第9回 北川流域委員会
議事詳録
平成21年12月15日
小浜市働く婦人の家 3階 大会議室
1.開 会
○庶務
 それでは、定刻となりましたので、只今より第9回北川流域委員会を開催させていただきます。本日、司会を務めさせていただきます近畿技術コンサルタンツの○○でございます。よろしくお願い致します。
 本日は、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員がご欠席となっております。また、○○委員が遅れて出席されるとの連絡が入っております。
 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。A4判の両面刷りで、「第9回北川流域委員会 議事次第」、裏面が「席次表」となっております。続きまして、このたび○○委員、○○委員の所属変更がございましたので、改めまして北川流域委員会の委員名簿を配布しております。次に、右上に「資料−1」、「資料−2」、「参考資料−1」、「参考資料−2」と記した資料がございます。次に、委員の皆様にのみ配布させていただいております、北川流域委員会で出された意見を整備計画原案に反映した一覧表がございます。最後に、欠席された委員からいただいた意見をまとめたものがございます。以上が本日の資料でございます。委員の皆様の配付資料は全部で7点でございます。揃っておりますでしょうか。
2.挨 拶
○庶務
 それでは、報告の前に、福井河川国道事務所長の○○所長が異動となりまして、4月より着任されました○○所長より挨拶がございます。
○河川管理者
 福井河川国道事務所の事務所長の○○でございます。本日は大変お忙しい中、また、足元の悪い中、本委員会にお集まりいただきましてまことにありがとうございます。また、平素からは国土交通行政の推進に多大なるご支援とご協力をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 さて、本北川流域委員会につきましては、今後概ね30年の具体的な河川整備の計画を定める北川の河川整備計画の策定に当たりまして、皆様からのご意見をいただくところということで位置づけられております。平成20年9月に発足いたしまして、今まで8回にわたりまして本委員会を開催し、審議をいただいてきておりました。
 ただ、その後、前回の開催から1年ほど時間がたってしまいまして、その間に委員の方々からのご意見を踏まえて原案を策定してきたわけですけれども、その作業が遅れまして、本日、ようやく原案をお示しすることができたということでございます。遅れにつきましては大変ご心配、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
 本日は、これまでいただいたご意見をもとに策定いたしました「北川水系河川整備計画(原案)」の内容を説明させていただきまして、それについてのご審議をいただきたいと考えております。本日は忌憚のないご意見を賜りまして、今後の計画策定に向けて努力をしてまいりたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 簡単ではございますが、冒頭のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願い致します。
○庶務
 ありがとうございました。
3.報 告
○庶務
 それでは、「議事次第」の「3.報告」に移らせていただきます。「3.報告」につきましては司会のほうで進行させていただきます。
 その前に、委員長から一言、お願い致します。
○委員長
 皆さん、こんにちは。1年以上ぶりということで、何かクラス会をやるような感じで久しぶりでございますが、そういった意味で、また、新しい観点からこの北川の原案につきまして検討していただければと思っておりますので、よろしくお願い致します。
○庶務
 ありがとうございました。
 それでは、「3.報告」の「流域委員会での質問について」に移ります。○○事務所長、「流域委員会での質問について」の説明をお願い致します。
○河川管理者
 ( スライドNo.1「流域委員会での質問等について」)それでは、「参考資料−1」に基づきまして前回の第8回の委員会でのご質問につきましてご説明したいと思います。
 ( スライドNo.2「問1 川の蛇行や瀬の変化を確認するために…」)まず、「問1」とございまして、「川の蛇行や瀬の変化を確認するために、昭和21年頃の米軍の航空写真を提示してほしい」というご意見がございました。今回は昭和38年と平成8年のものに、さらに平成22年の航空写真を追加してお示ししております。また、あわせて最新の写真でございます平成18年のものも追加しております。
 ( スライドスライドNo.3「府中橋付近の航空写真(1)」)これは府中橋付近の平成22年と昭和38年の航空写真を示してございます。一番下流部のところのそれぞれの写真になります。
 ( スライドNo.4「府中橋付近の航空写真(2)」)これは府中橋付近の平成8年と平成18年の写真となっております。
 ( スライドNo.5「七屋橋付近〜平野頭首工付近の航空写真(1)」)それから、中流部ということで七屋橋付近から平野頭首工付近の昭和22年、昭和38年の航空写真でございます。
 ( スライドNo.6「七屋橋付近〜平野頭首工付近の航空写真(2)」)次は、平成8年、平成18年の七屋橋付近から平野頭首工付近のそれぞれの航空写真をお示ししております。
 ( スライドNo.7「JR上中橋梁〜三宅頭首工付近の航空写真(1)」)さらに、その上流部になりますJR上中橋梁から三宅頭首工付近の昭和22年と昭和38年の航空写真でございます。
 ( スライドNo.8「JR上中橋梁〜三宅頭首工付近の航空写真(2)」)同じく、平成8年、平成18年のそれぞれの航空写真をお示ししてございます。
 これにつきましては、過去に撮影した航空写真を資料として提示させていただきました。
 ( スライドNo.9「問2 昭和30年代前半以降…」)次は「問2」でございますが、「昭和30年代前半以降、低水路幅や砂防工事等何が変わったのか整理してほしい」というご質問でございます。これにつきましては、まず最初に川幅、特に澪筋の変化についてデータをお示ししております。
 こちらのグラフは、北川の河口から直轄管理区間と遠敷川の直轄管理区間における、特に澪筋の経年変化を示しております。昭和46年、57年、平成6年、平成16年と、四つの段階で示しております。これを見ますと、北川の河口から2kmの区間は感潮区間でございまして、この線が割と収束しておりますので、それほど大きな澪筋の変化は見られませんが、それより上流の部分、遠敷川のほうにつきましては年度によってかなりばらつきといいますか、ぶれがございますので、澪筋がかなり大きく変化しているという傾向が見てとれるかと思います。
 ( スライドNo.10「A無次元掃流力の変化と河床変動量」)こちらは「無次元掃流力の変化と河床変動量」ということで整理をしております。上の図は、無次元掃流力ということで河床の土砂の安定にかかわる河床材料の移動のしやすさを示したものでございまして、黒線が昭和57年、赤線が平成16年でございます。赤線のほうは振れ幅が広いような状況になっておりますが、基本的にはこれは断面を細かく計算している関係でございまして、掃流力そのものについては大きな変化はないと考えております。
 下のグラフは、北川の本川の直轄管理区間につきまして昭和46年から57年、昭和57年から平成6年、平成6年から平成16年のそれぞれの河床の堆積あるいは浸食の度合いを整理したもので、これは変化量でございます。
 一番上の昭和46年から57年のグラフですが、これを見ますと、特に橋梁の橋脚付近とか堰の下流部等におきまして局所的な洗掘による浸食があるのではないかという傾向が見てとれます。一方、その後の昭和57年から平成6年につきましては、比較的河床が安定しているという状況でございます。平成6年から平成16年につきましては、若干、河床に堆積傾向が見られますが、これは出水による堆積ではないかと考えております。
 以上から、出水等により一時的な河床の低下とか堆積等はございますが、継続的な河床の上昇とか低下というような傾向は特段見られないと言えるかと考えております。
 ( スライドNo.11「B縦断勾配の変化」)こちらは河川の縦断勾配の変化でございまして、こちらも昭和46年、昭和57年、平成6年、平成16年と、それぞれ四つの段階での平均河床高を重ね合わせたものでございます。
 ( スライドNo.12 )特に、12.2km付近の上流側の急縮部と堰の下流部等で河床の低下が生じているということが見てとれるわけでございますが、それ以外のものについては概ね安定傾向ではないかと考えております。
 ( スライドNo.13「C堰のコンクリート化」)次は、堰のコンクリート化の影響がどうかということでございます。北川の河川水は古くからかんがい用水として利用されてきまして、以前の堰は木や石でつくられていたということでございますが、昭和28年9月の台風13号の被害によりまして、その後、順次コンクリートの堰に改築されてきたという経緯がございます。
 このスライドは平野頭首工におけるコンクリート化による変化を見るために、昭和22年と平成18年のものを比較したものでございます。平野頭首工は昭和38年に施工されております。ただ、河川そのものにつきましては昭和22年と平成18年の航空写真を比較してもそれほど大きな変化は認められないというふうに言えるかと思います。
 ( スライドNo.14 )次のスライドでございますが、こちらは三宅下河原井堰のコンクリート化による変化を見たものでございます。こちらも同じく昭和38年に施工されておりますが、昭和22年と平成18年の航空写真を比較しますと、部分的な変化はございますが、大きな変化は見てとれないということで、これからしますと堰のコンクリート化による影響は少ないと考えられるかと思います。
 ( スライドNo.15「D砂防工事」)こちらは砂防工事の影響という観点で見たものでございます。北川の流域の福井県内の地域につきましては、現在までに砂防堰堤が約150基施工されております。これの影響を一番受けると考えられる北川の上流部のJR上中橋梁から三宅頭首工付近で昭和22年と平成18年の航空写真を比べてみますと、部分的な変化はございますが、大きな変化はあまり見られないと考えております。このことからも砂防工事の影響はそれほど大きくないのではないかと考えております。
 ( スライドNo.16「E河床掘削」)次は、河床の掘削に関してでございます。北川の大規模な河床掘削は、昭和28年の災害による災害復旧土木助成事業によりまして実施されております。その後、国管理となりました昭和46年以降は、河川の河道の維持管理のための小規模な掘削は行われていますけれども、大規模な河床掘削は行われておりません。
 ここで昭和28年の災害後の大規模な河床掘削の前後の昭和22年と昭和38年の航空写真を比較してみますと、澪筋の蛇行の間隔が少し短くなっているというような変化はございますが、両方とも淵・瀬・河原は認められますので、これにつきましても災害復旧土木助成事業による河床掘削の影響は少ないと考えております。
 ( スライドNo.17「F低水護岸工事」)次は、低水護岸工事の影響でございます。ここに示した写真は府中橋付近の低水護岸の状況でございますが、昭和60年から平成5年ごろに連続してこの区域の低水護岸を整備してきております。整備前の昭和22年と整備後の平成8年の航空写真を比べてみますと、平成8年のほうの航空写真では澪筋が直線化して、瀬と淵が減少しているというような傾向が見てとれます。
