の遡上・降下環境に支障を来している箇所につきまして、魚道の設置等を行って改善を行っていこうということでございます。全国に幾つかございます。モデル事業として指定されまして、魚道の設置を進めております。現在までに、府中頭首工、成之部、堤、孫城床固工の4カ所につきまして、魚道の設置を行っております。
 (スライドNo.32「魚道の遡上調査」)スライドの32、「魚道の遡上調査」でございます。堤床固工の魚道におきまして、平成10年度から14年度までですが、調査を行っております。平成10年度は捕獲調査の状況を示しております。トラップ(網)を用いて捕獲して計測しております。それから平成11〜14年度につきましては、夜間にも調査できるようにということで魚道にカメラを設置して、自動計測という形で調査を行っております。スライドに示しておりますのは平成10年度の遡上調査の概要でございます。
 (スライドNo.33「堤床固工の魚道設置前と設置後」)スライドの33、調査を行った堤床固工の魚道の設置前後の状況です。上が魚道設置前の状況で、大体落差が1m以上ございますので、魚の遡上が困難な箇所ということでした。下の写真で申し上げますと、左側に魚道を設置しております。
 (スライドNo.34「堤床固工の遡上調査結果(平成10年度)」)スライドの34、平成10年度の捕獲調査で確認された遡上の状況をお示ししております。先ほどお示ししましたように、1週間程度の期間で、2時間ごとに魚を回収して、24時間調査を行ったものでございます。この結果では、ヨシノボリ類が最も多く遡上しているという状況でございます。また、シマドジョウ、ゼゼラ、ドンコ等遡上の遊泳力が弱いと考えられる底生魚の遡上も、数は1とか2ですが、確認されているということでございます。
 (スライドNo.35「魚道の遡上機能評価」)スライドの35、「魚道の遡上機能評価」でございます。河口から国管理区間である瓜生大井根堰までの、それぞれ頭首工等の横断工作物、その箇所における魚道の設置の有無、遡上が可能か困難であるかといった判定を略図的にお示ししております。凡例にございますように、緑は遡上が可能、赤は遡上が困難な施設という状況になっております。
 また、魚道がなくても下の写真に示しております武生頭首工などの落差の小さいものについては、遡上が可能という判定評価になっております。
 (スライドNo.36「4.北川の河川環境の課題」)次に、スライド36以降では、「北川の河川環境の課題」ということでご説明させていただきます。
 (スライドNo.37「下流部の課題『湿性環境、産卵場所の配慮』」)スライド37でございます。下流部の課題でございます。ご存じのように、下流部は感潮域になっております。ヨシ原とシオクグが生息している湿性環境がございます。そういったところはカワザンショウガイとかクロベンケイガニといった汽水域の底生動物の重要な生息環境とっております。また、シラウオ・シロウオの産卵場所にもなっているということでございます。
 下流部の課題としては、こういうヨシ原、シオオグの湿性環境の保全、また河川整備で影響が及ぶ場合には、環境の保全とシロウオ・シラウオの産卵場所への配慮が必要ではないかと考えております。
 (スライドNo.38「中流部の課題(1)『湿性環境、産卵場所の配慮』」)スライドの38でございます。中流部でございます。中流部は、丸山橋から国管理区間の瓜生大井根堰までの課題でございます。
 中流部には、水辺に特徴的な重要種となっているミクリ、ナガエミクリ、カワヂシャ、ハンゲショウといった湿生植物が生育する環境が、写真で示しております遠敷川合流点付近に集中しております。また、府中橋から高塚橋の浮き石の多い瀬にはアユの産卵場所、それから高塚橋から上流の伏流水が湧出する砂利河床はサケの産卵場所となっております。
 課題としましては、先ほど申し上げたミクリ等の重要種の湿性環境の保全、河川整備で影響がおよぶ場合には、アユ・サケの産卵場所への配慮が必要であると考えております。
 (スライドNo.39「中流部の課題(2)『上下流の連続性の確保』」)スライドの39でございます。「中流部の課題(2)」といたしまして、「上下流の連続性の確保」ということでございます。「魚がのぼりやすい川づくり事業」でも説明をさせていただきましたが、魚道が設置されていない井堰の魚道設置、それから魚道はあるけれども十分機能していないものについては、その魚道の改良・改築が必要と考えております。
 床固工につきましては、国土交通省で管理をしております。井堰につきましては、それぞれ各自治体、小浜市、若狭町、福井県が管理をしております。自治体が管理をされているものにつきましての魚道の設置、改築は、管理者との調整が必要になるということでございます。
 (スライドNo.40「中流部の課題(3)『本川と支川の連続の確保』」)続きまして、スライドの40、「中流部の課題(3)」でございます。「本川と支川の連続の確保」をあげさせていただいております。北川も、かつては田んぼと水路が連続して水のネットワークが形成されていました。水路と北川が合流する箇所を見ますと、何カ所かで段差があるところがございまして、連続性が分断されている箇所もございます。北川とそれに流れ込む支川との連続性の確保が必要であると考えております。
 スライド40にも書いていますように、北川には樋門・樋管が27施設ございますが、その中で50cm以上の落差、段差のある施設は11施設になっております。写真は、その一例を示しております。
 (スライドNo.41・42「中流部の課題(4)『みお筋の固定化』昭和22年航空写真・平成8年航空写真」)続きまして、スライドの41でございます。「中流部の課題」でございますが、「みお筋の固定化」でございます。スライドには昭和22年、平成8年を横に並べて映しております。スライドの42が平成8年の航空写真、41が昭和22年の航空写真を示しております。
 昭和22年当時は、あまり横断工作物がございませんでしたので、みお筋が蛇行するような形になっております。右のスライドの平成8年の航空写真を見ていただきますと、少し見えにくいですが、みお筋が固定化し、みお筋が直線化しており、瀬や淵が減少している状況が伺えると思います。
