九頭竜川流域誌


2.2.3 鉱山

 金鉱床は、越前中央山地の南東部や加越山地の中部にあたる平泉寺付近、丹生山地の杉谷などに分布する。
 銅・鉛・亜鉛鉱床の主要なところは、越美山地の東部、加越山地の西部ならびに中部地区、南条山地の北東部に存在する。
 中竜鉱山を含む越美山地東部の鉱床群は、古生層の分布範囲内にあって、ほぼ東西方向に帯状分布を成し、近年まで銅・鉛・亜鉛鉱床地となっていた。この中竜鉱山などの鉱床は、交代鉱床でスカルン鉱物を伴っている。その鉱床群は南北400m、東西約8kmの範囲に分布し、東から西へ中山鉱床・人形鉱床・仙翁鉱床・黒当戸鉱床から成る。中竜鉱床群は、飛騨外縁帯の古生代の藤倉谷層中の石灰岩を交代したスカルン鉱床で、鉱床付近には藤倉谷層のほか、本戸層・手取層群・これらを貫く石英斑岩などが分布する。 

中竜鉱山跡
中竜鉱山跡

 大野郡和泉村の中竜鉱山は、寛元年間の1243年頃に金山・銀山として開坑されたといわれる。明治37年(1904)には、銀や鉛のほか亜鉛も採掘されていた。昭和9年(1934)に本格的な鉛・亜鉛の生産が開始され、昭和24年(1949)に一時休山したものの、昭和26年(1951)に再開され昭和62年(1987)まで操業された。
 陶石鉱床は、上部白亜系に属する面谷流紋岩と、これに伴う凝灰石類が陶石化作用によって生成されたもので、武生市西方の山地に広く分布している。



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