第7回 北川流域委員会
議事詳録
平成20年7月31日
小浜市オバマシハタラ婦人フジンイエ 3階 大会議室ダイカイギシツ
1.開    会
○庶務
それでは定刻となりましたので、ただいまより第7回北川流域委員会を開催させていただきます。本日、司会を務めさせていただきます近畿技術コンサルタンツの○○でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員が諸事情によりご欠席となっております。また、○○委員はしばらく遅れるということですので、間もなく到着されると思います。ですので、現在、10名の出席となっております。
 まず、お手元の資料を確認させていただきます。A4判の両面刷りで、「第7回北川流域委員会議事次第」、裏面が「席次表」となっております。次に、右上に「資料−1」と記しました本日の議事の資料でございます。それと、右上に「参考資料−1」と記した資料がございます。最後に、本日、ご欠席されておられます○○委員からの意見を、委員の皆さまにのみお配りしております。配付資料は全部で4点でございます。揃っておりますでしょうか。
 委員の皆さまには事前に資料を送付させていただいておりますが、一部修正を加えさせていただいておりますので、本日、お配りしました資料で協議していただきますようお願いいたします。また、本日、受付横のテーブルに、ニュースレターとあわせて○○委員から、若狭の水と人の暮らしを考える連続講座の案内で、南川、北川、海、名水などがテーマとなっているパンフレットを並べておりますので、ご興味のある方は、お帰りの際にでもお持ち帰りいただきますよう、よろしくお願いいたします。以上でございます。
2.ナイ    ヨウ
「流域委員会での質問について」
○庶務
それでは、議事次第の「2.報告」に移らせていただきます。報告の「流域委員会での質問について」は、司会のほうで進行させていただきます。
 報告に移る前に、○○委員長に一言、お願いいたします。
○委員長
 どうも皆さん、こんにちは。お暑い中をご苦労さまです。きょうは、議事次第のところにありますけれども、「河川整備の目標について」ということで、この委員会におきましても、北川水系の基本方針を受けまして、今後、大体30年間にわたりまして、治水、利水、環境についてどのような整備をしていったらいいのかということを議論していく必要があります。特に治水につきましては、どの程度の流量を対象とするのか。すなわち、どのような洪水を対象に、どの程度の流量の確率規模を設定したらいいのかということを議論していく必要があります。
 ご存じのように、河川整備計画におきましては、先ほども言いましたように概ね30年ということで計画を考えておりますから、予算的にも厳しい状況がございますが、どのような形で最も効率的な整備をしていったらいいかといったことを、ここで議論していきたいと思っております。
 そういった中で、我々も基本的なこういった合意をもちながら、治水はもちろんのこと利水、それから環境の面につきましても、いまから議論していきたいと思っております。きょうは、いろんな貴重なご意見が出ることを期待しております。では、とりあえず一度、庶務のほうへお返しします。
○庶務
 それでは、○○所長、説明をお願いいたします。
○河川管理者
 福井河川国道事務所長の○○でございます。それでは、説明に移らせていただきたいと思います。
 ( スライドNo.1「流域委員会での質問について」)まず、「参考資料−1」で、これまでいただいた質問や疑問点についての説明ということで、いま申し上げた「参考資料−1 流域委員会での質問について」を使って報告させていただきます。
 ( スライドNo.2「問15〜問18」)「参考資料−1」の右下にそれぞれページをふっております。2ページ目をご覧いただければと思います。
 ご質問が四つ、関連してございました。「確認された重要種の取り扱い」、「『福井のすぐれた自然』についても重要種の評価を行う」、「水辺の国勢調査結果については、生データの提示だけではなくて、河川依存性の高い種を抽出し、多様性評価などによって河川のどこが生物多様性の保全にとって重要かを抽出する必要がある」、それから「保全遺伝学の考え方から、持続可能な生物なのか遺伝子解析を行うことによって、貴重種が本当に保全しなければならないか検討してはどうか」というご質問、ご意見でございました。
 一括して、文章を書いておりますが、確認された重要種につきましては、産卵場所ですとか採餌場所といった生息場所、水辺の植物群落も含めた生息・生育環境を考慮すべきと考えております。「種」を保存する場合には、「種」によっては生活史も異なり、他の生物との食物連鎖、それから生息のための相互関連性、背後地形等についても考慮が必要になってまいります。河川工事等を実施するにあたって、確認のための調査の実施ですとか専門家の意見聴取を行って、対象となる種とその生息環境の保全のための工事実施方法・実施期間・移植等について検討を行いたいということでございます。また、専門家のご意見を聞いた上で、必要に応じてモニタリング等についても実施していきたいということです。
 きょうの整備目標の中でも若干触れさせていただいております主要なところについては、考え方としては今後こういう形でやっていきたいということです。
 ( スライドNo.3 )3ページに、「(すみ場・種・遺伝子)の多様性と健全な生態系の関係」ということで、これは出典に書かれているものから引用していますが、こういった形で健全な生態系が維持されるということで示しております。
 ( スライドNo.4「問27」)4ページ目の「『正常流量の確保』について」ですが、これは先般の流域委員会でも申し上げましたが、現時点では正常流量の確保については、広域的かつ合理的な水利用の促進を河川管理者としても図る。それから関係機関と連携して必要な流量の確保に努めていきたいということでございます。そのためには、情報提供、情報伝達体制を充実させ、水利使用者相互間の水融通を円滑にするなど、河川管理者として関係機関及び水利使用者等と連携して進めていきたいということでございます。
 ( スライドNo.5「問36」)次の5ページ、6ページになりますが、過年度に策定しました北川自然再生計画の目標設定が、昭和30年代前半と設定しておりますが、「その理由を示してほしい」ということでございます。
 「昭和20年〜30年代の北川の姿」ということで、これは当時の計画を検討する中でも資料として出させていただいておりますが、大きく@からDということであげております。まず一つ目が、水の流れが豊かであったということ。二つ目が川の上下流がつながり、生物の往来が自由であった。三つ目が、みお筋は蛇行し、瀬・淵が明瞭で河原や河畔林等多様な環境であった。四つ目が、田、水路、河川はつながり、エコロジカルネットワークが形成されていた。五つ目が、かんがい、草木の利用、魚獲りなど人と川の関係が密接であった。こういった時期の北川をめざすということで検討されておりましたが、北川の堤防は昭和28年の災害を契機に整備されました。堤防整備後も瀬・淵、河原、ヤナギや低木の河畔林が残っていたので、この頃の北川の姿をめざすということになり、昭和30年代前半という目標を設定したということでございます。
 ( スライドNo.6「昭和38年の航空写真」)6ページに、昭和38年当時の航空写真を示しております。ここにございますように、河原・瀬・淵、川の蛇行ということで瀬・淵が確保されていたという状況が見てとれるかと思います。
 なお、参考ですが、検討の際は、もう少し古い昭和22年ですとか、近年の平成8年の航空写真等により、川の状況もご確認いただいて、昭和30年代前半ということで設定したということでございます。
 質問については以上でございます。
○庶務
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告につきまして、ご質問等がございましたらお願いしたいと思います。○○委員、どうぞ。
○委員
二つ、お伺いします。正常流量の確保のところですけれども、せっかく河内川ダムをつくられるので、河内川ダムと正常流量の関係を教えてほしいということです。
 それから「問36」です。「みお筋は蛇行し、瀬・淵が明瞭で河原や河畔林等多様な環境であった」とありますが、いまも蛇行して、瀬・淵とかもあるんですけれども、これをもうちょっと定量的に示してほしいのです。例えば河原の植生の繁茂状況もですかね。以前にお願いしたことがあったのですが、河床の勾配が変わって土砂を流す力が減った可能性があるので、例えば九頭竜川でも行われているような植生の繁茂状況の違いがどれだけ関係あるのかとか、河床勾配がどれぐらい変わったのかとか、そういうのを示してもらったほうがいいのではないかと思うのです。
○河川管理者