 ( スライドNo.18 )次は、もう少し上流側のJRの上中橋から三宅頭首工付近での低水護岸施工前後の状況を比較しております。こちらのほうは先ほどの下流部の府中のような連続した低水護岸の施工はされておらず、洪水により河岸が浸食された区間につきまして、災害復旧とか維持管理工事等で部分的な低水護岸の整備がされてきたところでございます。こちらは昭和22年と平成18年の航空写真を比較しましても、それほど大きな変化は見られないという傾向が見てとれます。
 ( スライドNo.19「まとめ」)以上、まとめとしまして、昭和30年代前半以降に瀬と淵が減少してきた要因としまして、堰のコンクリート化、砂防工事、河床掘削、低水護岸工事の4点について航空写真で比較してみたわけですけれども、このうち低水護岸工事以外につきましては、その影響による大きな変化はあまり認められないと考えております。
 したがいまして、瀬と淵が減少した要因としましては、連続して整備した低水護岸の整備が一つの要因として考えられるのではないかと考えております。
 以上が「問2」の回答でございます。
 ( スライドNo.20「問3 九頭龍川の場合…」)続きまして「問3」でございますが、「九頭龍川の場合、住民説明会で大体どれぐらいの数の意見・質問が出たのか教えてほしい」ということでございました。これにつきましては九頭竜川の河川整備計画について住民の方からいただいた意見や質問等の状況をまとめてございます。流域内で開催した6回の説明会では67、ハガキ・FAX等では36、合計で103のご意見・ご質問をいただいております。
 内訳としましては、治水に関するものが66%、利水に関するものが4%、環境に関するものが14%、維持管理に関するものが8%、その他が8%となっております。こちらが九頭竜川水系における整備計画策定時の意見・質問の状況でございます。
 ( スライドNo.21「戦後最大洪水の補足説明」)次は、「戦後最大洪水について再度、説明してほしい」というご意見がございましたので、補足の説明をさせていただきます。
 北川につきまして過去の被害の状況等を見ますと、昭和28年9月の台風13号による洪水の被害が最大となっておりまして、これを戦後最大の洪水と考えております。
 ( スライドNo.22「戦後最大洪水の補足説明」)ただ、一方で、この洪水が起こった昭和28年9月当時は流域内に十分な数の雨量観測所がありませんでしたので、今回は従来の4観測所に加えまして、それ以外の観測所につきましても相関関係を検討しながら流域内の雨量を補完して検討しております。
 ( スライドNo.23「戦後最大洪水の補足説明」)このように補完した雨量を用いて昭和28年9月の洪水での高塚地点での流量を算定しましたところ、約1500m3/sという流量を想定することができております。これは流量の確率でいきますと、概ね50年に1回の流量ということになっております。
 こちらが戦後最大洪水、特に昭和28年9月の高塚での流量がどういうものであるのかということの補足の説明でございます。
 ( スライドNo.24「掘削した土砂の処理についての補足説明」)次は、掘削した土砂の処理についての補足説明でございます。これは第5回の流域委員会で出された「除去された土砂はどちらのほうに処理されるというか、持っていかれるものなのでしょうか」というご質問に対しまして、第5回の流域委員会では「土を持ち出せない規制がかかっております。その規制をどうするかというのは検討していきたいと思います」というような返答をいたしました。
 それについて誤解があるといけないということで補足説明致しますと、今回、対象としているような河川管理者が実施します河川管理等を目的とした工事、これは河道の掘削を含む河川工事でございますが、ここから発生した土砂は建設発生土でございまして、「河川砂利基本対策要綱」の対象にならないということで、他の公共事業への流用を検討していきたいと考えております。この部分につきましては、「持ち出せない」というようなお答えをしておりましたが、修正と申しますか、今回、補足としてこのようなご説明をさせていただきたいと思います。
 以上、主に前回、第8回の流域委員会でのご質問に対してのご回答ということで、資料等を提示させていただきました。以上でございます。
○庶務
 ありがとうございました。
 只今の説明につきまして、ご不明な点等がございましたらご質問をお願い致します。○○委員、お願いします。
○委員
 二つほどお伺いしたいと思います。上流のほうは浸食して少し河床低下しているところがあるというお話ですが、11ページの縦断勾配の変化のグラフを見ると、やはり河床上昇していると思うのです。低水路の幅が変わっているのかとも思ったのですが、掃流力は0.05を超えていてある程度ありますので、環境が変化してきたのはやはり堰の影響で下流のほうの河床上昇が今でも続いているのが要因ではないかと思うのです。この資料を見せていただくと、それが一番の要因としか思えないのです。
 それと、遠敷川のあたりで水枯れといいますか、瀬切れがよく起きるようになったというのも、河床上昇しか要因が考えられないのですが、その点の認識がちょっと違うのはいかがなものでしょうか。
○河川管理者
 10ページに平成6年から平成16年の河床の変動量のグラフがございまして、青色が堆積でございますが、これを見ますと、たしかに府中頭首工の下流部とか平野頭首工の下流部にそういう傾向が若干見られるということはございます。ただ、一方で、昭和57年から平成6年につきましては、それほど大きな堆積傾向は見られていないという状況でございますので、継続的にずっと上がっているということでもないのではないかと認識をしております。
○委員
 でも、11ページの図の昭和46年と平成16年だけを見ますとやはり上昇していますね。12ページの一番下の遠敷川の河床の変化がよくわからないのです。11ページの上の遠敷川の合流点のところを見ますと、下の図と上の図の遠敷川のあたりがあまり整合していないのですが、基本的には河床上昇していまして、青い太線が一番上に行っていますね。ですから、河床上昇と瀬切れとか、伏流してしまうということと整合しますので、一番の要因はこれしか考えられないのです。
 おっしゃるとおり、10ページの三つの図の一番下は堆積傾向ですけれども、一番上は浸食傾向で、それから、だんだん堆積傾向に変わっているという変化が見られますね。だから、堰による河床の上昇が北川の変化の一番の要因ではないかと思います。11ページの図を見ますと、平成16年が一番上に来ていますね。昭和46年と比較してみますと、一つの目盛りが10mですから1mとか結構上がっていますね。ですから、これが要因ではないでしょうか。それと、絶滅危惧種U類の湿地性のハンゲショウ、それとミゾコウジでしたか、ああいうものがいなくなってきたということと河床上昇とは関係があると思うのです。
 もう一つ質問させていただきますと、23ページに高塚地点の流量を約1500m3/sとありますが、これはピーク流量ですか。
○河川管理者
 はい。これはピーク流量です。
○委員
 ハイドログラフのピーク流量で、流量確率が1/50となっていますが、これまで出てきた資料の中に流量確率の図はありましたか。大分前なので覚えていないのですが、流量確率は出されていましたか。
○河川管理者
 前回、第8回の委員会の資料の中に流量確率の検討結果をお示ししてございます。
○委員
 どうやって流量確率を出したのか、教えていただけますか。
○河川管理者
 ( スライド第8回委員会の「参考資料-1」のNo.12「問 整備計画流量を対象とした…」)そのときの資料は、昭和34年から平成17年までの47年間のデータをもとに確率計算を行っております。
○庶務
 画面の左の方が前回の資料でございます。
○委員
 これは流出計算で年最大の流量を出して確率統計処理をしているのですか。
○河川管理者
 昭和34年から昭和57年までは流出計算で算定しまして、昭和58年以降につきましては実績の流量をもとにプロッティングをしておりまして、その結果がこちらになっております。
○委員
 年最大ですね。
○河川管理者
 年最大です。
○委員
 基本的には治水の計画は雨量確率でされていますので、なぜここで流量確率を出してこられたのかなと思いまして。国交省では流量確率はチェックに使うことになっていると思うのですけれども。
○河川管理者
 今回の1500m3/sについてどういう数字なのかと。通常は雨量確率でも出しますが、流量確率で算定をしてみるとどういう確率になるかということをチェックしていると認識しております。それで確率を見ますと、概ね1/50に相当するということでございます。
○委員
 雨量確率と流量確率は必ずしも対応していないのですが、昭和28年の雨も1/50ということですか。いえ、悪いことだと言っているわけではなくて、計画は流量でやるのでいいのですが。
○河川管理者
 今回の昭和28年の雨量につきましては、確率評価はしておりません。ですから、何年というものはないという状況でございます。
○委員
 でも、それは基本方針のところで行われているはずではないのですか。この整備計画の目標流量をどうするかというときの話とちょっと。
○河川管理者
 基本方針を立てるときは、雨量規模から確率を決めてどれぐらいの規模でいくかということを決めるのですか、今回の整備計画についてはとりあえず戦後最大規模の流量が流れる程度の河道にしようということで、実際に起こった戦後最大の出水が昭和28年で、そのときの流量が幾らかということを出してきたということです。今回の整備計画の目標は1/50にしようと決めてやるのであれば、先生が言われたように、まず雨量で評価をした上でそれでいろんな波形を流して決めるのですが、戦後起こったもので一番大きかった洪水のときに何トン流れていたかということを解析して1500m3/sというものを決めまして、それがどれぐらいの規模かということで年最大の流量で確率を出しますと1/50程度だということです。ですから、1/50にしようということを決めているわけではないということです。
○委員
 それはわかるのですが、国交省は雨量をメインにしていますけれども、基本方針のときには両方やるはずなのです。
○河川管理者
 基本方針のときには1/100でやっておりますので。今回の降雨は対象になっていません。
○委員
 それはわかっているのですが、昭和28年の降雨の確率も出ているはずですね。だから、基本方針のときにどちらも出しているはずなのです。国交省の場合、メインは雨量確率で基本高水を決めますけれども、そのチェックのために流量確率の検討も同時にやっていまして、この範囲に入っているかどうかというのはマニュアルに書いてあるとおりにやられていると思います。ですから、これは両方確率が出ているはずで、このときの雨量の確率は出ているはずだと思うのです。それが知りたいだけです。大体1/50というのはわかるのですが。
○河川管理者
 基本方針は、昔は日雨量とか2日雨量でやっていたのですが、最近はもう少し短いピッチでやるということで、時間雨量があるところでもう1回評価し直しています。昭和28年は時間雨量がありませんので、ここのところは使っていませんので、ここのピークのときに雨量で確率が幾らかということは出ていないということです。
○委員
 24時間なら出ているはずですね。
○河川管理者
 日雨量で概ねこれぐらいというのは、多分そんなに変わらないと思います。
○委員
 では、5時間ならどうですか。基本方針は継続時間5時間でやっていますね。あれもちょっと理解しがたいのですが、5時間は出ていますね。
○河川管理者
 昭和28年は時間データがありませんので、そこは出していません。
○委員
 でも、1/100でしょう。どうやって1/100というのが出てくるのでしょうか。
