九頭竜川流域誌


2.2 ドラゴンリバー交流会

 「ふるさとの母なる河川である九頭竜川水系は、全国的に見てもそう悪い環境ではないかも知れないけれど、悪化しつつあることには間違いない。今からでも遅くはない。千里の道も1歩から、1滴の雨水も寄せ集まって大河となるのだ。気の付いた所から行動しよう。」と、地域の人たちが自ら行動し、自然と人間が共生しつつ、すばらしい水系環境を構築し、次世代に引き継ぐことを合い言葉に、ドラゴンリバー交流会が誕生した。
 

シンボルマーク
シンボルマーク

 ドラゴンリバー交流会は、流域住民の若い女性によって命名され、シンボルマークも九頭竜川の「九」の文字を基本に、九頭竜川・日野川・足羽川の三河川と太陽・人・自然の緑を表現としたシンボルマークが定められ、川を上流から下流まで一つの生き物として捉え、川の自然環境を守り、川の大切さを住民に再認識してもらう取り組みがスタートした。
 そして、平成7年(1995)8月6日には、河川流域の住民ら約200人が出席して設立総会が開催され、会長に当時福井県立大学長であった坂本慶一氏が選ばれ、河川を主軸に人と自然とが共存し、豊かで活力のある地域づくりを進めていこうと誓い合った。
 同年11月19日には、初めての全体会議が開催され、具体的な活動方針が決められた。また、「森林」「親水」「生物」「生活」「研修」「情報」「田園」「海浜」の8部会に分かれて、専門部会ごとの活動展開と運動の盛り上げ方などが検討された。その後、平成10年(1998)4月からは、「水を創り、水を活かし、水と生きる」ということから、「創水部会:川の伝承テーマづくり」「活水部会:川の循環システムづくり」「親水部会:川の交流モデルづくり」の活動3部会をタテ糸に、「北越:九頭竜川下流域・竹田川流域」「高志:九頭竜川中流域・足羽川流域」「奥越:九頭竜川上流域」「南越:日野川流域」の4流域会議をヨコ糸として、九頭竜川水系環境というすばらしい織布を織り上げつつある。
 活動としては、ドングリの森に育つようクヌギ・コナラなどの苗木を源流の山に植樹したり、河川の清掃や各種イベントなどを通じて交流を深め、講演会やフォーラムなどを開催して九頭竜川流域のすばらしさを再認識するなど、毎月活発な活動を展開している。
 特に、平成8年(1996)1月19日(金)には、九頭竜川流域の24市町村の首長が一堂に会しての九頭竜川流域サミットが開催され、「災害に強い流域づくり」「自然と人間が共生する流域づくり」「上下流の交流による地域連携型の流域づくり」をテーマに活発な意見交換がなされ、「自然と人間の共生を目指し、流域の発展を図っていく」などの理念を盛り込んだ九頭竜川流域サミット宣言が採択された。
 このような流域をあげての活動の中でドラゴンリバー交流会は、大野市が水源かん養や自然公園として市民や観光客に憩いの場を提供するため天然のブナ林・ミズバショウの群生地である大野市巣原の平家平の民有地196haを買収したことに対する寄付を、平成8年(1996)6月に実施するとともに、最上流で水源を守っている和泉村に対しても募金を寄付し、激励の手紙を送るなどの支援を行っている。

浄法寺山水源涵養林でのドングリ苗木記念植樹(平成7年5月16日) 人間と自然との共生について話し合う下流域集会(平成9年11月15日)
浄法寺山水源涵養林でのドングリ苗木記念植樹   人間と自然との共生について話し合う下流域集会
(平成7年5月16日) (平成9年11月15日)
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