 まず、後半の自然再生計画の関連で、ご指摘のあった点を踏まえてできる限りデータを整理させていただきたいと思います。
○河川管理者
 福井県の○○と申します。河内川ダムにおける正常流量への寄与といいますか、関係についてですが、現在の河内川ダム計画につきましては、一部補給としまして新道地点で0.15m3/s、下吉田地点で0.25m3/sを満足するのに必要な水量を補給する予定はしておりますが、ほぼ灌漑用水にきく形になっておりまして、完全に補給できるという計画にはなっておりません。
 あと、貯留制限流量を設けておりまして、それを下回った場合には河内川ダムにおいて貯留を行わない計画になっております。
○委員
 将来的にというか、そんなに先のことはないと思いますが、ダムと下流の正常流量の関係というのは、この委員会で出てくるのですか。ダムは福井県がやっておられ、下流の直轄区間はここで議論しているので。そのあたりはこの委員会で治水だけじゃなくて正常流量等もリンクしてくるのでしょうか、
○河川管理者
 リンクといいますか、当然、ダム計画を踏まえてということですが、従前も申し上げましたように、渇水の年は現状では正常流量が確保できない時期もあるということで、先ほど定性的な表現ですけれども、今後、水利用の合理化ですとか、そういったところは、我々だけではどうしようもないところもありますので、関係機関を含めて進めていきたいということでございます。
○委員
 いえ、そうではなくて、ダムでつくられた利水の流量と、要するに正常流量に対するダムの貢献等の図というか、そういう定量的なデータをこの場で示してもらえるのかどうかということです。皆さん、興味があると思うのです。正常流量の説明というのはもう終わっていましたか。基本方針の話なので、この委員会でどういう具合に出てきたのかよくわからないのですが。正常流量の話があって、それに対してダムがどれぐらい貢献しているのかというのを定量的にというか、数字で示してもらったほうがわかりやすいのではないかと思います。それがこれから出てくるのかなと思いました。
○河川管理者
 わかりました。正常流量については、概略ですが、第5回にご説明させていただいております。その中で、平成6年が渇水のひどかった時期ということで、平成6年との対比で正常流量が確保できない時期があるということのご説明をさせていただきましたが、もう少し先生がおっしゃったところを踏まえて、後日、データの整理といいますか、資料のほうを検討してみたいと思います。
○庶務
 あと、もう1点、みお筋のお話についてはいかがでしょうか。
○委員
 いや、もう答えていただいています。
○河川管理者
 河床勾配ですとか、植生の繁茂状況の違いですね。後日、お示しできるように資料を検討させていただきたいと思います。
○庶務
 了解しました。
 他、ございませんでしょうか。
 特にないようでしたら、次に進めさせていただきたいと思います。また何かありましたら、後ほどご質問をよろしくお願いいたします。
3.議    事
 「河川整備の目標について」
○庶務
 それでは、議事次第の「3.議事」の「河川整備の目標について」に移らせていただきます。これからの進行は○○委員長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○委員長
 それでは、いまから「河川整備の目標について」ということで、皆さんと議論していきたいと思います。よろしくお願いいたします。では、説明をお願いいたします。
○河川管理者
 ( スライドNo.1「第7回北川流域委員会」)それでは、河川整備の目標について説明させていただきたいと思います。「資料−1」をご覧いただければと思います。
 ( スライドNo.2「河川整備の目標について」)同じく、右下にページをふっている数字で示しながら進めていきたいと思います。
 ( スライドNo.3「対象区間及び対象期間(案)」)3ページですが、「対象区間及び対象期間」ということで、いずれも河川整備の目標については現段階では(案)となっています。まず対象区間でございますが、河川整備は北川水系の国が管理している区間を対象とするということで、北川につきましては、河口から本川の上流15.2kmまでの地点、それから遠敷川につきましては、北川の合流点から遠敷川の上流にいきまして、その1.3km地点までを対象とするということでございます。
 対象期間につきましては、「河川整備計画は、『北川水系河川整備基本方針』に基づいた当面の河川整備を目標とするものであり、その対象期間は、整備目標に対し河川整備の効果を発現させるために必要な期間として概ね30年間とする」ということで設定しております。
 なお、河川整備計画につきましては、現時点の流域における社会経済状況、自然環境の状況、河道状況等を前提として策定するものでございます。策定後に、こういった状況の変化ですとか、新たな知見、技術の進歩などによって、必要がある場合には、対象期間内であっても適宜見直しを行うということでございます。
 ( スライドNo.4「治水の目標(案)」)続きまして、4ページですが、
「治水の目標(案)」ということで説明をさせていただきます。
 ( スライドNo.5「北川・遠敷川の現況流下能力」)5ページに「現況流下能力」のグラフを示させていただいております。北川の洪水の基準地点は高塚でございます。高塚区間は高塚から下流の区間ということでございますが、現況の流下能力は、河口から1.2km付近が一番低い流下能力になっております。これが約1000m3/sというのが読み取れるかと思います。そういうことで、高塚区間の現況の流下能力は約1000m3/sという状況でございます。
 ( スライドNo.4「治水の目標(案)」)これより考えられる選択肢、目標流量、治水の目標を4ページに四つ示しております。
 一番目が、「20年確率洪水規模」と書いておりますが、これが現状河道のままで20年確率洪水規模になっております。
 2番目が、現状河道の状態で河内川ダムの効果を見込んだ場合ということで、確率で申し上げますと、「25年確率の洪水規模」になるというものです。
 次に、国の管理する河川の河川整備計画におきまして概ね目標とされているのが、戦後最大洪水を対象としているものです。そこで、3番目といたしまして「50年確率の洪水規模」、これを戦後最大洪水規模ということで、約1400m3/sを計画高水位以下で安全に流下させるというものです。これは河内川ダムの効果も見込んで約1400m3/sということでございます。
 四番目が「100年確率の洪水規模」です。これは河川整備基本方針の目標になるわけですが、その計画高水流量である約1800m3/sを安全に流下させることができる整備というものです。これも河内川ダムの効果を見込んだ上での流量ということでございます。
 以上、四つ提示させていただいておりますが、河川管理者としての選択ということで、案といたしましては、国の管理する河川の河川整備計画において概ね目標とされている戦後最大洪水を対象とした場合の、「50年確率の洪水を目標流量とする」ということで3番目を選択しました。下に書いてありますように、特に「人口・資産が集中している遠敷川合流点より下流を整備する」ということで示しております。
 ( スライドNo.6「北川の既往洪水」)続きまして、6ページですが、いま3番目を選択ということでお話をさせていただきましたが、「北川の既往洪水」を示しております。
 既往洪水で最大の被害が記録されておりますのが、表の一番上にある、昭和28年9月の台風23号による洪水でございます。死者・行方不明者53人、浸水家屋も流失等を含めますと6000戸近くになったという被害でございます。ただ、昭和28年の洪水につきましては、流量や時間雨量に関するデータがないということで、表の中にも「不明」と記載させていただいております。
 ( スライドNo.7「戦後最大規模(50年確率)の根拠」)7ページをご覧いただければと思いますが、フローで書いております。先ほど申し上げましたように、「戦後最大の洪水を目標としたい」というところですが、戦後最大となる昭和28年9月洪水につきましては、流量・雨量のデータが不明であるという状況でございます。北川の流域以外のデータから、昭和28年の洪水を推測で計算をしておりまして、下流の高塚地点で約1600m3/s程度になるという結果が出ております。しかし、適切な再現計算ができないので、この数字もなかなか使えないという状況がございます。
 そこで、フローの枠の三つ目になりますが、昭和28年から現在まで、昭和28年の洪水被害を超える洪水が発生していないという点も踏まえまして、昭和28年からの経過年数約50年を昭和28年規模の洪水が発生する確率と考えて、河川整備計画の目標である戦後最大洪水規模を50年確率ということで、設定させていただいております。
