九頭竜川流域誌


4.12 兵庫川

(1) 流域の概要
  兵庫川は、冠岳の連山である池の谷山(標高746m)に源を発し、鳴鹿大谷を下って十郷用水路と並ぶように西北流し、舟寄、西長田、下兵庫、木部東、今井付近を蛇行しながら流れ、楽円で竹田川に合流する流路延長が約25kmの河川である。河川勾配は、往古に舟が往来したといわれている舟寄までの約12kmの区間が1/3,000〜1/2,000と緩くなっている。
  兵庫川流域は、松岡町・丸岡町・春江町・坂井町・芦原町・三国町の6町にまたがり、流域面積47km2で、竹田川流域面積の約23%を占める。地形的には、流域の約93%が平地であり、その内85%が水田である。流域の最大の特徴は、地盤が低い地区が約75%を占めていることである。
(2) 治水計画の概要
  兵庫川は、昭和5年(1930)からの農林事業および昭和23年(1948)の福井地震による「福井石川特殊排水事業(農林)」によって、ほぼ現在の姿が形成された。その後、局部的には改修が行われたものの、一定の計画に基づくものではなかった。近年においては、昭和56年(1981)7月の梅雨前線による洪水被害を契機に福井県は、災害復旧助成事業で竹田川合流点より上流2.15kmの改修工事を実施した。なお、そのときの計画高水流量は、下流部において180m3/sの暫定流量であった。
図4.1.26兵庫川流域図
  兵庫川は、竹田川合流点より上流約6km区間では川幅が50〜60mと広いが、それより上流では平均20mと狭く、疎通能力が平均50m3/s程度である。
  
兵庫川
兵庫川(下兵庫付近)
昭和56年(1981)7月出水では、中流域で浸水被害が発生している。
  このような河川状況にある兵庫川は、安全度評価を行うと超過確率で1/12年程度であり、竹田川流域との整合性などを考慮して改修計画を立てることとなった。
  そして、竹田川合流点から井向地先までの6.84km区間を対象に、超過確率1/50年で、主として河床掘削および河道拡幅によって改修を進めることとなった。なお、兵庫川堤防が竹田川計画堤防より約1m低いため、下流端に逆流防止水門を設置するセミバック堤方式で改修することとしている。

図4.1.27兵庫川計画高水流量配分図


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