九頭竜川流域誌


2. 九頭竜川流域における21世紀の川づくり
2.1 川づくりの基本的方向

 建設省近畿地方建設局福井工事事務所と福井県は、平成8年(1996)6月に学識者などからなる「福井の川づくり懇談会」が、長期的・広域的視点に立った「福井の川」のあるべき姿についてまとめた「福井の21世紀に向けての川づくりにおける9つの提言」を受け、これを河川整備の施策展開の基本目標として、平成9年度(1997年)から始まる第9次治水事業五箇年計画に盛り込むこととした。
 この第9次治水事業五箇年計画では、計画推進中に大きな節目にあたる21世紀を迎えることでもあり、九頭竜川流域という大きな枠組みの中で、人と川との過去から現代に至るまでに培われた深い関わりを認識した上で、薄れつつある結びつきの再構築を図り、「ドラゴンが光輝く安全な川」を実現するために、次の基本理念、基本方針に基づいて川づくりを進めることとなった。

 【基本理念】
 21世紀に向けて「活力とやすらぎに満ちたふるさと」を実現するため、自然と人間の諸活動とのバランス、地域の特性を活かし、流域の視点に立って人と川との共存型社会を構築し「人と川とのいい関係」をめざす。

 【基本方針】
 「安心して暮らせる川づくり」、「キレイな町のキレイな川づくり」、「みんなが遊べる、みんなが学べる川づくり」を目標に、治水事業を計画的、重点的に展開する。

(1) 治水・利水−安心して暮らせる川づくり−
 
上空から見た鳴鹿付近
上空から見た鳴鹿付近
住民の生命と財産、生活と社会を守るために、河川改修等の治水事業を社会基盤整備事業の一環として行うとともに、流域の総合的な治水対策を進め、住民の防災意識を高める。
 また、流域の豊かで清らかな水系環境の整備を図り、住民が安心して暮らせる川づくりをめざす。
(2) 環境−キレイな町(地域)のキレイな川づくり−
 
足羽川の桜堤
足羽川の桜堤
地域の文化・風土を生かし、地域と一体となり都市環境・自然環境に配慮した河川整備を行う。
 また、河川とのつき合い方について、住民のモラル、マナーの向上を訴え、きれいな河川環境を創造し、きれいな環境用水の確保に努めた川づくりをめざす。
(3) 親水−みんなが遊べる、みんなが学べる川づくり−
 
川で水遊びする子供達
川で水遊びする子供達
流域住民が、安全に遊べるような河川の整備と、その機会づくりを進め、子供たちの河川教育・生涯学習の拡充を図る。
 また、水系内の交流を促進し、上下流域の連携を強め、住民がふれあう川づくりをめざす。

 建設省直轄事業では、次の4項目を視点に「ドラゴンが光り輝く安全な川づくり」を推進することとしている。
「治水安全度の向上」
「緊急時に備えた体制の確立」
「交流・連携の促進」
「美しい水系環境の実現」


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