○河川管理者
 河川整備基本方針の際は5時間雨量を用いまして、それで確率評価をして出しているわけです。
○委員
 昭和28年も5時間ならわかります。
○河川管理者
 ですから、昭和28年当時は時間雨量がありませんので、5時間雨量がないということです。
○委員
 最近のものだけでやったということですね。
○河川管理者
 はい。
○委員
 わかりました。
 だから、これは時間雨量がある年だけの降雨を使って流出解析を行って流量確率を出したのですか。流量確率は継続時間と関係ないですね。だから、時間雨量がある年だけを使ってピーク流量を出して、それで確率処理をしてこれが出てきたということですか。
○河川管理者
 これについてはそうです。
○委員
 降雨確率と流量確率というのは、授業で教えるときに結構、混乱しますので。わかりました。
○庶務
 ほかにございませんでしょうか。
○委員
 先ほどの河床上昇の件はまた教えてください。
○河川管理者
 11ページの図で見ますと、一番上の図は府中頭首工から下流のところは確実に上がっているような気がするのですが、ほかのところについては頭首工の直上流はほとんど変わっていません。頭首工自体はこの間、何も触られていませんから、そこはコントロールポイントになっていまして、その上流はほとんど安定している形です。堰から下流のところは最近上がっていますけれども、出水があって上流からの流出土砂量が多いと洪水の後にたまるということがありますので、それが堰で影響しない下流側に洪水の後にたまっているのではないかと思います。
○委員
 私はどちらかというと、堰の上流の。
○河川管理者
 例えば、府中頭首工の上流はあまり変わっていませんし、11ページの下のグラフの国富頭首工とか平野頭首工とか日笠頭首工の直上流はほとんど各線が収束していまして、堰自体の構造が何も変わっていませんから、洪水が終わっても同じ堰の高さまでたまって同じぐらいの河床で安定しているということです。全体から流出してくる量によって何もないところはたまるところと削れるところがありまして、先生が言われるように、下流のほうは少したまっているところがあるということだと思います。
○委員
 頭首工の天端は変わりませんから、変わりませんけれども。
○河川管理者
 ですから、直上流はあまり変わっていません。
○委員
 そんなことはないと思います。府中頭首工の上流は上昇していると思いますし、国富頭首工も少し上流のほうに行くと大分、堆積していきますので、堰の影響だと思いますけどね。
 それと、実際の観測、観察と整合するのですが、北川の環境の変化はそれ以外に考えられないと思います。
○河川管理者
 今の資料ではそこまでは判断がつきかねるという状況でございます。
○委員
 これがいつできたのかわからないのですが、頭首工で河床の勾配が変わりますので。
○河川管理者
 施設ということですか。
○委員
 いえ、河床勾配が変わりますのでね。
○河川管理者
 このデータがある期間では堰自体は変わっていないです。
○委員
 このデータですか。
○河川管理者
 はい。同じ堰がある状態で河床がどう変わっているかということですので、後から堰ができて変わったということにはなっていないということです。
○委員
 10ページの下の図から、昭和46年ぐらいから浸食傾向から堆積傾向に連続的に変わっているという解釈ができますので、これぐらいの期間で河床上昇が続いている可能性もあるのではないでしょうか。上の図は赤の浸食が多くて、下は青の堆積が明らかに多いですね。真ん中はその中間ぐらいと。
○河川管理者
 昭和46年以降は堰を触っていませんから。堰はそれより前からありますから。
○委員
 ありますけれども、昭和46年以降を見たらそういうことになりますね。
 11ページの図も大体そういうことをあらわしていまして、基本的には堰をつくると勾配が緩くなります。京都の鴨川の解析もしたことがありますが、これはどの川もそうです。勾配が小さくなったことが、瀬淵が減少している要因だと思います。だから、私は頭首工の影響で河床勾配が減少したことが要因だと思いますね。
○河川管理者
 頭首工自体は昭和46年のデータよりも前からありますから。
○委員
 前のデータがないのでわかりませんが、昭和46年から平成16年というのはかなり長い期間ですが、この期間、浸食傾向から堆積傾向に変わっていますし、河床勾配が減少しているのですから、それはごく常識的な解釈だと思います。
○河川管理者
 この場では資料がこれ以上ありませんので。部分的には洗掘もございますが、河床の上昇傾向とかそのあたりの状況をもう1回整理いたしまして、またご説明させていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○委員
 私、この図でわかりますので、別にいいです。河床勾配が減少して堆積傾向に移っていくというのはごく常識的なことだと思います。
○庶務
 今の点につきましては、改めてまたということでよろしいでしょうか。
 ないようでしたら、ほかにご意見ということでお伺いさせていただいてよろしいでしょうか。そのほか、ございませんでしょうか。
 特にないようでしたら、次に移らせていただきます。
4.議 事
  北川水系河川整備計画(原案)について
○庶務
 それでは、「議事次第」の「4.議事」の「北川水系河川整備計画(原案)について」に移らせていただきます。
 これからの進行は委員長にお願い致します。
○委員長
 「議事次第」の4番の「北川水系河川整備計画(原案)について」でございますが、北川河川整備計画の構成につきまして、事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願い致します。
○河川管理者
 ( スライドNo.1「第9回北川流域委員会」)「資料−1」と「資料−2」に北川河川整備計画の原案をお示ししてございますが、主に「資料−1」のほうで概要をご説明致します。「資料−2」は原案そのものになっていますので、適宜ご参照ください。
 ( スライドNo.2「1 整備計画策定の流れ 2 北川水系河川整備計画(原案)について」)まず、河川整備計画の策定の流れにつきまして、再度おさらいを致します。
 ( スライドNo.3「1 整備計画策定の流れ」)平成19年3月から7月にかけまして、3回の北川流域委員会設立準備会を経まして、平成19年7月から北川流域委員会を開催しておりまして、これまで8回開催してまいりました。その間、平成20年6月に北川河川整備基本方針も策定されまして、委員会でも報告されております。
 本日は第9回の流域委員会でございますが、ここでは河川整備計画(原案)をお示ししております。この後、ここでご意見を伺いまして、また、今後、住民からの意見聴取の場も設けまして、それを踏まえて河川整備計画(案)を策定致します。その後、地方公共団体の長からの意見聴取をいたしまして、最終的な河川整備計画の策定という流れになってございます。
 ( スライドNo.5「目次構成」)次に、今回の北川河川整備計画の原案の「目次構成」をお示ししております。「資料−2」のほうは表紙をめくりますと目次になっておりますので、あわせてごらんください。
 このスライドでは大きな項目のみを表示しておりますが、整備計画自体は四つの項目で構成されております。一つ目は「流域及び河川の概要」、二つ目が「河川整備の現状と課題」、三つ目が「河川整備計画の目標に関する事項」、四つ目が「河川の整備の実施に関する事項」となっております。
 ( スライドNo.6「1.流域及び河川の概要 1.1 流域及び河川の概要」)最初に「流域及び河川の概要」について説明してございます。これにつきましては、今までの流域委員会でもご説明しておりますので、簡単に致します。
 北川は流域面積が210.2m2、幹線流路延長が30.3kmの河川でございます。河床勾配の比較にもございますとおり、他の日本の主要河川と比較しましても急勾配な河川になっているというのが特徴でございます。
 ( スライドNo.7「1.2 治水の沿革」)次は「治水の沿革」ということで、こちらはこれまでの治水事業の経緯をまとめてございます。
 昭和初期の治水としましては、大正15年から河口から21.7qの区間におきまして内務省による治水工事が開始されております。その中で北川・南川の分離とか堤防の拡築等がなされてきたという経緯がございます。
 昭和の中期に入りまして、昭和28年9月の台風13号による大災害を受けまして、福井県による災害復旧土木助成事業が実施されております。この中では、主に河口から三宅頭首工付近の区間におきまして、河道拡幅や河床掘削、その掘削土を用いた築堤工事、護岸工事などの施工がされてきております。
 昭和46年からは国による直轄の河川改修が実施されてきております。特に府中地区、国富地区での拡築・護岸整備、中川水門の築造、高塚地区での漏水対策等が実施されてきたという経緯がございます。
 ( スライドNo.8「1.3 利水の沿革」)次は「利水の沿革」でございます。北川の河川水は古くから農業用水として利用されてきておりまして、現在では925haのかんがい用水として最大4.658m3/sの水が利用されております。
 水力発電としましては河内川の関西電力熊川発電所で利用されております。
 流域内におきましては平成12年から「北川水系水利用情報交換会」が設立されまして、河川管理者と水利用者相互が情報及び意見の交換を行い、水系全体での合理的な水利使用の実現を目指して毎年、会議が開催されているところでございます。
 以上が最初の「流域及び河川の概要」でございます。
 ( スライドNo.9「2.河川整備計画の目標に関する事項 2.1 基本的な考え方」)次に「河川整備計画の目標に関する事項」でございます。目標としましては、前回の第8回の流域委員会でご審議いただきました3項目を考えております。
 一つ目は「北川の洪水特性を踏まえて安全で安心して暮らせる河川整備の実施と危機管理施策の推進」、二つ目が「北川の水環境や歴史を踏まえた河川整備と、環境を考慮した利水・利用の推進」、三つ目が「河川環境の把握、保全及び回復、維持管理の充実、適正な河川利用の維持と、自治体や住民等との連携・協同の促進」、このような三つの目標を基本的なものとして考えております。
 ( スライドNo.10「2.2 対象区間 2.3 対象期間」)次に「対象区間」でございますが、北川水系の河口から15.2kmまでの区間、遠敷川の合流点から1.3kmまでの国管理区間を今回の対象としております。
 「対象期間」でございますが、概ね30年間ということで設定しております。
 ( スライドNo.11「3.治水対策の基本的な考え方」)「治水対策の基本的な考え方」でございます。北川水系河川整備基本方針についてはすでに策定されておりますが、超過確率100年での基本高水は高塚地点における1900m3/sになりますが、このうち福井県が建設中の洪水調節施設による効果が100m3/sになります。これを見込んで1800m3/sを河道への配分流量としているというのが基本方針でございます。
 それに対しまして、今回の北川の河川整備計画は北川の上下流部の人口・資産等の状況を考慮しまして、遠敷川の合流点から下流部については河道の流下能力を向上させる施策に加えまして、浸透・侵食に対する堤防強化による堤防の信頼性の向上を図りまして、洪水に対する安全度向上を図るということにしております。
 それから、遠敷川の合流点から上流部につきましては既存の霞堤を活かした治水機能が維持されるように努める一方、浸透・侵食に対する堤防強化により堤防の信頼性を向上させ、洪水に対する安全度向上を図るということにしております。