 ( スライドNo.8「整備計画目標流量算定の考え方」)8ページをご覧いただければと思います。50年確率を戦後最大と設定しているということで、時間雨量データが揃っています昭和47年から平成17年の34カ年の非毎年データを確率処理いたしまして、50年確率雨量を算出いたしますと、8ページの上に書いておりますように、5時間雨量が181mmとなります。
 「○」の二つ目ですが、河川整備基本方針でも検討しました対象洪水、表で6洪水、お示ししておりますが、この対象洪水につきまして、先ほどの50年確率の5時間雨量、181mmまで引き伸ばし、倍率をかけて181mmにして流出計算を実施しました。
 その結果を、それぞれの対象洪水で高塚ピーク流量を表の一番右端に示させていただいております。6洪水の中で、平成10年9月型の洪水が高塚ピーク流量の最大で約1500m3/sということになります。この1500m3/sを目標流量と設定したということでございます。
 ( スライドNo.9「河内川ダム」)9ページでございますが、上流で河内川ダムが建設中でございます。完成後は基準地点高塚での洪水調節効果が見込めるということです。
 ( スライドNo.10「整備計画の目標流量」)10ページですが、50年確率の目標流量約1500m3/sに対して、河内川ダムの効果が100m3/s見込めるということで、河内川ダムの洪水調節効果を見込んだ約1400m3/sを基準地点高塚の計画高水流量と設定しております。
 ( スライドNo.11「福井県内河川の整備目標規模」)11ページですが、福井県内の河川の整備目標規模の比較ということで示しております。位置は右側の地図の中に示しております。九頭竜川水系も戦後最大洪水で、治水安全度としては80年確率ということで設定しております。
 日野川については福井県さんが管理している区間のみですが、福井県さんの管理する河川につきましては、30年〜50年の規模の確率で整備目標を設定しているということでございます。
 南川はまだ計画がつくられておりませんが、現状での治水安全度が約30年確率でして、北川の50年確率といった目標も、他の河川とも比較して妥当ではないかと考えております。
 ( スライドNo.12「氾濫シミュレーション(現況河道)」)12ページ、13ページですが、整備計画の対象洪水、平成10年9月型で50年確率規模の洪水が発生した場合の氾濫シミュレーションを行いました。12ページは現況河道でシミュレーションを行っております。
 色が塗ってある箇所が浸水になります。床上の浸水家屋数は現況の河道で約2800戸になるであろうという結果が出ております。
 以前も氾濫シミュレーションの説明をさせていただきましたが、平成10年9月型洪水の50年確率規模で、計画の水位を超えた箇所は破堤したという想定で、氾濫の解析をしております。その結果、破堤箇所が複数出てくるわけですが、その中で被害が最大になるものを設定してシミュレーションを行っているという前提での被害面積、床上浸水家屋数であるということをご理解いただければと思います。
 ( スライドNo.13「氾濫シミュレーション(現況河道+河内川ダム)」)13ページですが、これは現況河道に河内川ダムが完成した後の状態ではどうなるかということでございます。床上浸水家屋数は約2500戸ということで、現況河道のみより、約300戸減少するということでございます。
 ( スライドNo.14「目標流量に対する対策案」)14ページですが、「目標流量に対する対策案」ということで、遠敷川合流点より下流に人口と資産が特に集中しております。この区間で破堤すると、大きな被害が発生するということで、「遠敷川合流点より下流の河道整備を行う」ということで、いま考えております。
 ( スライドNo.15「氾濫シミュレーション(整備計画河道+河内川ダム)」)15ページのシミュレーション結果を見ていただければと思いますが、遠敷川合流点下流の河道整備と河内川ダムが完成した後の状態で、平成10年9月型で50年確率規模の洪水が発生した場合の氾濫シミュレーションを行うと、上流側には浸水エリアが残りますが、床上浸水は解消されるということでございます。
 ( スライドNo.16「治水の主な整備メニュー(案)」)それから、16ページですが、「治水の主な整備メニュー(案)」ということで、大きく三つ掲げております。洪水の流れる量を増やす。堤防自体を整備する。それから危機管理対策でございます。
 まず、一つ目の「水位低下」ですが、先ほど申し上げました遠敷川合流点から下流部の河道掘削ということで、川の中を掘って川の断面を大きくすることによって、より多くの洪水が流れるようにするということでございます。後で環境の話でも出てきますが、下流部、中流部、遠敷川合流地点と沿川の湿性環境といった現状の植生等もございます。そういった環境ですとか、瀬・淵についてはできるだけ配慮し、保全に努めるということでございます。
 河道掘削に関係しまして、横断工作物の改築が必要になってくるところがございます。そういう意味で、「横断工作の改築」ということであげさせていただいております。
 二つ目の「堤防整備」ですが、現在、北川には堤防はございますがその堤防の断面が十分確保されていないとか、ここでは「洪水の作用に対する強化」と書いておりますが、洪水時に堤防の安全性が十分確保されていないところがあるということで、そういった部分の堤防の強化をあげています。
 地震対策としては、今後、新しい基準で地震に対して構造物の点検を行う予定でおります。点検結果から対策が必要になってくる箇所については、耐震対策を行うということでございます。
 霞堤についてですが、現存する霞堤につきましては、沿川の状況を踏まえて関係機関、地域住民の理解のもとに適切な維持、保全に努めるということでございます。
 三つ目は、治水ということで洪水に対する「危機管理対策」をあげています。まず、光ファイバーの延伸と監視カメラの増設といった情報提供、情報伝達体制の充実。それから避難誘導等の体制の整備。さらに洪水災害の予防・防止ということで、これは私どもの洪水対応の拠点となる庁舎の耐水・耐震化ですとか樋門の遠隔操作化といったこともメニューとして取り入れております。
 ( スライドNo.17「堤防整備(堤防断面の確保)」)続きまして、17ページですが、先ほどお話ししました堤防整備の中で、堤防断面の確保ということでございますが、堤防の横幅などといった断面が計画の堤防の断面を満たしていないといったところが北川でもございます。
 左下に表で書いておりますが、計画の堤防の断面を満たしていない「暫定堤防」が56%、延長で約18.1kmあるということでございます。こういったところの堤防断面の確保を図っていくということで、北川、遠敷川の全区間の堤防につきまして、完成堤防に整備をしていくということでございます。
 ( スライドNo.18「堤防整備(洪水の作用に対する強化)」)それから、18ページですが、これは洪水の作用に対する強化ということで、これも以前にご説明させていただいております。いわゆる洪水時に堤防がすべったり、水の吹き出し等といったことに対する安全性が十分確保できていない区間ということで、赤色で示しているところが安全性の点検をした基準未満であるという区間でございます。延長では、赤色の安全性照査基準未満の区間延長が約11.3km、基準以上の区間延長が約16.2kmという状況でございます。赤色の基準未満の区間について、堤防の質的強化を図るということでございます。これにつきましても、安全性基準に満たない箇所全区間の整備をメニューとして考えております。
 ( スライドNo.19「危機管理対策(情報伝達体制の充実)」)それから、19ページですが、「危機管理対策」の中の「情報伝達体制の充実」でございます。現在、図で示しておりますように、赤色の線は光ファイバーが既に整備されております。上流側へ向けて光ファイバーの延伸ですとか、監視カメラにつきましても、カメラのマークで現在、中流から下流にかけて4カ所に設置しておりますが、これにつきましても上流側の天徳寺、新道といった地点に監視カメラの増設をしていきたいと考えています。こういった形で情報伝達体制を充実させて、洪水時に報道機関やインターネット等で洪水の状況がカメラ等で見られるといった情報提供を進めていきたいということでございます。
 光ファイバーケーブルの延伸、監視カメラの増設とあわせて観測機器・通信経路の二重化を図って、情報収集の信頼性を高めていきたいと考えております。そういったことも、メニューとして考えております。
