九頭竜川流域誌


4.2.2 電気事業の始まり

 福井県の電気事業は、明治28年(1895)末に京都電灯株式会社が福井市佐佳枝町に福井支社を開業したのに始まる。これは、足羽郡酒生村宿布(現福井市)に足羽川を利用した水力発電所を建設することとなり、同30年(1897)5月に認可され、11月に起工された。宿布発電所は、出力80kwの発電器を設置して、同32年(1899)2月に竣工し、5月21日より福井市内225戸に配電を開始した。
 京都電灯福井支社では、宿布・中尾(現勝山市)・小和清水(現美山町)の各水力発電所に加えて、大正4年(1915)に福井市日ノ出下町に蒸気力による出力320kwの日ノ出火力発電所、同7年(1918)滝波川を利用して大野郡北谷村(現勝山市)に出力800kwの木根橋水力発電所を、翌8年(1919)には大野郡野向村(現勝山市)に出力800kwの薬師水力発電所を建設して、急増する需要に対応した。
 大正10年(1921)末における福井県内の電気事業は、電気会社16社、発電所22(うち水力13、火力3)、発電力12,678kwとなった。この年の福井県下の全戸数は118,838戸であり、約80%に配電されていた。(※福井県史 通史編5 近現代一 p.938〜939)



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