九頭竜川流域誌


4.7 朝六川

(1) 流域の概要
  現在の朝六川は、大正13年(1924)に浅水川が付け替えられるまで、浅水川の本流であった。そして、朝六橋より上流については、昭和8年(1933)〜10年(1935)に麻生津・神明連合耕地整理事業により、屈曲していた河川が是正改修された。
  しかし、朝六橋より下流の朝六川は、大島地区の江端川合流点まで、古来から蛇行を有した河川であり、雑木の繁茂や泥土の堆積などにもよって、氾濫がしばしば生じていた。しかも、朝六川は鳥羽・麻生津・六条地区の基幹排水河川である一方、用水源として極めて重要な存在であったため、その改修は地域住民にとって長年にわたる念願であった。
  昭和38年(1963)には、朝六川下流にあたる下荒井・大島地区において、湾曲していた河道の一部がショートカットされ、区画整理も実施された。
  その後、昭和45年(1970)5月1日に福井鉄道の下江尻ガード下より江端川に合流するまでの8.56kmが一級河川に指定され、本格改修に着手されるようになった。そして、昭和56年度より中小河川改修に編入して改修を継続し、昭和63年(1988)度に完成した。
(2) 改修工事の概要
  朝六川の河川改修は、昭和49年度より小規模改修事業によって着手し、下荒井町10字寺端から12字航戸にかけて、蛇行している河川を是正するための新川開削が始められ、昭和50年(1975)に暫定掘削と新川の西側集落とを結ぶ下荒井橋が完成した。これは、朝六川としての改修の始まりであった。引き続き、昭和51年度には、引目地区を巻くように蛇行している朝六川を、引目山麓に新川開削を図って疎通をよくする工事を進め、昭和52年、53年度には引目橋から杉谷町御油までの757m区間の新川掘削を実施した。そして、56年〜57年度には災害復旧助成工事で、御油から安保橋下流までの区間を新川開削によって改修を行った。
 これらの旧河川は埋め立てて、新河川用地を提供した土地改良区に払い下げる機能交換が行われた。また、河川改修は、土地区画整理事業と一体となって実施された。
 江端川との合流処理については、合流地点を約300m下流に移動させることとし、昭和62年(1987)末から工事に着手し、新川開削を伴う合流点処理を昭和63年度に終えた。       
(※朝六ツ川改修と土地改良 麻生津北部土地改良区)

江端川合流点付近 朝六川下流部
江端川合流点付近 朝六川下流部
図4.1.17朝六川改修による河道変遷
図4.1.18 中荒井付近の蛇行是正前後の朝六川河道状況


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