九頭竜川流域誌


4.14 片川

(1) 流域の概要
  片川は、朝倉山付近に源を発し、低平地を北東に流れ、福井市と三国町との境界あたりで放水路を分派する。片川は北東方向に流れ、三国町山岸付近で九頭竜川に合流する。現在では、放水路を本川として取り扱い、それより下流の片川は旧片川としている。
  片川流域は、放水路流域が13.97km2、旧片川流域が2.0km2の15.97km2である。流域の土地利用は、田畑が約75%、山地が約16%、宅地が約9%である。
(2) 治水計画の概要
  片川は、昭和37年度より小規模河川改修および河川局部改良事業などで、改修工事を実施し、さらに昭和51年度より放水路工事に着手し平成2年度に完成した。また、内水地域であるため、放水路の九頭竜川合流点には、樋門および9.6m3/sの排水容量を持つ福井県管理の排水機場が設置してあり、旧片川が九頭竜川に合流する地点には2.0m3/sの排水容量を持つ建設省管理の排水機場が設置してある。
  しかし、片川流域では、毎年のように浸水被害が発生しているため、改修済み区間の上流1,340mを対象に、超過確率1/30年で改修を進めることとなった。
片川下流部(白方橋付近) 片川中流部(片川橋付近)
片川下流部(白方橋付近) 片側中流部(片川橋付近)
図4.1.30片川流域図
図4.1.31片川計画高水流量配分図
(3) 事業の効果
  片川は、治水安全度を超過確率1/30年として事業を実施することによって、約610haの区域内の家屋52戸、約25haの宅地、工場3棟、約580haの田畑が氾濫による被害から守られるなど、大きな事業効果が期待できる。
(4) 改修工事の概要
  片川は、昭和37年(1962)度から三国町沖野々〜山岸区間3,350mを小規模河川改修事業で改修に着手し、昭和45年(1970)度に完成した。その後、昭和51年(1976)度からは、同様の改修事業で福井市波寄町〜三国町下野区間2,532mの放水路工事に着手し、これを平成2年(1990)度に完成させた。この間には、建設省が昭和47年(1972)度から53年度にかけて片川排水機場(1.0m3/s×2台)および樋門築造を実施した。そして、平成3年(1991)度から一般河川改修事業で、福井市浜島町〜白方町区間1,340mの改修に着手し、平成10年(1998)度に完成した。ここに、河積の拡大、河道の整正、内水対策などの片川河川改修事業が竣工した。


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