九頭竜川流域誌


3.5 防災対策
3.5.1 防災ステーション

  九頭竜川と日野川の合流点には、高規格堤防(天幅が広く、裏法面が通常の堤防よりはるかに緩い堤防)化した土地に地震や洪水などの自然災害時の防災拠点となるようヘリポート、現地対策本部、救援物資集配ステーション、土木資材備蓄の機能を備えた基地としての防災ステーションを整備する計画が立てられた。なお、平常時は主として防災教育施設として活用する計画である。
 当該地区は、九頭竜川河口から約16kmの位置にあり、船舶による支援物資の輸送が可能であるほか、市街地から少し離れておりヘリコプターの離着陸が容易にできる場所でもあり、空路輸送も可能な場所である。さらに、国道8号からは約5.5km、北陸自動車道からは約8kmのところに位置し、川・陸・空を使った多様な輸送が駆使できる。
  一方、当該地区周辺には、桜づつみやふれあい遊歩道、福井・永平寺自転車専用道路のほか、日野川浄化センターの「スウェッジガーデン」などがあり、これらの一体化を図った広域的な避難所および災害支援活動が行える拠点として、安全で安心できるまちづくりに重要な役割を果たすこととなる。
  福井市は、昭和23年(1948)6月の福井地震、そして同年7月の洪水、昭和28年9月の13号台風による三郎丸地先堤防決壊による大災害、さらには昭和34年8月の台風7号、昭和36年9月の第二室戸台風、昭和39年7月の豪雨などによって大災害を被っているほか、平成9年(1997)1月にはロシア船籍タンカー重油流出事故など、特殊な災害経験を踏んできている。さまざまな災害に迅速かつ的確に対応できる基地が求められているなかでこの防災ステーションは、資材の備蓄基地としての役割のほか、広域的な災害に対応できる総合防災基地として位置づけている。


完成予想図
完成予想図


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