◎当日は17名の委員が参加し、河川管理者から「九頭竜川水系の目標流量に対する対応策」、「九頭竜川上流部ブロック河川整備計画の内容について」及び、庶務から「住民意見聴取について」の説明がなされ、意見交換が行われました。



1.九頭竜川水系の目標流量に対する対応策について

「九頭竜川水系の目標流量に対する対応策」(直轄区間及び指定区間)に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。

(1)整備メニューの概要
(2)足羽川の治水について
(3)対象洪水の評価
(4)参考資料


以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。

1.
低水路拡幅について説明をお願いします。
水位の低いときに水が流れる場所(低水)を拡幅すること、及び中州の撤去によって、水が流れる部分を広くとることをいう。
2.
河床掘削をする場合には、河床の地盤状況や地下水の状況にも配慮すべき。
3.
経済比較を考える場合、工事費とその効果の他に工事によって影響が出た場合の補償費についても考えるべき。
4.
建設発生土のリサイクルはどうなっているのか? また、建設発生土が工事の制約となるのか?
現在行っている日野川の引堤事業では、近くの圃場整備事業へ発生土を移動させている。また、発生土量は工事の制約条件となるため、関係機関等との調整が必要。
5.
足羽川ダム1川導水案で計上されている600億ダムの規模は?
これは昭和28年型洪水の場合で、過去に説明してきたダムよりも規模的には小さく、多目的ダムという形でつくった上で、治水にかかわる部分のコストを抜き出して算出した。
6.
ダムの規模、金額等もう少し踏み込んで議論してほしい。また、ダムについては、4川導水も視野に入れたものにして、その場合の金額も試算してほしい。
7.
遊水地案は、どの地域にどのような遊水地を想定しているのか?
面積80haあれば洪水調節できるという試算をもとに1カ所で想定している。土地改変の程度は小さいが、遊水地内の新たな土地利用制限による地域社会への影響、将来的な安全度向上が課題。
8.
流域委員会では、河川整備計画についてどこまで議論し、明示していくのかを議論する必要がある。
9.
治水を主目的としたダムの場合には、水や土砂を滞留させないという方法についても考える余地がある。
10.
S28.9型洪水に対して対応していく雰囲気となっているが、20年〜30年で出来なくても、S36.9型洪水も視野に入れて欲しい。





2.九頭竜川上流部ブロックの河川整備計画の内容について

「九頭竜川上流部ブロックの河川整備計画の内容について」(九頭竜川・真名川を除く)に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。

(1)流域及び河川の概要
(2)現状と課題
(3)河川整備の目標(九頭竜川・真名川を除く)
(4)河川整備の実施に関する事項(九頭竜川・真名川を除く)




以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。
11.
大野市では、治水面ではダムによって洪水はなくなった。一方で、地下水の減少や河川の減水区間発生等の環境面の問題が出てきた。
12.
水利権で流量の配分が決められているが、余った水は河川へと流れているのか?
許可水利権がきちんと守られており、余剰な水は川に流れていると理解している
13.
大規模な工事を進めていく過程で環境に影響が出た場合に、どうして途中でやめることができないのか? 今後は、モニタリングをしながら工事を進め、環境に影響が出た場合には原因を追及してそれをクリアしながら進めていってほしい。
14.
水利権に関しては、季節的な変動をもっと柔軟に取り入れて改善できる方法があるのではないか。
15.
九頭竜川の流量縦断図について、季節の変動がわかるのなら、それも示してくれるとわかりやすい。
16.
法律上では、何か問題があれば計画の見直しまで立ち戻ることになっているが、実際には工事が大きくなりすぎると手が出せない状況があるように思う。国には、そこに手を差し伸べるくらいのおおらかさをもってほしい。
17.
熊本県の白川のダムでは、地下水に影響が見られているそうだが、そういった場合に建設中の工事に対して何か対策がとられるのか?
白川ダムによって地下水に影響がでているか把握していない。確認したうえで回答したい。
18.
農業や発電に水利権が縛られており、川には水がいかない。漁業は環境にあたると思うので、漁業者にも環境としての水利権が欲しい。
19.
水利権については、今までにいっぱい話がでてきた。どういう水利権がいつ設置されて、更新の時期はいつで、季別の取水量はどれくらいか等、水利権の実態を目に見える形で示してほしい。
20.
当委員会では、是非とも部局を乗り越えて議論をしていきたい。

    
3.住民意見聴取について

「住民意見聴取について」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。

(1)第5・6回流域委員会での提示内容及び審議の概要
(2)流域委員会での意見を踏まえた住民意見聴取(案)


以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。
21. はっきりした原案(案)が出来てから住民意見聴取に入るべきだと思う。今のままだと、ただの聴く会になってしまう。
22. ブロックだけの説明だとわかりにくいので、全体の内容も示した方がいい。
23. 政策を決定していくプロセスで住民が参加していくのもいい。
24. 専門的な意見をもとにみんなのベクトルを同じ向きに向けてから、一般住民に問いかけた方がよい。
25. 住民意見聴取をする前に、河川整備計画原案(案)の成熟度をどうするかの議論が必要。
26. 総合的に議論していくのも必要だが、そろそろまとめていく議論も必要。