 このような施策の実施によりまして、遠敷川合流点から下流部では計画高水以下で概ね1400m3/sの流下能力の確保が可能となるということでございます。
 ( スライドNo.12「治水対策の基本的な考え方の補足説明」)次は「治水対策の基本的な考え方の補足説明」でございます。河川の整備は人口・資産、土地利用の状況等を総合的に検討して、限られた予算で効率的に行う必要があるということでございます。
 通常、河川の整備につきましては、流下能力の増加による被害が発生しないように、下流から上流に向かって行うことにしております。特に北川流域の人口・資産が下流部に集中していることと、下流の流下能力が不足していることから、基本方針に至る過程としまして、今後概ね30年間は下流の掘削を中心に実施して水位の低下を図っていくということにしております。
 遠敷川から上流につきましては、洪水時の情報を迅速かつ的確に収集するために、光ファイバーの延伸と河川管理用カメラの増設を行うことで対処をしていくということを考えております。それから、水防活動や避難勧告等、遅延のない防災体制を支援するために、河川情報の提供や洪水予報の充実等を行うことにしております。
 あとは、洪水時の情報を事務所ホームページでタイムリーに提供するとか、携帯メールによる水文情報の提供の拡充によって危機意識を高め、的確な行動を促すということを盛り込むことを考えております。
 このように、ハードとソフト施策の両方で対処していくということを考えております。
 ( スライドNo.13「霞堤の機能維持について」)次は「霞堤の機能維持について」でございます。霞堤につきましては、第6回の流域委員会で北川の霞堤は田畑に一時的に洪水を貯留させる効果と、上流で氾濫した洪水を速やかに河道に戻す効果があるという説明をさせていただいております。霞堤は平常時には堤内地側の排水を容易にするという効果も持っております。いずれにしましても、北川の霞堤はこのような機能があるということでございますので、霞堤の機能、効果について流域住民の理解を得るように関係自治体と協力して、適切な土地利用の維持を図ってまいりたいと考えております。
 ( スライドNo.14「4.治水について 4.1 治水を安全に流す取り組み 現状と課題」)次は「治水について」でございます。特に遠敷川の合流点から下流部の北川は、河床掘削により流下断面を拡大させて水位の低下を図ることにしております。
 それに加えまして、流下の阻害になっている府中頭首工の影響区間については、関係機関と十分な調整・協議を行った上で水位の低下方策を検討していくということを考えております。
 それから、遠敷川の合流点より上流の北川については現況河道の維持に努め、遠敷川についても現況河道の維持に努めるということを考えております。
 ( スライドNo.15「整備内容」)次は河道整備の具体的な内容でございます。河道整備については下流側から河床掘削を順次実施していくということでございます。加えてこの際に、流下阻害になっております府中頭首工の影響区間につきましては関係機関と十分な協議・調整を行いつつ水位低下方策を検討して実施していくということにしております。
 また、橋梁とか堰等の横断工作物については、「河川管理施設等構造令」に適合しない場合は、施設管理者に改善の指導を行っていくということでございます。
 なお、河道整備、掘削を行う区間は河口から2.6kmの付近の水取地区と、3.3km〜4.3kmの高塚地区を想定しております。それから、高塚地区は府中頭首工地点での水位の低下方策の実施を考えてございます。なお、水位の低下方策につきましては堰高の切り下げ、堰の改築等、さまざまな方法がございますが、今後、施設の管理者と協議を行っていくことにしております。
 ( スライドNo.16「水取地区の整備」)これは水取地区の整備のイメージでございます。これは河口から0.6km付近での整備のイメージでございますが、特に水域の浅場にはシラウオ、シロウオの産卵場がございます。陸域にはシオクグ、ヨシ原の生育が見られるということで、こちらは動植物の生育・生息環境として重要な箇所になっております。そのため、掘削形状の工夫をいたしまして、重要な箇所を保全するように掘削をしていくということでございます。
 右側は1.8km付近での河道の整備イメージでございますが、こちらのほうも魚類の生息環境の保全のために澪筋を残しておきまして、低水敷を横断的な連続性に配慮しながら掘削をしていくということで想定しております。
 ( スライドNo.17「高塚地区の整備」)これはもう少し上流側の高塚地区での整備のイメージであります。高塚地区にもアユ、サケの産卵場がございますので、掘削はアユ、サケ等、魚類の生息環境の保全のために陸域を掘削しまして、澪筋を含む水域を保全するということを想定しております。
 ( スライドNo.18「4.2 堤防の整備 現状と課題」)こちらは堤防の整備状況でございます。堤防の整備状況としましては、現在の北川、遠敷川は概ね堤防は整備されておりますが、堤防としての必要な断面を有していない暫定堤防が55.9%残っているという状況でございます。
 ( スライドNo.19「整備内容」)整備内容としましては、堤防として必要となる堤防断面形状を満たしていない場合にはその確保を図っていくということと、地震時に被害が生じないように耐震性の確保に努めるということを盛り込んでいるところでございます。
 ( スライドNo.20「4.3 霞堤」)次のところで「霞堤」の説明をしてございます。現在、北川には全部で11箇所の霞堤が現存しております。先ほどご説明したとおり、霞堤は平常時は堤内地側の排水を容易にする効果、洪水時には氾濫した水を河川にすばやく戻す効果、あるいは開口部から水が逆流して堤内地側に湛水して貯留する効果を発揮しているということでございます。霞堤の背後地は現在、農地として利用されておりますが、近年、江古川において背後地が開発されまして、家屋の浸水被害が発生している状況がございます。
 霞堤の効果につきまして、地域の住民の理解を得るように関係自治体と協力しながら適切な土地利用の維持を図っていきたいということでございます。
 また、江古川については管理者である福井県が実施する治水対策に対して十分な調整を図り、必要な情報提供を行っていくことで対処していくということを想定してございます。
 ( スライドNo.21「4.4 危機管理対策 現状と課題」)次は「危機管理対策」でございます。ここからはソフト的な施策になりますが、特に洪水時の河川情報収集・提供及び洪水災害の予防・防止に努めるということでございます。内容的には水防関係団体と共同して水防資材の備蓄や水防訓練・情報伝達訓練の実施、重要水防箇所の巡視・点検を行うとか、洪水ハザードマップの作成支援、水位、雨量、画像等の河川情報の収集、提供等を行っているということでございます。
 ( スライドNo.22「整備内容」)整備内容としましては、河川情報の提供の一番のもととなります水位計等の観測施設については適切に保守点検を実施していくということでございます。
 それから、ハザードマップの普及が促進されるように技術的な支援を実施していく、洪水予報を福井地方気象台と共同して実施し、浸水区域及び水深の予測を行って情報提供を行うための検討を行っていく、また光ファイバーケーブルの延伸とか河川管理用カメラの増設、水文情報の提供の拡充など、今後、このようなことをやっていくということで整備内容として盛り込んでおります。
 以上が治水関係の施策の概要でございます。
 ( スライドNo.23「5.利水について 5.1 河川水の利用」)その次は「利水について」でございます。まず、河川水の利用でございますが、現状は北川の河川水は特に農業用水への利用が多いということで、925ha、最大で4.658m3/sの水がかんがい用水として利用されております。また、関西電力の熊川発電所における発電用水としても利用されております。
 整備内容としましては、水利権の更新や変更に際しては、利水者の水利用の実態及び水需要を踏まえた適正な水利権の許可を行っていくということと、今後新たに生じる水利用についても関係機関と調整し、適正かつ多様な水利用が確保されるよう努めることと、「北川水利用情報交換会」の活用による情報の共有、交換を積極的に行うということをメニューとして盛り込んでおります。
 ( スライドNo.24「5.2 流水の正常な機能の維持」)次は「流水の正常な機能の維持」でございます。現在、高塚地点での流況は豊水流量で14.22m3/s、平水流量で8.10m3/s、低水流量で4.05m3/s、渇水流量で1.24m3/sという状況でございます。一方、北川水系の河川整備基本方針では、高塚地点で4月から5月で概ね2.1m3/s、6月から3月で概ね1.1m3/sの正常流量が設定されているところでございます。
 今後の整備内容としましては、流水の正常な機能を維持するため、関係者や関係機関と調整、連携して水資源の有効利用を図り、必要な流量の確保に努めるということを盛り込んでおります。
 ( スライドNo.25「5.3 渇水時の対応」)次は「渇水時の対応」でございます。渇水時の危機管理対策を円滑に行うため、「北川水系水利用情報交換会」等を活用し、平常時からの水利用、河川環境についての理解を深めるとともに、関係機関や水利使用者等と連携して水融通の円滑化に努めるということを基本として掲げております。特に近年、北川では平成6年、平成8年に渇水被害が発生しております。
 整備内容としましては、渇水対策の強化ということで、渇水対策を円滑に行うため、渇水対策を強化して水利用の調整を図るということと、渇水調整の円滑化という内容をこの中に盛り込んでおります。
 ( スライドNo.26「6.環境について 6.1 動植物の生息・生育・繁殖環境 現状と課題」)次は「環境について」の部分でございます。北川では丸山橋付近から河口までの下流域が感潮域となっておりまして、シオクグ群落やカワザンショウガイやクロベンケイガニ等の重要な生息環境となっております。また、感潮域の浅場につきましては、先ほど掘削のところでもご説明いたしましたように、シラウオ、シロウオ等の産卵場となっております。魚類では水のきれいな瀬の礫間などに生息するアカザやスナヤツメが広く生息しております。
 このような現状を踏まえまして、目標としましてはシロウオ、シラウオなどの魚類やシオクグを代表とする多様な動植物が生育・生息・繁殖できる自然環境の保全を図るということを掲げております。また、府中頭首工の下流では澪筋の固定化が進行し、瀬・淵が減少しているという状況から、瀬・淵の回復しやすい河道の創出に努めるということを盛り込んでございます。
 ( スライドNo.27「整備内容」)次に「瀬・淵の創出イメージ図」を掲げております。北川の下流部の感潮域はシオクグやヨシ原を保全するとともに、シロウオ、シラウオの産卵場となる浅場を保全していくということでございます。府中頭首工の下流域では平水位以下の掘削は行わずに陸域のみの掘削といたしまして、アユやサケの産卵場となっている澪筋を含む水域を保全致します。
 それから、澪筋の固定化が進行している府中頭首工下流では、低水敷等の河道整正を行いまして、瀬・淵の創出に努めていくということを盛り込んでおります。
 それぞれの施工後には必要に応じてモニタリング調査を実施しまして、調査結果に応じた改善を行うなど順応的に対応していくということで盛り込みをしております。
 ( スライドNo.28「6.2 横断工作物の落差解消」)次は「横断工作物の落差解消」でございます。北川には頭首工、床固工等の横断工作物が多く存在しているという状況でございまして、国管理の15kmの区間につきましても13箇所の横断工作物が存在しております。これについては関係機関と連携し、住民や学識経験者等の意見を踏まえながら施設管理者に魚道の設置・改善の指導を行っていくということでございます。
