2.5 九頭竜ダム貯水池水質保全事業

(1) 概要
  ダムの流域が九頭竜川本川の最上流に位置し、標高1,000m〜1,400mの山岳地帯となっている。また、気象は、寒冷多雨地帯に属し、年間平均気温は約11℃、降水量は3,000〜3,500mm、特に冬季の積雪は3〜5mにも達する。雪崩による崩壊が多く発生し、近年の皆伐施業が進行し、さらに開発計画も立案されていることから濁水源の拡大が懸念されている。昭和51年(1976)の台風17号の出水では、下流への濁水が長期化し、社会問題にもなった。
(2) 事業計画
  貯水池水質保全事業は、貯水池周辺の景観あるいは環境を損なう原因となる土砂の貯水池への流入を軽減し、下流河川の濁水の長期化を防止するため、昭和62年度より事業を着手し、次のことを実施している。
(a) ダム貯水池近辺に植栽や流入土砂防止対策を行う。
(b) ダム流域森林の崩壊地等に植栽による保全整備を行う。
(c) ダム貯水池の本川上流部に水質対策ダムを設置する。
 水質対策ダム(副ダム)は、平成5年(1993)度より着工し、本体工事は平成10年(1998)度に完成した。現在は、副ダム周辺整備を実施している。
完成した九頭竜川水質対策ダム
完成した九頭竜川水質対策ダム
図4.3.8 水質対策ダム周辺整備イメージ
図4.3.8 水質対策ダム周辺整備イメージ


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