九頭竜川流域誌


2.1.2 山地

 九頭竜川流域の北東部は、白山あるいはこれより古い時代の諸火山からなる加越山地によって石川・岐阜両県に区切られている。また、南部は主として高原性山地である越美山地によって岐阜・滋賀両県に区切られている。また、この両山地は、嶺北中央部に位置する越前中央山地や南条山地に接している。

(1) 加越山地
 加越山地は、福井県の最高峰である三ノ峰(標高2128m)を主峰として、岐阜県境には二ノ峰(標高1962m)、願教寺山(標高1691m)など1,600m以上の山々が峰を並べ、石川県境では赤兎山(標高1629m)、大長山(標高1671m)を最高に西へ行くほど低くなり、やがて加越台地につながる。内部は経ヶ岳(標高1625m)、法恩寺山(標高1357m)、浄法寺山(標高1053m)などの山地によって成り、これらの大部分はコニーデ型をした火山である。
(2) 越美山地
百名山のひとつに数えられている荒島岳
百名山のひとつに数えられている荒島岳
 越美山地は、岐阜県境の毘沙門岳(標高1386m)、滝波山(標高1413m)、能郷白山(標高1617m)、冠山(標高1257m)、三国岳(標高1209m)などの山々と、内側の荒島岳(標高1524m)、銀杏峰(標高1441m)、部子山(標高1464m)、姥ヶ岳(標高1454m)などの山地からなり、柳ヶ瀬断層を境として嶺南の山地より約400m高く、全体として1,200mの定高性を示し、所々に過去に浸食を繰り返えしたことによって形成された平坦面が残っている。
(3) 越前中央山地
 越前中央山地は、大佛寺山(標高807m)、一乗山(標高741m)など平均標高が600〜700mの山地から成っている。この間を縫って足羽川が流れる。
(4) 丹生山地
 この山地は、南側に吉野瀬川断層、東に福井平野・武生盆地、西には日本海、北は三里浜砂丘に接し、国見岳(標高656m)、金比羅山(標高625m)、六ヶ所岳(標高698m)など、標高600m前後の山々から成る。
(5) 南条山地
 南条山地は、越美山地の北西部にあり、南は金草断層で境界を成している。北は吉野瀬川断層、西は甲楽城断層に囲まれている。日野山(標高795m)、鍋倉山(標高516m)、ホノケ山(標高717m)などの山々から成り、標高は600mの定高性を示している。日野川の本支流がこれらの山地を浸食している。


九頭竜川流域誌メニューへ
第2章メニューへ
戻る次へ
TOPに戻る

Copyright (c) 国土交通省近畿地方整備局 福井工事事務所 2001 All Rights Reserved.