 ( スライドNo.20「危機管理対策(避難誘導等の体制整備)」)20ページですが、「危機管理対策の避難誘導等の体制整備」ということでございます。一つ目は、ハザードマップを普及させるためにまず作成ということで、自治体に対して作成の支援を行います。また、いま、浸水想定区域ですとか避難経路、避難場所等を町の中に看板等でよりわかりやすく表示するということで、「まるごとまちごとハザードマップ」の設置を進めております。この点につきましても、沿川自治体と協力して連携していきたいということで、メニューとして考えております。
 「危機管理対策の洪水被害の予防・防止」の中で、先ほど申し上げました庁舎の耐水化、耐震化、それから樋門の遠隔操作化を進めるということもメニューとして考えております。
 ( スライドNo.21「流水管理・水利用の目標(案)」)続きまして、21ページですが、「流水管理・水利用の目標(案)」を示させていただいております。目標とする維持流量ということで、四角囲みの一番下に書いております。高塚地点で4月〜5月が概ね2.1m3/s、6月〜3月が概ね1.1m3/sということで、設定をしております。
 実績についても示させていただいておりますが、「流水管理・水利用の目標(案)」ということで、「河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関しては、広域的かつ合理的な水利用の促進を図るなど、今後も関係機関と連携して必要な流量の確保に努める。また、渇水等の発生時の被害を最小限に抑えるため、情報提供・情報伝達体制を整備するとともに、水利使用者相互間の水融通の円滑化などを関係機関及び水利使用者等と連携して推進する」ということでございます。
 ( スライドNo.22「流水管理・水利用の主な整備メニュー(案)」)22ページですが、「流水管理・水利用の主な整備メニュー(案)」を書かせていただいております。
 まず、一つ目の「河川の適正な利用」ということで、水利用の適正化でございます。水利権変更時を含めてですが、水利権許可時に、使用水量の実態や受益面積、灌漑用水でいいますと営農形態等の変化に応じた水利権の審査を行っていくということです。
 あと、情報交換といたしまして、北川水系水利用情報交換会といったものがございます。そういった場を活用するなどして、情報交換を積極的に行っていきたいということでございます。
 二つ目の「流水の正常な機能の維持」につきましては、広域的かつ合理的な水利用の促進を図るなど、関係機関と連携を図り流水の正常な機能維持に努めるということでございます。
 三つ目の「渇水時における対応」につきましては、渇水時の情報提供・情報伝達体制の整備ということで、水利使用者相互間の水融通の円滑化、平常時からの関係機関や関係者との連携、必要な情報の提供を行うととともに、水利使用者相互間の水融通の円滑化などを関係機関や水利使用者等と連携して行っていくということでございます。
 ( スライドNo.23「環境の目標(案)」)それから、23ページですが、「環境の目標(案)」ということで示させていただいております。「河川環境の整備と保全の目標(案)」ということで、一つ目ですが、「河川環境の整備と保全に関しては、多様な生物が生息・生育する自然環境の保全を図る」としています。
 二つ目の「人と河川との豊かなふれあいの確保」については、地域住民や関係機関と連携しながら川や自然とふれあえる親しみやすい河川空間の保全を図る。また、その河川を軸に周辺の山並みや田園風景と調和した景観の保全を図る」ということでございます。
 三つ目に、「水質については、関係機関や地域住民との連携を図りながら、現状の良好な水質の保全に努める」ということでございます。
 ( スライドNo.24「環境の主な整備メニュー(案)」)24ページでございます。「環境の主な整備メニュー(案)」ということで示しております。
 一つ目が、「河川環境の整備と保全」です。自然再生の川づくりということで「生物の生息・生育環境保全」、「縦断的連続性の確保」、「横断的連続性の確保」をあげております。「生物の生息・生育環境保全」については、魚類の産卵場所や湿性環境等の生物の生育・生息・繁殖場等となる北川の自然豊かな環境について保全に努めるということでございます。
 「縦断的連続性の確保」は、特に魚道の設置・改善ということですが、北川には堰等がございます。関係機関と調整を図りつつ、そういった縦断的連続性の確保に努めていきたいということでございます。
 あと、「横断的連続性の確保」ということで、流入の水路等で段差等がある箇所を関係者、施設管理者と調整を図って連続性の確保に努めるということでございます。
 二つ目の「人と川のふれあいの向上」につきましては、地域の住民の方やNPOとの連携の推進、河川景観の保全も図っていきたいということでございます。
 三つ目が「水質の保全」ということで、関係機関との連携・調整、それから地域の住民の方々との連携を図って水質の保全に努めるということでございます。
 ( スライドNo.25 )25ページに、若干説明を加えております。「人と川のふれあいの向上」のところで、これは現在もやっておりますが、地域の方々に参加していただいて水生生物調査、水質調査をやっております。こういったような形で、地域の方々が川に親しんで川への理解を深めるような活動、取り組みを進めていくということでございます。
 「河川景観の保全」につきましては、北川の田園風景、山々、それから霞堤、周辺の古墳といったものと調和した河川景観の保全に努めるということでございます。
 ( スライドNo.26「維持管理の目標(案)」)26ページですが、「維持管理の目標(案)」でございます。まず、維持管理の実施にあたりましては、堤防の除草などの具体的な1年間の管理内容を定めたサイクルの絵でいきますと、「河川維持管理計画」というものを作成しまして、その計画に基づきつつ、河川の状態の変化を河川巡視ですとか日常の管理の中で状態変化を常に監視をしてまいります。そういった監視の結果により、施設の評価ですとか、その評価結果に基づいた河川管理施設の改善等、構造物の補修、施設の補修等を含めて、そういった改善を一連のサイクルで実施していくということでございます。
 ( スライドNo.27「維持管理の主な整備メニュー(案)」)27ページが「維持管理の主な整備メニュー」ということで、七つ書かせていただいております。
 一つ目、二つ目が「堤防の維持管理」、「河川工作物の維持管理」ということで、堤防の維持補修、堤防の除草。水門、樋門、樋管等の維持・点検補修管理といったことをメニューとして記載しております。
 三つ目が「河道の維持」ということで、河岸の維持管理、川の中の樹木の維持管理、堆積土砂の管理ということであげております。
 四つ目は「許可工作物の適正維持管理指導」をあげております。
 五つ目は「危機管理対策」として4つの事項をあげております。@に洪水時の管理ということで、関係機関との情報連絡、洪水被害の防止及び軽減に努めるということ。Aに、水防に関する連携支援ということで、重要水防箇所というところがございまして、そういったところの合同巡視ですとか情報伝達訓練、水防訓練を実施して、関係機関と連携、防災意識の向上を図っていきたいということでございます。Bに、先ほども整備のところで申し上げました情報システムの整備ということで、光ファイバー、監視カメラ、データ通信等の維持更新を図っていく。Cとして、水質事故対策ということで、関係機関との連携のもと情報連絡体制の充実を図って、水質事故に対して迅速な対応をして被害の最小化に努めるということでございます。
 六つ目が、「河川の清潔の維持」ということで、不法投棄の監視と速やかな撤去処分ということで、これは地域の住民の方々、沿川自治体とも連携して実施していくということでございます。
 七つ目としまして、「地域と連携した取り組み」ということで、「河川愛護団体等との連携」と書いておりますが、そういった連携のもと、河川の清掃活動など、地域と一体となった取り組みを推進していくということでございます。
 ( スライドNo.28 )28ページですが、先ほど申し上げたいくつかの詳細を書いております。まず、「堤防の維持管理」につきましては、日常の巡視で堤防点検などを行いまして、不具合箇所を早期発見して早期対応を図るということでございます。また、堤防の機能及び河川環境の保全のために、堤防除草等の管理を実施するということでございます。
 「河川工作物の維持管理」につきましては、点検・整備による構造、機能の確保、施設の信頼性の向上と長寿命化に向けた維持・補修、コスト縮減にも努めるということでございます。
 ( スライドNo.29 )「河道の維持」につきましては、洪水の流下能力確保ですとか、河川管理上の対策が必要な箇所につきましては、環境面等も考慮して伐採・伐開等の樹木管理を実施していくということでございます。また、堆積土砂等につきましては、これも環境面と関係してまいります。河川環境も考慮して適切に掘削、浚渫を実施していくということでございます。
