九頭竜川流域誌


6.5 日野川の県営第一工業用水

(1) 日野川沿いの工業団地
  日野川沿いには、武生市・鯖江市の両市を中心に古くから繊維、機械、化学工業をはじめ眼鏡枠、漆器、和紙、打刃物等の特産工業が発達している。
 福井県は、昭和36年(1961)3月「中小企業振興資金助成法」の公布後、散在している中小企業を郊外に移転させ、設備の近代化・適正規模化、共同事業の実施、労働者の福利厚生の充実等を図る目的で、染色工業および眼鏡枠工業の工場集団化を目指して鯖江工業団地造成を計画した。昭和40年(1965)には、眼鏡団地の整備が完了した。
  さらに、「農村地域工業導入促進法」(昭和46年(1971)6月)、「工場再配置促進法」(昭和47年6月)の制定により、工業団地造成に拍車がかかり、鯖江市のほか、武生市おいても計画が進められた。
(2) 工業用水
  日野川下流域の武生・鯖江両市を中心とする丹南地区の工業用水は、ほとんどが地下水に依存しており、急激に増加する工業用水需要に対処できなくなり、日野川上流に建設される広野ダムに水源を求め、鯖江東部工業団地に日量43,200m3(0.5m3/s)を供給する計画が進められた。そして、広野ダムの貯水を利用し、最大0.5m3/sを鯖江東部工業団地に供給されることとなった。
  福井県は、昭和48年(1973)4月に工業用水道事業に着手した。そして、県営第一工業用水として、昭和50年(1975)10月に水利使用許可を受け、12月からダムの放流水を鯖江市白鬼女橋上流地点にて取水し、水中ポンプ3台で約3.5km離れた配水池に送水し、そこから鯖江東部工業団地の各社に自然流下によって給水することとなり、昭和53年(1978)4月からは計画区域全域の給水を開始した。
図3.2.5県営第一工業用水道給水区域図


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