◎ 当日は21名の委員が参加して行われました。前回で九頭竜川水系の課題の整理について意見交換をしたのに引き続き、今回は「河川環境の整備と保全」とこれまでの「流域委員会での質問」について説明した後に、意見交換を行いました。


1.河川環境の整備と保全について

「河川環境の整備と保全」に係わる資料について庶務から説明を行いました。説明した内容は以下に示すとおりです。


@河川環境の整備と保全に係わる計画の進め方について

A保全対象の抽出について

B河川環境の目標設定について

C河川環境への影響検討について

D河川環境上の整備メニューの例

(参考)九頭竜川水系の横断施設について




以上の説明を実施した後に意見交換を行い、次のような意見や質問が出されました。


1.生態、環境に視点を置いた河川整備の基本的な考え方については、以下の4点が重要と考える。
・河川敷、堤外だけで考えるのではなく、堤内外または流域単位で考える。
・支川あるいは水路のようなものは、基本的に昔の姿がわかっている場合には昔に戻す。
・ビオトープ的遊水地等の治水方式も考慮しながら、生態系について配慮していく。
・水田や遊水地、ため池、里山、林地、これらと河川敷との関係を考慮し、ネットワークの形成を図る。

2.今日は国の直轄管理区間の調査情報を紹介して頂いたが、支川群とか県、市町村では、生物あるいは生態の捉え方、調査、データ等についてどのような状況にあるのか紹介して頂きたい。

3.天然にいるのはサクラマスであるが、放流によってサツキマスが出てくるのも事実である。

4.九頭竜川を特徴づける生物の抽出にあたっては、何を保全していくのか、その目的を明確にする必要がある。

5.環境の目標設定にあたっては、過去にそのモデルを求めるのか、現在に基点を置くのか、また戻すことが可能であるのかという視点を含めて検討が必要である。

6.河川景観を考える場合、幅広い年齢層を対象に親しんでもらうために、自然景観だけではなく人工的な景観を創造していくことも必要である。

7.身近にメダカ等の魚が見られるような九頭竜川の再生が必要である。

8.過去に環境の目標を設定する場合には、各家庭に電気が通った昭和18年前後を目安にするという考え方もある。

9.河川の生物は、一度滅びたら海からは来れないので、今の状態の川の生物が減らない方向が環境保全の原点と考える。

10.目標設定にあたっては、我々が誇れるものを大事にしていくべき。

11.人間が安心して、川に親しみ、暮らせる形の中での共存の目安がどこになるかということを考慮して目標を設定すべき。

12.目標設定にあたっては、過去に目標を求めるのではなく、今後この形態で河川を維持していくためにどういうことをなすべきか、といった考え方が重要である。

13.これ以上悪くしないという視点が環境を考える上では重要である。

14.魚が自由に遡上降下できるようにすることが重要である。

15.現状よりは悪くしない、何をもって現状と捉えるのか、何を悪くしないのか、環境をどの程度まで持っていくかという内容について整理が必要である。

16.河川環境についても、九頭竜川の個性を持たせることが必要。九頭竜川の場合、河川に係る歴史・文化という視点が一つの個性になる。九頭竜川のアユは九頭竜の特徴の一つである。

17.歴史・文化といった観点を目標の一つに含めるべき。

18.重要種に係る情報については、非公開とすべき。



2.流域委員会での質問について

これまで流域委員会で出された質問について河川管理者から回答いたしました。河川管理者が説明した概要は、以下に示すとおりです。


@森林面積の変遷について

A保水機能の変化について

B保水機能の変化に伴う流出変化について

C主要洪水の降雨倍率について

D浸水被害について

E浸水想定区域図について




以上の説明を実施した後に意見交換を行い、次のような意見や質問が出されました。


19.降雨パターンの異なる出水を対象として氾濫シミュレーションが必要である。

20.治水に係る目標設定に向けて、安全率でいくのか、確率年でいくのかという点が重要である。

21.浸水深のマップが0〜5.0mまでの段階的な表記になっている。隣接するブロックで浸水深が数mも違うのは、どのような理由からか説明頂きたい。