 それから「許可工作物の適正維持管理指導」につきましては、許可の際にいろいろ条件等もついております。適正に管理されるよう、施設管理者に対して適正な管理等の指導を行うということでございます。
 ( スライドNo.30 )30ページですが、「河川の清潔の維持(不法投棄物の監視)」ということで、これは洪水時に流出してくるゴミ、流木等のゴミも含めて不法投棄されたゴミ等の処理については、地域の住民の方、それから自治体等の関係機関と連携して、速やかに除去、撤去処分に努めるということでございます。
 最後に「地域と連携した取り組み」ということで、地域の関係する団体と一体となって河川の清掃活動等、河川管理の推進を図るということでございます。
 以上、長くなりましたが、「河川整備の目標」の案ということで説明をさせていただきました。以上でございます。
○委員長
 ありがとうございました。
 基本方針の100年確率で整備ができればいいんですけれども、経済的にも、費用的にも厳しい折りですので、50年確率といったような洪水規模を目標流量ということ。そして、人口・資産が集中しております遠敷川下流を整備するといった河川管理者からのご説明がございました。このあたりにつきまして、ご質問、ご意見等を伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 まず最初に、基本方針のご説明というのはもう済んだのですか。私は前回出ていないのでよくわからないのですが、もう済んでいたのですかね。皆さん、それで納得されて、この整備計画に進まれたのですか。もう一回、説明してもらえるという話だったと思うのですが。
○河川管理者
 基本方針については、第5回委員会の時点で報告という形でさせていただきました。その後、第6回委員会で、ご意見としてもあったのですが、北川の基本方針の計画と河内川ダムの計画をあわせて、ご質問に対する報告ということで説明をさせていただきました。
○委員
 前にあった説明はちょっと短かかったので分かりにくかったのですが、済んだという話なら結構です。何か非常に問題があるようだったらもう一回、審議会で審議し直してもらうことができるということを、最近聞いたので。皆さん、納得されていないのだったら、もうちょっと議論したほうがいいのかなと思ったもので。説明が済んでいるのだったら、これで進むということですね。
 細かいことがたくさんあるので、ちょっとずつ伺いますが、遠敷川より下流を50年確率で整備するということは、遠敷川より上流は何年確率にするのですか。基本方針の場合は、直轄区間は確率年を変えないのですかね。この河川整備目標流量の場合は、直轄区間でも確率年を変えるということですか。確率年を変えることは県なんかではよくあることですけれどもね。全区間を同じ確率で整備するというのは難しいから。この場合、そういう具合に解釈すればいいのですか。
○河川管理者
 遠敷川から下流については50年確率ですけれども、その上流については河道、川の状態としては現状のまま。ただし、河内川ダムが完成した後は河内川ダムの洪水調節効果があるという状況になるということです。
○委員
 何年確率ぐらいですか。
○河川管理者
 すみません。ちょっといま、上流側の正確な数字がございませんのでお答えできないのですが。
○委員
 河川整備目標流量の場合は、直轄区間でも区間によって確率年を変えることがあるということですね。基本方針の場合はないですね。
○河川管理者
 北川では変えていませんが、他の大河川では場所によって違うところがあるという話です。
○委員
 直轄区間でもあるということですね。
○河川管理者
 そうですね。
○河川管理者
 近畿地方整備局の河川計画課の○○と申します。近畿の場合でも、例えば淀川でしたら直轄区間の下流の枚方では1/200、中流部の宇治川、木津川、桂川ですと1/150としております。
○委員
 じゃあ、上流側は一応、確率年だけ出していただきたいと思います。
○河川管理者
 わかりました。
○委員
 それと、たくさんあって長くなるといけないので、もう一つだけ。河内川ダムの効果は100m3/sですけれども、これを増やすことはできないのですか。これが増えればいいのですけどね。容量的には、治水容量よりも不特定の容量のほうがはるかに多いのですよ。でも、どれだけカットできるかというのは、その川の規模とかで決まってくるので。100m3/sというのはどこで決まってしまったのかというのを教えてください。治水効果が増えれば、また安全度が上がるでしょう。
○委員長
 いまのご質問は、河内川ダムが一応、100m3/sの治水効果があるということなのですけれども、もっとこれ以上治水効果がとれないのかということ。その数値がどういったところで出てきたのかというご質問でした。
○委員
 またで結構です。すみません。
○委員長
 どうですか。
○河川管理者
 ダムの計画規模は決まっておりますので、その中で操作とか容量も含めてということなのかもしれませんが、いまこの場で確認しておりますが、もし可能であれば改めて別途、お答えさせていただきます。
○委員長
 わかりました。
○委員
 ダムの治水容量自体は不特定よりもはるかに小さいんですよ。その点をちょっとお伺いしたいと思いまして。だからといって、カットできるとは限らないので。長くなるので、また後でお願いします。
○委員長
 ちょっと調べていただいて、もし答えられるようであれば、後でもまたお答え願うということで。
 他に、何かご質問ございますでしょうか。どうぞ。
○委員
 19ページの「危機管理対策」のところでちょっと教えていただきたいのですが、黄色い線が整備予定ということで増えていくのですね。そして2点に監視カメラがつくということですが、先日、神戸の河川の災害を見ていますと、1分以内に川が増水しているのですが、北川では「インターネットのホームページや報道機関」となっています。周知徹底するには他の方法も考えておられるのですか。
○委員長
 情報管理のことで、できるだけ早く周知徹底させるということについてのご質問です。
○河川管理者
 ここでちょっと書きましたように、「情報伝達体制の充実」ということで、特に監視カメラの映像ということですが、今回は具体的には記載しておりませんでしたが、洪水の予警報といったことも北川でやっておりまして、気象、お天気のほうでも出しておりますが、川のほうで雨の予測ですとか、それに対して何時間後に川の中の水位がどれぐらいになるかというのを、大雨が降ったときには我々と気象台さんでやっております。
 特に水位が上がってきて危険な状態になりますと、段階に応じていろんな情報を、福井県さんを通じて地元自治体に情報提供するような形になっております。そういう情報を踏まえて、各市町で避難が必要だとか、そういった判断もされております。洪水の注意・警報と、いまは呼び方が違いますが、そういったことも以前、流域委員会の中でご説明させていただいたかと思います。これらも含めて危機管理対策ということでやっていきたいと思います。
 例えば監視カメラの映像ということに限定して申し上げると、いま報道機関とも提携して情報提供するようになっておりますので、いまのところは報道機関、インターネットの中でご覧いただくということを考えているということでございます。
○委員
 この間は川で遊んでいる子供たちが流されていたのですが、そういうのはこの設定の中には入っていないのですね。
○河川管理者
 ダムとか堰の場合は放流する際に水位が急激に増えますので、下流側へ警報することは、通常、どういったところでもやっております。そういった部分以外で、巡回して何らかの注意を音声で促すというのは、先ほど申し上げましたように、避難ですとか、自治体さんで実施していただいているというのが実態になっております。
○委員長
 よろしいでしょうか。
○委員
 はい。
○委員長
 いま言われたことにつきましては、そういった情報網、ネットワークを組んだとしても、それをいかに活用するかというところの訓練とか、そういったことも恐らくは必要になってきて初めて効果を発揮するのではないかという感じではないかと思います。
 他はいかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 初歩的なことで申し訳ないのですが、最初から対象区間が瓜生井根から下流、また遠敷川1.3kmと決まっているのですが、対象区間はこのように決まっていて、その議論はこの中では行わないのですね。管理区間というのは法か何かで決まっているのでしょうか。
○河川管理者
 いま、おっしゃったのは、冒頭にお話ししました計画の対象となる区間という意味ですか。
○委員
 はい。
○河川管理者
 これは現在、国の管理区間が設定されておりますので、この委員会の最初でも申し上げましたが、この委員会で議論いただく河川整備計画については、国の管理区間についてということで、この延長についても現時点ではこれで固定されているということでございます。
