九頭竜川流域誌


5.5 新世紀への船出

 昭和63年(1988)12月に、西暦2000年を目標年次とする「福井県新長期構想 福井21世紀へのビジョン」が策定された。この新長期構想は、「美しくたくましい福井を」を基本理念とし、「生活満足度日本一の人口100万人県・福井」を基本目標にふるさとづくりが着実に進められてきた。
 しかし、わが国では21世紀を目前にして「共生の時代」「地球の時代」「少子化・高齢化時代」「高度情報化時代」を迎えた。一方、福井県においても、このような時代の大きな転換期にも即応できるとともに、21世紀初頭を見通した新たな指針づくりが必要となった。
 そこで、福井県では、平成9年12月に平成22年度(西暦2010年)を目標年次とする新長期構想「福井21世紀ビジョン」を策定した。このビジョンは、福井県が21世紀初頭において、わが国経済社会の大きな変革期の中にあって、いかに光り輝くことができるかという観点に立って、「美しく たくましい 福井を」を基本理念に、「生活満足度日本一・地球時代に光り輝く福井県」を基本目標に掲げている。
 長期構想は、基本目標を実現するために、次の4つの柱からなっている。

(a) 創造性と活力ある産業の育成
(b) 世界に広がるネットワークの構築
(c) 豊かな心を育む県民風土の醸成
(d) 活力とやすらぎのある県民生活の実現

 河川に係わるところは、主に「活力とやすらぎのある県民生活の実現」であり、多様で良好な河川環境を活かした水辺空間の整備や水と緑のネットワーク構想の推進、風水害や地震などの自然災害に強いまちづくりの推進、そして河川改修などによる治水対策や森林整備による治山対策などの推進などが挙げられている。
 また、「新しい視点からとらえた発展構想」の中には、水質保全や水資源対策、治山・治水対策および森林、農用地等の適正な管理などについて記されており、河川上流の水源地域と利益を享受する中・下流域とを一体とした水土保全対策を講じ、水土保全による健全な水循環系の確保を図るものとしている。


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