 (スライドNo.43「中流部の課題(5)『瀬切れ』」)スライドの43でございます。「中流部の課題(5)では、「瀬切れ」ということをあげております。現地視察の際にもご覧いただきましたが、遠敷川は水が流れておりませんでした。遠敷川ではたびたび瀬切れが発生する状況が生じております。特に、平成6年は全国的な大渇水でありまして、給水制限や稲作への影響が生じております。しかし、確認できる範囲では、動植物に目に見えた被害があったという状況は確認されておりません。
 (スライドNo.44「中流部の課題(6)『河川景観』」)最後、スライドの44でございます。課題の(6)として「河川の景観」でございます。国土交通省はいろんな委員会や昨年は「川の通信簿」というもので、一般の方に実際に川を現地でご意見や評価を行っていただいたり、いろいろな形で一般の方もしくは専門の方からご意見を伺っておりまして、それを総括的にまとめております。
 北川につきましては、「水がきれいで、多様な動植物が生育・生息して、自然が多く残って、景色もきれいである」というご意見を伺っておりますが、一方で、「河道内の多くの樹木が生育しているという状況があって、洪水時に不安を感じる」とか、先ほど申し上げた「瀬・淵・河原が減少した」というようなご意見もいただいております。
 現地視察の際も説明させていただきましたが、川の中の樹木の伐採については、定期的に行っておりますが、ヤナギなどは伐採してもすぐに成長してしまいますので、場所によっては繁茂しているという状況も生じております。
 また、北川につきましては、この流域委員会の最初にご説明しましたが、流域には鯖街道ですとか、鵜の瀬の「お水送り」、小浜城といったことで歴史・文化との関わりが非常に深い河川ということで、そういった歴史・文化も意識した川づくり、景観等への配慮も必要ではないかと考えております。
 以上で、資料の説明は終わらせていただきます。
○委員長
 ありがとうございました。只今の河川環境の現状と課題について、何かご質問、ご意見等がございましたらどうぞ。
○委員
 最初の水質のところですけれども、環境基準点並びに水質観測地点というのが決められておりますが、この場所の選定というのは何か基準があってこの場所に定められたのでしょうか。
○委員長
 場所の選定につきまして、いかがでしょうか。
○河川管理者
 環境基準地点ですけれども、類型指定の際に、まず一つの要件として、流入支川の終わったところの最下流地点、それから潮の干満の影響があまりない地点、それから観測は実際に川の水をとりますので採水が容易な橋梁等のある地点等が環境基準地点の条件になります。指定は福井県になりますけれども、高塚地点を環境基準地点として定めたという状況になっております。
 大きな流入支川である遠敷川より下流側、それから潮の干満が丸山橋ぐらいまでございますので、そこより上流側、さらに橋梁ということで高塚に決めたということでございます。
○委員長
 よろしいでしょうか。
○委員
 はい。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 同じく水質のところで伺いたいんですけれども、河川の水質というのは季節によっても、1日のうちでも、あるいは天候によっても、すごく変動するはずなんです。水質測定結果はそれぞれ1年に1ポイント打ってありますが、これは年間、どういうときに何回ぐらい測ったデータをこのように示してあるのでしょうか。
○委員長
 測定の方法、頻度、時期について、いかがでしょうか。
○河川管理者
 環境の項目によっても違いますが、生活環境項目で申し上げますと、基本的には月1回、年間12回です。先ほどのpHですとかDO、BOD、SS、大腸菌群数は毎月1回になります。基本的には、雨の降っているときは避けております。時間までは特段、明確な指定はございません。大体、通常の業務時間内に採水するというのが一般的でございます。
○委員
 特にSSなんかは大雨の後等はすごく上がりますし、実際にその泥水が小浜湾に流出しているという光景もたびたび見ます。私は舞鶴に住んでいて、自分の住んでいる町内会の河川の調査を月に2回ずつ行っていて、それと舞鶴市とか京都府が行っているデータを突き合わせたりすると、条件によって全然違っています。だから、例えば月に1回、天候のいい日に測っているというデータは、必ずしも現状をきちんと表現していないのではないかと思います。
○委員長
 データは数が多ければ多いほど信頼性があり、現実味を帯びているということですけれども、いかがでしょうか。
○河川管理者
晴天時とか一般的な状況というのは、雨の降った後等は通常ではない状況というとらえ方もありますので、今の調査自体は、先ほどのご説明いたしましたとおり、行っているということでございます。
○委員
 調査はそのように行っていることはわかりますが、川の様子というのはやはり総合的にとらえてこそ全体がわかるので、異常時も平常時も、あるいは異常時のウエイトがどのぐらいあるんだということもおさえた上で、本来は評価すべきだと思うわけです。
 1年のうちで、例えば100回測定するとしまして、その内20回は異常時で測定して、80回は平常のすごくきれいなデータが測定されたとします。そうすると20回のデータを全部無視しまって、80回のすごくきれいな時だけのデータで「ここの川はきれいですよ。土砂は全然流れていなくて、SSも低いですよ。海にも全然、負荷がないですよ」という言い方はやはりおかしい。年間の20と80をあわせて考えて、河川の環境としてはどうか、海に対してはどうかということを評価すべきだと思うわけです。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 先ほど説明があった12ページの大腸菌群数ですけれども、「数値が高いのは原因がわからない」ということが説明の中でございましたが、小浜のある下水関係の会議に出た時に、きちんと公共下水が整備されているところは大腸菌群数が少なかったんですけれども、特に上中橋のところは1年おきに多いですね。これ、原因は何かわからないと放っておくのではなくて、全く何もわからないのでしょうか。
○委員長
 今のご質問について、いかがでしょうか。
○河川管理者
