流域には、“関西の奥座敷”や“おしゃれ湯の町”といわれ、全国的にも良く知られている芦原温泉をはじめとして、多くの温泉が点在している。
芦原温泉は、明治16年(1883)9月、灌漑用水のために掘抜井戸を掘っていたところ、塩分を含んだ温湯が湧き出し、翌年2月に田中々の水田を試掘して華氏140度の温泉脈を発見し、さらに舟津・二面でも試掘に成功した。最初の発見地の名称をとって、十楽温泉として付近の住民たちが湯治に利用していた。本格的な発展は、明治45年(1912)の三国線(現在は廃線)開通以後で、関西方面からの行楽客が増加した。昭和31年(1956)に街の大半を焼失するという大火に見舞われたが、その後近代化されて一層賑わうようになった。
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