九頭竜川流域誌


3.3 日野川災害復旧等関連緊急事業

  平成10年(1998)7月10日に鯖江市を中心とした豪雨があり、日野川右支川浅水川では一部区間で越水氾濫し、床上・床下浸水などの大きな被害が発生した。そこで、福井県は、浅水川の流下能力を向上させるために河道断面を拡大することとなり、引堤や河道掘削を伴う抜本的な河川改修を実施することとなった。
  河川災害に対しては、従来より河川等災害復旧事業等による“原形復旧”や、河川等災害復旧助成事業による“改良復旧”が実施されてきた。災害復旧は原形復旧が原則であるため、被災前と同程度の復旧にならざるを得ない。また、従前の上下流の流量バランスを考慮した整備となるため、被災流量を安全に流下する流量とするように河川改修を進めることが難しかった。
  建設省は、激甚な水害が発生したとき、これを解消する目的で、上下流一体となった抜本的な治水対策を推進するため、「越水させない原形復旧」(災害復旧制度の拡充)と併せて、上流部における災害復旧等に伴う流量増に対し、下流部においても流量増加に対応できるような改修を実施できる「河川災害復旧等関連緊急事業」制度を平成10年3月に創設した。
  福井県が実施する浅水川改修に併せて、建設省近畿地方建設局福井工事事務所では、日野川の深谷から久喜津までの6.8kmを対象に、河道掘削や築堤などの河道改修を「日野川災害復旧等関連緊急事業」で平成11年度より実施している。


事業内容等
築堤: 1,250m、堤防嵩上げ等:1,480m、河道掘削:1,440千m3
護岸: 400m、橋梁1橋
工期: 平成11年度〜13年度

図4.1.5 日野川災害復旧等関連緊急事業区間
河道掘削区間 引堤区間


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