 ( スライドNo.29「6.3 水路等の落差(水路等との連続性)」)次は「水路等の落差」でございます。北川に流入する支川や水路についても、本川の水面と大きな落差が生じている箇所がございまして、その部分で魚類等の移動の連続性が損なわれているという状況がございます。
 これにつきましてもNPO、関係機関、自治体等と連携し、これら流入する水路等の物理的環境の実態を調査・把握しまして、住民や学識経験者等の意見を踏まえながら効果的な魚道の設置や樋門・樋管の改築について指導を行っていくということを盛り込んでおります。
 また、こちらも同じようにモニタリング調査によって効果を検証していくということを盛り込んでおります。
 ( スライドNo.30「6.4 外来種」)次は「外来種」でございます。北川は現時点では外来種の侵入による在来種への著しい影響はあらわれておりません。しかしながら、オオキンケイギク、アレチウリ、ヌートリアといった特定外来種が確認されておりまして、そのほか、ハリエンジュ、セイタカアワダチソウ、キクイモ等の外来植物の侵入も確認されております。
 このような状況を踏まえまして、整備内容としましては、河川水辺の国勢調査等の各種調査結果の活用による外来種の侵入実態の把握、住民・NPO・関係機関等との連携による外来種侵入動向の監視を実施していくということを整備内容として記述しております。
 ( スライドNo.31「6.5 河川景観」)次は「河川景観」でございます。北川の中下流部は周辺の山々や田園風景と一体となった河川景観を呈しているという状況でございます。また、河口部付近は海岸線と海食断崖などの海岸美に恵まれているということで、若狭湾国定公園に指定されております。目標としましては、河川を軸とした周辺の田園風景と調和した景観の保全を図るということでございます。
 整備内容としましては、周辺の里山景観や田園風景と調和した北川の河川景観の保全を図るということと、河川の改修に際しては改変を極力抑えるように努めて、現況の河川景観への影響を最小限にとどめるということを記載しております。
 ( スライドNo.32「6.6 水質の保全」)次は「水質の保全」でございます。現在は国と県が連携しながら、国管理区間については3箇所でございますが、5箇所で河川水質について定常的な監視を行っているところでございます。
 それから、水質汚濁対策に関する関係機関相互の連絡調整を図ることを目的としまして、「九頭竜川・北川水系河川水質汚濁防止連絡協議会」という組織を設置いたしまして、水質の監視や水質事故の発生防止に努めているところでございます。それに加えまして、北川の水質は毎年の全国の水質調査結果において常に上位にランクされているという状況でございます。
 このような状況を踏まえまして、整備内容としましては、水質状況の日常的な把握(情報の共有化)、各機関における水質改善対策の促進、住民への水質情報の積極的な公表等の取り組みを実施していくということを記述しております。
 ( スライドNo.33「6.7 水質事故」)次は「水質事故」でございます。水質事故発生時はオイルマット・フェンスなどを敷設して被害の拡大を抑制するという対策をとっているところでございます。また、水質事故発生時は「水質汚濁防止連絡協議会」を通じまして、関係機関への迅速な連絡を行い、被害拡大の防止に努めているところでございます。
 今後の整備内容としましては、水質事故に円滑な対応が図れるように水質事故処理の訓練等を実施していくことにしております。また、実際に水質事故が発生した場合には、関係機関に通報し、被害の拡大防止のための適切な指導を行っていくということでございます。また、必要に応じてオイルフェンス、吸着マット等を設置することで下流への拡散防止を図ることにしております。
 ( スライドNo.34「7.維持管理について 7.1 堤防・護岸の管理」)次は「維持管理について」でございますが、特に護岸はひび割れ、護岸背面の空洞化による陥没等が発生する恐れがあるということでございます。そこで、日常の調査や河川巡視・点検を行いまして、施設の状態を把握し、必要に応じて補修等を行い、施設機能の維持ならびに適正な管理に努めるということでございます。
 整備内容としましては、いま申しました堤防、護岸の補修につきましては適切に補修を行っていきまして、必要に応じて堤防天端の舗装を行っていくということを記述してございます。
 ( スライドNo.35「7.2 河川構造物の管理 現状と課題」)それから「河川構造物の管理」でございますが、現在、北川は国管理区間に77箇所の樋門・樋管がございます。そのうち1割の9箇所が河川管理施設、国が管理する施設となっております。河川管理施設については定期的な点検、出水期前の点検、補修等の計画的な推進を行っているところでございます。また、出水時の対応を迅速、確実に行うために操作員に対する講習会を毎年、出水期前に行っているという状況でございます。
 ( スライドNo.36「整備内容」)整備の内容でございますが、施設の信頼性の確保と機能保持が図れるように樋門・樋管等について塗装や機械の分解修理等の定期的な点検・整備等により状態を評価するといったことや適切な維持修繕を実施していくということを盛り込んでおります。
 それから、観測設備や空間監視カメラの整備によりまして、操作状況の確認、異常箇所の早期発見に努めていくということでございます。それに加えまして、水門、樋門・樋管等の運転支援システムの導入も逐次図っていくということを盛り込んでおります。
 ( スライドNo.37「7.3 樹木の管理」)次は「樹木の管理」でございます。特に丸山橋から高塚橋間については、河道内に樹林が繁茂しまして洪水の流下が阻害されている区間がございます。河川管理上の支障が認められる樹木は河川環境にも配慮しつつ、災害防止の観点から適正な対策を図ってまいりたいということでございます。
 具体的には、河道内の樹木については樹木の成長や繁茂の状況などについて調査を実施していくこと。それから、洪水時に流水の阻害となる樹木群については、河川環境の保全に配慮しつつ伐採を実施して河道内の流下能力を維持していくということでございます。また、発生する草木等の処理方法については、新たな技術導入を検討しながらコスト縮減を図るように努めてまいりたいと考えております。
 ( スライドNo.38「7.4 河道の管理」)次は「河道の管理」でございます。出水による局所的な河床低下、堆積が一時的に発生しておりますが、継続的な河床の上昇及び低下の顕著な傾向は見られていないというふうに認識しております。
 整備内容としましては、河道の変動状況及び傾向を把握しまして、堆積土砂等が河川管理上の支障となる場合には維持掘削など適切な河道管理を行っていくということでございます。
 ( スライドNo.39「7.5 不法投棄」)次は「不法投棄」でございます。北川でもやはり不法投棄というものがございますが、河川巡視の実施によって不法投棄の監視・防止に努めまして、特に悪質な不法投棄者は告発を行うような措置もしていくということでございます。
 それから、美化・清掃活動の継続的な実施と支援につきましては、地域の住民や関係住民団体との連携を図っていくということでございます。また、看板の設置や地域住民、関係住民団体に河川愛護活動への協力依頼を行うことによって啓発活動を実施していくということを盛り込んでおります。
 ( スライドNo.40「7.6 河川の空間利用」)次は「河川の空間利用」でございます。北川は平成18年で約5.8万人の方が利用されているということでございます。主に散策とか市民マラソンのようなことも行われております。
 今後の整備内容としましては、危険が内在する河川の自然性を踏まえた河川利用及び安全確保のあり方に関する情報提供を行うとともに、河川愛護月間等における啓発活動を継続的かつ積極的に実施していくということと、河川愛護・美化思想の啓発に努めるとともに、看板の設置など河川利用に対するモラルの啓発も進めていくということをうたっております。
 ( スライドNo.41「8.地域住民との連携 現状と課題」)次は「地域住民との連携」でございます。
 ( スライドNo.42「整備内容」)具体的には「整備内容」のところにまとめております。住民と連携した維持管理の実施につきまして、自治体や地域住民による河川清掃活動等を支援していくということを盛り込んでおります。それから、地域住民や住民団体の情報連携体制づくりにつきましては、河川愛護モニターや地域住民からの情報収集を行いまして、その声を生かしていくような環境整備を行っていくということを盛り込んでおります。
 ( スライドNo.43「9.事業監視(進捗点検)計画」)最後になりますが、「事業監視(進捗点検)計画」でございます。整備計画の目標であります治水、利水、環境、維持管理などの目標に対しまして、事業の達成状況をモニタリングし、計画の策定から実施、モニタリング、評価、改善を経て、また計画にフィードバックするようなPDCAサイクルによって継続的な改善がされるように努めていくということをうたっております。
 長くなりましたけれども、今回の北川水系河川整備計画の原案につきまして、その概要をご説明させていただきました。
○委員長
 ありがとうございました。
 只今ご説明がありました整備計画の現状と課題、それからそれに対する整備内容につきまして、ご質問、ご意見等がございましたらよろしくお願い致します。
 ○○委員、どうぞ。
○委員
 幾つかありまして、一つは、河川法に定められていないかもしれませんが、大概、河川整備目標流量というものをその川で定義して流量も定めると思うのですが、ここではそういう書き方をされていないのはなぜなのでしょうかということです。先ほどの説明で、わざわざ1500m3/sの意味も述べられていましたが、普通の河川整備計画のようにされない理由は何なのでしょうか。
○河川管理者
 今回、河道への配分、河道で処理をする分につきましては、概ね1400m3/sの流下能力を確保するということで、整備計画の中にも記載させていただいております。
○委員
 普通は戦後最大というのが多くて、確率年でもいいわけですが、それを記載されない理由がよくわかりません。
 それと、国交省の河川整備計画の文章では「河川整備目標流量」という言葉を使われる場合が多いと思います。多摩川もそう書いてありますが、1400m3/sでそれを使われない理由がよくわからないのです。河川法に書いていないことですので、どうでもいいことかもしれませんけれども。
○河川管理者
 今回の整備計画は国の直轄管理区間につきましての整備内容を盛り込んでおります。その中で、現在、想定されている整備内容につきましては、これをやりますと1400m3/sの流下能力の確保が可能になるということで、今回、この中で1400m3/sというもの記載させていただいております。
○委員
 そうではなくて、その意味です。例えば九頭竜川なら戦後最大ですね。とか、それは確率年でもいいと思いますが、それが書かれていないですね。
 それと、河道で計画高水流量のように書いてもいいわけですから、遠敷川合流点より上流の河川整備目標流量を定められない理由は何なのでしょうか。この文章はこれまで国交省がつくられてきたものと少し違っていますね。河川法で定められているわけではないので、これがいけないというわけではないのですけれども、どうしてかなと思いまして。先ほど、わざわざ戦後最大の流量について説明されましたね。1500m3/sから100m3/s引きますと1400m3/sにはなりますが。
○河川管理者
