九頭竜川流域誌


3. 福井県管理河川の改修
3.1 改修の経緯

(1) 概要
  福井県では、河川の破堤氾濫や越水、低地での内水被害を防除し、安全で安心できる県土づくりを進めるとともに、良好な河川環境を保持するために、国・市町村ならびに住民と連携を図りつつ河川改修を継続して実施している。特に、県土保全上または県民経済上からみて重要な河川や近年において災害の著しい河川、地域開発等の他事業関連で整備を要する河川、地域住民の生活に密接に関連した河川等を重点的に事業の促進を図っている。
(2) 主要な河川の改修経緯
  現在までの河川改修の主な経緯は、次のとおりである。
  1) 広域基幹河川改修事業(旧中小河川改修事業)
 福井県での中小河川改修事業は、昭和7年(1932)から9年(1934)までの間に、国費226,650円の交付を受けて施行した。その後、昭和10年(1935)から20年(1945)までは、ほとんど改修にみるべきものがなかった。
  福井県施工による河川改修が本格的に始まったのは、昭和21年(1946)からの中小河川改修事業による清滝川、河和田川の改修である。翌22年(1947)には、荒川が災害復旧と併せて福井市豊島中〜原目の区間の改良に着手し、昭和25年(1950)に荒川改修の第一期工事が完成した。さらに昭和35年度から、昭和28年、34年の洪水被害を契機とした水門・排水機場設置を含む第二期工事に着手した。
  昭和23年(1948)6月の福井地震によって、福井市をはじめ福井平野一帯の町が壊滅的な被害を受けたが、河川堤防をはじめ橋梁や各種工作物も大きな被害を被った。これを契機に、坂井平野の洪水対策を図るために昭和25年度より竹田川改修に着手した。次いで、吉野瀬川、浅水川の改修にも着手した。竹田川については昭和32年(1957)、吉野瀬川は昭和38年(1963)に、当初計画に基づいた改修を完了した。
  その後、各河川においては計画の見直しが行われ、現在に至っている。
  2) 広域一般河川改修事業(旧小規模河川改修事業)
  小規模河川改修事業は、昭和34年度から始まった事業で、まず和田川を対象とした。次いで、昭和35年度から天王川が、翌36年度から熊坂川、志津川の改修に着手した。
  その後、旧中小河川改修事業と同様、各河川においては計画の見直しが行われ、現在に至っている。
  3) 局部改良事業
  局部改良事業による河川改修工事は、当初災害防除事業といわれ昭和12年(1937)から始まっている。昭和22年(1947)当時は、まだその呼称が使われていたが、武生市広瀬町の吉野瀬川などで実施していた。
  4) 都市基盤河川改修事業(旧都市小河川改修事業)
  都市小河川改修事業は、昭和45年(1970)度に創設され、施行主体は河川管理者である都道府県知事であり、協議の上で改修工事の実施を市長に委ねるという方法で行われてきた。その後、昭和62年(1987)に河川法の一部が改正され、指定区間内の一級河川および二級河川について、一定の市の長が施行することができる河川工事として法的に位置付けられた。平成9年(1997)度に事業名称が「都市基盤河川改修事業」と変更され、福井市が実施都市に指 定された。
 馬渡川が都市小河川として採択され、昭和59年度より事業に着手された。
  5) 住宅宅地関連公共施設整備促進事業制度にかかる河川事業
  昭和53年(1978)度に住宅宅地関連公共施設整備促進事業制度が生まれ、住宅宅地開発事業区域で一定の条件下において、開発の影響により改修が必要となる河川を、住宅宅地事業と一体的に整備できる事業である。
 未更毛川が、昭和62年(1987)度より天井川の解消と河積拡大を目的に、事業に着手された。
  6) 河川環境整備事業
  河川および沿川地域の環境、景観を改善し、水辺の積極的な利用の促進を図るべく設けられた事業で、河川敷整備などもその一つである。福井県においては、昭和44年度より、まず足羽川で実施された。


九頭竜川流域誌メニューへ
第3章メニューへ
戻る次へ
TOPに戻る

Copyright (c) 国土交通省近畿地方整備局 福井工事事務所 2001 All Rights Reserved.