九頭竜川流域誌


1.2 治水計画および治水事業の経緯

  九頭竜川水系の治水計画と治水事業の経緯を表2.3.1に、それの契機となる洪水と治水事業内容を表2.3.2に示す。また、その内容を以下に示す。

表2.3.1 治水計画と治水事業の経緯

 表2.3.2 治水計画の内容
治水計画 工期 着手の契機 計画高水流量
(基本高水流量)
工事内容
九頭竜川第一
期改修計画
明治33年
〜 44年
明治18年、
明治28年、
明治29年、
明治32年の
4大洪水
(九頭竜川)
布施田 4,170m3/s
中角 3,058m3/s
(日野川)
深谷 1,667m3/s
(足羽川)
前波 695m3/s
九頭竜川左岸約21.4km、右岸約23.4kmの築堤。日野川左岸約5.1km、右岸4.3kmの築堤。足羽川右岸約12.6km、左岸10.8kmの築堤。
七瀬川左右岸延約3.2kmの築堤。河口部の浚渫。
足羽川は水越地内で放水路を新設。
荒川水門等
九頭竜川
第二期改修計画
明治43年
〜大正13年
明治時代の
4大洪水
(日野川)
三尾野 1,389m3/s
日野川増水時の支川筋への逆流被害防止を目的に、築堤あるいは修築、河道掘削・浚渫。浅水川のショートカット。
狐川に水門を設置。
その他
九頭竜川
再改修計画
昭和31年
〜昭和35年
昭和28年9月台風13号出水
布施田 5,400m3/s
中角 3,058m3/s
深谷 2,830m3/s
三尾野 2,040m3/s
天神 890m3/s
低水路の浚渫。高水敷の掘削による河積拡大と堤防嵩上・補強浚渫。
掘削土は湿田の乾田化に使用する。
水制の補強、樋門樋管の改築。
その他
改修変更計画 昭和35年 昭和34年8月台風7号出水及び9月台風15号出水
布施田 5,400m3/s
(6,400m3/s)
中角 3,800m3/s
(5,300m3/s)
深谷 2,830m3/s
三尾野 2,040m3/s
天神 890m3/s
九頭竜ダム建設による洪水調節を検討。
九頭竜川水系
工事実施基本計画
昭和41年 昭和41年の一級水系指定
布施田 5,400m3/s
(6,400m3/s)
中角 3,800m3/s
(5,300m3/s)
九頭竜ダムの建設。
九頭竜川、日野川の堤防拡築、河道掘削・浚渫、護岸、水制の施工。
その他
九頭竜川水系
工事実施基本計画
(第1回改定)
昭和43年 昭和40年の奥越豪雨
布施田 5,400m3/s
(8,000m3/s)
中角 3,800m3/s
(6,400m3/s)
深谷 2,830m3/s
(3,200m3/s)
三尾野 2,400m3/s
(2,400m3/s)
前波 700m3/s
(1,100m3/s)
真名川ダムなど上流ダム群による洪水調節。
九頭竜川、日野川の築堤・護岸および拡築、河道掘削による河積拡大。
江端川・荒川・狐川などの低地河川の内水対策。
その他
九頭竜川水系
工事実施基本計画
(第2回改定)
昭和54年
〜現在
昭和47年9月台風20号
出水、
昭和50年8月台風6号出水
布施田 9,200m3/s
(12,500m3/s)
中角 5,500m3/s
(8,600m3/s)
深谷 4,800m3/s
(5,400m3/s)
三尾野 3,300m3/s
(3,300m3/s)
前波 1,800m3/s
(2,600m3/s)
2日雨量の超過確率1/150年で計画の見直しを図る。
上流の多目的ダム群による洪水調節と水資源の合理的利用の促進。
九頭竜川堤防の新築・拡築、河道掘削。
日野川五大引堤などの促進。内水対策。
足羽川ダム建設。
その他
(           )内値は基本高水流量である


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