 戦後最大につきましては、先ほど説明したとおり、高塚地点で1500m3/sになります。そこから100m3/s引きますと1400m3/sになるのですが、河道で処理する分につきましては、その1400m3/sを河道で処理するというのが今回の整備計画の中身になっておりまして、それを書かせていただいているということです。
○委員
 それはわかっています。国交省さんの河川整備計画の治水のところは、例えば戦後最大の洪水に対処するとか、確率年が使われているところがあるかないかは存じ上げあげませんが、福井県では笙の川で1/50というのはありますが、それが書かれていない理由がわからないのです。定義してから使いますので。だからいけないというわけではないですけれども。
○河川管理者
 今までの議論では、戦後最大規模の洪水を対象にするということで、まず1500m3/sというのがございまして、そこに洪水調節施設の分の100m3/sがございますので、それでいきますと、河道で処理する分につきましては1400m3/sになるという状況でございます。
○委員
 それはわかっているのですが、戦後最大を対象にしてとか、河川整備の目標流量とか、どうしてそういうことを書かれないのかと思うのです。これには戦後最大ということはどこにも書かれていないのですよ。国土交通省の河川整備計画にはそういうことが書かれていまして、多摩川の整備計画にも書かれています。確率年でもいいですよ。1/50なら1/50でもいいのですが、それが書かれていない理由がよくわからないのです。整備計画は文章ですからね。数字が書かれているから結果的に一緒だといえば一緒ですが、大概はそういうことが書かれているはずです。
○河川管理者
 全部で書いているかといいますとそうではなくて、基本的には基本方針がありまして、そこへ向かって段階的に整備していく段階で、今後20年、30年でやるメニューをやるとどれぐらいになるかという書き方をしています。どれぐらいのメニューを洗い出すかというときに、概ね戦後最大ぐらいを目指した上で順番にやっていくとどこまでできる、という書き方です。例えば淀川でも「今より悪くしない」とか「最低、戦後最大を目指して、こういうメニューをやると戦後最大が確保できます」というような書き方をしています。
 整備計画目標流量として基本方針とは違う中間の目標を決めて、そこを目指して何かをするということではなくて、将来形に向けて段階的に整備していく中で、今後20年、30年でできるのはここまでで、概ねこれぐらいのレベルの川になっているという書き方です。先ほどの説明にもありましたように、ここは1400m3/sで戦後最大とほぼ同じ規模までクリアできるという書き方です。ですから、基本方針のミニ版みたいなものをつくるということではありませんのでこういう書き方になっているということです。
○委員
 河川法には定めはないですけれども、書かれているところは非常に多いですよ。九頭竜川も戦後最大ということが書かれています。「河川整備目標流量」という言葉も、もちろんこれが正式用語でないのはわかっていますが、多摩川以来、それに近い形で使われていますね。淀川は非常に複雑ですし、私は文章を見たことがないので知りませんが。これは基本方針だけでいいわけですから、いらないと言えばいらないのですが、近年よく使われている定義とそういう言葉ですね。河川整備目標流量が河道に張りついている場合もありますね。ですから、何か理由があるのかなと思いましたので。
○委員長
 いま○○委員が言われるのは、いまご説明がありました内容を文章に入れたほうがわかりやすいのではないかということですね。
○委員
 ええ、わかりやすいということです。戦後最大というのは河川計画論としては何か変ですので、確率年のほうがいいとは思っているのですが、そういうことを申し上げても聞き入れられないと思いますので、戦後最大でもいいのですが、書かれているところが多いのは間違いないと思います。
○委員長
 最終形へ向かうプロセスの中でここでは戦後最大ということが出ましたので、そういったところで1500m3/sが出てきて、それで1400m3/sが出てきたというところを少しわかりやすく書いていただければというようなご意見だったと思います。
 ちょうど前に出ております11番のスライドのところについて、今議論をしたということでございます。
○委員
 もちろん、書いていないからいけないということではなくて、法律には触れていないと思いますので、いいと思いますが。
 それと、きょうは霞堤の話が目についたのですが、○○委員が言ったのか、私が言ったのかは忘れましたが確かに言った覚えがあるのですが、霞堤についてはせめて平面二次元解析ぐらいをして、その効果を定量的に調べたほうがいいのではないかということを随分前に申し上げたと思います。今日の文章にはないのですが、上流側にそういう効果を期待するならば、何らかの検討をした方がいいということは随分前に申し上げたと思います。遠敷川から上流側はかなりあいまいですので、そのあたりの定量的な評価をしたほうがいいのではないかと思います。この整備計画にどう反映するかというのは別の話になるかもしれませんが、せめて平面二次元解析ぐらいはして貯留効果の検討をしたほうがいいのではないかということは確かに申し上げましたので、それはやられたほうがいいのではないでしょうか。上流が破堤して下流に流れやすくするというもう一つの効果は、洪水防御というか流量にはあまり関係ないのかもしれませんね。
○河川管理者
 霞堤の貯留効果につきましては第6回の委員会の際に資料をご提示しておりまして、それによりますと、29.7m3/sの貯留効果があるという計算結果をお示ししております。
○委員
 そうですか。すみません。忘れましたけれども。でも、それはどうやって出されたのですか。平面二次元解析をしないと流下能力への効果というのはわからないのですが。
○委員長
 スライドの13番を出していただけますか。
 ( スライド・No.13「霞堤の機能維持について」)この13番に霞堤の機能が書かれておりまして、氾濫のときには霞堤に流れてそこで貯留をして、そこからまた排水されるということですが、そこのところの定量化という点についてのご質問だったということです。
○委員
 恐らく断面を変えて不等流計算でその増加分を出しているのではないかと思われるのですが。
○河川管理者
 第6回の資料では29.7m3/sの効果があるということですが、計算方法について調べますので、それは後でまた。
○委員
 それで結構です。今日、何かちょっと目についたものですから。
○委員長
 いまのお話は、霞堤の効果について地域住民の理解を得るような形での説明がいるだろうというところも含めたご指摘かというふうにも思っております。
 方法につきましてはまた後ほどということで、ほかにございますか。
○河川管理者
 平面二次元解析でやった結果が29.7m3/sということでございます。
○委員
 そうですか。その結果を見せてもらったという記憶が定かではありませんでしたので。申しわけありません。
○委員長
 ○○委員、どうぞ。お願いします。
○委員
 15ページの「整備内容(P4-1〜4)」のところに、「橋梁、井堰等の横断工作物について『河川管理施設等構造令』に適合しない場合は、施設管理者に改善指導を行っていく」という表現で書かれています。昔のもので使用していないものではあると思いますが、いま使用しているもので「河川管理施設等構造令」に反している構造物はほとんどないと思うのです。施設管理者に改善を指導するだけでは河川は維持できないと思いますので、ここは「施設管理者とともに改善に努める」というような言葉にしていただければと思います。これでは人任せの改善のような感じがしますので、河川を管理するのはやはり国交省ですから、私はそのような文言がいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。これは提案です。
○委員長
 ありがとうございます。いまのご提案につきましてはどうでしょうか。
○河川管理者
 これにつきましては各管理者がおられますので、基本的にはそちらのほうにお願いをして改善なりをしていただくということですので、これはそれを念頭に置いて文章で示したものでございます。
○委員
 この「『構造令』に適合しない」というのは、構造令が変わったから適合しないのではないかと思うのです。そうなったときに、管理者というか申請者にすべてを任せるというこの方針でいけば、例えば農業用の井堰などの場合、いまの農業では改善するような能力は全然ありませんから、私はそんなことが書いてあると、この河川はいつまでたっても整備がされないと思いますので、やはり双方が協議してやっていくのがいい整備方針ではないかと思っております。
○委員長
 言葉は悪いのですが、この文章だと押しつけのような感じにとられるということでしょうか。
○委員
 結局、河川の維持ができなくなってしまうのではないかと思うのです。構造令に反していない施設でも、ずっと改善指導だけをしているのでは改善ができないのではないかと懸念しておりますので提案させていただいたということです。
○委員長
 わかりました。どんな中身でやっていくかということは別としましても、「協力しながら」とか、そういう意味合いの言葉を。
○委員
 言葉にしていただければと思います。後のほうの維持管理を指導するとかそういうことは当然、指導していただければいいと思うのですが、改善ということになりますとなかなかそうはいかないのではないかと思います。
○河川管理者
 決して押しつけとかそういう意図はないのですが、当然、いろいろ協議をさせていただいて、お話をさせていただいて一緒にやっていくという姿勢は変わらないと思っております。ただ責任の分担という観点から今回はこういう形で記述させていただいたということでございます。
○委員長
 どうでしょうか。
○委員
 まあ、要望ですので。
○委員長
 はい、どうぞ。
○河川管理者
 いまの件に関しましては、管理者さんがおられますので、我々がその施設を触りますということは書けないのですが、だから放っておくということではなくて、構造令に合っていなくて支障のあるところについては、農水省さんと一緒に応急対策なりをやるということで、そういう会議は毎年やっております。そのあたりを進めるということはやっているのですが、直接、私たちが農業施設をこうしますということは書けないのでこういう書き方になっているということでございます。
○委員
 ここではそうおっしゃるのですが、改造命令なのです。河川管理者は間違いなくそう言うと思います。命令が来ます。でも、命令されてもできません。国交省は協議には応じるかもわかりませんが、命令している者に負担することもないですし、主導権は握りませんので。それで河川管理がいいかなというほうになるわけですけれども。
○河川管理者
 そこは単純な命令にならないように、事前に調整なり協議をさせていただいた上で所定の手続きをさせていただくことになろうかと思います。
○委員
 それはそのとおりだと思うのですが、指導していくだけではなしに、協調していくという文言にできないかというお願いです。
○委員長
 そういうご意見が出たということで、少し検討してみてほしいということだろうと思いますので、一度、協議していただければと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。○○委員、お願いします。
○委員
 23枚目のスライドの「利水について」のところですが、これは国の直轄区間ということで、それに関する整備についてまとめられています。県とか市町が計画されていることで、この30年間の計画の中で新たに生じてくる計画も幾つか出てくると思うのですが、いま小浜市では厚生労働省が「水道ビジョン」というものを策定しまして、各市町、水道事業体のほうで「水道ビジョン」をつくっておられるのですが、小浜市は少し遅れています。小浜市は簡易水道が13カ所とたくさん残されておりまして、できれば、経営統合も含めて、小浜市の水道のほうでそういった簡易水道を一括して統合して事業を進めたいということを考えておられまして、その「水道ビジョン」が今月できまして、パブリックコメントをとるという段取りになっているようです。