○委員長
 よろしいでしょうか。
○委員
 はい。
○委員長
 ですから、いまの対象区間等につきましては、国のほうで考えられた、いわゆるB/Cということではないですが、かかる予算、それから治水機能が最も効果的に発揮できるという対象区間を選んだということで理解をすればよろしいのでしょうか。
○河川管理者
 いえ、いまのご質問は、計画の対象区間が北川15.2km、遠敷川1.3kmという部分をおっしゃったのですね。
○委員
 これは国が直轄で管理する区間ですね。これはもう決まっているので議論の余地がないのかという質問です。
○河川管理者
 現時点ではこれは決まっているということでございます。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 いまのことで、きょう、福井県さんが来られているので、もしよかったら県管理区間と県管理区間の治水の考え方について説明していただいたほうがいいのではないでしょうか。いま議論されているようなことなので情報を提供しておいていただいたらいいのではないですか。
○委員長
 では、県のほうからも説明をお願いします。
○河川管理者
 福井県河川課の○○です。いまのご質問にありますように、直轄管理区間が北川本川の瓜生大井根堰までと遠敷川の1.3kmです。北川につきましては、瓜生大井根堰から上流、遠敷川につきましても1.3kmから上流区間が、県の管理区間になっております。それ以外にも、江古川、中川、杉山川、鳥羽川、野木川といった支川は県が管理しております。それらの河川につきましては、別途、整備計画を立てることとしておりまして、現在はその河川の中で過去の浸水被害の状況ですとか、現在での治水安全度といったものを含めて総合的に優先度を判断しまして、整備計画期間内に整備すべき河川を選定して計画を策定しております。
○委員長
 ありがとうございました。それでよろしいでしょうか。どうぞ。
○委員
 2点ほど教えてほしいのですが、一つは、8ページの「整備計画目標流量算定の考え方」ということで、最終的には5時間雨量、181mmですか、50年確率ということですが。この場合に、以前も聞きましたが、引伸倍率が1.3倍になって、1秒間に1500m3ということです。5時間雨量ですると、昭和47年の場合、170mmです。ただ、引伸倍率が低いもので流量的には少ないように計算上はなります。最近、例えば雨量が、この間の金沢でもそうでしょうが、時間雨量が100mmとかかなり大きい雨が降ります。例えば200mmが5時間ぐらいに降った場合には堤防は決壊すると考えていいのですか。
○河川管理者
 5時間、181mmというのは遠敷川から下流ということですが、いま、計画で我々が前提として考えていますのは、堤防がありまして、その堤防の中で計画の水位を決めています。これは以前から示しておりますが、その計画の水位までは洪水が流れるようにということで計画をします。
 もう1点ありますのは、堤防というのは土なので、先ほどもありましたように、現状ではまだすべり破壊とか、そういった面で弱い部分があり、構造物自体も100%完璧なものではありません。堤防が決壊する、しないというのは、200mmというのが流量的にどういう数字になるかすぐわかりませんので一概には申し上げられないのですが、洪水の起こる危険性は当然あると。基本的には洪水になるという考えが妥当ではあると思いますが、ゼロか1かというふうには、一概には申し上げられないかと思います。
○委員
 そうすると、5時間の181mmに関しては、そこにある程度の若干の許容量があって、それを超えると、いろいろと補強の面もあって単純に200mmとは言えないけれども、それぐらい降ると、洪水が起こる可能性もあるということですね。
○河川管理者
 そうですね。可能性が非常に高いということは言えると思います。先ほど申し上げましたように、堤防の強化も含めて、5時間雨量、181mmというものに対しては少なくとも安全を確保できるようにしましょうということですので、それ以上については、ちょっと増えたぐらいでは大丈夫かもしれませんし、それは実態の現象としては一概に言えないかと思います。ただ、危険ではあるという整理にはなります。
○委員
 そうすると、先ほど委員長からお金の話もありましたが、一応50年間ですか、それが何年間にしていいのかよくわからないところもあるのでしょう。この現計画では一応、50年で案が出ていますのでそれでいくのでしょうが、そのあたりについては当然いろいろ考えた上で50年ということでされたわけですよね。
○河川管理者
 先ほど申し上げましたように、他の河川ですとか、全国的、あと県内の整備の計画目標流量の設定といったバランスも考えて、今回、こういう形の設定を案としてさせていただいたということです。
○委員
 もう1点ですが、23ページに「環境の目標(案)」という案があるのですが、以前にも一度、話をさせていただいたことがありますが、河川は当然、最終的には洪水なり、雨が降ったときには物が流れたりします。その場合に、河川の中の流木等が海に流れます。海に流れた場合に、最終的に海のほうでゴミなどを処理しなければならないということになります。不法投棄のものについては別でしょうが。そういったものを必然的に処理しなければいけないのですが、環境の目標の中で、当然、川は川の部分だけですが、海が後で処理しなければならない負担について、河川の管理者的立場で何かそれに対応できるというか、そういった経費を負担できるとか、そういうことは可能なのかどうか。そういうことを今後、目標の案の中に海のことも考えていただけるのかどうか、そのあたりはどうでしょうか。
○河川管理者
 今回の環境の目標なり、維持管理のところではそういったゴミの話も記載させていただいております。基本的な考え方でいうと、不法投棄処分についても、河川の区域内でそういうものを処分するときは我々の負担なりでやっているわけですが、最終の整備計画ではもう少し具体的に文章等を書くということで、河川の美化といった話もあるかと思います。費用負担については具体的には、海の部分まで負担という話は整備計画の中での記載は難しいと思いますが、河川のゴミという点ではもう少し検討して、河川整備計画の中では記載内容を考えさせていただければと思います。
○委員長
 よろしいでしょうか。
○委員
 はい。
○委員長
 他、いかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 いま、8ページの質問が出たので、関連していくつかお伺いしたいのですが、
 まず「非毎年」という言葉がおわかりになる方はおられないと思うので、「非毎年」のご説明をお願いします。前の「用語集」にあったかもしれませんが。それを使わないといけない理由というか、恐らく毎年でも検討されていると思うので、その比較を出してほしいということです。
 それから、基本方針は5時間雨量を使われていたのですが、5時間というのを使われている理由がよくわからないのです。普通、1日とか、一雨降雨が入る降雨継続時間を使うと思うので。
 もう一つ言うと、これは一つの雨から流量が一つ出てきますけれども、基本高水では流量確率の検討をしているので、これが治水の整備の根拠になるので、やはり流量確率の検討をしておいてもらったほうがいいのではないかなと思います。もし、されていたら出してもらうかですね。
 以上です。
○委員長
 ありがとうございました。
 たしか基本方針の中では5時間の意味とか、あと流量確率等についても検討はなされていたというふうに思っているのですが。
○委員
 基本方針はやらないといけないことになっていると思いますが、5時間の意味を私はよくわかりません。
○河川管理者
 委員長、すみません、この時間をお借りしまして、先ほどの「もう少しダムの容量を使って効果を出せないか」というご質問について説明させていただきます。
○委員長
 どうぞ。
○河川管理者
 県では高塚地点での高水流量までは出していないのですが、上流の新道地点でのカット効果についてご説明させていただきます。
 いま計画しているダムはゲートレスのダムでして、吐口の大きさが縦が3.6m、横が3.8mの開口部を持ったダムになっております。そのダムで50年確率の降雨を降らせた場合には、新道地点で約700m3/sが約540m3/sになります。仮に、その吐口を少し絞る形で240万m3/sという治水容量をすべて使った場合には、いまの約700m3/sが約510m3/sという形で、約30m3/sのカット効果が上がることにはなります。
 ただ、新道地点で約30m3/sのカット効果ですので、高塚にいった場合にそれが100m3/s以上、大きく効くということにはならないかと思います。
○委員
