九頭竜川流域誌


2. 人口と世帯
2.1 人口

(1) 概要
 平成7年(1995)10月の国勢調査によると、表1.3.1に示すとおり福井県人口826,996人に対して、九頭竜川流域人口は662,615人と80.1%を占めている。また、流域内の人口密度は、221.6人/km2である。
 
図1.3.2 男女別年齢5歳階級別人口
図1.3.2 男女別年齢5歳階級別人口
九頭竜川流域で最も人口が多い市町村は、平成7年10月の国勢調査結果によると福井市の255,604人であり、次いで武生市の71,109人、鯖江市の62,890人となっている。反対に少ない市町村は、和泉村の824人、次いで上志比村の3,654人、宮崎村の4,002人である。
 平成7年の流域別の人口では、日野川および足羽川下流に位置する福井市が最も多く38.6%を占め、ついで武生・鯖江両市が位置する日野川中流域の20.2%、兵庫川・竹田川流域の18.0%となっている。反対に最も少ないのは、美山・池田両町で構成する足羽川流域の1.5%で、次いで天王川流域の2.8%と続く。人口密度では、人口の多い福井市が750.5人/km2と最も高く、兵庫川・竹田川流域の365.0人/km2が2番目に高い。人口の少ない足羽川流域では、29.3人/km2と最も低い。
 福井県の年齢5歳階級別人口をみると、昭和22〜24年(1947〜1949)の第1次ベビーブームと昭和46〜49年(1971〜1974)の第2次ベビーブームをピークとした「ひょうたん型」に近い構成となっている。
(2) 人口推移
 大正9年(1920)から平成7年(1995)までの間の流域別人口推移は、表1.3.2、3および図1.3.3に示すとおりである。

表1.3.1 流域内市町村の面積、人口と人口密度 (※平成7年国勢調査結果)
流域名/市町村名 面積
(km2)
人口
(人)
人口密度
(人/km2)
世帯数 1世帯当人数
(人)
九頭竜川・日野川・
足羽川
340.60 255,604 750.5 83,180 3.1
福井市
兵庫川・竹田川 326.87 119,302 365.0 33,161 3.6
三国町 46.42 23,677 510.1 6,939 3.4
芦原町 37.91 14,570 384.3 4,549 3.2
金津町 79.08 17,862 225.9 4,756 3.8
丸岡町 107.33 29,660 276.3 8,070 3.7
春江町 24.43 21,749 890.3 5,973 3.6
坂井町 31.70 11,784 371.7 2,874 4.1
本川 348.05 49,345 141.8 13,552 3.6
勝山市 253.68 29,162 115.0 7,721 3.8
松岡町 18.62 10,184 547.0 3,442 3.0
永平寺町 50.40 6,345 125.9 1,530 4.1
上志比村 25.35 3,654 144.1 859 4.3
本川・真名川 872.30 41,069 47.1 10,833 3.8
大野市 539.92 40,245 74.5 10,538 3.8
和泉村 332.38 824 2.5 295 2.8
日野川中流 270.07 133,999 496.2 37,534 3.6
武生市 185.32 71,109 383.7 20,662 3.4
鯖江市 84.75 62,890 742.1 16,872 3.7
日野川上流 382.28 35,253 92.2 8,851 4.0
今立町 45.43 14,424 317.5 3,533 4.1
南条町 53.06 5,754 108.4 1,378 4.2
今庄町 241.30 5,416 22.4 1,604 3.4
清水町 42.49 9,659 227.3 2,336 4.1
足羽川 332.45 9,731 29.3 2,502 3.9
美山町 137.73 5,699 41.4 1,388 4.1
池田町 194.72 4,032 20.7 1,114 3.6
天王川 117.75 18,312 155.5 4,483 4.1
朝日町 45.47 9,096 200.0 2,265 4.0
宮崎村 33.06 4,002 121.1 938 4.3
織田町 39.22 5,214 132.9 1,280 4.1
流域合計 2,990.37 662,615 221.6 194,096 3.4
福井県合計 4,188.43 826,996 197.4 246,132 3.4