 先ほどもお話がありましたけれども、ある時点のある時に水を採取して測定をしているということで、大腸菌群数についても1ヶ月に1回という形になっております。
 実際、データを見ますと、先ほど平成17年について申し上げましたけれども、月のばらつきも非常に多くなっています。一般的に見ますと、夏の8月、9月の測定値が高くなっておりますが、確たる原因についてはわかっていないという状況でございます。
○委員
 8月、9月の測定値が高いということで平均値が高くなっているということですか。これは年間平均値ですね。
○河川管理者
 はい、年間の平均値でございます。それぞれ平成7年から18年の年間の12回の、回数の少ない年もありますけれども、基本的に年12回の平均値でございます。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 普通、川というものを考えた時に、上流の方が透明度がよいと思いますが、三宅橋の一番上流で一番評価が悪いというのは、何か原因があるのでしょうか。
○河川管理者
 スライドの17〜18のところの透視度についてのご質問だと思います。Aランクですと100cm以上、Cランクですと30cm以上70cm未満ということでございます。一つには人の感覚がございます。先ほど申し上げましたように、一般の方に目で見た感覚で評価をいただいている部分もございます。しかし、上下流を総じて見ますと、三宅橋の方が少し透視度が低い状況にはあるかと思います。
○委員
 これも同日、同時期の調査ですか。
○河川管理者
 調査日は違います。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 動植物のところへいってもよろしいですか。
○委員長
 はい。
○委員
 今日の参考資料で「水辺の国勢調査」のデータがついていますけれども、今日のパワーポイントのまとめ方だけではなくて、川のマップをつくってほしいという希望を出しておりました。どこに何が確認されたかというマップがないと、例えば魚類にしても、昔、サクラマスが確認されていますけれども、どこで確認されたのかとか、意外にカマキリが毎回確認されていますけれども、どこで確認されたかとか、アユも天然アユと分けるのは難しいと思うんですけれども、天然アユがどこまで上がっているかとか、それを全部、マップにしてもらわないと、このままでは環境整備の役に立たないので、マップをつくってほしいです。
 もう一つは、「重要種」というのが定義されていますが、定義したからどうかということです。見つかったからどうかということを、それは流域委員会で考えるのかもしれませんが、重要種というのが見つかってどうするというようなことは何かあるのですか。法律で決まっているのは「種の保存法」程度しかなく、環境省のレッドデータブックには特に法的な拘束力がないと思うので、ここで重要種を定義されていますが、今後、重要種が見つかったからどうするかというか、ここで議論していくのかどうかというご意見を伺いたいのです。
○委員長
 動植物のマップと、特に重要種につきましては確認はされたけれども、今後どのように保護あるいは対策をとっていくのかというご質問です。
○河川管理者
 マップにつきましては、補足しておきますと、植物は別にして、魚介、底生動物、鳥類というのは、全川をくまなく調査をしているという形ではなくてポイントを決めて調査をしております。例えば魚介類ですと、橋の付近の6カ所のポイントで調査を行っておりますので、詳細データを見ないとわかりませんが、ご指摘に添えるような形で整理はさせていただければと思います。
 それから重要種につきましては、これは水辺の国勢調査の中で定義しているものでございます。基本的には天然記念物に指定されているとか絶滅法の貴重種というものでございます。基本的には配慮すべき種という考え方をしております。
○委員
 見つかったからいいというわけではなくて、あるのはわかりました。しかし、それがどの程度、危機的な状況にあるのか。遺伝的多様性とか、そういうことも含めて調査して、特別に保全しないといけないものがあるかとか、そういうことを流域委員会で議論していく。データが出ないと議論しようがないと思いますので、そういうことまでやっていかないといけないのではないかと思います。その点の河川管理者のご意見を伺いたいと思います。
○河川管理者
 今日、資料の最後に「課題」ということで湿性環境ですとか、産卵場所等を挙げさせていただいております。そのほか、特に、こういった種については配慮する必要があるのではないかというご意見をいただければとは思います。
○委員
 ですから、重要種がここにあるからいいというのではなくて、だからどうするかという出発点と考えて、この流域委員会で検討していくと考えておけばいいですか。
○河川管理者
 今日のデータとしては、場所等はお示しできておりませんけれども、こういう重要種がいるということで、特に保全、保護すべき種というものがございましたら、ご意見をいただければと思います。
○委員
 ご意見というよりも、今後の議題として、そういうことが取り上げられたらいいと思うので、そういうことをお願いしたいと思います。大概、このような委員会では重要種が出てくると、それで「良かったな」ということで終わりますが、そうではなく、今の危機的な状況はそういうことではなくて、それがどれほど危機的なのかというのを、例えば遺伝的多様性とか、そういうことまで調べて保全していかないといけない状況だと思いますので、この流域委員会でそれぐらいのことまで踏み込んで行っていただきたいということです。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 今の件について、私も幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
 河川水辺の国勢調査は、同一の地域を経年的に調査したデータとしては、なかなか県内でそんなに多くない中で非常にたくさんデータがあると思います。そのデータを、この北川の今後の計画を立てていく上で本当に活用していないなという印象があります。それは、今、○○委員イインがおっしゃったように、調査結果の中を見るとリストと重要種だけしかないです。これでは全然評価のしようがないわけです。
