九頭竜川流域誌


1. 概要

 九頭竜川流域は、福井県嶺北地方の5市16町3村を中心に、岐阜県郡上郡白鳥町石徹白地区を含め2県の5市17町3村にまたがっている。なお、石徹白地区は、昭和33年(1958)に大野郡石徹白村が分割されて、白鳥町大字石徹白となったものである。その時に小谷堂・三面の2地区は、和泉村に含まれた。
 九頭竜川流域では、古代からの人々の生活の跡が、いろいろな地区でみられる。流域での生活の様子は九頭竜川本川、日野川、足羽川の三大河川がもたらす恵み多い自然の中で、大和や京都の影響を受けながら風土に根ざした文化を育み、歴史を刻んできた姿を数多い遺跡や古墳、文化財などから窺い知ることができる。
 現在は、福井平野を中心に武生盆地や大野盆地などで市街地の拡大伸展がみられる。人口は、福井平野を中心とした西側の市町村で増加傾向にあり、東側の山間部市町村では減少傾向がみられる。西側市町村の核は、商業・サービス業を中心とする福井市、工業や商業を中心とする鯖江市と武生市である。これらの都市が流域の発展の牽引者となっている。また、農業は福井平野を中心として展開されており、東側山間部市町村では若干の工業の展開がみられるものの、林業の不振もあって過疎化が進みつつある。
 こうした流域の地域社会の実態とその変遷をとりまとめるにあたっては、岐阜県郡上郡白鳥町石徹白地域を除外して整理を行った。そこで、対象とする九頭竜川流域の市町村は、表1.3.1に示す5市16町3村とし、図1.3.1に示す市町村を単位とする小流域区分で概観する。なお、小流域区分を市町村単位としているのは、流域界が市町村境界と相似していること、従前からこの分割方法が採用されていること、土地や都市の形態の比較が明確に行えることなどによる。

図1.3.1 流域区分


九頭竜川流域誌メニューへ
第3章メニューへ
戻る次へ
TOPに戻る

Copyright (c) 国土交通省近畿地方整備局 福井工事事務所 2001 All Rights Reserved.