表1.3.2 九頭竜川流域の流域別人口・世帯数の推移 (※国勢調査結果)
◎流域別 人工総数 (人)
区分 大正
9年
大正
14年
昭和
5年
昭和
10年
昭和
15年
昭和
22年
昭和
25年
昭和
30年
昭和
35年
昭和
40年
昭和
45年
昭和
50年
昭和
55年
昭和
60年
平成
2年
平成
7年
九頭竜川・
日野川・
足羽川
(福井市)
135,808 137,774 148,126 166,737 170,214 155,730 175,109 183,275 193,858 205,501 215,137 231,364 240,962 250,261 252,743 255,604
兵庫川・竹田川 82,750 81,278 84,459 87,334 85,349 106,018 105,262 103,332 101,226 100,156 98,233 102,412 106,958 112,537 105,115 119,302
本川 43,769 43,183 44,961 50,467 49,619 58,929 60,784 58,719 60,075 55,299 52,935 50,901 50,519 49,966 49,192 49,345
本川・真名川 41,669 40,904 41,331 41,409 43,787 53,269 51,695 52,885 51,537 50,596 44,694 43,797 43,379 43,118 41,837 41,069
日野川中流 82,421 82,330 85,589 89,364 87,089 106,392 110,185 109,498 111,681 112,730 114,633 122,264 126,683 130,600 132,470 133,999
日野川上流 34,763 33,785 33,775 33,492 32,844 39,426 39,880 38,924 38,633 35,569 33,747 34,763 36,249 36,513 35,970 35,253
足羽川 18,816 18,130 17,495 16,191 15,492 18,003 17,703 17,221 16,003 14,251 12,276 11,154 10,636 10,429 10,160 9,731
天王川 15,408 15,166 15,155 15,434 15,077 19,631 19,806 19,243 18,562 17,954 17,380 17,393 17,834 18,077 18,188 18,312
流域合計 455,404 452,550 470,891 500,428 499,471 557,398 580,424 583,097 591,575 592,056 589,035 614,048 633,220 651,501 645,675 662,615
福井県 598,029 596,756 616,967 645,347 642,695 724,951 751,085 752,758 752,696 750,557 744,230 773,599 794,354 817,633 823,585 826,996

◎流域別 総世帯数 (単位:世帯)
区分 昭和
25年
昭和
30年
昭和
35年
昭和
40年
昭和
45年
昭和
50年
昭和
55年
昭和
60年
平成
2年
平成
7年
九頭竜川・
日野川・
足羽川
(福井市)
37,430 39,711 44,178 49,926 55,910 63,220 69,218 73,153 76,540 83,180
兵庫川・竹田川 22,062 21,768 21,867 22,635 23,254 25,279 27,316 29,333 30,636 33,161
本川 11,907 11,666 11,962 12,050 12,156 12,264 12,438 12,751 12,664 13,552
本川・真名川 10,184 10,226 10,736 11,122 10,780 10,875 11,016 10,925 10,723 10,833
日野川中流 22,840 22,614 23,824 25,395 27,199 29,928 32,062 33,573 35,109 37,534
日野川上流 7,632 7,758 7,925 7,798 7,696 8,217 8,595 8,710 8,683 8,851
足羽川 3,331 3,234 3,152 3,008 2,815 2,711 2,641 2,598 2,527 2,502
天王川 3,837 3,741 3,871 3,947 4,026 4,129 4,151 4,147 4,248 4,483
流域合計 119,223 120,718 127,515 135,881 143,836 156,623 167,437 175,190 181,130 194,096
福井県 154,426 156,569 164,290 173,502 183,220 198,933 212,744 224,295 232,848 246,132

 人口については、大正9年から市町村合併による修正を加えた市町村別人口がある。しかし、世帯については昭和25年からのデータが整理されているものの、それ以前については整理されていない。