 それでは、例えばどういう使い方があるか。私の記憶の範囲内でどういう使い方があるかという意見を言わせていただきますので、それを参考にして今後、考えていただきたいと思います。
 例えば、見つかっている種の中でどのくらい河川環境に依存した生活をしている種かということを、まず判定しないといけないと思います。たまたまそこに渡り鳥がちらりとやってきただけのものなのか、それともそこで繁殖している種なのか、それとも冬鳥としてそこで完全に生息環境で依存している種なのか、これは魚とか昆虫についても全部一緒だと思います。
 リストの中からそういうものをきちんと洗い出して、それの生息環境はどうなのか。例えば、そういう種がいっぱい集中しているところ。多様度指数みたいなものはきちんと判定する方法はありますから、そういうものをきちんと出して、河川の中の一体どの地域が生物多様性の保全にとって重要なポイントなのかということを、今、もう洗い出せるだけのデータがありますから、そういう解析をしたらいいんです。
 その解析の中で、次に例えば横断工作物みたいなものがあって、横断工作物の上流と下流で比較したところ、横断工作物の上流と下流とでこんなに魚類相に違いがあるじゃないかと。多様度にこれだけ違いがあるじゃないかといったら、その横断工作物が本当に悪いわけです。
 一方、魚道があるところにしても、その魚道の上流と下流で魚類相を比較してみたら、それだけでもまたそこの魚道がきちんと機能しているかどうかという一つの評価ができると思いますが、そういう評価のデータがこの中にないです。結局。ここにも「魚道の影響があります」と赤とか緑で書いてありますが、それなら「北川自然再生計画資料より」と書いてあるこの資料を一度見せていただかないと、我々としてはそれが本当にそれでいいのか、それとも新たな視点が必要なのかという意見を申し上げられないのではないかという気がします。
 そういう解析のことを長々と言っても仕方ないですけれど、そういうような視点でもう一度、河川水辺の国勢調査のデータをどう活用するのか、どう活用したらこの計画を立てる上で有効に利用できるのかということを考えて、とにかく生のデータを出してくるのではなくて、生のデータをきちっと解析した上で、こちらが判断できるようなものを出してほしいな思います。早い段階で出さないと、いろんな検討が進んでから出されても遅いので、早急にしていただきたいと思います。
 それと、もう一つ。そういう視点で、重要種のところですけれども、福井県ではレッドデータブック以外に『福井県のすぐれた自然』という本を出しています。自然特性というのがあります。この二つともを見ないと福井県としての重要な種ないしは地域は判定できないです。それが抜けていますので、もう一度、『福井県のすぐれた自然』というものの自然特性というのをきちっと見た上で重要種をご判断いただきたいと思います。
 それから、もう一つ。重要種だけではなくて普通種についても、先ほども言いましたけれど、河川環境に依存している種については、その地域の生態系を評価する上で重要なわけですから、普通種についても同じように何らかの解析を加えて、普通種を指標種にしてそこの環境をどのようにして維持していくかとか、どのようにして再生していくかということを判断できるデータとして活用していく必要があると思います。
○委員長
 ありがとうございます。結構、総合的にまとめられたご意見が出てまいりました。動植物についてはマップ、それが例えば本当に動植物が河川に依存しているのかどうかということで、それの分布等がわかれば、あとは横断構造物との対比でその影響がどう評価できるのかということでございました。
 それから、『福井県のすぐれた自然』という、それは本ですか。県が出しているのですか。
○委員
 はい、県です。
○委員長
 それについても、参考にしていただくということで、重要種のみならず普通種についても、そういった分析等ができるというご指摘でございました。いかがでしょうか。
○河川管理者
 今、詳細データがどこまであるか確認できていませんので、ご指摘の点を踏まえて資料を整理できればと思います。
○委員長
 ありがとうございます。どうぞ。
○委員
 私も一つお伺いしたいと思います。先ほど、「瀬切れがあっても、その被害についてはわからない」というお話だったのですが、瀬切れがあるということは、魚道の議論をする前の問題ではないかと思いますので、瀬切れでどの程度の被害が想定されるか。想定でもいいので、ある程度出していただかないと、河川の議論にはならないのではないかと思います。いくら立派な魚道をつくっていても、水が流れてこないのでは魚道ではありませんので、この点をどのようにお考えなのかお伺いしたいです。
○委員長
 瀬切れと被害等について、どうなのかということです。
○河川管理者
 例えば、動物が明らかに死んでいるのが発見されたとか、植物が非常に枯れたとか、植生が変わったとか、そこまでの明確なところは確認されなかったということでございます。動植物の被害が確認されていないですし、一般の方からも特に聞いていないという状況でございます。
 基本的には、水の流れていたところに何日間か流れないという状況が生じますので、我々としても環境上、好ましいものだとは思っておりません。端的に言いますと水の絶対量が少ないので、水の量を増やさないといけないということになるのですが、なかなか具体的な方策がなく、対応が非常に難しい問題だと考えています。ただし、問題意識としては当然、持っているということでございます。
○委員
 前回の委員会までは、洪水の問題を十分取り上げてきましたが、ようやく環境の話になってきました。北川は放水路ではありませんので、河川だと思います。河川はもちろん洪水に対してもきちんと対処していかないといけませんが、やはり水が流れていない川は川ではないと思います。規定流量といいますか、最低限の流量を確保しないと河川にはなりませんし、やはり環境に一番影響を・・・。今はダムをつくってダムによる環境被害だという議論もありますけれど、ダムをつくらずに河川が干し上がった時の環境被害というものを考えてみた時に、どうあるべきなのかということも考えていかないといけない。私は、規定流量はきちんと確保するという方策こそが、この河川環境を守る原点だと思っています。
