東播海岸の概要

東播海岸は、神戸市垂水区塩屋町の堺川から明石市を経て加古郡播磨町の喜瀬川に至る延長約26kmの海岸です。

かつて東播海岸は、柿本人麻呂等の万葉歌人が多くの歌を残し、源氏物語の舞台にもなるなど白砂青松の風光明媚な海岸として広く知られていましたが、明石海峡の潮流等の影響から浸食が進み、台風時等には多くの被害が生じてきました。

このため、昭和36年度から東播海岸の約19kmの区間において建設省(現国土交通省)直轄事業として浸食対策のための護岸整備に着手しました。さらに、昭和44年度からは、昭和39年、40年の台風による高潮災害を契機として、消波ブロックの設置、離岸堤の整備等による高潮対策に着手し、昭和57年度以降は、海浜の利用、環境に対するニーズの高まりを受け、新たに高潮対策を兼ねた海浜を生み出す養浜工を実施しています。

平成2年度より、埋立て事業と一体となり、海岸保全施設を整備するCCZ(コースタルコミュニティゾーン)事業を神戸市舞子地区、明石市大蔵地区の2地区において実施し、平成9年度末に完成したところです。また、平成9年度より文部省(現文部科学省)所管の野外活動・社会教育活動の場として、様々な生物を育む海岸の特性を生かし、子ども達が利用しやすい海岸づくりを行う事業として実施してきた「いきいき・海の子・浜づくり事業」が平成11年度に完成しました。

また、平成8年度より、養浜工の整備によりアカウミガメが産卵に訪れるようになったのを受け、自然と共生する海岸づくりを行う事業として、「エコ・コースト事業」を継続的に実施しています。