九頭竜川流域誌


5. 真名川

  真名川の五条方には、堀兼用水、大井用水のための取水口があり、森政領家地区には明後用水の取水口があった。これらの取水口は、洪水のたびに破損し、修理を行っていた。
 昭和24年(1949)頃に3用水を合併し合同の堰堤を造る案が出てきて、各用水組合で協議を重ねた。当初はなかなか決まらなかったが、ようやく組合を存続するという形で工事を行うことで決着した。
  取水口は堀兼用水の取水口とし、ここに3用水の合同頭首工を築造して、北陸電力五条方発電所の落水をも合わせて取水することとなった。水量の配分については、各組合の反別を基準とし、土質や水の浸透度、排水の利用度などを考慮して決定することとした。また、経費負担についても意見がまとめられ、県営事業として実施された。
 そして、昭和29年(1954)に着工され、昭和33年(1958)に竣工した。この工事の完成によって、日照りが続いても2ヵ月は大丈夫といわれ水不足や水争いも解消され、洪水のたびに堰の流失や崩壊することもなくなり、安心して農業に専念できるようになった。
  工事では、統合した頭首工と分水工2ヵ所、導水路延長11,050mの新設および改修が行われた。なお、昭和31年(1956)には木の本原野196haの開拓のため、真名川用水を利用することとなった。
 堰堤を見下ろす堀兼取水口の所には、大野盆地1,500ha余の田地を潤す真名川用水の記念碑が建てられている。(※上庄のあゆみ)

図3.3.9真名川用水区域
上流から見た頭首工 用水記念碑
上流から見た頭首工 用水記念碑
下流から見た用水路 水道記念碑
下流から見た用水路 水道記念碑


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