九頭竜川流域誌


3.2 日野川五大引堤

  日野川の九頭竜川合流点〜足羽川合流点区間は、川幅がきわめて狭くかつ蛇行が著しいうえに、河床勾配が本川の約1/1,150に対して1/6,400と非常に緩く、そのうえ九頭竜川本川にほぼ直角に合流していることもあり洪水ともなれば流れが滞る。そのため、足羽川や底喰川などの支川の排水にも、大きく影響を及ぼし、降雨状態によっては福井市内の低平地が浸水するなどの被害をもたらしている。
 このような状況を解消するため、流下能力の増大と洪水時における水位を下げ、支川および低平地への影響を緩和する目的で、安竹地区、三郎丸地区、大安寺地区、深谷地区、下市地区の5地区を対象に、堤防を従前の位置から堤内側にセットバックさせて川幅を広げる引堤を行うとともに、河道を掘削して河積を広げ洪水の流れを円滑にして、日野川の洪水氾濫防止と洪水時における水位低下を図り支川の排水を良くし、併せて支川の氾濫を防止するための大事業を進めることとなった。
 引堤工事は、先ず安竹地区で昭和53年度に着手し、用地取得後の54年度から築堤工事を始め昭和62年度に完成した。次いで、昭和58年度より三郎丸地区の用地取得に着手し、翌年から引堤工事を始め平成7年度に概成した。さらに、昭和63年度には大安寺地区にも着手し、平成12年9月に完成した。現在は、平成11年度に深谷地区の引堤工事に着手し、これを継続するとともに、残りの下市地区の工事に着手する予定である。

引堤後の安竹堤防と日野川(上流に向かって撮影)
引堤後の安竹堤防と日野川(上流に向かって撮影)
大安寺地区引堤(平成6年8月の状況)
大安寺地区引堤(平成6年8月の状況)
三郎丸地区引堤(平成6年8月の状況)
三郎丸地区引堤(平成6年8月の状況)
図4.1.4(a)日野川五大引提計画平面図
図4.1.4(b)日野川五大引提標準断面


九頭竜川流域誌メニューへ
第1章メニューへ
戻る次へ
TOPに戻る

Copyright (c) 国土交通省近畿地方整備局 福井工事事務所 2001 All Rights Reserved.