 ここでは上水道用水0%ということで、項目だけは挙がっているのですが、その整備内容のところで「今後新たに生じる水利用についても、関係機関と調整し、適正かつ多様な水利用が確保されるよう努める」とあります。こういうご時世ですが、小浜市の水道の水源は河内川ダムの水を予定されていまして、すでに水利権等もとっておられるということで、それは平成29年でしょうか。この計画の20年、30年の中に含まれるのですが、この2行のところに市が考えておられるその計画が含まれているというふうに考えていいのかということが質問の一つです。
 それから、32番の「6.6 水質の保全」とか33番の「6.7 水質事故」のあたりも、取水をどういう形でされるのか、伏流水をとられるのか、どうされるのかということでしょうけれども、もし上水道としての水利用が見込まれるということであれば、そのあたりの含みを入れておいていただきたいと思います。水質の場合、生態系とか灌漑用水への影響も当然、重要ですけれども、飲料水ということになってきますともう少しシビアになってくるのではないかと思いますので、その2点をご質問させていただきたいと思います。お願いします。
○委員長
 水道ビジョンはいまどこまで進んでいるのですか。
○委員
 小浜市の水道ビジョンは12月から1月にかけて3週間ほど、パブリックコメントをとるという段階に入っております。
○河川管理者
 23ページの「水利用の現状」でございますが、これは現状でございますので、今後の分についてはまだ含まれていないということでございます。今後、新たな水利用が入ってくればそれも含まれてきますので、この記述の中には今後の水利用も入っているというふうに認識しております。
○委員長
 それと、もう一つは何でしたでしょうか。
○委員
 32、33ページのところですが、上水道利用がないということで、水質の保全という部分については多分そこまで考えておられない形で文章がつくられているように思います。水道水源となりますともう少しシビアな形になると思いますが、現状、計画が並行して進んでいるような状況ですので、そのあたりをこの整備計画の中にどの程度盛り込めるのか、盛り込んでいいものなのか。そのあたりは難しい点があると思うのですが、そういったものをどうするかという方針があれば、お答えになれる範囲で教えていただきたいということです。
○委員長
 ありがとうございました。水質保全のところに関しては「下水道整備等」という形では入っていますけれども、例えば「上下水道整備等」というものが入らないかというご意見だったかと思います。
○河川管理者
 確かにここでは上水道の観点があまり明示されていませんので、表現ぶり等を検討させていただきたいと思います。
○委員長
 では、そういった形で検討をお願いしたいと思います。
 ほかにございますか。○○委員、お願いします。
○委員
 25ページの「渇水時の対応」のところでお願いしたいと思います。この渇水時の対応については、平成6年、8年に非常に渇水であったことをまさに天然災害とでもいうような感覚でとらえられていると思うのですが、これ以外に、北川の中流域において瀬切れがたびたび起こっています。したがいまして、瀬切れが起こっているときには農業用水あるいはそこに住む動植物が非常に大きな被害をこうむっているということでございます。この整備計画の文章には瀬切れの原因の追求とそれに対する対応ということがあらわれておりませんので、ぜひともそれをお願いしたいと思います。
○委員長
 そうですね。確かに瀬切れが出てきましたね。瀬切れは結構、頻度が高いようなイメージでしたね。
○委員
 はい。
○委員長
 何回目で出てきたのか、ちょっと覚えていませんが、たしかに瀬切れについての議論をした覚えはあります。
○委員
 先ほど、河床上昇のことを割としつこく申し上げたのは、それが瀬切れと関係あるのではないかということと、伏流しやすいということがあったからです。堰の上流等の河床上昇は遠敷川のあのあたりのことでもありますね。その要因として、長い年月にわたっての河床上昇があるのではないかということです。
 それに関連しまして、この資料ではカワヂシャ、ミクリ、ハンゲショウなどの湿性植物が書かれていますけれども。
○委員長
 ちょっと待ってください。まず、瀬切れのことに対する検討が確かにありましたので、そこを見ていただきたいと思います。その時点では、瀬切れ対策とかその原因についてはいろいろなことが考えられるがまだはっきりしていないということも議論した記憶がございます。ですから、瀬切れの問題を解決していくといいますか、そういった観点で文言等を入れていただければということでございますが、いかがでしょうか。
○河川管理者
 その前の24ページの「現状と課題」の中に、「『瀬切れ』が生じやすい」という文言を入れております。それに対して、「整備内容」のところで「流水の正常な機能を維持するため、関係者や関係機関と調整、連携して水資源の有効利用を図り、必要な流量の確保に努める」というような表現を入れさせていただいておりますが、いかがでしょうか。
○委員長
 わかりました。最初のご説明では、瀬切れよりももっと大規模に枯れているものが中心となったご説明がなされていたので、いま瀬切れについてのご質問が出たのかと思います。ですから、こういった瀬切れの問題も含まれているというふうに理解すればよろしいわけですね。それでよろしいでしょうか。
○委員
 はい。
○委員長
 ありがとうございます。
 それでは、お願いします。
○委員
 だから、こういう認識ではいけないのではないかということで、河床上昇が伏流しやすくしている理由ではないかということで、前半にしつこく申し上げたのです。私からしますと、あれは数十年かけて河床上昇しているように見えまして、そうすると伏流しやすくなりますから、24ページのような認識ではよくならないということです。
 それに関係しまして、河川管理者の危機感が非常に欠如しているところがあります。例えば湿性植物のカワヂシャ、ミクリ、ハンゲショウなどが確認されているという話で、そういうところでまた掘削しようとしているときに、それの対策に対する認識が少し甘いのではないかと思うのです。
 有識者が少しだけ騒ぎまして、足羽川でタコノアシを移植しましたね。ですから、せめてそういうことは考えないと絶滅すると思います。もう絶滅しているのかもしれません。嶺南地方でも絶滅しているものが結構たくさんあるようですので。京都の庭園ではたくさん植えていますが、川にハンゲショウがあるのは珍しいと思います。
 以前、「遺伝的多様性を調べて保全を考えなければいけないのではないか」という発言をしたのですが、全く重要性を認識されていないようです。こういう書き方でこれまでどおり掘削したりしますと確実に絶滅すると思います。カワヂシャは加古川ぐらいまで行かないとないのですか。紀の川にはありますかね。ハンゲショウがあるというのは、私はほかであまり聞いたことがないのですが、これもこのまま放っておくと確実に絶滅すると思うのです。福井河川国道事務所だけの話ではないのですが、河川管理者さんはそのへんの認識が非常に甘いと思うのです。そのあたりはもう少し危機感を持って何か対策を講じないといけないのではないかと思います。整備計画にどういう具合に書くのかはわかりませんが、せめてどこかに移植するとか、少しとっておくとか、そういうことをしないといけないのではないかと。遺伝的多様性とかいろいろありますので、それだけでいいかどうかは専門家に聞かないといけないと思いますけれども。
○委員長
 わかりました。いまのご意見ではハンゲショウというのは非常に貴重なもので、そういったものは堆積等の影響を敏感に受けやすいのかどうかということも調べていただきまして、貴重なもの、非常に環境変化に弱いものであれば、具体的にハンゲショウとかそういった文言を入れておくというようなことだったと思います。
 あと、瀬切れのところに返るのですが、○○委員の前半のご質問の中で出ました、どんなところで起きやすいかということについては、この中で場所的な話が出てきたかと思うのですが。
○委員
 遠敷川ではないですか。
○委員長
 ええ、出ましたね。そこでどんなところで瀬切れが起こりやすいかということが出てきたと思いますので、そういったところと、○○委員が先ほどから説明されている堆積のところをもう一度確認していただきたいと思います。それで結構はっきりするかと思いますので、よろしくお願い致します。
○河川管理者
 そのあたりはもう一度、きちんと整理してみたいと考えております。
○委員長
 ○○委員、どうぞ。
○委員
 遅れてきましてすみません。
 以前にもお願いしていたことですが、37ページの「樹木の管理」のところになるかと思います。最近でもあるのですが、雨が降ったときに樹木が海に流れてきまして、私たちは海岸に打ち上げられたものを処理するのですが、その場合に、ここでは洪水対策としてどうするかということは書いてあるのですが、流れたものに対してどう対応してくれるのかということです。以前、川下のほうから見てそのあたりの対応が何かできないのかということをお話ししたと思うのですが、具体的にこの中に何かつけ加えることができるのかどうかということです。
○委員長
 非常に難しいところかもわかりませんが、いまのご質問は治水面ということになるのですが、流末といいますか、流木が海に出てしまったときの問題ですね。ちょっと難しいとは思いますけれども。
○河川管理者
 河川管理者としては自らそこまでやるのはなかなか難しいというのが現状でございます。基本的には、ここにありますように、樹木については伐採等で適切に管理していけば、結果的に海に流れていくようなものが減るのではないかと考えておりますが、河川管理者自らが回収に乗り出すとか、そういうことはいまの状況では非常に難しいと思います。
○委員長
 そこのところでもう少し確認したいのですが、福井豪雨のときにも相当、流木等が出てまいりましたが、実際に河川ではどうでしょうか。ある程度大きな雨が降ったときの流木についてはどんな状況なのでしょうか。ちょっとご説明いただければありがたいと思います。
○委員
 台風のときなどは流木とか伐った草が枯れたアシのようなものがたくさん流れてくるのですが、そういうものが浮いて、船などが吸い込むとエンジンも痛みますし、細かいものが海面に浮いていまして、それが波打ち際に流されまして、最終的にはそこにいる者が処理しなければいけませんのでやるわけですが、いつも海のそういうところだけを処理するという状態があります。ゴミは別に川だけではなくて、ほかのものが海を通じて海岸に流れてきますので一緒なのですが、最近、海のほうは国と地域間で連携して対応しようという動きがあるようですので、川から流れてくるものについても何らかの責任をとっていただければなという気がするものですから。そういう意味です。
○委員長
 そうですね。心情的にはわかります。
○河川管理者
 海まで流れてしまいますと、河川管理者が乗り出して回収するというのは非常に難しい状況ですので、やはり発生源で抑えるということかと思います。ゴミであれば不法投棄をいかに抑えていくかということですし、樹木の管理につきましては、刈った樹木や草なども適切に処理をして、ここには「新たな技術を導入して発生する草木等の処理をしていく」ということが書いてありますが、いまは発生した木とか伐採木とか草木などは処理が非常に大変ということがありまして、それをいかに低いコストで適切に処理をしていくかということがポイントになっていますので、そういう取り組みをしながら極力そういうものが発生しないように取り組んでいくということが河川管理者としての責務ではないかと考えております。