 今、魚道の議論等いろいろ話をしておりますが、それは水があって初めての議論だと思います。今すぐダムをつくれと言ってもなかなかできない。ダムは計画されておりますけれども、早い時期に早く対応しないといけないという提言とさせていただきます。
○河川管理者
 補足させていただきますと、水利用、渇水という点については、次回以降に資料を作成し、ご議論していただきたいと考えております。
 それから、後ほどご説明しますけれども、北川の河川整備基本方針を作成しつつあります。その基本方針の中に渇水時にどれぐらいの水を確保しないといけないといった流量も決めることになっております。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 水質の調査の件ですけれども、先ほど、時期的なものも話をお聞きしました。平成17年度から住民が測定可能な項目の調査を実施するということになっていますが、上中橋、高塚橋、西津橋のそれぞれの近くの住民が同じような調査を一緒にされているのですか。私も西津橋の近くに住んでいますが、そういうことをあまり聞いたことがないんです。
 それと、問題点が3点ほど出ていますが、問題点がゼロなのか、10%なのか、20%いっているのか。それによって下の新しい河川の水質管理視点ということで、今後、我々も考えていきたい部分もありますので、そのあたりを含めてよろしくお願いしたいと思います。
○河川管理者
 平成18年度は小浜第二中学、上中中学、福井高専、国富明日を作る会の方々に実施をしていただいております。また、福井河川国道事務所のホームページでも水生生物調査の実施の募集を行っております。
○委員長
 これについては、○○委員が何かいろいろやられておりますので。
○委員
 夏休みに水辺の調査ということで、水生生物を用いた水質調査を長年、北川で実施されていたわけです。河川は普通、BODですけれども、簡易パックテストを用いてCOD、pH、DO、アンモニアなどの測定もします。調査は中学生ですから、それなりのある程度の知識もありますし、コンサルタントの方がしっかり指導されて、正しい方法で実施をされております。
 17のスライドですと、子供たちの主観的な部分が少し入ることになりますが、測定に関しては客観的な数値として見ることができます。現状、このような形でイベント的にされるときに実施しておりますが、将来は、先ほど話があったように、本当に地域の方の中で主体的にといいますか、行政と協働しながら、こういうことをもう少し多くの方に参加していただいて実施するということも、これから考えていく必要があると思います。何よりも子供たち、中学生がこれからの北川がどうあるべきかというところにこういう形で参画しているということで、北川の将来を考える上で子供さんの意見といいますか、主観的なものではありますけれども、こういうものが少しでも反映されるということで、ここへデータとして挙がっていると思います。これは、まだ始めたところですので、これから少し時間をかけてこれがいいかということもまだ検討しないといけないと思いますが、こういった方法を継続的にやっていくということで、これは一つの意義があるのではないかと私は考えております。
 それからもう1点、底生生物については、河川横断構造物があります。どういった魚道かということを、いろいろな魚種を対象にした魚道だと思います。今までも、こういった魚道に関してのいろいろな意見をいろいろな先生方も発言されていて、県や国でもそういう意見に基づいていろいろやっておられるのですけれども、なかなかうまくいかないというところで、まだまだいろいろ研究とか調査とかをする余地がありますので、今後、このような委員会の中でそういう点に関しても意見をいろいろ集約する必要があると考えております。以上です。
○委員長
 ありがとうございました。実際に調査を行っていただいている○○委員イインからのコメントでした。いずれにせよ、川に触れて、川に興味をもっていただく、それの動機づけとして、水質調査等があるという意見でした。これにつきましては、また今後、いろいろと改善を加えていく必要があるということでございました。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 スライド35の魚道について、2点だけお尋ねしたいと思います。
 これは現地調査に行ったときにも思った疑問ですけれど、魚が遡上するということであれば、下流から順に整備することになるのかと素直に思います。これを見ますと、途中で赤がありまして、また、上流では青があるという形になっています。魚道の整備の順序は、下流から順番ではなく、真ん中のところが青くなっていたり、また赤くなっていたりと、整備の順番を決められたのはどういったご判断なのかという点が一つです。
 もう一つは、赤を今後、青に、遡上できるようにしていくため、今後どのような予定になっているのかという点についてお聞かせください。
○委員長
 ありがとうございます。
○河川管理者
 スライドの31に書いておりますように4カ所の魚道の設置を行っております。そのうちの3カ所の床固工は、国土交通省が管理している施設でございますので、魚道が早急に設置されております。
 これも説明の中で申し上げましたが、頭首工になりますと、管理者、事業者が異なります。国土交通省としては早く改善していただきたいのですが、改築等のときに魚道の改築もしくは設置の指導をさせていただいております。
 それから、1箇所でございますが、頭首工の魚道を改良または設置を考えている箇所があります。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 今のお答えに関係してなんですけれども、北川本川においても施設の管理者が違って、国土交通省の施設については比較的早急にできるが、そうでないものはそうもいかないという現状もあるみたいです。北川は支川もたくさんあって、それはまたそれぞれ県なり市町村なりが管理しているという現状もあると思いますが、北川流域委員会をベースにしてそういう管理といいますか、環境整備というものをより一元化していくような仕組みというのを提案していくということは、可能なんでしょうか。