 ゲートレスをゲートありにしたらどうなるのですか。ゲートレスということは穴開きダムというものですか。
○河川管理者
 穴開きダムといいますか、放流の際に操作ゲートを持たないダムということです。
○委員
 操作ゲートを持つ構造にしたら、もっと効果が上がるのですか。
○河川管理者
 その検討自体は行っておりません。いまのダム自体をゲートレスということで計画していまして、その検討自体は行っておりません。
○委員
 でも、それでは何かいろいろよくわからないことがありますね。わかりました。
○河川管理者
 「ゲートレスをゲートダムにしたら」ということですけれども、直轄がやっているような大きなダムですと、比較的流域面積が大きくてゲート操作するような時間的な余裕があるのですが、河内川ダムは県さんのダムでして、結構、集水面積が小さいものですから、そういったところのダムについては、通常は自然調節で、要はゲートの操作に要する時間を上回るような早さで流水が出てきますので、普通、そういった小さいダムについては、通常は自然調節方式を採用されている例が多いです。
○委員
 100m3/sが大体精いっぱいと考えればいいわけですね。
○委員長
 ○○委員どうぞ。
○委員
 いまのことですが、9ページの河内川ダムの流域が赤く囲まれている面積を見ますと、河内川ダムの地点でのいまの計画雨量ぐらいで700m3/sとおっしゃったんですが、高塚で1400 m3/sか1500 m3/sなのですよね。ちょっと感覚的に合わないのですが。
○河川管理者
 河内川ダムの流域だけではなくて、9ページでいきますと、「福井県管理区間」とありますこの区間です。
○委員
 本川のところで700m3/sということですか。
○河川管理者
 そうです。ここで700m3/sということです。
○委員長
 他はいかがでしょうか。
○河川管理者
 非毎年を採用した理由でございますが、基本方針のときから非毎年を採用させていただいているのですが、北川の場合は、資料の8ページにもございますように時間雨量が揃っているのが昭和47年からの34年間ということで統計期間が非常に短いというのが一つです。
 それから、毎年ですと1年にナンバー1のものを拾っていくわけですけれども、同じ年に大きな洪水が何回も起こっていると。北川の場合ですと、非毎年で拾っていきますと、年間に三つぐらい拾うような年とか、あるいは二つ拾うような年がございましたので、そういった意味から、北川では非毎年を採用するほうが適切ではないかという判断で非毎年を採用しております。
○委員
 わかりますけど、まずこの「非毎年」という言葉が非常に分かりにくいので検討してほしいなと思います。非毎年が雨の母集団ですからね。
 でも、毎年というか、年最大値の極値分布の検討ももちろんされていると思いますけれども、その違いといいますか、適合性などは大分変わるのですか。それと、値自体もどれぐらい変わるのかなということに興味があります。値というのは、流量ですね。何かあるでしょう、SLSCとか何か、誤差があると思いますけれども。毎年と非毎年というのは理論的には関係がありますのでね。適用する分布形としては、極位分布にグンベル分布、そして指数分布やポアソン分布などがある。指数分布だと適合性が非毎年にしたら上がっているとか、毎年の極値分布だったら値がいくらで、数少ないと適合性が悪いとか、そのあたりを知りたいなと思ったのですけどね。
○河川管理者
 いろいろ整理はしているのですが、いますぐにすべて口頭でご説明できないので、データの持ち合わせもございませんので。また改めて説明させていただきたいと思います。
○委員
 はい、また。
○河川管理者
 それから、5時間ということですが、これは前の工事実施基本計画では1日として計画降雨を日雨量で設定していたわけですが、降雨の場合、日界をまたぐとか、あと時間雨量データが蓄積されてきたという状況もあって、ここでは洪水到達時間とか、過去の主要洪水の継続時間等を踏まえて5時間という設定をさせていただきました。一般論としては、そういう説明でございますが、設定にあたっては、当然いろいろ検討しておりますので、また必要があれば説明させていただければと思います。
 それから、整備計画の流量確率といいますか、流量でのチェックも行っておりますが、これにつきましても、いまご説明できる詳細データを持ち合わせておりませんので、また説明させていただきます。
○委員
 5時間というのは、引き伸ばしの時間が5時間で、ハイドログラフを出す雨はもっと長いのですか。
○河川管理者
 そうですね。
○委員
 それでも、何で1日で引き伸ばしたらいけないのかというのがよくわからないところもあるので、またご説明いただけるとありがたいです。前は1日だったのですからね。
○河川管理者
 先ほど所長からも説明しましたように、日を使っていますと日界をはさんでしまうケースがあって、日界をはさむと二つの事象になってしまって統計処理をしてしまうということになっていますので、2日雨量を採用しているような水系ですと、ほぼ2日の中で一雨が大体おさまるということですが、どうしても日の場合は日界をはさんでしまうケースが非常に多いということで、今回、基本方針で見直しているような水系でも、日を採用しているものについては時間雨量に移行しているというのが多いです。2日雨量を採用しているものについては、流域面積がそれなりに大きなものについては引き続き2日雨量を採用して基本方針を策定している水系が多いというのが実態でございます。
○委員
 だから、日雨量を採用している場合は、引き伸ばしを5時間とかにしているのが多いということですか。
○河川管理者
 工事実施基本計画で1日雨量を採用していたものについては、時間雨量を採用しています。
○委員
 引き伸ばしをですね。
○河川管理者
 計画降雨を時間雨量で設定しているということです。
○委員
 そうすると、ピーク流量は前より多目に出ますよね。大体ですけれども。そういう傾向にはありますね。わかりました。
○委員長
 ピーク流量は多い目に出やすくはなるのではないですかね。
○委員
 そうですね。多分。
○委員長
 他はいかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 環境のほうの話なんですが、24枚目のスライドですが、ここで「環境の主な整備メニュー(案)」をお示しいただいておりまして、縦断的連続性の確保は「魚道の設置改善に努める」ということで、魚道というものが明記されております。その下の横断的連続性の確保のところを、すみません、もう1回、ご説明いただきたいのですが。
○委員長
 縦断については、こういうやり方でちょっと具体性があるということですが、横断についてはそのあたりが少し曖昧だというご意見です。
○河川管理者
 当然、同じように魚道という言い方が適切かどうかは分かりませんが、そういった考え方もありますし、あと、一概には言えませんが、施設の構造上すりつけを考えるとか、いろいろ考えられます。そういう意味で、個別の箇所についてまだ十分調査、検討ができているわけではありませんのでこういう表現になっておりますが、基本的には水路内で考えますと、水路が段差のないようにすりつく、もしくは何らかの魚道といいますか、水路的なものを別途つくるとか、そういう形にはなろうかと思います。
○委員
 ということは、北川の支流との連続性というのを「横断的」という言葉であらわしておられるということでよろしいでしょうか。
○河川管理者
 はい。そういうふうに考えていただいて結構です。
○委員
 もう1点、2番の「魚道の設置・改善」ということで、いままでも見せていただいたように、たくさんの魚道が既に設置されているのですけれども、利水の関係でたくさんの横断構造物がありまして、直轄区間の中でも上流まできちっと魚がのぼることがなかなか難しいということになっているのですが、例えば、この関係機関ということなのでしょうが、そういった横断構造物、利水目的のものを何とか統廃合して数を減らすとか、そういったこともこの中に盛り込まれるというふうに読み取ってよろしいのでしょうか。
○河川管理者
 最終の河川整備計画でどういう記載になるかは、現時点ではまだちょっとわかりませんが、水利用といった面も含めて、それぞれの施設の管理、それから水を利用されている方々があります。そちらのほうの計画も当然ございますので、これは最終的にどういう形で実行されるかというところはまだ確定的ではありませんが、広い意味では一つのメニューとして入ってくるものだとは認識しています。そのあたりは関係機関、関係者との計画、調整もございますので、現時点ではこういう書き方をさせていただいているということでございます。
○委員