表1.3.3 流域別人口増加率の推移
◎流域別 人工増加率 (単位:%)
区分 T9
〜14
T14
〜S5
S5
〜10
S10
〜15
S15
〜22
S22
〜25
S25
〜30
S30
〜35
S35
〜40
S40
〜45
S45
〜50
S50
〜55
S55
〜60
S60
〜H2
H2
〜H7
T9
〜H7
九頭竜川・
日野川・
足羽川
(福井市)
1.4 7.5 12.6 2.1 -8.5 12.4 4.7 5.8 6.0 4.7 7.5 4.1 3.9 1.0 1.1 88.2
兵庫川・竹田川 -1.8 3.9 3.4 -2.3 24.2 -0.7 -1.8 -2.0 -1.1 -1.9 4.3 4.4 5.2 -6.6 13.5 44.2
本川 -1.3 4.1 12.2 -1.7 18.8 3.1 -3.4 2.3 -8.0 -4.3 -3.8 -0.8 -1.1 -1.5 0.3 12.7
本川・真名川 -1.8 1.0 0.2 5.7 21.7 -3.0 2.3 -2.5 -1.8 -11.7 -2.0 -1.0 -0.6 -3.0 -1.8 -1.4
日野川中流 -0.1 4.0 4.4 -2.5 22.2 3.6 -0.6 2.0 0.9 1.7 6.7 3.6 3.1 1.4 1.2 62.6
日野川上流 -2.8 0.0 -0.8 -1.9 20.0 1.2 -2.4 -0.7 -7.9 -5.1 3.0 4.3 0.7 -1.5 -2.0 1.4
足羽川 -3.6 -3.5 -7.5 -4.3 16.2 -1.7 -2.7 -7.1 -10.9 -13.9 -9.1 -4.6 -1.9 -2.6 -4.2 -48.3
天王川 -1.6 -0.1 1.8 -2.3 30.2 0.9 -2.8 -3.5 -3.3 -3.2 0.1 2.5 1.4 0.6 0.7 18.8
流域合計 -0.6 4.1 6.3 -0.2 11.6 4.1 0.5 1.5 0.1 -0.5 4.2 3.1 2.9 -0.9 2.6 45.5
福井県 -0.2 3.4 4.6 -0.4 12.8 3.6 0.2 0.0 -0.3 -0.8 3.9 2.7 2.9 0.7 0.4 38.3
図1.3.3 流域別の人口推移
 大正9年(1920)第1回国勢調査実施のときの流域人口は約45.5万人であり、75年間に約20.7万人、約46%の人口増となっている。
 図1.3.3によると、昭和15〜20年と昭和45〜50年、昭和60年に変化点が見られる。まず、昭和15〜20年については終戦後の復員などによるものであり、昭和45〜50年はオイルショックによる大型不況で高度経済成長期に近畿圏や中部圏に流出していた人がUターンしてきたことに起因している。昭和60年以降あまり変化がみられないのは、流域内での商工業が安定してきたことによるものである。しかし、福井市のベッドタウンとなりつつある坂井・春江・丸岡町を含む兵庫川・竹田川流域では、人口の伸び率が高くなっている。
図1.3.4  人口増加率の推移

 九頭竜川流域の人口は、昭和60年を過ぎてから増加率が鈍化するとともに、流域内で増加地域と減少地域がはっきりと分かれてきている。
 流域別の人口推移をまとめると、次のとおり整理できる。
(a) 日野川・足羽川下流域の福井市および日野川中流域の武生・鯖江市の両市は、昭和60年以降鈍化傾向にあるものの、一貫して増加している。
(b) 足羽川流域および真名川流域では、一貫して減少している。
(c) 兵庫川・竹田川流域、天王川流域では、昭和45〜50年頃まで減少傾向にあったが、それ以降は増加の傾向を示している。
(d) 本川流域では、昭和15〜25年を除き減少していたが、平成2年から増加している。
(e) 日野川上流域では、昭和45年まで微増減を繰り返していたが、昭和45年から増加傾向に転じ、昭和60年から減少傾向にある。
 人口推移状況から、大きく増加型、減少型、平衡型の3タイプに分類すると、次のとおりに分けることができる。
(a) 増加型− 福井市(九頭竜川下流・日野川下流・足羽川下流)、日野川中流域、兵庫川・竹田川流域
(b) 減少型− 足羽川流域、真名川流域、日野川上流域
(c) 平衡型− 本川、天王川流域
 全体的には、都市部で増加傾向、山間部で減少傾向にあるといえる。
 人口増加の著しかったのは福井市であり、昭和25年から45年間で約46%増加している。しかし、昭和60年から10年間は約2%と鈍化傾向にある。日野川中流域の武生・鯖江両市も昭和60年間ら10年間に約2.6%増加している。また、兵庫川・竹田川流域では約6%増加している。
 このように、近年においては福井市を中核として、都市域が拡大しつつあり、武生・鯖江両市や兵庫川・竹田川流域の坂井・春江・松岡町でも増加傾向がみられる。
(3) 年齢別人口割合の推移
 年齢別人口割合は、図1.3.5のとおり、県全体とほぼ同様に推移している。
 昭和35年には、65歳以上が約7%で14歳以下が約30%であったものが、平成7年にはどちらも約17%と均衡するようになっている。
 福井市、兵庫川・竹田川流域、日野川中流域では65歳以上の割合が16〜17%であるが、その他の流域では約20%と高く、特に足羽川流域では約26%となっている。一方、14歳以下の割合は全般的に16〜18%と大差はみられない。
図1.3.5 流域別の年齢別人口割合の推移
図1.3.5 流域別の年齢別人口割合の推移


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