九頭竜川流域誌


3.3.2 鷲ダム

(1) 概要
鷲ダム
鷲ダム
 鷲ダムは、長野発電所の放流水を貯留して、同発電所へ揚水時の下池の役割を果たしている。また、放流水を調節して湯上発電所に送る役割を果たすために設けられたダムで、ダムの高さ45mのアーチ重力式コンクリートダムである。
(2) 長野発電所
 この発電所は、九頭竜ダム左岸側地下に設けられた、最大出力220千kwの自流揚水混合方式の発電所で、この種の方式の発電規模としては、わが国有数のものである。自流式発電所では、発電に利用した水をそのまま下流に流しているが、混合方式発電所とは、放流した水を下池(鷲調整池が役割)に溜め、火力・原子力発電所の深夜余剰電力を利用し、水車を逆回転(ポンプの役割)させ、下池の水を上流(九頭竜貯水池)に汲み上げ、昼の最も電力を必要とする時間に自流の水と合わせて発電する方式で、こうした方式の発電所が次々と建設されるようになった。この発電所で使用される水量は、最大で毎秒266m3/sである。
(3) 湯上発電所
 鷲ダム調整池で調節された水に、山原ダムで石徹白川残流域の水を加え、山原ダムから3.5kmの導水圧力トンネルで下流の湯上地点に導き、最大出力54千kwの発電を行い、直下流の仏原ダム調整池(北陸電力梶jに放流しているのが湯上発電所である。ここで調節放流される豊富で安定した水は、下流の発電所群の発生電力増加に、また、他の用水にも大きく貢献している。


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