九頭竜川流域誌


3. 水防
3.1 水防の沿革

 九頭竜川および日野川は、水防法(昭和24年6月4日 法律第193号)第10条第2項に規定された洪水予報河川であり、同法第10条の4第2項に規定された水防警報指定河川である。平成11年(1999)4月現在、全国では洪水予報河川(水系)として95水系、165河川が、水防警報指定河川(水系)として109水系、308河川が指定されている。
  洪水予報は、水防法第10条に「気象庁長官は、気象等の状況により洪水又は高潮の恐れがあると認められるときは、その状況を建設大臣及び関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関に協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。」と一般的に規定し、それを受けて「建設大臣は、二以上の都府県の区域にわたる河川又は流域面積が大きい河川で洪水により国民経済上重大な損害が生じる恐れのあるものについては、洪水の恐れがあると認められるときは、気象庁長官と共同して、その状況を水位又は流量を示して関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じて報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。」と定め、さらに同条第3項において「前項の河川は、建設大臣が運輸大臣に協議して定める。」ことなどを規定している。 
 そして、建設省設置法12条第1号および、九頭竜川水系に関るものとしては近畿地方建設局組織規程第14条が整備され、水防警報は事務所の所掌業務となった。また、水防警報を適正に実施するための「水防警報実施規程」が作成され、運営が行われている。
 九頭竜川・日野川においては、福井工事事務所長が直轄管理区間の水防警報を行い、また、近畿地方建設局防災業務計画第4章に基づいて、福井工事事務所における「河川災害対策部運営計画(地震災害対策、風水害対策等)」を作成し、災害時に備えている。また、福井県管理河川については、福井県水防計画に基づき水防活動が実施されている。
  九頭竜川や日野川は、地形的特徴や土地利用上などから、洪水の形態に特徴があり、古来から霞堤としたり竹林を河岸に繁茂させるなどして、水害の軽減と防備が図られてきた。
  建設省では、昭和31年度より洪水被害の軽減を図るため九頭竜川再改修に着手し、九頭竜川および日野川下流部の河床掘削や堤防補強、ダム建設や内水排除施設整備、さらには土砂災害を防ぐ砂防事業など進めてきた。また、福井県においては、河川改修やダム建設、砂防事業などを進め、水害や土砂災害の軽減に努めてきた。
  一方、河川を管理する建設省や福井県では、沿川住民の安全を優先して考え、洪水時の警報、水防体制、早期避難のための情報提供など、適切でより正確な情報(洪水予報)を迅速に地域住民に伝達・連絡することを基本方針として、九頭竜川洪水予報連絡会を結成している。これは防災関係機関相互の連絡調整を図るとともに、洪水予報が円滑、かつ迅速に行われるよう協力し、洪水被害の軽減・防止を目的としたものである。



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