○委員長
 どうぞ。
○委員
 今年の台風9号の災害があったところを少しだけ見させていただきまして、委員長も福井豪雨についてはよく御存じだと思いますが、間伐材等がすごくたくさん流れてきている可能性があるということです。ですから、川だけの話ではなくて山も含めた流域という可能性もありますので、この会が今後あるのかないのかわかりませんが、防災体制とか最近の水害の現状と最近わかってきたことを踏まえた対策とか、そういうことをこの文章に反映させるのは難しいと思うのですが、この会がまだあるのならそういう話も一度したほうがいいのではないかと思います。これにはごく普通のことが書かれているだけですので。佐用町などでも避難したほうがいいのかしないほうがいいのかというような話もありますので、時間があれば最近の現状を踏まえた話し合いもしたほうがいいのではないかと思います。
○委員長
 そうですね。いま言われたことは、上流から下流というよりも、もう一つ上の森林も含めた形での管理ということになろうかと思います。それは水管理だけではなくて、いま言われた樹木が流木になりやすいということも含めて、将来的な議論はいずれやっていく必要があるのではないかと思います。大きい流域もそうですが、特に小さい流域におきましては敏感にそういった現象が起きてくるだろうということだと思いますので、これは確かに将来的には必要なことかなという感じが致します。この中で議論できるかどうかは別ですけれども、そういうご提案だと思います。
○河川管理者
 河川整備計画自体は河川管理者でやる事業について書きますので、具体的には書けませんが、本文の後ろのほうの「地域住民との連携」のところにありますように、流域全体としてやっていかないといけないという認識がありまして、最後のところにも「進捗点検」の話があります。計画はつくりっ放しではありませんので、その後どういう状況になったのかということは河川管理者として点検はします。例えば九頭竜川では流域懇談会という形で継続して進捗状況を報告しながら今後どうしていくのかということをみんなで話し合うということをやっています。北川についてもつくりっ放しということではなくて、実際に事業を進めながら、河川の整備をしながら、直すところは直しながらやっていくということですので、いま議論が出ていますように、河川管理者だけでできることではなくて、流域のみんなとやっていかないといけないことがたくさんありますので、そのへんは継続してやっていくという形になると思います。
○委員長
 そうですね。流域全体ということでもう少し総合的に考えたときには、いろいろな方がそれにかかわっていらっしゃいますので、縦割りではなくて、そういった横断的な組織も含めた形での河川のあり方については今後、議論が必要だろうと思います。
 そういった意味合いで、43ページのPDCAの図の中にその内容が入っているわけですけれども、これをどんどん推し進めていく必要があるということは各委員の方の共通の認識だろうと思います。こういったご意見が出たということはきっちり記録をしておいていただければと思います。
 ほか、いかがでしょうか。
 それでは、ご意見も大体出たようですので、次に移らせていただきたいと思います。時間も大分、過ぎておりました。申しわけないです。
5.その他
○委員長
 それでは、「その他」のところでございますが、事務局のほうから住民意見の聴取についてご説明があるということですので、よろしくお願い致します。
○河川管理者
 ( スライド・No.1「北川の住民意見聴取について」)「参考資料−2」でございますが、今後、住民の意見聴取の段階に入っていくわけでございます。
 ( スライド・No.2「北川の住民意見聴取について」)やり方でございますが、本日、流域委員会におきまして河川整備計画の原案をご審議いただいたわけでございますが、今後、いろいろな形で住民からの意見聴取をしていくということを予定しております。
 幾つかのやり方がございまして、意見募集形式と集会形式を考えております。
 意見募集形式については、閲覧、公開、設置という形で考えております。
 ( スライド・No.3「(1)意見募集形式について」)閲覧についてはここに示しています各機関の窓口におきまして閲覧していただくということでございます。
 公開については当事務所のホームページで閲覧、ダウンロードが可能な形にしていく予定にしております。
 それから、設置については概要版のパンフレットを作成しまして、住民意見交換会で使用するとともに、閲覧場所、それから中学校、高校、大学、公民館、図書館等の公共施設にも設置させていただくことにしております。
 ちなみに赤字で書いてある部分が、前回、第8回の委員会のときにいただいた意見をもとに追記なり修正をさせていただいた部分でございます。
 ( スライド・No.4「(2)集会形式について」)集会形式につきましても、今後、周知をいたしました上で実施していくことにしております。
 実施日は未定でございますが、これから周知をし、小浜市、若狭町で計3回開催するということで予定しております。従来は2回というふうにご提案しましたけれども、前回のご意見を踏まえまして回数を1回ふやしまして3回にしております。
 ( スライド・No.5 )開催時間は19時から21時ということで、お勤めの方も会社等が終わった後で参加できる時間帯で設定しております。
 参加資格等は特に設けずに、当日の会場で先着順に受付をして入っていただくということで想定しております。
 ( スライド・No.6「(3)住民意見聴取の周知について」)住民意見聴取の周知でございますが、前回は記者発表、当事務所のホームページ、新聞折り込み広告、自治会の回覧等を提案しましたけれども、前回のご意見等を踏まえまして、今回は記者発表、当事務所のホームページ、市町の広報折り込みまたは新聞折り込み広告、ケーブルテレビ、ポスター、このような形でやるということで設定しております。
 ( スライド・No.7「住民意見聴取の周知チラシ」)それから、チラシの案ということでお手元のほうに周知のチラシをお配りしておりますが、このような形のものをお配りして住民の方々に周知をするということで予定しております。
 ( スライド・No.8「(4)意見の受付方法と期間について (5)よせられた意見の公表について」)意見の受付方法と期間でございますが、受付方法は郵送、メール、FAXによるものと致します。受付期間は周知の日から1カ月程度と設定しております。
 受付終了後に意見並びに質問・回答をホームページで公開致します。それから、ホームページを利用できない方等のために資料閲覧場所において意見並びに質問・回答を閲覧できるようにするという措置もとる予定にしております。
 このような形で、今後、住民意見聴取に入ってまいりたいと考えております。
○委員長
 ありがとうございました。只今の住民意見聴取等のご説明につきまして、ご質問等はございますでしょうか。○○委員、よろしくお願いします。
○委員
 ここに書かれていることはこれで全く結構かと思うのですけれども、集会についてです。スライドの4枚目、5枚目に集会の要領を書いていただいていまして、実施される際はもちろん事前にそういう集会をされることをアナウンスされるということかと思いますけれども、どの程度事前にアナウンスできるかという点があります。その点には意を払っていただきたいと思います。きょうの会議にしましても、一般の希望される方は見られるという話になっていると思いますが、実際には日時が決まったのがかなり最近だったということもありますので、どの程度事前に一般にアナウンスできるのかという問題があるかと思います。
 こういうことをやることの意義は、できるだけ広く知っていただいて意見を集めることで、そうでなければやる意味がないわけです。意見聴取については「周知の日から1ヶ月程度」という形である程度期間を設けるということが文書上担保されているのですけれども、集会についてはあまりぎりぎりにならないような配慮が文面上、見当たらなかったので、少しご留意いただきたいと思います。
○河川管理者
 今回の流域委員会につきましては周知が遅れてしまい非常に申しわけなかったのですが、住民意見交換会につきましては委員からもご指摘があったとおり、十分な周知期間を設けて、情報が広く住民の方々にきちんといくように配慮したいと思いますので、我々もそういう形で対処してまいりたいと考えております。
○委員長
 よろしくお願い致します。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、きょうの審議はこれでおしまいということで、庶務のほうにマイクをお返しします。
6.閉 会
○庶務
 委員の皆様、長時間にわたるご討議、どうもありがとうございました。
 最後に、○○から閉会のご挨拶がございます。よろしくお願い致します。
○河川管理者
 その前に、今回、原案についての審議をいただいたのですが、これから住民意見聴取をして、それを反映させて河川整備計画の案を策定致します。その段階でもう一度、流域委員会にご報告をさせていただきたいと考えております。ただ、実は任期が12月までになっておりまして切れてしまいます。次回は来年になってしまうのですが、もしご同意いただければ任期をもう少し延長させていただいて次回を開催したいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○委員長
 こういった意見聴取の後にもう一度やりたいという事務局からの提案でございますが、各委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
  (各委員 うなずく)
○委員長
 では、開くという形でお願い致します。
○河川管理者
 ありがとうございます。
○河川管理者
 委員の皆様方には貴重な意見をいただきましてありがとうございました。本日、整備計画の原案ということでお示しさせていただきました。これまで8回にわたって審議していただいた内容を踏まえた形でつくりましたけれども、きょうもいろいろ貴重な意見をいただきました。そのあたりのご意見も反映して、そして先ほど説明しました住民意見の聴取も踏まえて、2月ごろをめどに整備計画の案としてとりまとめをしたいと思っております。先ほど、任期の延長という話をしましたけれども、つくりっ放し、聞きっ放しということではなく、今回の意見、それから住民の意見を反映した形で、「こういう案にしました」ということをご報告させていただいてから知事の意見聴取等の所定の手続きを経て整備計画の策定をしてまいりたいと思います。
 平成19年の7月に設立して以来、これまで現地の調査もしていただき、現状と課題についていろいろと議論をしていただいた中でやっとこの段階まで来ました。委員の皆様方には長期間にわたって貴重な意見をいただきましてありがとうございました。今後、住民の意見を踏まえて所定の手続きに入っていきますけれども、先ほどの話にもありましたようにつくりっ放しということではなく、今後もチェックをしながら、いろいろな意見を聞きながら、皆で考えていくことが大事だと思っておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
○庶務
 ありがとうございました。
 以上をもちまして第9回北川流域委員会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。