2. 建設省のダム事業
2.1 概要

 建設省では、昭和34年(1959)8月および9月の台風による大洪水を契機として、河川改修計画について再検討を行い、昭和35年(1960)の九頭竜川改修変更計画で九頭竜川本川上流に九頭竜ダムを建設することとした。さらに、昭和40年(1965)9月には、3日連続で1,044mmを記録した奥越豪雨に見舞われ、各所で大災害を引き起こした。これは、昭和34年9月の伊勢湾台風がもたらした降雨をも大幅に上まわる降雨量であった。そこで、建設省では昭和43年(1968)に九頭竜川水系工事実施基本計画を策定して治水計画の見直しを行い、その結果、真名川ダムを建設し、他のダム群と合わせて洪水調節を図ることになった。
 九頭竜ダムは、建設省と電源開発鰍ニが共同して洪水調節および発電を目的に建設したものであり、昭和43年(1968)7月に完成した。また真名川ダムは、洪水調節のみならず発電、不特定用水にも利用できる特定多目的ダムとして昭和54年(1979)に完成した。
  現在は、昭和54年(1979)4月の九頭竜川水系工事実施基本計画改定に基づき、洪水を安全かつ確実に流下させるための河道改修と合わせて、洪水を調節して河道負担流量を少なくするよう九頭竜川鳴鹿大堰および上流ダム群の建設促進を図っている。
  また、ダムおよびダム湖の景観を活用した環境整備事業を、九頭竜ダム湖周辺で実施している。さらに、真名川ダムでは、ダム直下流および真名川峡谷の清流回復を図るための水環境改善事業を実施している。



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