◎当日は15名の委員が参加し、福井県の河川管理者から「九頭竜川水系(支川群)の河川整備計画の考え方」及び「九頭竜川水系中流部ブロックの河川整備計画の内容」について説明がなされ、意見交換が行われました。



1.九頭竜川水系(支川群)の河川整備計画の考え方について

「九頭竜川水系(支川群)の河川整備計画の考え方」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。

(1)福井県の整備計画対象河川
(2)本川(大河川)と支川(中小河川)の洪水特性の違い
(3)九頭竜川流域の降雨の地域特性
(4)支川の現況流下能力
(5)福井県の河川整備事業
(6)河川整備計画において計画的に河川工事を実施する箇所の選定
(7)治水計画の手順


以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。


1.洪水の流出解析に必要な要素である「降雨強度」、「流出係数」、「流域面積」を設定するにあたっては、過去のデータを基に考えざるを得ないと思うが、将来の自然環境、気象条件、社会基盤整備の変化を見据えながら、これらに対応していくことも必要。

2.多くの河川の中から工事箇所を選定する選定手順が示されているが、実際に工事箇所を選定していく中で、最も重要な要因は何か?

→外水対策箇所の選定においては、過去30年間で家屋の浸水被害があるかないかが一番の要因となっている。また、内水対策箇所の選定においても内水による浸水家屋の実績がある場合でほとんど決まっている。

3.年間の投資額には、洪水が発生した場合の災害復旧費も含まれているのか?

→維持工事費、災害復旧費は含まれていない。災害復旧の場合は、全くの別予算となる。


河川整備計画図(1) 河川整備計画図(2)




会議の様子(1)




会議の様子(2)

2.九頭竜川水系中流部ブロックの河川整備計画の内容について

「九頭竜川水系中流部ブロックの河川整備計画の内容」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。ただし、九頭竜川本川については、直轄区間との整合を図る必要があるため、今回は対象から外して説明が行われました。

(1)流域及び河川の概要
(2)現状と課題
(3)河川整備の目標(九頭竜川本川を除く)
(4)河川整備の実施に関する事項(九頭竜川本川を除く)



以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。

4.河川整備を総合的に行うために必要な事項として「地域住民との協働」とあるように、ホタルが飛び交うような水辺環境を保全していく場合には、行政だけでなく、そこの地域住民やボランティアとの連携が必要。

5.利水、環境保全上の課題のまとめにあるように、発電用水の取水によって河川の流量が減少している現状を踏まえ、水量減少区間に対する対策を講じるべき。

→九頭竜川流域委員会では水利権の見直しを提言していくべき。

→水利権の更新時に何らかの対策をとるためには、今の段階からこの流域委員会で議論して結果を残すべき。

6.ダム下流における河川環境の改善策の一つとして、ダムの弾力的管理の取り組みに期待(例:真名川ダムでフラッシュ放流を試験中)。

7.河川整備計画の目標は一般的なものではなく、中流部ブロックならではの課題を抽出し、目標を設定すべき。

8.浄土寺川上流域の森林面積は減少傾向にある。大雨の後には濁水が下流へと流出しているという現状を認識した上で、ダム計画を行うべき。

9.河川敷や堤防法面の樹木の伐採は、治水上の問題や環境に与える影響を十分に配慮し、計画的に行っていくべき。

10.これまでの長い歴史の中で育んできた川と人との関係というものが歴史・文化・民間風俗であり、そこには例えば伝統的な漁業や祭り等の地域特有の文化が存在する。これらを河川整備に反映させていくべき。

11.ダムが完成するとすべての治水問題が解決するのではなく、ダムの完成と下流の河川整備状況とを組み合わせて考えていくことが重要。

12.都市部での治水安全度は高い計画規模になると思うが、どの程度になるのか?

→福井県の計画規模の考え方は、下表に従っている。都市部での計画規模は、1/50〜1/100となる。


計画規模地図     計画規模の考え方