九頭竜川流域誌


4.5 魚類

 九頭竜川・日野川・足羽川など九頭竜川流域に生息する魚種は、既往の文献等で記載されているもので79種であり、平成5年度の調査では58種が確認された。
 調査時に捕獲された魚種の割合は、ウグイが全体の約25%を占め、次いでアユとアブラハヤの約14%、カワムツの約12%、カマツカの約6%であった。
 九頭竜川流域に生息する魚類は、イワナ、アマゴ、ニジマス、アユ、アカザ、アブラハヤ、アジメドジョウ、カジカなどが上流域に生息している。中流域には、フナヤツメ、カワヤツメ、アユ、タビラ、ヤリタナゴ、アブラボテ、ニゴイ、カマツカ、シマドジョウ、イトヨ、トミヨ、ドンコ、ウサギ、ヨシノボリ、カマキリ、カジカなどが生息しており、九頭竜川本流では、近年カマキリやカジカが激減して、アユの放流に混入してきたオイカワやヒガイの繁殖が目立ってきたといわれる。とりわけ、カマキリは九頭竜川中流域の代表種であり、大野市花房町から福井市舟橋新までの区間を天然記念物「アラレガコ生息地」として指定されている。カマキリは、福井では「アラレガコ」と呼ばれ、カジカ科に属する頭の大きいハゼに似た底生魚で、九頭竜川ではその産卵習性が昔から特異とされてきた。
 下流域には、カワヤツメ、ナマズ、ニゴイ、ヒガイなどのほか、ボラ、スズキ、ヌマガレイ、コノシロなどの汽水性の魚類がみられ種類も豊富である。
 河川の細流に生息する特異な存在として、トゲウオ科の魚類(イトヨやトミヨ)が生息している。

アラレガコ イトヨ
アラレカゴ イトヨ
イトヨ生息地 (大野市)
イトヨ生息地 (大野市)
図1.2.23 魚類流程分布図(九頭竜川)水辺国勢調査


参考資料
福井県の気象百年 平成9年1月
編集:福井地方気象台・敦賀測候所百年誌編集委員会
発行:日本気象協会福井支部
56豪雪の記録 昭和56年7月 発行:建設省近畿地方建設局福井工事事務所
日本の地質5 中部地方U 1996年12月 編著:日本の地質「中部地方U」編集委員会
日本の地誌10 福井県 1988年5月 日本地誌研究所 発行:二宮書店
九頭竜川−直轄事業のあゆみ− 平成3年3月 編集:九頭竜川編集委員会
発行:建設省福井工事事務所
日本再発見18 福井県 1997年7月 責任編集:島田正彦 発行:同朋舎
福井県地質図幅説明図 昭和44年3月 著作者:福井県
福井県植物誌 平成元年2月 編集・発行: 渡辺定路
福井県の恐竜 平成6年3月 発行:福井県立博物館
河川水辺の国勢調査年鑑 平成2,3,5,6,8,9年 監修:建設省河川局河川環境課
編集:(財)リバーフロント整備センター 発行:山海堂
福井平野における水害の研究 1968年 人文地理20−2 宮越博輔

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