九頭竜川流域誌


2.1.5 段丘地形

(1) 松岡の河岸段丘
 松岡の河岸段丘は、九頭竜川が河谷から平野部に出る鳴鹿付近と、志比堺から松岡の西端の間に分布し、洪積層から成っている。標高は30〜50mで、河床面との比高は鳴鹿付近で約6m、松岡付近で約10mである。
 松岡の由来は、段丘に立地する岡の上にあることからともいわれており、松岡町は九頭竜川が運んだ砂や礫で厚く覆われた段丘上に発達した町である。段丘の東側の志比堺付近は、九頭竜川によって削り取られて幅が狭くなつている。西側は緩やかに傾き、南側に広がっている。
(2) 勝山の河岸段丘
 勝山の九頭竜川の両岸には、河岸段丘が発達している。流入河川によって形成された扇状地は、末端が段丘化した隆起扇状地となっている。勝山市街地付近にも2〜3段の明確な河岸段丘が発達し、市街地の中央を北北西から南南東に貫く段丘崖を、地元では七里壁と呼んでいる。この七里壁は、九頭竜川右岸にみられる高さが5〜10mの2筋の段丘である。江戸時代、高位の段丘面には城や武家屋敷が造られ、低位なところには町屋が建ち並んだ。


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