当日は18名の委員が参加し、河川管理者から「河川環境の課題と対応方針(案)」、「利水・利用の課題と対応方針(案)」及び「九頭竜川足羽川ブロックの河川整備計画の内容」(足羽川本川を除く)についての説明がなされ、意見交換が行われました。
1.河川環境の課題と対応方針(案)について
「河川環境の課題と対応方針(案)」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。
(1) 河川環境の課題と対応方針(案)
  1) 九頭竜川水系における課題
 2) 課題に対する対応方針(案)
(2) 参考(ダムにおける河川環境改善の取り組み)
以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。
1. 日野川(武生と鯖江の間)では、河道内樹木による水害が心配されている。そこで、日野川流域交流会では、昨年の12月に行政・専門家・住民が共に協議し、樹木の伐採方針を決定した。今後は、樹木の伐採方法、時期、区域等については現地での立ち会いの下、実施していくということで合意した。
2. 福井市内の河川水質で、平成10年に馬渡川のBOD値が30mg/Lに突出して高くなっているが、行政側の認識は?
→工場排水が原因と考えており、行政指導により対応をしている。また、データの精度は、昭和47年度以降の周辺河川のBOD値の変動傾向から妥当であると考えるが、再度精査し、整理し直してみる。
3. 真名川ダムの弾力的管理試験は、河川環境の問題を考える上で、トライアル的には良い試みだと思う。
→まだ、流量変動の規模や時期等についてはっきりしない点があるので、引き続き調査を実施していく。
4. 福井県は非常に水が豊かな県であるが、水が足りない状況を考えると使い方に問題があるのではないか。問題を解決していくには、利水と環境の人たちがオープンな場で話しあっていくことが必要。
5. 水については、利水と環境の人たちが話し合いをし、それぞれ節約できるところは節約して使っていくことが必要。それでも水が足りない場合は、お互いにもっと節約するべきか、池あるいはダム等をつくるべきかの話し合いも必要。
6. 福井県は大変水が豊かということだが、上流部においては、川の自然そのものの恩恵を受けていない。九頭竜川水系水利用情報交換会は、どのように実施されているのか?
→平成11年から年1回程度で、水利用の情報交換会を実施している。
2.利水・利用の課題と対応方針(案)について
「利水・利用の課題を対応方針(案)」に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。
(1) 利水
1) 利水の現況
2) 発電取水
3) 水資源
4) 渇水時の対応
5) 今後の水利用量の見通し(九頭竜川流域)
(2) 利用
1) 利用の現状
以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。
7. 九頭竜川水系水利用情報交換会のメンバーには、大野市や漁業関係者が入ってない。情報交換の内容を深めるためにも、メンバーの見直しも是非行っていくべき。
→来年からはもっとオープンな場として開催していきたい。また、メンバーについては水利権を持っている方をメインにしており、これからは環境面についても考慮していき、みんなで川の事を考えていきたい。
8. フラッシュ放流については、実施と結果はあるが、まだ水利権の問題は残っている。今後、この結果をどういかしていくのか、議論を行えるような形で整理してもらうとわかりやすい。
9. 基本的に既存のダムで福井県の水資源は確保出来るということでいいのか? 足羽川ダムでは、渇水時期に水が足りなくなる現状を踏まえて、水利用を考えているのかどうか?
→足羽川ダムは、新規水開発計画に掲載されていない。足羽川ダムで現在水を貯留する可能性としては、河川環境の面から瀬切れを起こしている区間に対して対策をとることが考えられる。この問題に対しては、利用者の連携・協力で改善をするか、足羽川ダムで対策をとるべきか、ご意見をいただきたい。
10. 前回提案された足羽川ダム導水案は、利水を含めた多目的ダムとして考えられていたのでは?
→現在の計画で想定しているのは、洪水調節、維持流量の確保、発電(従属式発電)であり、共同事業者がいるということで、多目的ダムの事業ということになっている。
11. 水利権の問題は非常に根が深い問題であるが、水を利用したい人と水利権を持っている人が垣根を越えて話し合いを行っていく努力が必要。
12. 九頭竜川の河川敷を雪捨て場として利用しているが、水質に対して問題がないか配慮が必要。青森県の事例では、直接川に捨てるのではなく、一時的プールに貯めて、きれいな水のみを放流するようにしている。
13. 平成22年の供給計画に示されている新規水源の地下水には、浅井戸と深井戸の区別がされているのか?
14. 伏流水については、どの程度の深さまでを伏流水というのかわかっていません。新規水開発の地下水は、浅井戸、深井戸両方をあわせて開発していくと聞いています。水の需要は伸び悩んでいるので、計画通り地下水の開発が進んでいくのかわからない状況です。
15. 新規水源を開発することによって、現在供給している既存水源がどの程度減少するのか?
16. ゴミ投棄に対しては、行政がもっと働きかけて川のありがたさを広報することが、ひとつの対策だと思う。
17. 地下水や河川の表流水の利用は、地域の実情によってかなりの違いがある。水の用途転用や水利権の事も含めて、地域の実態把握が重要。
3.九頭竜川足羽川ブロックの河川整備計画の内容について
「九頭竜川足羽川ブロックの河川整備計画に内容について」(足羽川本川を除く)に関して説明した主な内容は、以下に示すとおりです。
(1) 流域及び河川の概要
(2) 現状と課題
(3) 河川整備の目標(足羽川本川を除く)
(4) 河川整備の実施に関する事項(足羽川本川を除く)
以上の説明を実施した後に、次のような質問や意見が出されました。
18. 足羽川の流量が減少している区間の解決策として、次の点について議論することが必要。
@渇水時に農業用取水を減らせるかどうかの利用者間調整
A水を貯留する施設を建設し、水が無いときにその貯留水を使用   等
4.その他(委員の任期延長について)
委員長から、委員の任期延長の申し出があり、出席委員から承認されました。