 環境というと、治水とか利水があって環境ということなので、どうしても優先順位的には後ろのほうへ回されることが多いのですが、むしろ整備メニューの縦の流れというよりも、例えば治水の「T水位低下」の2番には「横断工作物の改築」ということが文言としてあげられているので、それと、例えば環境のこれとがどういう形でかかわってくるかというようなメニューの示し方というのですか、縦の流れだけではなくて、横のリンクの部分も一目できるような「メニュー(案)」というものの一つの図というか、そういったものがあるといいかなと思うのですね。
 例えば、26ページの「維持管理の目標」は、二次元的に見られるような図になっておりますので、何かこういった形で。パッと見て、「治水はこういう形でやっていくよ」と。「でも、そのときに環境のこの部分はどうなるんだ」ということが、なかなか見てとれないというのが私の感想です。
 それから、土砂の問題ですが、昨日も小浜市内の子供さんたちと一緒に北川のほうで水質調査をやらせていただきました。それで気づいた点は、一つは上流の三宅橋のところは非常に水質がよかったのですが、その下流のところは水質と河床の状態が良くなかったです。下流へ行きますと、石が沈んでいる、埋まっている。子供さんも虫をとるときに、「ここでとろうか」と言ったら、「その石、埋まっているから、ここにはいないよ」とか、子供さんでもわかるような状況になっていました。それが気づいたことです。
 もう1点は、水質も三宅橋より下は少し悪かったのですね。原因は何かと言いますと、一つは鳥羽川ではないかなと、そのときに思いました。利水関係で循環的に水を利用せざるを得ないということで下流の水質が少し悪くなっていたのではないかなと。これは毎年思うことですけれども、その2点が、北川の環境の現状の一面、こういう状況だということをご紹介させていただきたいということです。以上です。
○委員長
 ありがとうございます。
 いま、言われましたように、一種のボランティアワークとして実際に北川にあたっておられる方からのデータと言いましょうか、そういったようなものもできるだけ環境のほうにフィードバックさせていくことが望まれるというようなご要望だったかと思います。
 いま、ちょうど意見が出たところですが、特に横断方向の連携ということですが、北川の自然再生計画でも出てきました、「参考資料」の「昭和30年代の北川の姿に戻す」という中で、僕は非常にいい言葉だなと思いますが、特に北川の場合は、「田んぼとか水路、河川のエコロジカルネットワーク」ということが書かれてあります。
 もう一つ、北川といったある程度小規模で非常にきれいな水、自然再生計画にも出ていましたけれども、「小浜のおいしいお米は、おいしい川の水があるからつくれるんだ」ということを聞きました。したがいまして、エコロジカルなネットワークというものも、田んぼまですべてというわけにはいかないとは思いますが、そういった生態系のネットワークが田んぼのほうまでも延長されるというところに、よそにはない、いい面がこの北川には含まれているのではないのかなという気がいたしましたので、そのあたりも検討していただければと思います。
 他は、いかがでしょうか。どうぞ。
○委員
 たびたび、すみません。11ページと12ページです。
 11ページのこの表の実態は、福井県のほうの河川ですが河川整備の目標流量と基本高水ピーク流量というか計画高水流量がごっちゃに書かれています。その中に日野川があるので足羽川も書いておいてほしいということ。
 井の口川の流域の人口というのは6万9000人で、笙の川のほうが2万2500人というのは正しいのですか。笙の川が敦賀の市街地を流れているので。ただ、宅地開発は井の口川の流域のほうが進んでいるので、あり得るのかどうか、確認していただきたい。
 それから、12ページの「氾濫シミュレーション」で、床上浸水家屋数が2800戸というのは、非定常流で計算したときに、上流で破堤したら下流のほうは水位が下がるというようなことを考慮して出てきている数字なのか、それぞれある箇所で破堤させていって全部足したのか、同時にこういうことが起きることはないのか、どっちなのか教えていただきたい。
○河川管理者
 まず、11枚目のほうですけれども、人口のデータ等についてはチェックさせていただきます。
 それから、「氾濫シミュレーション」のほうは、1カ所ずつそれぞれ破堤、堤防が決壊したということでそれぞれ浸水の状況をシミュレーションしまして、包絡するような形で最大で積み上げたという数字になります。
○委員
 だから、これは実際に起こる数字ではないということですか。上流で破堤すると下流は破堤を免れる可能性が高いし、そういうことですね。
○河川管理者
 先ほど申し上げたように、仮定としては、それぞれ1カ所ずつ、複数箇所を堤防が決壊したと想定していますので、厳密に言うと、現実的にそういうことが起こるかどうかと言われると、確かなことは言えませんが、そういう想定で被害は出したということです。
○委員
 最後に一つ。前も聞いたかもしれませんが、18ページの堤防の図にドレーン工が描かれているのですが、北川のこの区間を整備する際にはドレーン工を施工するのか。それから、天端の舗装はどういう具合にするのか、教えてください。
○河川管理者
 18ページに示していますのは、赤色の部分が安全性が基準未満ということでございます。個別の箇所について、実際にどういう形で対応するのかというところまで詰めきれておりません。いわゆる設計という面ではできていないという状況ですが、いずれにしても、この絵はある意味、こういった対応が通常、堤防の質的強化の対策としてとられているということでご理解いただければと思います。
○委員
 ただ、こういう図があると期待しますのでね。ドレーンを施工すると、そこの凡例にあるパイピング破壊に対する安全性とか、裏のりのすべり破壊に対する安全性とか、地震時の液状化に対する安全性とかもありますし、これは整備計画ですから、各区間でどういうことをするかというのはこれからもっと具体的にしていっていただけるのでしょうね。
○委員長
 そうですね。ちょっと字が小さいですね。「イメージ」と書いてあるのですが、イグザンプル、一例というふうに理解しておけばいいわけですね。わかりました。
 最後に、僕のほうから一つ。情報をいろいろ調べたのですけれども、維持管理の整備メニューの中で、「地域と連携をした取り組み」というのがありますね。ここの中では、主としては河川愛護団体との連携というものがあるのですが、実は自然再生計画の中で一つ取り上げられた例がございます。
 それは何かといいますと、小浜の金屋というところに万徳寺というのがあるのです。僕はまだ見たことがないのですが、実は万徳寺さんというのはカヤぶきになっているということです。そして、カヤぶきをしたのが去年でしたか、そう言われまして、それは静岡のほうからカヤをとってきてやったらしいのです。
 例えば北川の中で、カヤはもちろん無理ですが、ヨシとかツルヨシといったものも屋根ぶきの下のほうでは利用することも可能だということを聞きました。福井におきましても、美山とかそのあたりにカヤぶきの家がたくさんあると。そして、この近傍では京都にもカヤぶきの、いわゆる歴史的な伝統建造物が、北川の周辺にはいろいろあるということらしいのです。
 ですから、愛護団体ということも含めまして、北川に身近に接するような伝統建造物の維持管理にも、例えば河川からとれるようなツルとかヨシも積極的に利用すると。焼却するのではなくて利用するという考え方を持ってもいいのではないかなと思います。そういった面も北川の個性を活かすといいましょうか、そういう面からも望ましいことではないかと思いますので、そのあたりもまた積極的に検討していただければありがたいかなと思います。
 ということで、概ね時間になりましたが、何か一言、言っておきたいということはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、若干、宿題も出てまいりましたし、そのあたりは次回に答えていただくということでよろしくお願いいたします。
 では、庶務のほうにお返しします。
○庶務
 ありがとうございました。
4.事務連絡等(次回開催予定時期等)
○庶務
 次に、事務連絡に移らせていただきます。
 庶務から1点、事務連絡事項がございます。次回流域委員会は8月下旬以降の開催を予定しております。第8回流域委員会の日程調整表をまだご提出いただいていない委員の方は、8月4日、月曜日までに庶務のほうまでご提出いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
 何か、ご質問等はございませんでしょうか。
5.閉    会
○庶務
 特にないようでしたら、本日の委員会はこれで終了させていただきます。委員の皆さま方、長時間にわたるご討議、どうもありがとうございました。これで第7回北川流域委員会を閉会させていただきます。ありがとうございます。