当日は21名の委員が参加し、河川管理者から「九頭竜川水系中流部ブロック河川整備計画原案(案)」、「九頭竜川・日野川・足羽川の治水整備メニュー(案)」及び「治水整備メニュー(案)における直轄管理区間と指定区間の整合」について説明がなされ、意見交換が行われました。



1.九頭竜川水系中流部ブロック河川整備計画原案(案)について

「九頭竜川水系中流部ブロック河川整備計画原案(案)」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。

(1)九頭竜川水系の概要
(2)中流部ブロックの概要
(3)中流部ブロックの現状と課題
(4)河川整備計画の目標に関する事項
(5)河川整備の実施に関する事項



以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。


1.浄土寺川ダムで計画されている貯砂ダムは、本ダムの長期的な管理において非常に重要であり、適切に管理していくことが必要。

2.河道に対して適切な流水と土砂の通過を確保することが環境面から重要であり、浄土寺川ダムで計画されている貯砂ダムの管理の中でこれらを考慮していくことに期待。

3.河川整備計画原案(案)での記載内容について、曖昧な表現が少し多すぎる。もう少し科学的な表現にすべきである(そうしないと計画まで結びつかないのではないか)。

4.調査については目的を明確にし、その調査結果を計画に反映させていくことが重要。また、事業の影響評価を見据えて計画していくことも重要。

5.治水面のみならず、環境面、利水面を含めて議論をしていく必要があるため、資料を作成する段階でも他の部(水産、農林等)と連携してみてはどうか。

6.県庁の林野、環境等のセクションがオブザーバーとして、この委員会への参加を促してみてはどうか。

7.河川の環境という部分については、土木のみならず生物学や生態学の専門の方々の意見を取り入れていくことが必要。

8.地域住民、子供たちに対して誰が主体となって河川愛護意識の啓発や教育を実施していくのかが課題。

9.「河川とのふれあい・体験学習の場」という表現があるが、なかなか川の水に触れられる場所が少ないので、水辺に降りられる場所を所々で設けてほしい。また、河川での浄化作用の維持や水質の向上にも努めてほしい。(提案)

10.「協働」という言葉のみではなく、福井県としての取り組みや実績等も踏まえた表現をすべき。




会議の様子写真(1)


会議の様子写真(2)

2.九頭竜川・日野川・足羽川の治水整備メニュー(案)等について

「九頭竜川・日野川・足羽川の治水整備メニュー(案)」及び「治水整備メニュー(案)における直轄管理区間と指定区間の整合」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。

(1)九頭竜川河川整備計画作成の手順
(2)これまでの委員会の流れ
(3)今回の委員会での審議事項
(4)考えられる治水整備メニューの抽出
(5)治水整備メニューの組み合わせ設定
(6)治水整備メニューのとりまとめ



以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。

11.ダムをつくる場合には、ダムで多くカットできる方法を講じた方がいい(4川導水)。20〜30年間には1川導水を完成させるように考える。

12.S28年型とS36年型の洪水により、もし九頭竜ダムや真名川ダムがなかったらどんな被害状況になっていたかの想定は? これを明確にすることで、九頭竜ダムと真名川ダムの効果も理解できる。

13.ダムによる被害軽減を把握することが重要。

14.ダムを新設する場合は、@「費用対効果による評価」、A「ダムは造ってしまえば元には戻らないことの認識をもつこと」及びB「使用するデータの十分な吟味」が重要。

15.部局を乗り越えてあらゆるデータを集め、検討し、最大限の努力をした後にダム新設に望む姿勢が重要。

16.4川導水のダムをつくってもS36型洪水に耐えられないのは不安である。

17.足羽川の安全度は九頭竜川、日野川と比較して低い。どれくらいの安全規模を目指すかという議論も必要(S28型洪水、S36型洪水、それとも中間か)。

18.ダムについて利水を想定しないことになると、洪水時にのみに機能する治水のみのダムも考えられる(水質・土砂移動に対して問題が極めて少ない)。この場合、導水案を前提にするのではなく、分散型のダム等を考えてもいい。

19.技術的な意見を踏まえ、この流域委員会でダムをつくるべきか、否かの方針を出すべき。

20.整備メニューに対しては、事業費や費用対効果の観点から議論した上で、この委員会がどうするかを考えるべき。

21.ダムをつくるにしても、事前に砂防ダム等の防災的な対策を行っておくことが必要。

22.S28型洪水、S36型洪水の場合、九頭竜川、日野川、足羽川が都市部ではどれくらいの安全度となるか示してほしい(浄土寺川ダム(安全度:1/80)のように、三川の安全度といった指標が必要)。

23.S28型洪水の方が30年で計画を立てる上で現実的であるが、S36型洪水も含めて考えてほしい。

24.整備メニューを評価するに当たっては、事業量、事業費、環境への影響、社会への影響等の評価項目も必要。

25.計画案を立ててから現在に至るまでの間に造林が成木になって茂り、保水能力が高まっている。このような足羽川上流域の現在の状況を十分に把握することが必要。

26.足羽川を改修するのであれば、まず河川敷内の施設を下流から撤去すべきである。あらゆることを勘案してダムが必要かどうかの判断が必要。

27.河道を掘削していく上で塩水の問題があるので注意が必要。特に、渇水期には付加的な環境問題も発生する。

28.「流域委員会意見の反映箇所の確認表」のように、委員会で出された意見が原案(案)のどこに反映されているか整理してくれるとわかりやすい。


整備メニューの説明パネル図