○委員長
 非常に難しいところですね。いかがでしょうか。
○河川管理者
 流域委員会は、河川整備計画をつくるのが目的になっております。早く整備が進められる整備の方法について、ご意見がございましたらいただければとは思います。
○委員
 整備計画の中にそういうものをつくっていくということを盛り込んで整備計画をつくるということは可能だろうかということです。
○委員長
 このあたりも、例えば委員会の中で議論していくかどうかはあります。それぞれ管理しているところが違うときに、今までであればとにかく横断構造物の機能を重視するという観点から、魚の上下の行き来も考慮するという点を、お互いの河川管理をされているところの間で認識しあって、スライド35に出ておりますような魚道の有無、遡上の有無をなるべくスムーズに、上流から下流まで連続性をもたせてやるような形の情報の共有、それに対する配慮をお互いの河川管理者の間で共有しながら、その点についてはコメントを出すなり、そのような情報交換ができればと思います。
 どうぞ。
○委員
 後のほうの北川の河川環境の課題のところで、例えば「みお筋の固定化」とかあります。これもお願いなんですが、河川整備計画を考えるのがこの流域委員会の目的なので、みお筋の固定化とか植生の繁茂等は日本全国的な川の問題だと思います。それを考える時に、昔から川幅がどう変わってきたかというのと、縦断勾配の土砂の流掃能力に関係があるので、その縦断勾配は床止めとか頭首工をつくるとまた変わると思うので、その変化と、専門用語では「掃流力」といいますけれども、土砂を流す力の変化のようなことを解析していただきたいと思います。そういうことを検討していただき、それでどうするかというのを考える材料にしていきたいと思います。
○委員長
 瀬、淵、みお筋につきましては、河床の縦横断の形態、河床の安定性、そのあたりを考慮してというご意見でございました。
○委員
 ややこしい河床変動の計算はおいて、流れだけでも、掃流力が昔に比べてどう変わったか、川幅が縦断勾配の変化とともにどう変わったかというのがあると、何か検討できるのではないかと思います。
○河川管理者
 わかりました。データ的には、一級水系になった昭和46年以降になりますが、ご指摘のデータ等を揃えられる範囲で揃えさせていただきます。
○委員長
 他はいかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 スライドの37、38の「産卵場所の配慮」のところで、こういう魚のこういう産卵場所に配慮していこうということで書いてくださっています。一つできればお願いしたいこととして、季節ですが、例えば私がよく聞くのは、イサザがあがってきて産卵する時期に、その場所は触っていないんだけれどももう少し上の方で工事を行っていて土砂がいっぱい流れてきて卵がだめになっているとか、同じようなことがアユであったり、そういう話を時々、聞きますので、できれば重要な種であったり基準になるような種、それと先ほど○○委員イインが言われていました河川に依存している種に関して、特に重要な産卵とか孵化の時期も考えた上で工事の計画が立てられるようになっていけばいいなと思います。
○委員長
 よろしくお願いします。
○河川管理者
 通常、関係の方にいろいろとご相談しながら、動植物に影響の少ない工事を実施しております。今後も、引き続き動植物に影響の少ない工事を実施していきたいと考えております。スライドでは、河川の改修で川を掘削する場合は、重要種について配慮したいと思っております。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 幾つかお願いがありまして、今お答えが難しかったらまた後日にお願いしたいと思います。
 まず一つ目は、スライドの37、38で、この地域で「シラウオ・シロウオの産卵場所」とか「アユの産卵場所」ということを確認した根拠は一体何なのかということです。
 それから、国勢調査の結果の中に文献調査というのがありますが、その文献名が載っていないのです。どういう文献名なのかということです。
 それから、同じように文献では、スライド19の「豊かな生態系の確保」のところで、A、B、C、Dの判定をされていますけれども、この判定基準が腑に落ちないところがありまして、これはどういう文献といいますか、基準でもってこういうランクをつくったのか知りたいので、これに関連する文献です。
 もう一つは、ちょっと気になっているのは、最近、よく外来種の問題があります。北川には、オオクチバスとかブルーギルとか、侵略的な外来生物が記録されていないようです。実はもっと前の外来生物としましては、タイリクバラタナゴというのがあって、タイリクバラタナゴというのは二枚貝に産卵する外来種ですけれども、基本的にこれが入ってくると、その他のタナゴ類が消えた事例があります。ここのところで在来のタナゴ類というとアブラボテとヤリタナゴが記録されているのですが、タイリクバラタナゴとアブラボテ、ヤリタナゴの記録地が一体どこにあるのか。
 例えば、以前、オオクチバスの問題を取り扱ったときに、魚類の専門家の先生が「例えば『川の連続性を確保する』ということをしていくと、オオクチバスが上流まで上がってしまう。そうすると、オオクチバスによる影響が上流までいってしまう。上流部に保全すべき種がいまでも生き残っているのであれば、あえてその連続性を確保せずにオオクチバスが上がれないような川づくりにしてしまうということも一つの方法だ」ということをおっしゃっていたことがあります。
 そういうことから考えると、今、アブラボテがもしタイリクバラタナゴと同所的に生息していないのであれば、そこに横断工作物か何かがあって、タイリクバラタナゴの遡上を止めているのであれば、あえてその場所は連続性を確保する必要もないケースもあろうかと思います。そういう点をちょっと考えたいので、タイリクバラタナゴとアブラボテ、それからヤリタナゴがありましたらヤリタナゴの確認地点が必要と思います。
 特に、本川だけではなくて、どうもこの調査結果を見ると、調査対象を河川外でも調査されているところを見ると、どちらかというと支川か何かで調査されているのであればそのデータもほしいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長
 いかがでしょうか。
○河川管理者
 ご指摘のあった点については確認して、可能な範囲で整理をさせていただきたいと思います。
○委員長
 他はいかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 先ほど、38ページの「中流部の課題(1)『湿性環境、産卵場所の配慮』」についてご質問があったので、私が先ほど重要種について申し上げたかったのは、ここに「ミクリとかナガエミクリ、カワヂシャ云々」とありますけれども、こういうのが本当に放っておいても持続可能なのかどうかというような分析をお願いしたいと思います。近年、発展の著しい保全遺伝学とかそういう見地から、放っておいて何かあるからそこそこ見ておけば大丈夫なのか、そういうことを近年の科学の進歩とかを取り入れて検討していってほしいということです。
○委員長
 わかりました。ありがとうございました。どうぞ。
○委員
 質問ですが、今○○委員イインがおっしゃったようなことを検討しようと思うと、遺伝子解析用のサンプルをとって、新たにサンプリングをしないといけないわけですけれども、この委員会で予算的にも時間的にも行っていただけるのでしょうか。
○河川管理者
 今のご指摘のとおり、ある程度の知見があって、そういう知見をお聞きするという形なら、ある程度できるかと思いますが、新たに調査となりますと、費用面、時間的な面で非常に厳しく感じております。
 河川整備計画を策定する上で、大きく二つの考え方があると思います。一つは、河川を整備する上で、重要種や保存すべき場所、植物等を配慮して整備計画をつくるということでございます。もう一つは、積極的にそういう環境をつくっていく、二つの視点があるかと思います。
特に今おっしゃったような視点も非常に重要になってくるかと思います。詳細な調査をということになると、現状ではちょっと厳しいいうことでございます。
○委員
 河川管理者が考えておられるよりもはるかに、恐らく調査・分析というのは建設に比べると非常に安い費用で多分できると思うし、福井県の中でそういうことができるところもあると思います。私は素人なのでうまく言えませんけれども、それぐらいする時代ではないのかと思います。
○委員
 本当にそう思うので、例えば工事計画を立てる中にそういう調査・解析も含めた形で順次つくっていくというような整備計画を立てればいいわけで、何も今、この時点ですべてがわかって、30年先までの、すべてのことを見通して全部やれというのは、今のサイエンスではなかなか難しいと思います。常に検証しながら次の計画を立てていくんだというような整備計画をつくればいいと思うんです。
○委員長
 ありがとうございます。
 この次の話があるので、時間的なところもありまして、整理させていただきますと、まず基本的には、環境につきましては、どういうものがどこにいる動植物マップを明らかにし、北川の環境をどう考えるかというベースが必要となり、これをもとにいろいろ環境を考える。その中での環境基準につきましても、もう一度、文献等できちっと精査をしてみるということが重要と思います。
 それから、今日、委員の方からいろいろ貴重なご意見が出てまいりました。環境に関する検討、「こういうことをしてほしい」というのが出てまいりましたが、このあたりにつきましては、もう一度、それぞれの委員の方にもご意見等を伺いまして、この委員会の中でできることと次回の宿題という形で、ある程度分けて考えていく必要が出てくるのではないかと思います。そのあたりについても検討が必要だろうと思います。
 あと、水質等のところにも出てまいりましたが、今は平均値的なところが出ているのですが、どうも委員の方のご意見を伺いますと、平均値というのはある分散をもった形での平均値ということなので、例えば水質等についてはどれだけのばらつきがあるのかということも知りたい。それから、ばらつきについても、もしある特性があるのであれば、そういう点は明記しておくことが必要であろうと思います。それは、何かの原因があって起きるわけですから、そういう特性も知っておいて、「こういう水質の変化に関してはこういう原因、要因が考えられますよ」ということも河川流域に住んでいる方に情報として流してあげることも必要であると感じました。
 時間等もございますので、こういった点を事務局のほうの宿題、検討していただくということで、また、委員に返していただきたいと思います。
 以上で大体よろしいでしょうか。
○委員長
 ありがとうございます。いずれ具体的な議論に入っていくと思いますので、またそのときにでもよろしくお願いいたします。
 それでは、3番目が残っていますので、今日の議事としての河川環境は、終わりたいと思います。されでは、司会にマイクをお返しします。
○庶務
 ありがとうございました。
3.社会資本整備審議会河川分科会
          河川整備基本方針検討小委員会の報告
○庶務
 それでは、議事次第3、「社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会の報告」につきまして、河川管理者から報告がございます。お願いいたします。
○河川管理者
 それでは、「参考資料−3」をご覧いただければと思います。
 (スライドNo.1「河川整備基本方針と河川整備計画の関係」)この流域委員会の最初にご説明をさせていただきましたけれども、資料のほうでは3ページの上のスライドになりますが、河川整備基本方針、河川整備計画ということで、河川整備基本方針をもう一度、ご説明させていただきます。
 河川整備基本方針につきましては、整備の基本的な方針、それから洪水の計画のもととなる数字、基本高水、計画高水流量と申し上げますけれども、そういうものを水系ごとに長期的な整備の方針、整備の基本となるべき事項を定める「河川整備基本方針」がございます。
 この長期的な整備の方針に対しまして、当面、20年〜30年の間にどういった河川整備を行うという目標を明確にする、もしくは個別的な整備の方法、事業を含めて整備の方法を明らかにする「河川整備計画」がございます。
 (スライドNo.2「北川水系河川整備基本方針・北川水系河川整備計画策定の流れ」)スライドのフロー図では、河川整備基本方針につきましては、社会資本整備審議会の意見を聞くことになっております。意見を聞いて基本方針を決定・公表いたします。
 それから、河川整備計画につきましては、学識経験者、公聴会の開催等による住民意見を反映する、意見を聴くことを踏まえて、河川整備計画の案をまず決めます。この案を作成した後に、関係の地方公共団体の長の意見を聞いて、最終的に河川整備計画を決定、公表するという手続きになっております。
 「参考資料−3」の1〜2ページでございます。北川の河川整備基本方針の検討について、1月11日に第1回目の審議が行われました。これにつきまして、河川管理者側から出した資料の概要でございまして、2ページほどで整理をさせていただいております。一部は、既にこの流域委員会でもご説明した現状や過去の経緯が入っておりますので、かいつまんで説明をさせていただきます。
 1ページの一番下の「基本高水のピーク流量の検討」でございますが、1月11日の小委員会におきましては、「既定計画策定以降、計画を変更するような洪水は発生しておらず、流量データによる確率からの検討、時間雨量(5時間)データによる検討、既往洪水の検討、1/100確率規模モデル降雨波形による検討等を総合的に判断して、基本高水のピーク流量を高塚地点で1900m3/sとする」ということで小委員会に諮っております。
 2ページの「治水対策の考え方」ですが、いま申し上げました「基準地点高塚において、基本高水のピーク流量1900m3/sのうち、現在建設中の河内川ダムで100m3/sを洪水調節し、河道では河道掘削等により1800m3/sの流下能力の確保を図る」ということで、委員会に諮っております。
 それから、「■」の二つ目でございますが、「堰の改築、河道掘削等により流下能力の確保を図るとともに、現存する霞堤については氾濫水を戻す効果があり、土地利用状況を勘案の上出来るだけ保全に努める」ということで諮っております。
 その下の「自然環境」につきましてですが、今日の流域委員会の中でもご説明させていただいている部分もございます。「上流部は、急峻な渓谷を流れる区間で、連続する瀬・淵など良好な河川環境の保全に努める」「中流部は、湿生植物が生育しており、河川改修により影響を受ける箇所の湿性環境の回復に努める。また、現状では魚類の移動が困難なため、関係機関と連携を図り、河川の縦断的連続性や支川・水路との連続性を確保する」「下流部では汽水域特有の環境であるシオクグ・ヨシ等の生育する塩性湿地環境の保全に努める」ということで委員会に諮っております。
 もう1点、先ほど瀬切れの話の中でもご意見をいただきましたけれども、下から二つ目の「流水の正常な機能を維持するために必要な流量の設定」ということで、「■」の一つは、「合理的な水利用の促進を図るなど、今後とも関係機関と連携して必要な流量の確保に努める」ということと、「■」の二つ目として、これは具体的な数字を小委員会に諮っておりますけれども、「高塚地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量については、4月から5月までは概ね2.1m3/s、6月から翌年3月までは概ね1.1m3/sとし、以て流水の適正な管理、円滑な水利用、河川環境の保全等に資するものとする」ということで小委員会に諮っております。
 以上、概要だけですが、報告させていただきます。
 また、次回の河川整備基本方針を検討いただく社会資本整備審議会ですけれども、小委員会は2月8日の開催が予定されております。次回の流域委員会は、来年度の開催を考えております。そうしますと、時間も空いてしまいますので、文書等でご報告をさせていただければと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○庶務
 ありがとうございました。先ほどの報告につきまして、ご質問等がございましたら、お願いいたします。
○委員
 二つほど、お聞きしたいと思います。細かい話ですが、「基本高水ピーク流量の検討」で、流量確率の検討はされているか。もう一つは、「治水対策の考え方」のところに書いてある「現在建設中の河内川ダムで」というところは、基本方針にそのまま記載されるのですか。この2点をお願いします。
○河川管理者
 流量確率の検討は行っております。
 2点目の具体的に基本方針への記載については、当然、最終に決まっておりませんが、個別具体のダム名ではなくて「洪水調節施設」というような言い方で、今の案としては考えております。
○委員
 それでは、この文章の「河内川ダム」と出ているのは何ですか。
○河川管理者
 この資料は、小委員会に諮った資料の概要版でございます。基本方針の文面そのものを抜き出してここで説明しているということではございません。
○委員
 概要版ではダムの名前が出ていて、基本方針には載ってこないということですか。
 それと、流量確率の件は、雨量確率の流量が真ん中ぐらいにおさまっているのですか。
○河川管理者
 口頭でご説明しましたが、資料はまた別途ございますので、後でお示しさせていただければと思います。
○委員
 はい。
○庶務
 他にございませんでしょうか。
 特にないようでございましたら、以上で審議会報告への質疑を終わらせていただきたいと思います。
4.事務連絡等(次回開催予定時期等)
○庶務
 それでは、議事の4に移らせていただきます。庶務から、次回の開催予定についての事務連絡を申し上げます。次回委員会は4月を予定しております。後日、日程調整についてのご連絡をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
 何か、質問等はございませんでしょうか。
5.閉    会
○庶務
 特にないようでしたら、お時間、まだ早いようですけれども、本日の委員会はこれで終了させていただきます。委員の皆さま、長時間にわたるご審議、ありがとうございました。これで、「第4回北川流域委員会」を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。